JPS5917906Y2 - 丸編機における電磁選針装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は丸編機にお−ける電磁選針装置に関するもので
ある。

本案装置は丸編機における電磁選針を、従来より一層確
実に、しかも安定性ある動作で行はしめるために考案せ
るもので、柄を出すために、ジャックのバットが電磁石
に励磁されるコアーにて吸引動作を起し、選針作用を行
はしめる時、コアーの作る磁気閉ループの構成が、従来
はバットに対し、コアー自体で作るものであるが、磁力
が弱く、又バットに対しコアーがシリンダーの垂直方向
にシリンダーを介して作るものもあり、この場合は前者
より磁力は強いが確実性、安定性に欠ける点がある。

又選針前のジャックに対しては、上部カムおよび下部カ
ムの磁力も影響するが、上部カム、下部カムの面がジャ
ックの上部および下部に対する接触間隔によっても、ジ
ャック位置すなわち、ジャックの選針位置の確実性、安
定性に大きく左右されるものである。

以上のようなジャックによる選針の確実性、安定性の欠
如は、結局、柄の乱れを生せしめる原因となっていた。

そこで本考案の目的としては、前記の欠点を解決するた
めに、ジャックバットに対する電磁器コアーの構成を、
シリンダーに対し水平方向の磁気閉ループを作るように
してジャックバットを吸弓する磁力を一層強化し、ジャ
ックバットとの接近間隔の調整を可能にして、ジャック
３への接近度を所望の間隔に保たしめ、ジャック３の選
針前後の状態に確実性と安定性とを保たしめ、結局乱れ
のない柄編戊を行うことにある。

以下図面によりその実施例を説明すると、第１図〜第５
図に於て、メリヤス丸編機の図示しない回転駆動により
回転するシリンダー１に設けられた放射状の溝２内に上
下に摺動するジャック３を挿入する。

該ジャック３は上部３−１．支え部３−２、バット部３
−３．３−４、カム作用部３−５、下部３−６からなっ
ている。

内面カム４は、図示しないカムホルダーに保持され、内
面カム４のシリンダー１に面接する外側の部分に溝５を
有し、此の溝５内にジャック３の支え部３−２が保持さ
れて、シリンダーの回転に伴って該支え部３−２は、こ
の溝５内を通過する。

上げカム６は、図示しないカムホルダーに保持されて、
ジャック３のカム作用部３−５に作用して選針の目的を
はたすものである。

編機上に固定されたテーブル７上に載置する電磁選針器
のフレーム８の底部に長孔１０を設け、該テーブル７上
にストッパーピン１１を固着し、フレーム８の後部に調
整ネジ１２を取付け、調整ネジ１２の先端をストッパー
ピン１１に突当て、フレーム８がシリンダー１に対して
微量の調整をし、定位置でナツト１３によりロックする
ほか、このフレーム８はネジ９でテーブル７上に固定す
ることを可能にしである。

然して前記フレーム８には、テーパー状に角孔１４．１
５を設け、此の角孔１４，１５にコアー１６．１７を嵌
め込む。

此のコアー１６．１７の特徴とするところはジャック３
のバット３−３．３−４を吸引するコアー先端１６−１
、１７−１から、フレーム８の角孔１４゜１５に嵌め
込まれる部分１６−２ 、１７−２を通り、シリンダー
１の他の側面に嵌挿した他の選針用ジャック３のバット
部３−３．３−４にその先端を接する部分１６−３．１
７−３に連なる水平面コの字型を形成していることであ
る。

即ち、上下の両コアー１６．１７に装着されるコイル１
８．１９が図示しない柄出し指令装置により、励磁、非
励磁の指令が与えられると、その磁界はコアー１６．１
７の先端１６−１．１７−１を通り、シリンダー１の側
面に嵌挿したジャック３のバット部３−３．３−４に先
端を接する延長部１６−３．１７−３を、設けることに
より、上下コアー１６．１７共、水平面コ字型に形成し
たことになり、上ガイドカム磁気閉ループ、下ガイド磁
気閉ループとは別の磁気水平方向閉ループを構成するの
で、ジャックバット部３−３．３−４を吸引する力は、
上下のガイドカム２８ 、３５のそれよりは強力となる
。

前記上下のコアー１６．１７は、フレーム８の後面に凹
設した角孔１４，１５に嵌め込み、押え金具２０゜２１
を当てネジ２２で締付けるが、フレーム８にネジ２３で
取付けたプレート２４．２５に調整ネジ２６を設け、該
調整ネジ２６の先端を各コアー１６．１７の後端１６−
２．１７−２に突当て、コアー先端１６−１，１７１が
ジャック３のバット部３−３．３−４に対する間隔を微
量調整可能にならしめたものである。

此の微量調整により、選針するジャック３のバット部３
−３．３−４とコアー１６．１７の先端１６−１．１７
−１との間隔を、該バット部３−３．３−４を吸引する
に必要な最適位置に保たしめることを得、磁気効果を最
も有効に働かせ、従ってジャック３の選針動作を確実、
安定化ならしめることを可能としている。

前記調整ネジ２６は、調整後ナツト２７でロックする。

然してフレーム８の上部には、上部ガイドカム２８に突
当ピン２９を設け、ナツト３０にて固定する。

上部ガイドカム２８のフレーム８に取付ける個所には、
長孔３１を設けて、ネジ３２にてフレーム８の上面に固
定するが、フレーム８の上部に調整ネジ３３を設け、そ
の先端は前記上部ガイドカム２８に固定した突当ピン２
９に突当てて、上部ガイドカム２８の先端２８−１がジ
ャック３の上部３−１に対して接近度を微量調整可能に
ならしめてあり、該調整ネジ３３は、調整後にナツト３
４にてロックするようになっている。

本発明は以上の構成により、丸編機において、柄編酸の
ための選針作用をするジャック３のバット部３−３．３
−４を、電磁コイル１８．１９とコアー１６゜１７によ
り、柄出し指令装置からの励磁、非励磁の信号により選
針する時、選針前の状態では、永久磁石３８を接着した
上部ガイドカム２８の先端２８−１と上部ガイドカム補
極３９による垂直方向閉ループにより、安定確実性を持
続しており続いて、選針作用時にコイル１８．１９に対
し励磁されると、コアー１６．１７によりジャック３の
バット部３−３．３−４が吸引され、その作動はジャッ
ク３を支え部３−２によって反転するに至り、その結果
、ジャック３の下部３−６が、下部ガイドカム３５に吸
引保持されて、該ジャック３の下部３−６は、永久磁石
３６を接着した下部ガイドカム３５の先端３５−１．下
部ガイドカム補極３７とによる垂直方向閉ループを構成
することにより、ジャック３に対する選針作用を確実に
支持するようになっている。

従って、ジャック３の上部３−１は、上部ガイドカム先
端２８−１、永久磁石３８、上部ガイドカム補極３９の
閉ループから、つまりジャック３は、非励磁の場合には
選針されない。

この場合ジャック３は、そのまま前記上部ガイドカム２
８の閉ループに吸引されたまま進行し、非選針コースに
作動する。

また選針されるジャック３は、下部ガイドカム３５の磁
気閉ループに吸引され、バット３のカム作用部３−５は
上げカム６により上げられ、選針コースへ進行すること
になり、さらにシリンダー１の周面に向いコアー１６．
１７とコアー延長部１６−３゜１７−３の微量の間隔調
整を可能にしたので、ジャックのバット部３−３，３−
４への接近間隔を所望に設定することができ、前記ジャ
ック３の選針作用の確実性と安定性を保ち、結果として
、乱れのない柄編酸を行い得るという実用的効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面第１図は、本案電磁選針装置を付した丸編機シリン
ダー一部の側面図、第２図は第１図の上面図、第３図は
第１図の底部平面図、第４図は第１図と同方向からの縦
断面図、第５図は上部ガイドカム部分を取外して内部を
開示した要部断面図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 丸編機のシリンダー１の外周面に放射状に設けた多数の
   溝２内に、いずれも上下摺動自在に選針用ジャック３を
   嵌挿し、このジャック３の外側作用面に上から、上部３
   −１．支え部３−２、バット部３−３．３−４、カム作
   用部３−５および下部３−６とを形成し、このジャック
   作用面に対し電磁的に作用して選針するものにおいて、 該ジャック３の上部３−１と下部３−６にそれぞれ調整
   可能な間隙をもって先端を対向した上下のガイドカム２
   ８．３５をフレーム８に取付けると共に、該フレーム８
   に、前後移動可能に取付けたコアー１６．１７の先端１
   ６−１．１７−１を、前記ジャック３のバット部３−３
   ．３−４に対向するよう形成し、該コアー１６．１７は
   、装着したコイル１８．１９の外側に、シリンダー１の
   側面に嵌挿した他の選針用ジャック３のバット部３−３
   ．３−４にその先端を接する延長部１６−３．１７−３
   を設けることにより、上下コアー１６．１７とも平面コ
   字型に形成したことを特徴とする丸編機における電磁選
   針装置。