JPS591860B2 - 壁構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はスチールファイバー混入コンクリート板と石
膏からなる表面材とから構成した壁構造に関する。

近年、共同住宅、ホテルあるいはオフィスビル等を対象
として、軽量で安く安価、耐火性、遮音性および施工性
に優れた壁体の要求が高まっている。

しかし、従来の耐火および遮音を目的とした壁体、たと
えばα）ＲＣ構造または通常のＰＣ造によるものは重量
が大きく軽量でないし、また後付は工法が不可能である
、（２）石膏ボードあるいは石膏ケイ酸カルシウム板の
多層構造による中空二重壁は軽量ではあるが工事費が割
高である、（３）コンクリートブロック下地に石膏プラ
スタを配したものは工事費は比較的安いが施工性、遮音
性に問題がある、さらに耐火壁としての（（４）ＡＬＣ
板は材質的にもろいため角欠け、設備配管孔まわりの欠
けあるいはひび割れ等によるロスが多い、等それぞれ一
長一短があり、決定的なものは未だ見出されていなかっ
た。

この発明はかかる事情に鑑み提案されたもので、耐火性
および遮音性にきわめて優れた壁構造を提供せんとする
ものである。

次にこの発明を図面を参照しながら説明すると、第１図
において、１はスチールファイバーが混入されたスチー
ルファイバーコンクリート板（ＳＦＲＣ板と略称する）
で、２は石膏ボードからなる表面材である。

これら５ＦＲＣ板１と表面材２とは接着剤あるいは釘等
で合わせる。

表面材２はＳＦＲＣ板１面に石膏を塗布してもよい。

５ＦＲＣ板１を形成するには、次のような各項目を満足
するものが好ましい。

○スチールファイバーの形状、寸法：０．１〜０．５ｍ
Ａの円形、半月形、矩形等の断面形状を有し、長さ１５
〜４０ｍｍ ○スチールファイバー混入率：０２〜６．０％（容積）
好ましくは０．３〜２．０％（容積）Ｃ３ＦＲＣ板の密
度： ０．７〜１．８ Ｋｇ／ ｍ ”０８ＦＲＣ板の
厚さ：１０〜６０７７ａ ○パーライトａ人率：嵩容積（セメント；パーライト）
１：１〜１ ： １．６ ＯＡＥ剤Ｕ人率：セメントに対して（重量率）０．０４
条 こうした限定が必要なのは、それぞれ次の理由による。

すなわち第１に耐火性能の問題（爆裂その他の恐れがな
い）、第２に釘打切断等の加工性が優れていることが要
請されるからである。

また、石膏ボード厚は、９〜１５ｍｍが好ましい。

これは耐火二時間性能および遮音性において、Ｄ＝４０
以上の性能が要求されるためである。

５ＦＲＣ板の組成の一例を示すと、第１表の通りである
。

またスチールファイバーコンクリートとプレーンコンク
リートとの力学的特性の比較を示すと第２表の通りであ
る。

さらにこれらのコンクリートについて曲げ強度−変位曲
線を第４図に示した。

これらの事項から、Ｓ？’ＲＣはプレーンコンクリート
と比較すると、■引張強度および曲げ強度は二倍程度向
上し、■圧縮強度は特に向上はしないが、圧縮弾性係数
は４０％大きくなる、０曲げじん性が著しく向上する。

ところで、５ＦＲＣ板と表面材とを用いて壁体を構成す
る場合、耐火性のみを考えると、第５図および第６図の
ように、第１図の構造の複合板のみで足りる。

しかし、音響透過損失（ｄＢ）は建築基準法施工台で定
めるものには合格はしない。

そこで、耐火性および遮音性能を同時に満足させるには
、第２図に示すように、複合板を所定の中空間隙３を確
保して７板建込んだもの、あるいは第３図に示すように
、その間隙内にロックウール４等の遮音材を充填するの
が好ましい。

第２図に示す壁体の耐火性について、ＪＩＳ１３０４に
準じて行った試験結果を第７図および第８図に示す。

さらにまた第９図および第１０図に示すように、遮音性
は第２図および第３図に示す壁体が優れていることが判
明する。

これら図には併せてＡＬＣ板等についても図示した。

壁体の構成に際しては、第１１図および第１２図に示す
ように、スラブ上にベースランナー１０を取り付け、梁
下にシーリングランナー１１をそれぞれアンカーにより
固定し、次いで間柱１２を取り付ける。

この間柱１２の両側にタラ〈ングネジ１３寸たけ弾性ク
リップ（図示せず）等の取付金物で固定する。

この固定に際しては、第１°２図に詳細が表われている
ように、一側において間柱１２の一本おきに、予め５Ｆ
ＲＣ板１に形成した突起部１ａにより数調程度の間隙１
４を保ち、他側において突起部１ｂが突起部１ａと千鳥
状配置となるように、他側の５ＦＲＣ板１と間隙１４を
保つようにする。

これによって一側の５ＦＲＣ板１の振動が間柱１２を介
して他側の５ＦＲＣ板１へ伝わることを防止でき、遮音
性向上につながる。

その後これら５ＦＲＣ板１，１表面に表面材２゜２を釘
または接着剤により固定する。

５ＦＲＣ板１は釘打ちが可能であり、外装部品を容易に
取り付けることができる利点がある。

１５はスペーサ、１６はパーライトモルタルまたはロッ
クウール等の充填材、１７はパテまたはコーキング材か
らなる詰め材である。

なお、表面材２０表面には、塗装または布張り等を行う
ことができることは勿論であり、また上記の壁体は間仕
切り壁に特に有効であるが、外壁であってもよい。

さらに上述の複合板は柱の被覆に用いることもできる。

そして５ＦＲＣ板１，１間の空間または間柱内空間は、
設備の配線、配管の設置が容易である。

以上の通り、この発明は、５ＦＲＣ板と石膏からなる表
面材とから壁体を構成するものであるので、次のような
効果をもたらす。

Ｉ ５ＦＲＣ板六種々の力学的特性についてプレーン
コンクリートと比較してきわめて優れており、またそれ
自体で耐火、遮音性に優れており、かつ軽量である。

そして、釘打ち等ができ後付は工法が容易である。

２ 表面材が耐火性を向上し、かつ遮音にも大きな寄与
をする。

３５ＦＲＣ板と表面材とを結合することによって、それ
ぞれ単体が示す力学的特性、耐火性および遮音性を十分
に発揮させることができ、要求する特性を始めて満足さ
せることができる。

また、怖工性もきわめて良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は複合板単体の断面図、第２図および第３図は建
込み例を示す断面図、第４図はプレーンモルタルとの比
較においてスチールファイバー混入コンクリート板の強
度を示す図、第５図〜第８図は耐火性能を示す図、第９
図および第１０図は遮音性能を示す図、第１１図および
第１２図は壁体構成例の断面図である。 １・・・・・・スチールファイバーコンクリート板、１
ａ、ｌｂ・・・・・・突起部、２・・・・・・表面材、
３・・・・・仲間間隙、１０・・・・・・ベースランナ
ー、１１・・・・・・シーリングランナー、１２・・・
・・・間柱、１３・・・・・・ネジ、１４・・・・・・
間隙、１５・・・・・・スペーサ、１６．・・・・パー
ライトモルタル、１７・・・・・・詰め材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スチールファイバーが混入されたスチールファイバ
   ーコンクリート板とその表面に配する石膏からなる表面
   材とから壁体を構成したことを特徴とする壁構造。