JPS5920546B2 - 熱可塑性プラスチツクスと紙との複合成形壜 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱可塑性プラスチックスと紙との複合成形壜に
関するもので、さらに評言すれば、例えば牛乳、果汁、
炭酸含有清涼飲料、ビール、日本酒、しよう油、ソース
、佃煮、漬物、コーヒー等の包装用壜として有用なる熱
可塑性プラスチックスと紙との複合成形壜に関するもの
である。

近年、熱可塑性プラスチックス製成形壜の発展はめざま
しいものがあり、特に射出成形壜、ブロー成形壜は食品
、非食品包装用を問わず使用されているが、いずれも印
刷が困難であり、美麗に仕上がらないという問題点があ
る。すなわち、現状の熱可塑性プラスチックス製成形壜
の問題点として高級印刷が困難であるという点が挙げら
れる。印刷は包装物品の顔であり、印刷効果の良否が消
費者の購買意欲を左右させる一つの重要な役割を有して
いる為、現状の熱可塑性プラスチックス製成形壜にとつ
て、高級品のイメージを付与する印刷の問題が最大のウ
イークポイントとなつているのである。さらに熱可塑性
プラスチックス製成形壜のウイークポイントとして廃棄
焼却時の燃焼カロリーの高いことが挙げられる。

すなわち、プラスチックス産業の発展に伴い年々プラス
チックス廃棄物は増加する一方であり、そのプラスチッ
クスの燃焼カロリーは紙類の約３〜４倍の熱量を発生し
、その高熱量により焼却炉の損耗を速めるという問題点
がある。さらに又、熱可塑性プラスチックス製成形壜の
ウイークポイントとして遮光性に劣るという問題点があ
る。

一方、紙容器は印刷が美麗に仕上がつたものを使用する
ことが出来る為、高級品及び新鮮な容器としてのイメー
ジが強く、又、廃棄焼却時の燃焼カロリーが低いという
無公害性に優れている為、牛乳容器に代表されるカート
ン紙の如く他の材料とラミネートされ牛乳包装資材とし
てはガラス壜を追い抜く勢いであるが不透明な為中身が
見えないという問題点があり、さらに開封使用後の密封
が出来ないという問題点がある。

例えば紙容器に充填された食品の開封後においては密封
出来ず空気にさらされる為食品の品質低下が容易におこ
るという問題点とか、紙容器は不透明な為外観から品質
低下度合いを判別出来ないという問題点等であり、これ
らは紙容器の最大のウイークポイントとなつている。さ
らに又、紙容器は剛性に劣る為、加圧された炭酸含有飲
料容器としては不適当であるという問題点もある。本発
明はかかる問題点を殆んど解決し、熱可塑性プラスチッ
クス製成形壜と紙容器との特長を兼ね備えた画期的な新
規壜に関するものである。

すなわち、本発明は射出成形用コアに紙製容器又は筒状
の紙を装着し、該紙製容器又は筒状の紙の全外周面を射
出成形により被覆した熱可塑性プラスチツクスと紙との
複合容器を各種成形用金型内に移送し、熱可塑性プラス
チツクスにて該複合容器の内面を被覆して−体化させる
ように各種成形方法にて所望形状の壜に成形した熱可塑
性プラスチツクスと紙との複合成形壜を提供するもので
あり、印刷が美麗に施された紙を使用することにより高
級品及び新鮮なイメージが強く付与され、印刷された紙
の全外周面が熱可塑性プラスチツクスにより被覆されて
いる為、耐水性、光沢性に優れ、紙が補強材として使用
出来る為、同容量の熱可塑性プラスチツクス製成形壜よ
りも少ない樹脂量で成形出来、廃棄焼却時の燃焼カロリ
ーが非常に低く紙で覆われている為、遮光性に優れてい
るという特長を有するものである。本発明の熱可塑性プ
ラスチツクスと紙との複合成形壜を製造する方法として
一例を挙げると第２図に示される様に射出成形用コア５
に印刷が美麗に施された紙製容器２を装着し、射出成形
用金型６を閉じ、該紙製容器２の全外周面を熱可塑性プ
ラスチツクス１で射出成形して被覆する。

このようにして得られる熱可塑性プラスチツクスと紙と
の複合容器を、第３図に示される様な成形金型Ｔ（第３
図ではブロー成形用金型を例示しているが、本発明はこ
れに限定するものではない。）に移送する。すなわち、
第３図に示される上下動可能な紙吸着部１２及び吸引路
１３を有する紙保持台１１により保持された所定寸法の
高級印刷された紙製容器２を、左右に開いている成形金
型７の中間の所定位置に導入後、予め射出成形時にねじ
部成形金型８により、首部にねじ部４を形成させ、かつ
、ブロー成形時に供する圧縮空気の送路１０を有するコ
ア受台９に支持されたコア１４に密着させた所定寸法の
熱可塑性プラスチツクス製有底パリソン３を成形温度に
加熱後、左右にひらいている成形金型Ｔの中間の所定位
置に導入する。その後、左右に開いている成形金型７を
閉じ紙製容器２を成形金型７内に残すように紙保持台１
１を下げ、第４図に示す様に底部成形金型１５に入れ替
え圧縮空気の送路１０から圧縮空気をコア１４を通して
該金型内に送入して熱可塑性プラスチツクス内層１６を
形成する如く、ブロー成形し、熱可塑性プラステツクス
と紙との複合成形壜を得る。このようにして得られた複
合成形壜は、高級印刷された紙の内外面が熱可塑性プラ
スチツクスにて被覆されている為、特に防水性、光沢性
及び紙の端部の摩耗が無いという優れた特長に加え、高
級品のイメージが強く付与され、かつ廃棄焼却時の低燃
焼カロリー性及び遮光性に優れているという特長を有す
るものである。本発明における−般の成形方法には、射
出成形、ブロー成形（多層ブロー成形、延伸ブロー成形
を含む。

）圧空成形、深絞り成形、真空成形等があり、いずれに
も限定されるものではない。さらに、上記例は紙製容器
を使用したが筒状の紙の場合も同様に成形出来、その形
状も円形、多角形いずれにも限定されるものではなく、
さらに該壜の首部の形状を有する筒状の紙をも使用出来
る。さらに又、首部の口部はねじに限定されるものでは
なく、他のいかなる形状でもよい。本発明において使用
される熱可塑性プラスチツクスには、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン
、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ
ブチレン、ポリ４−メチルベンゼン−１等の単独重合体
又は共重合可能な他の単量体との共重合体、例えばエチ
レンー酢酸ビニール共重合体、エチレンーエチルアクリ
レート共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−マレイ
ン酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン一αオレフイン共重合体等があり、さらにエチレン一
酢酸ビニール共重合体のケン化物であるエチレン−ビニ
ールアルコール共重合体も使用出来、さらにこれらの二
種以上の混合物も使用出来、さらに各種ゴム成分及び／
又は各種樹脂添加剤の使用も可能である。

さらに、本発明において使用される紙にはカートン紙、
クラフト紙、段ボール紙、化粧紙等いずれの紙でもよく
、又各種紙を複合させたラミネート紙でもよく、紙と熱
可塑性プラスチツクスとの接着性を良くする為に、紙に
各種プラスチツクスによる接着層及び粘着層を予め複合
させておいてもよい。各種プラスチツクスにはポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニール共重合
体、エチレンーエチルアクリレート共重合体、アイオノ
マー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン一αオレフイン共重合体、ポリ酢酸ビニール、
塩化ビニールー酢酸ビニール共重合体、アクリル酸エス
テル系樹脂、ブチルゴム、イソプレンゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、テル
ペン系樹脂、クマロンーインデン樹脂、石油樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、尿素系樹
脂、メラミン系樹脂、フエノール系樹脂、エポキシ樹脂
等があり、さらにこれらの二種以上の混合物も使用出来
る。以上の如く本発明による熱可塑性プラスチツクスと
紙との複合成形壜は高級印刷された紙の内、外面が熱可
塑性プラスチツクスにて被覆されている為、特に防水性
、光沢性、及び紙の端部の摩耗がないという優れた特長
に加え高級品のイメージが強〈付与され、かつ遮光性に
優れている為、牛乳、果汁、炭酸含有清涼飲料、ビール
、日本酒、しよう油、ソース、佃煮、漬物、コーヒー等
の包装用壜として特に最適である。

次に、本願発明の熱可塑性プラスチツクスと紙との複合
成形壜について実施例により具体的に説明する。

実施例 射出成形用コアに、印刷が美麗に施されたカートン紙容
器を装着し、該容器の全外周面を密度（ＡＳＴＭ− Ｄ
−１５０５）が０．９１９／ＣＣ、メルトインデツク
ス（ＡＳＴＭ− Ｄ−１２３８）が１３．０９／１０ｍ
ｉ！ｔのポリプロピレン（以下Ｐｐと略す）で射出成形
して被覆された複合容器を上下動可能な紙吸着部及び吸
引路を有する紙保持台により保持し、ブロー成形用金型
の中間の所定位置に導入後、予め射出成形時にねじ部成
形金型により、首部にねじ部を形成させた所定寸法の密
度（ＡＳＴＭ− Ｄ−１５０５）が０．９１ｙ／ＣＣ）
メルトインデツクス（ＡＳＴＭ−Ｄ−１２３８）が１．
５０ｙ／１０ｍｍ（７）ＰＰ製有底パリソンを成形温度
に加熱後、左右に開いている該成形金型の中間の所定位
置に導入後、該成形金型を閉じ、該複合容器を該成形金
型内に残すように該紙保持台を下げて底部成形金型に入
れ替え、圧縮空気の送路から圧縮空気をコアを通して該
金型内に送入してブロー成形し、第１図に示す様なＰｐ
とカートン紙との複合成形壜を得た。

この複合成形壜は高級印刷されたカートン紙の内、外面
がＰＰにて被覆されている為、特に防水性、光沢性、及
び紙の端部の摩耗がないという優れた特長に加え、高級
品のイメージが強く付与され、該壜の周囲がほとんど紙
で覆われている為、遮光性に優れ、かつ第１表に示した
様に廃棄焼却時の燃焼カロリーが非常に低いという特長
を有していた。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明にかかる熱可塑性プラスチツクスと紙との
複合成形壜の一実施例又は該壜の成形中を示し、第１図
は熱可塑性プラスチツクスと紙との複合成形壜の一部切
欠側面図であり、第２図は射出成形用コアに装着させた
紙容器の外周面に熱可塑性プラスチツクスを射出成形し
複合容器を製造する途中を示す縦断面図で、第３図は紙
保持台で保持した複合容器及び熱可塑性プラスチツクス
製有底パリソンをブロー成形金型内に導入後該金型を閉
じた状態を示し、第４図は紙保持台を底部成形金型に入
れ替えブロー成形する操作中をそれぞれ示している。 符号の説明、１ ・・・・・・熱可塑性プラスチツクス
、２ ・・・・・・紙製容器、３ ・・・・・・熱可塑
性プラスチツクス製有底パリソン、４ ・・・・・・ね
じ部、５ ・・・・・・射出成形用コア、６・・・・・
・射出成形用金型、Ｔ ・・・・・・ブロー成形用金型
、８ ・・・・・・ねじ部成形金型、９ ・・・・・・
コア受台、１０・・・・・・圧縮空気の送路、１１・・
・・・・紙保持台、１２・・・・・・紙吸着部、１３・
・・ ・・・吸引路、１４・・・・・・コア、１５・・
・・・・底部成形金型、１６・・・・・・熱可塑性プラ
スチツクス内層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 射出成形用コアに紙製容器又は筒状の紙を装着し、
   該紙製容器又は筒状の紙の全外周面を射出成形により被
   覆した熱可塑性プラスチックスと紙との複合容器を一般
   の成形用金型内に移送し、熱可塑性プラスチックスにて
   該複合容器の内面を被覆して一体化させるように所望形
   状の壜に成形した熱可塑性プラスチックスと紙との複合
   成形壜。