JPS5918867Y2 - 電力回生形スイッチング・レギュレ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電力回生形のスイッチング・レギュレータの改
良に関するものである。

スイッチング・レギュレータの１つのタイプとしていわ
ゆるオン・オフ形のスイッチング・レギュレータがある
。

これはトランスの１次コイルに直流電圧をスイッチ素子
で断続して与え、スイッチ素子がオンのときにトランス
に電磁エネルギーを蓄え、スイッチ素子がオフのときに
それを２次側に放出するようにしたものである。

２次側の出力電圧はスイッチ素子のオン・オフのデユー
ティ・レシオによって制御される。

このようなオン・オフ形のスイッチング・レギュレータ
においては、デユーティ・レシオが一定のときに２次側
の負荷が無負荷あるいはそれに近いほどに軽くなると出
力電圧の急増が生じる。

このような出力電圧の急増を防止する手段を備えたオン
・オフ形スイッチング・レギュレータの従来例としては
第１図のようなものがある。

第１図においてＴはトランスで、その１次コイルＮｐに
直流電源Ｅｉの電圧がトランジスタＱ１によって断続さ
れて与えられる。

トランジスタＱ１のコレクタ・エミッタ回路にはダイオ
ードＤ１が逆極性に並列に接続される。

トランジスタＱ１がオンのときにトランスＴに蓄えられ
た電磁エネルギーは、トランジスタＱ１がオフのときに
２次コイルＮｓとダイオードＤ２を通じてコンデンサＣ
と負荷抵抗ＲＬの並列回路に放出される。

ダイオードＤ２にはトランジスタＱ２のコレクタ・エミ
ッタ回路が逆極性に並列に接続される。

このトランジスタＱ２はトランジスタＱ１とは逆の位相
でオン・オフされる。

このような回路において、負荷が軽くてトランスＴの２
次側電流ｉ２がトランジスタＱ１のオフ期間の途中で零
になると、コンテ゛ンサＣの放電が始まり、その放電電
流がオンになっているトランジスタＱ２を通じてトラン
スＴの２次コイルＮｓに流れる。

したがってこの電流による電磁エネルギーがトランスＴ
に蓄えられ、そしてそれはトランジスタＱ２がオフにな
ったとき、１次コイルＮｐとダイオードＤ１を通じて電
源Ｅｉに還元される。

すなわち負荷が軽いときあるいは無負荷のときは余分な
電磁エネルギーが電源側に回生されるので、出力電圧の
急増を生じることがない。

第２図に動作説明図を示す。

第２図において、実線が無負荷の場合であり、破線が有
負荷の場合である。

電流１１，１２が負になる部分が回生の行われている部
分である。

この部分は負荷電流がある程度以上になると消滅する。

スイッチング・レギュレータが非絶縁形の場合は第３図
のようにして回生形を実現する。

これらの回路においても、トランジスタＱ１．Ｑ２は互
いに逆の位相でオンオフされる。

このような従来の回路においては、２つのトランジスタ
Ｑ１．Ｑ２を互いに逆の位相で動作させるすなわち位相
分割駆動を行なう駆動回路が必要とされる。

また、第１図のように入出力絶縁形の場合は駆動信号絶
縁器がトランスＴの他に少なくとも１つは必要になる。

本考案の目的は、駆動回路が簡単で信号絶縁器も節約さ
れる電力回生形スイッチング・レギュレータを提供する
ことにある。

本考案は、回生用トランジスタの駆動信号を主トランス
またはインダクタの誘起電圧から得るようにしたもので
ある。

以下、図面によって本考案を詳細に説明する。

第４図は、本考案実施例の電気的接続図である。

第４図の回路の構成は、基本的には第１図の回路と同じ
であるが、トランスＴに第２の２次コイルＮｓを設け、
回生用のトランジスタＱ２の駆動信号を、このコイルＮ
ｓの誘起電圧から得ているところに特徴がある。

誘起電圧は、トランジスタＱ０がオフのときにトランジ
スタＱ２のベース・エミッタ間を順バイアスするように
極性が選らばれる。

これによって、トランジスタＱ２は、トランジスタＱ１
のオンオフにつれて、それとは逆の位相でオンオフする
。

したがって、駆動回路はトランジスタＱ１を駆動するだ
けのものであればよいので、回路構成が簡単化され、か
つ駆動信号絶縁器を別に設ける必要はない。

第５図は、本考案の他の実施例の電気的接続図であって
、トランジスタＱ２を駆動するための信号をトランスＴ
の２次コイルＮｓの誘起電圧から得るようにしたもので
ある。

すなわち、第３のトランジスタＱ３のベース・エミッタ
回路を２次コイルＮｓに並列に接続し、コレクタ電流を
トランジスタＱ２のベースに与えるようにし、１次側の
トランジスタＱ１がオフになるときの２次コイルＮｓめ
誘起電圧でトランジスタＱ３を導通させ、そのコレクタ
電流でトランジスタＱ２をオンにするようにしたもので
ある。

これによって第４図の回路において必要であった第２の
２次コイルＮｓを省略できる。

トランジスタＱ３のベース・エミッタ回路を第石図また
は第７図のように構成すると、トランジスタＱ３のベー
ス・エミッタ回路を２次コイルＮｓの逆電圧から保護す
ることができる。

なお、第７図の回路はさらに保護動作時の電力損失を防
止するようになっている。

非絶縁形のスイッチング・レギュレータについても同様
にして駆動回路の簡単化を図ることができる。

これを降圧形のスイッチング・レギュレータの場合につ
いて示せば、第８図または第９図のようになり、回生用
のトランジスタＱ２の駆動をインダクタＬの誘起電圧に
よって行うことができる。

このように、本考案は、回生トランジスタの駆動信号を
主トランスまたはインダクタの誘起電圧から得るように
したので、駆動回路が簡単で、入出力絶縁形のものにお
いては信号絶縁器が節約できる電力回生形のスイッチン
グ・レギュレータが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、電力回生形スイッチング・レギュレータの基
本構成図、第２図は、第１図の装置の動作説明図、第３
図は、非絶縁形で電力回生形のスイッチング・レギュレ
ータの構成国、第４図ないし第９図は、本考案実施例の
電気的構成図である。 Ｔ・・・・・・トランス、Ｑ１〜Ｑ３・・・・・・トラ
ンジスタ、Ｄｌ、Ｄ２・・・・・・ダイオード、Ｌ・・
・・・・インダクタ、Ｃ・・・・・・コンデンサ、ＲＬ
・・・・・・負荷。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直流電圧を第１のスイッチング素子によって断続して誘
   導素子に与え、誘導素子の蓄積エネルギーの放出時の電
   流を第１の整流素子で整流しコンテ゛ンサで平滑して負
   荷に供給するとともに、第１の整流素子に並列に電力回
   生用の第２スイツチング素子を設は第１のスイッチング
   素子に並列に電力回生用の第２の整流素子を設けたスイ
   ッチング・レギュレータにおいて、第２のスイッチング
   素子を誘導素子の誘起電圧に基づいて第１のスイッチン
   グ素子とは逆の位相でオン・オフするようにしたことを
   特徴とする電力回生形スイッチング・レギュレータ。