JPS5919563Y2 - 有蓋取鍋の蓋開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、有蓋取鍋の蓋開閉装置に関する。

近年転炉操業技術の進歩に伴ない高級鋼化の要求が多く
なり、転炉の出鋼温度ひいては、取鍋の受鋼温度が高く
なる傾向にあり、取鍋の内張り煉瓦の溶損が起り易くな
って来た。

かかる事態に対処して、従来のロー石煉瓦やジルコン煉
瓦に代えて塩基性煉瓦であるマグネシア煉瓦を使用して
いるが、前記マグネシャ煉瓦は高温に耐え得る長所を有
している反面、温度変化による膨張収縮が大きく、煉瓦
表面の温度の変動によってスポーリングを起し易いとい
う短所を有している。

この対策として前記内張り煉瓦表面の温度変動を低く押
える目的で蓋を有する取鍋が提案されている。

然しなから従来、前記取鍋の蓋の開閉は蓋の上面又は外
周の側面に取付けた吊金具にワイヤーを掛けてクレーン
で吊上げて前記取鍋に乗せた後、該取鍋及び鉄蓋の一部
に設けたヒンジレバーにピンを挿入して閉作業を行ない
、閉作業は前記ピンを抜いた後鉄蓋の吊金具にワイヤー
を掛けてクレーンで吊上げて取外していたが、作業が煩
雑でしかも危険な熱間重筋作業を必要としていた。

本考案は、前記有蓋取鍋の蓋の開閉を台車上で自動的に
行ない、前述の如き煩雑で過酷な高温重筋作業を不要な
らしめたものである。

即ち、本考案は台車に積載した取鍋上端部と前記蓋３の
外周部の一端とをヒンジ４で回動自在に係合してなる有
蓋取鍋２において、円板状の鉄蓋３の略中心を通り該ヒ
ンジ４のピン５に平行な回転軸上の鉄蓋３の外周部両端
に設けたローラー６と、前記ヒンジ４のピン５を軸とし
て、鉄蓋３を回動せして該ピン６の真上に該ローラー６
が達した時の該ローラー６の高さ近くまで該ローラー６
を上昇せしめ、その後下降せしめる如く設けた頂部ガイ
ド８及びその両側に連接する２個の第１、第２傾斜ガイ
ド７．９を有するガイド装置１０と、該頂部ガイド８上
部にあって、前記蓋３先端に適時当接せしめる如く設け
た蓋反転装置１２とを有することを特徴とする前記有蓋
取鍋２の蓋開閉装置を提供するものである。

以下本考案の実施例を図面によって詳細に説明する。

第１図は、本考案の装置及びその周辺装置の側面図であ
り、第２図は第１図の正面図である。

本装置は頂部ガイド８、第１、第２傾斜ガイド７．９及
び架台１３からなるガイド装置１０と、蓋反転装置１２
と、有蓋取鍋２の蓋３に設けたローラー６と、鉄蓋３を
該有蓋取鍋２上端部に回動自在に係合するヒンジ４から
構成されている。

前記蓋反転装置１２は回転軸に１個反は複数個のレバー
を設け、減速機構を介してモーター（図示せず）により
駆動される。

又本実施例では、該蓋反転装置１２は架台１３によって
支持されているが、離京の構造物（図示せず）等に支持
梁（図示せず）を設けて支持してもよい。

又、本実施例では、前記頂部ガイド８は水平ガイドを用
いているが、水平ガイドでもよく、又上方トラ面の曲線
ガイドでもよいし、前記第１、第２傾斜ガイド７゜９は
直線でもよく、曲線でもよく又、前記第１、第２傾斜ガ
イド７．９の両側に連接して水平ガイドを設けてもよい
。

次に実施例において、前記蓋３の開閉の動作を第１図に
従って説明する。

第１図において、前記台車１の右方への移動を前進、左
方への移動を後退と言う。

クレーン（図示せず）で運搬してきた前記蓋３を閉じた
空の前記有蓋取鍋２を、本装置の左方において前記台車
１に載せ、該台車１を前進せしめると共に、前記蓋反転
装置１２を時計方向に回転せしめる。

該有蓋取鍋２の前記蓋３に設けた前記ローラー６が、前
記第１傾斜ガイド７に当接し、なおも該台車１が前進す
ると該ローラー６が該第１傾斜ガイド７に沿って押し上
げられ、鉄蓋３はヒンジ４のピン５を支軸にして反時計
方向に開く。

該ローラー６が該第１傾斜ガイド７に沿ってのぼりつめ
ると鉄蓋３はほぼ垂直に近くなり、該ローラー６は、前
記頂部ガイド８に達し、該台車１の前進に伴って、該ロ
ーラー６は右方移動すると共に前記蓋３が前記蓋反転装
置１２のレバーに当接し、該蓋反転装置１２によって鉄
蓋３の内面が斜め上向きにせしめられるが、このような
スナップアクションを確実にするため、鉄蓋３の重心を
該ローラー６よりも高くなるよう構成されている。

やがて、該ローラー６は前記第２傾斜ガイド９に達した
後該ガイド９に沿って下降し、この下降に伴って鉄蓋３
は前記ヒンジ４のピンを支軸としてなおも反時計方向に
回転して、水平に達する。

本実施例では、鉄蓋３が最大開きのとき鉄蓋３は水平で
、その内面が上向きになっているが、該第２傾斜ガイド
９を前記有蓋取鍋２のトラニオンと干渉しない範囲迄延
長しておくことによって前記水平以上に反時計方向に開
くことも出来るし、又、鉄蓋３をある一定の開度に開い
た状態で前記台車１を移動させる必要があれば、前記第
１、又は第２傾斜ガイド７．９の中間又は下端部に延長
して、適宜水平ガイドを設けることによって、その目的
を達することが出来る。

前記頂部ガイド８及び前記蓋反転装置１２は、前記台車
１が前進するときは鉄蓋３の内面を斜め上向きに、後退
するときは、鉄蓋３の内面を斜め下向きに、円滑かつ確
実にせしめるために設けたものであって、該蓋反転装置
１２は前記台車１が前進中は、時計廻りに回転せしめ、
該台車１が後退中は、反時計廻りに回転せしめるように
制御装置（図示せず）によって制御されており、前記頂
部ガイド８の上面は上方トラ曲の曲線がよいが、水平で
も前記蓋反転装置１２の動作によってうまくいった。

次に前記蓋３を閉じる場合は、前記台車１を後退させる
ことによって、前述の逆の動作で自動的に閉じることが
出来る。

本考案の装置を使用することにより自動的に容易に前記
蓋の開閉が可能となり、現場作業者を従来の危険な熱間
重筋作業から解放すると共に、従来の様な煩雑で非能率
的な作業がなくなり、有蓋取鍋の使用の度合を大幅に増
やすことができ、取鍋内張煉瓦の寿命延長並びに省エネ
ルギー等大きな効果があがっている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の蓋開閉装置の実施例を示すもので、第１
図は、実施例の側面図、第２図はその正面図である。 １・・・・・・台車、２・・・・・・取鍋、３・・・・
・・取鍋の蓋、４・・・・・・ヒンジ、５・・・・・・
ヒンジのピン、６・・・・・・ローラー、７・・・・・
・第１傾斜ガイド、８・・・・・・頂部ガイド、９・・
・・・・第２傾斜ガイド、１０・・・・・・ガイド装置
、１１・・・・・・ガイド装置の架台、１２・・・・・
・蓋反転装置、１３・・・・・・蓋反転装置の架台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台車に積載した取鍋上端部と蓋の外周部の一端とをヒン
   ジで回動自在に係合してなる、有蓋取鍋において、前記
   蓋の円板体の中心附近を通り、前記ヒンジのピンに平行
   な回転軸上の蓋の外周部両端に設けたローラーと、該ロ
   ーラーを支持誘導し、該ローラーが前記ピンを中心にし
   て回動し該ピンの真上に達する高さに該ローラーを上昇
   後下降せしめる如く設けた頂部ガイド並びにその両側に
   連接する第１及び第２傾斜ガイドからなるガイド装置と
   、頂部ガイドの上部にあって蓋先端に適宜当接せしめる
   如く設けた蓋反転装置とを、有することを特徴とする有
   蓋取鍋の蓋開閉装置。