JPS5919810Y2

JPS5919810Y2 - 内燃機関用エアクリ−ナ

Info

Publication number: JPS5919810Y2
Application number: JP5967679U
Authority: JP
Inventors: 靖彦中村
Original assignee: 株式会社デンソー
Priority date: 1979-05-04
Filing date: 1979-05-04
Publication date: 1984-06-08
Also published as: JPS55158268U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、例えば自動車内燃機関のキャブレタおよびイ
ンテークマニホールドから蒸発する燃料蒸気を吸着し、
大気への炭化水素の放出を防止するための内燃機関用エ
アクリーナに関するものである。

従来はエアクリーナの内部に設置したエレメントを２つ
またはそれ以上に分割し、その１つに粒状活性炭を組込
むもの、あるいはエレメントのヒダ折りした空気清浄用
炉材のヒダの間に粒状活性炭を詰めたもの、またはエア
クリーナの入口部やエアクリーナ内のキャブレタ取付部
の周辺部に粒状活性炭を設置したもの等が提案されてい
る。

しかし、粒状活性炭をエアクリーナに組込む場合、この
エアクリーナがキャブレタの上に直接取付けられるもの
では、エンジンの振動がエアクリーナに直接伝わるため
、粒状活性炭が振動で摩耗し、微粉となってキヤプレタ
へ吸込まれてキャブレタの性能を損なう恐れがあった。

また、粒状活性炭を、エレメントのヒダ折りした空気清
浄用炉材のヒダの間に入れる場合、その粒状活性炭の保
持が複雑になること、粒状活性炭を詰めることで通気抵
抗がかなり大きくなるとともに、その通気低抗の調節が
困難なこと、および粒状活性炭が振動で摩耗した場合、
空気清浄用炉材の目詰りを促進させる等の問題があった
。

また、燃料蒸気は空気の２倍以上の比重があり、キャブ
レタ側から蒸発した燃料蒸気はエアクリーナ内の下側に
集中的に溜り、前記粒状活性炭の層のうち下側のみが有
効に作用し、上側は有効に働かないか、上側が有効に作
用し始めた時は下側は活性炭が破過状態になり、吸着し
ないで外へ排出してしまうため、結局上側の活性炭は有
効な作用をしないという問題があった。

そこで、本考案はリング状の空気清浄用濾過エレメント
の内周側に、活性炭素繊維を含有した炉材を有する燃料
蒸気吸着用のエレメントを配置するとともに、該エレメ
ントの内周側をハウジングの内側に連通し、該ハウジン
グに装着したキャップの背面と蒸気吸着エレメントの一
方の端部との間に複数の弾性部材を互いに隔置して配設
し、該弾性部材にて吸着エレメントをハウジングの底部
方向に押圧して該吸着エレメントの他方の端部をハウジ
ングの底部内面にガスケットを介して固定したことによ
り、活性炭素繊維を含有する燃料蒸気吸着用エレメント
の採用で粒状活性炭のごとく振動で摩耗することはなく
、またこの燃料蒸気吸着用エレメントの上部のバイパス
路にて内燃機関が作動している時の通気抵抗を下げるこ
とができ、しかも燃料蒸気吸着用エレメントを構成する
炉材は、シート状のものを指定の幅で切って丸めるか、
またはヒダ折状にする等、空気清浄用濾過エレメントと
同じ要領で作ることができ燃料蒸気吸着用エレメントを
経済的に提供できる等、数々の利点を有する内燃機関用
エアクリーナを得んとすることを目的とするもので゛あ
る。

以下本考案の実施例について説明する。

第１図乃至第４図において、１は内燃機関、２はインテ
ークマニホールド、３はキャブレタ、４はエアクリーナ
である。

このエアクリーナ４は、金属ケース５、金属キャップ６
、金属インレット７、ケース５およびキャップ６に固着
したリング状ゴム製エレメントガスケット８，９、キャ
ップ６に固着したリング状ゴム製ケースガスケツ）１０
、リング状の空気清浄用濾過エレメント１１．およびこ
のエレメント１１より高さ寸法が低いリング状の燃料蒸
気吸着用エレメント１２等で構成されている。

上記ケース５にはリング状に段部５ａが一体成形しであ
る。

上記空気清浄用沖過エレメント１１は従来から使用され
ているもので、塩化ビニール、ウレタン樹脂、鉄板等よ
りなる端板１３、多数の通気孔を有する補強部材１４、
および不織布等のヒダ加工された空気清浄用炉材１５よ
り構成されている。

また、燃料空気吸着用エレメント１２は次の構造を有し
ている。

即ち、シート状の活性炭素繊維１００％もしくは他の繊
維を含有する吸着炉材１６を帯状にし、この吸着炉材１
６を多数の通気孔を有する金網、多孔板等の補強部材１
７の回りに巻き、その上下両端を塩化ビニール、ウレタ
ン樹脂、鉄板等よりなる端板１８で一体化した構造であ
る。

上記燃料蒸気吸着用エレメント１２はエアクリーナ４の
ケース５の段部５ａとキャップ６との間に組付けられ、
そのケース５の段部５ａに接する側は前記リング状のエ
レメントガスケット９でシールされている。

キャップ６の背面には、複数個のコ字形エレメント押さ
え部材１９が互いに間隙を置いて溶接固定されており、
かつ該押さえ部材１９の端部にゴム等の弾性材製パツキ
ン２０が固着しである。

上記燃料蒸気吸着用エレメント１２は押さえ部材１９に
よりパツキン２０を介して部分的にケース５の底部方向
に押さえられている。

これにより、燃料蒸気吸着用これにより、エレメント１
２はエアクリーナ４の中で゛動かないように固定されて
いる。

なお、部材１９の採用により、該押さえ部材１９の隣接
空間を燃料蒸気吸着用ニレメン１〜に対するバイパス路
２１としである。

また、空気清浄用濾過エレメント１１の内側に燃料蒸気
吸着用エレメント１２が配置されるよう、両者は同心的
にエアクリーナ４内に配置しである。

上記構成に於いて、エアクリーナ４のインレット７を経
て導入された汚染空気は空気清浄用沖過エレメント１１
の部材１５により清浄にされ内燃機関１燃焼室内に吸入
される。

一方、内燃機関１を停止した時、その作動中に発生した
熱でインテークマニホールド２、キャブレタ３が加熱さ
れて、それらの中に残っている燃料が蒸発してエアクリ
ーナ４内に出てくるが、燃料蒸気は空気に比べて分子量
が大きく、比重が空気の２〜３倍もあるため、燃料蒸気
はエアクリーナ４の中の燃料蒸気吸着用エレメント１２
の内側下部空間２２に溜り、前記エレメント１２の吸着
炉材１６に接した部分から吸着炉材１６に吸着され、前
記エレメント１２の上側のバイパス路２１を通って入口
管７側に出て来る量はわずかである。

そして、この吸着炉材１６に吸着保持された燃料蒸気は
内燃機関１の運転時に清浄空気によって除々に離脱し、
燃焼室内へ吸入される。

従って燃料蒸気がエアクリーナ４のインレット７を通っ
て大気中に放出されることはほとんどない。

ところで、上記実施例において、燃料蒸気吸着用エレメ
ント１２と吸入空気清浄用濾過エレメント１１とは互に
別部品で分離構造にしであるため、沖過エレメント１１
の目詰りや、吸着エレメント１２の吸着性能劣化による
交換を任意に行なうことができ、よって交換コストを低
減できるし、両ニレメン）１１．１２の製造も別々の工
程で行なうことができ、製造時の品質維持が容易である
。

また、使用する内燃機関１の種類と必要性能に合わせて
エレメント１１の空気清浄性能、エレメント１２の燃料
蒸気吸着性能を独立して設計できる利点もある。

また、吸着性能を大きくするためには、エレメント１２
の活性炭素繊維を含有する吸着炉材１６を厚くするか、
緻密にする必要があるが、内燃機関１の吸入空気の大部
分はエレユント１２の上部のバイパス路２１を通って流
れるため、吸着炉材１６の通気抵抗の多少の変化は内燃
機関の性能にはほとんど影響を与えないし、必要により
エレメント１２の上部のバイパス路２１の面積を大きく
することで通気抵抗は下げられるので、内燃機関１の出
力低下を防止できる、なお、吸着エレメント１２は２個あるいは数個のエレメ
ント押え部材１９によりエアクリーナ４内に固定されて
いるので、内燃機関１の振動により動いて破損するよう
なことはない。

本考案は、上記の実施例に限定されず、以下の如く種々
変形可能である。

（１）燃料蒸気吸着用エレメント１２に於ける多数
の通気孔付きの補強部材１７は吸着炉材１６に別の繊維
等を混合して強度を向上することにより廃止してもよい
。

（２）空気清浄用濾過エレメント１１の外側に燃料蒸気
吸着用エレメント１２を配置してもよい。

（３）燃料蒸気吸着用エレメント１２の端板１８は弾性
を有する合成樹脂等で成形し、これによりゴム製エレメ
ントガスケット９は廃止しても良い（４）燃料蒸気吸着用エレメント１２の吸着炉材１６は
断面菊花状にヒダ折り加工しても良い。

（５）吸着用エレメント１２の固定手段として第５図に
示す如く、板状スプリング２３を用い、これをキャップ
６にリベットで取付けてもよい。

板状スプリングの他にコイル状スプリングを使用しても
良い。

（６）吸着用エレメント１２の固定手段として第６図お
よび第７図に示す如く、端板１８に２個または数個の突
起部２４を一体成形したものを使用してもよい。

また、突起部２４の形状は円柱以外の形状でも良い。

この場合、端板１８は樹脂等の弾性材で作る。

（７）吸着用エレメント１２の固定手段として第８図に
示す如くゴム等の弾性材料で、２個または数個の突起部
２５を一体に持ったリング状のシート２６を用い、これ
をキャップ６または吸着用エレメント１２の端板１８に
接着、嵌合、据えつける等にてエアクリーナ４に組付け
ても良い。

以上述べたように本考案においては燃料蒸気吸着用の活
性炭素繊維を含む吸着炉材１６を有するリング状の燃料
蒸気吸着用エレメント１２と内燃機関１の燃焼室内に吸
入される吸入空気清浄用の炉材を有するリング状の空気
清浄用濾過エレメント１１とを具備したから、従来のよ
うに燃料蒸気吸着体として粒状活性炭を用いる場合のご
とく、振動によって活性炭が摩耗して微粉塵を生じるこ
とはなく、従ってキャブレタ３に吸込まれてキャブレタ
３の性能が損なわれるといった問題はない。

また本考案によれば、燃料蒸気吸着用エレメント１２の
上部にバイパス路２１を形成したから、内燃機関１が作
動中に吸込まれる空気の大部分はバイパス路２１を通り
、吸着用エレメント１２による通気抵抗増大はわずかに
押えられるため、内燃機関１の性能低下はほとんどない
。

また、燃料蒸気に対する比重は２〜３倍あり、また、ハ
ウジングに装着したキャップの背面と蒸気吸着エレメン
トの一方の端部との間に複数の弾性部材を互いに隔置し
て配設し、該弾性部材にて吸着エレメントをハウジング
の底部方向に押圧して該吸着エレメントの他方の端部を
ハウジングの底部内面にガスケットを介して固定したか
ら、弾性部材およびガスケットによって吸着用エレメン
トの端部とハウジングの底部内面との間の気密を保持す
ることができ、従って空気よりも比重の重い燃料蒸気が
ハウジングの底部側に溜っても、二の燃料蒸気がハウジ
ングの底部から吸着用エレメントをバイパスして流れ出
るのを防ぐことができる。

また、上記特性部材は吸着用エレメントの固定を行うと
同時にバイパス路の形成も行っているため、構成的に非
常に簡単となる。

また、燃料蒸気の吸着量を増すために、吸着炉材１６の
厚さを厚くしたり緻密にしたりしても、バイパス路２１
の作用でエアクリーナ１の通気抵抗をほとんど増加させ
ることはないので、必要な吸着量を持った吸着用エレメ
ント１２を自由に設計できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を内燃機関に搭載した状態を
示す部分断面図、第２図は第１図の押え部材を示す斜視
図、第３図は第１図の燃料蒸気吸着用エレメントを示す
断面図、第４図は第３図の部分破断平面図、第５図は本
考案の他の実施例を示す断面図、第６図は本考案の他の
実施例を示す断面図、第７図は第６図の吸着エレメント
を示す斜視図、第８図は本考案における吸着エレメント
の固定部品を示す斜視図である。１・・・内燃機関、２・・・インテークマニホールド、
３・・・キャブレタ、４・・・エアクリーナ、５，６・
・・ハウジングを構成するケースおよびキャップ、１１
・・・空気清浄用沢過エレメント、１２・・・燃料蒸気
吸着用エレメント、１５・・・空気清浄用炉材、１６・
・・活性炭素繊維を含む吸着炉材、１９・・・固定手段
をなすエレメント押え部材、２１・・・バイパス路、２
３・・・板状スプリング、２４・・・突起部、２６・・
・突起部２５を有したシート。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

内燃機関の燃焼室へ吸入される汚染空気を清浄にする空
気清浄用濾過材を有したりリング状の空気清浄用濾過エ
レメントと、該濾過エレメントの内周側に位置し、活性
炭素繊維を含有した吸着炉材を有したリング状の燃料蒸
気吸着用エレメントと、これら両エレメントを収納した
ハウジングと、該ハウジングに装着したキャップとを具
備し、前記両エレメントの内、外周を前記ハウジングの
内側に連通し、かつ該ハウジングの内側がキャブレタの
吸気通路に連通ずるように該ハウジングを前記キャブレ
タに固定し、前記キャップの背面と前記吸着用エレメン
トの一方の端部との間に複数の弾性部材を互いに間隙を
置いて配設し、該弾性部材により前記吸着用エレメント
を前記ハウジングの底部方向に押圧して該吸着用エレメ
ントの他方の端部を前記ハウジングの底部内周上にガス
ケットを介して固定し、かつ前記複数の弾性部材の隣接
空間を前記吸着用エレメントに対するバイパス路とした
ことを特徴とする内燃機関用エアクリーナ。