JPS5917575Y2 - 砥石装着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、レジノイドオフセット研削砥石等の研削研磨
砥石をグラインダにワンタッチで簡便に装着できるよう
にした砥石装着装置に関するものである。

一般に、レジノイドオフセット研削砥石等の研削砥石は
、その中心に取付孔を有し、該取付孔にてグラインダの
回転軸に取付けられて使用される。

ところで、この取付けの際に用いられる砥石装着装置と
しては、従来、グラインダの回転軸が螺合可能なねじ穴
を中心に有するボルトとナツトとによって、砥石の裏面
にバックアップパッドを当接させた状態で挟持せしめて
締結したのち、上記ボルトのねし穴にグラインダの回転
軸を螺合することにより、砥石をグラインダに装着する
ようにしたものが知られている。

しかしながら、上記従来のものにおいては、砥石の摩耗
による取替時には、先ず、グラインダの回転軸とボルト
のねし穴との螺合を離脱させて該回転軸から砥石とバッ
クアップパッドとの合体物を取外したのち、ボルトとナ
ツトとの螺合締結を離脱させて砥石とバックアップパッ
ドとに分解する必要があるため、作業性が悪く、特に上
記ボルトとナツトとの螺合およびその離脱は工具を用い
て行う必要があるので、作業性の著しい悪化を招くとい
う問題がある。

また、そのために、摩耗取替時には摩耗した砥石とバッ
クアップパッドを合体したまま（ボルト及びナツトをも
含む）一緒に廃棄処分することもあり、極めて不経済で
あるという欠点を有していた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、グラインダ
の回転軸に、該回転軸がその回転方向に締り勝手に螺合
されるねし孔を中心に有する本体と、該本体の下面に上
記ねし孔と同心状に形成された嵌合穴と、上記本体に嵌
合穴に対して出没自在に設けられた複数個のロック爪と
、該ロック爪を嵌合穴内に突出する方向に付勢するスプ
リングと、上記ロック爪の嵌合穴内への突出量を規制す
るストッパとを備えた固定側フランジが、上記本体のね
し孔に回転軸を螺合することによって固定されており、
一方、中心に取付孔を有する砥石の該取付孔には、上記
固定側フランジの嵌合穴に嵌合される円筒状の本体と、
該本体の下面から垂下して上記取付孔に嵌挿されるボス
部と、該ボス部の先端部を取付孔の表面側周縁部にかし
めてなるかしめ部と、上記本体の外周に上記所定量突出
したロック爪に対応して切欠かれて形成された切欠案内
壁と、上記本体の外周に該切欠案内壁の回転軸回転方向
側にコーナ部を介して周方向に連続して形成され上記突
出したロック爪を上下から包持するとともにロック爪の
回転軸回転方向への移動を係止する係合凹溝とを備えた
移動側フランジが、上記本体とかしめ部とによって取付
孔の表裏周縁部を挾んで一体に固着されており、上記移
動側フランジは、固定側フランジの嵌合穴に切欠案内壁
と突出したロック爪とを合致させた状態で挿入して回転
軸回転方向とは逆の方向に回転することにより係合凹溝
にロック爪が係合してロック係止されることによって砥
石が装着されるように構成したことにより、摩耗取替時
に砥石を、工具を用いることなく手でもって回転軸の回
転方向又はその逆方向に回転させることによってワンタ
ッチで簡単に脱着することができ、脱着作業性の向上を
図るとともに、コスト的にも安く済むようにした砥石装
着装置を提供せんとするものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。

第１図および第２図において、１はグラインダの回転軸
であって、該回転軸１の軸端部外周には雄ねじ部１ａが
形成されている。

また、２は該グラインダの回転軸１に装着するレジノイ
ドオフセット研削砥石、レジノイドフレキシブル研削砥
石等の砥石であって、該砥石２は円錐台状に隆起したオ
フセット部２ａと該オフセット部２ａの外周に連続する
リングプレー１〜状の研削部２ｂとからなり、該研削部
２ｂの表面には網目状溝等よりなる凹凸模様（図示せず
）が形成されているとともに、上記オフセット部２ａの
中心（砥石２の中心）には取付孔２Ｃが設けられている
。

そして、上記グラインダの回転軸１の雄ねじ部１ａには
円筒状の固定側フランジ３が螺合固定されている。

該固定側フランジ３は、第３図にも示すように、中心に
上記回転軸１の雄ねじ部１ａが該回転軸１の回転方向Ｘ
に締り勝手に螺合可能な雌ねじ孔３ａを有する孔形状の
本体３ｂと、該本体３ｂの軸方向下面に穿設され後述の
移動側フランジ８の本体８ｂが嵌合可能な嵌合穴３Ｃと
を備えている。

該嵌合穴３Ｃの内周壁には円周上に複数個（図では２個
）の収容凹所３ｄ、３ｄが外部に開口せしめて等ピッチ
でもって形成され、該各収容凹所３ｄにはロック爪４が
収容配置されている。

該各ロック爪４は、その後端部が本体３ｂ下部のフラン
ジ部３ｅにビン５によって枢支され、その先端を上記収
容凹所３ｄを介して嵌合穴３Ｃ内に臨ましめて該嵌合穴
３Ｃに対して出没自在に設けられており、かつスプリン
グ６によって半径方向内方（嵌合穴３Ｃ内に突出する方
向）へ付勢されているとともに、該ロック爪４の嵌合穴
３Ｃへの突出量はストッパとしての収容凹所３ｄの側壁
３ｆによって規制されている。

しかして、上記固定側フランジ３は上記本体３ｂの雌ね
じ孔３ａに回転軸１の雄ねじ部１ａを螺合することによ
って回転軸１に着脱可能に固定されている。

尚、上記本体３ｂの上部外周面は着脱しやすいように六
角断面に形成されている。

また、上記本体３ｂ下部のフランジ部３ｅ下面にはゴム
等の弾性材よりなる弾性薄層７が設けられ、砥石２の装
着時に該砥石２裏面に裏当てするバックアップパッド９
を押圧弾性保持して使用時の砥石２の横ぶれを防止する
ようにしている。

一方、上記砥石２の取付孔２Ｃ裏面には上記固定側フラ
ンジ３の嵌合穴３Ｃに嵌合可能な円柱状の移動側７ラン
ジ８が一体に嵌合固着されている。

該移動側フランジ８は、第４図および第５図に示すよう
に、中心に上記回転軸１の雄ねじ部１ａを貫通せしめる
中心孔８ａを有し外周が上記固定側フランジ３の嵌合穴
３Ｃと略同径に形成された円筒状の本体８ｂと、該本体
８ｂの中心孔８ａの下面周縁部から垂下し上記取付孔２
Ｃに嵌挿される中空ボス部８Ｃと、該中空ボス部８Ｃの
先端部（下端部）を取付孔２Ｃの表面側周縁部にかしめ
てなるかしめ部８ｄとを備えている。

上記本体８ｂの」一部外周には、上記所定量突出したロ
ック爪４，４に対応して切欠かれかつ回転方向Ｘに沿っ
て下方へ傾斜する面を有する２つの切欠案内壁８ｅ、８
ｅか゛直径方向に対向して形成されているとともに、該
各切欠案内壁８ｅ、８ｅの回転軸回転方向Ｘ側に直角度
のコーナ部８ｇ、８ｇを介して周方向に連続してかつ該
両切欠案内壁８ｅ、８ｅを結ぶ直径方向と直交する方向
に上記ロック爪４を上下から包持するとともに該ロック
爪４の回転軸回転方向Ｘへの移動を係止するように係合
する係合凹溝８ｆ、８ｆが形成されている。

しかして、上記移動側フランジ８は上記本体８ｂとかし
め部８ｄとによって砥石２の取付孔２Ｃ表裏面周縁部を
サンドイッチ状に挾んで固着されている。

尚、上記移動フランジ８の本体８ｂの高さは、砥石の装
着時、固定側フランジ３の本体下部フランジ部３ｅ表面
（弾性薄層７）と砥石２との間に該砥石２のオフセット
部２ａを裏当てして補強するバックアップパッド９を挾
持し得る高さに設定されている。

また、上記コーナ部８ｇは、切欠案内壁８ｅと係合凹溝
８ｆとの間にあって突出したロック爪４を一旦没入させ
るように設けられており、ロック爪４の切欠案内壁８ｅ
への嵌入状態と係合凹溝８ｆへのロック係止状態とを区
切ってロック係止状態を確実に保持するようにしている
。

そして、上記移動側フランジ８は上記回転軸１に螺合固
定された固定側フランジ３の嵌合穴３Ｃに切欠案内壁８
ｅ、８ｅと突出したロック爪４゜４とを合致させた状態
で挿入して回転軸回転方向Ｘとは逆方向に押込みながら
回転することにより移動側フランジ８の係合凹溝８ｆ、
８ｆにロック爪４，４が係合してロック係止され、その
ことにより該移動側フランジ８に一体固着された砥石２
が、該砥石２のオフセット部２ａにバックアップパッド
９を当接させた状態でグラインダの回転軸１に装着され
るように構成されている。

次に、上記実施例の作用について説明すれば、砥石２を
グラインダの回転軸１に装着する場合には、予め、固定
側フランジ３をその雌ねじ孔３ａと回転軸１の雄ねじ部
１ａとの螺合によって回転軸１に装着固定しておく。

しかる後、該固定側フランジ３に対し、砥石２の取付孔
２Ｃ裏面に一体固着された移動側フランジ８を、その本
体８ｂ外周にバックアップパッド９を嵌合させた状態で
、その切欠案内壁８ｅ、８ｅと固定側フランジ３の嵌合
穴３内に突出したロック爪４，４とを合致させたのち、
該嵌合穴３Ｃ内へ押込みながら回転軸１の回転方向Ｘと
反対方向に略９０’回転させると、上記ロック爪４，４
は切欠案内壁８ｅ、８ｅに案内されながら、コーナ部８
ｇ、８ｇで一旦スプリング６の付勢力に抗して収容凹所
３ｄ内に没入したのち、再びスプリング６の付勢力によ
り突出して係合凹溝８ｆ、８ｆにロック係止されること
により、移動側フランジ８は固定側フランジ３に回り止
めされた状態でロック係止されることになり、よって砥
石２は押込みながら回転軸回転方向Ｘとは反対方向に回
転させることによって回転軸１に確実に装着され、使用
時に離脱するようなことはない。

特に、上記切欠案内壁８ｅの受は面を回転方向Ｘに沿っ
て下方へ傾斜する面に形成して係合凹溝８ｆに連なるよ
うにしたことにより、上記係合凹溝８ｆでのロック爪４
のロック係止をより確実に行うことができる。

一方、使用により砥石２が摩耗して取替るべくつの装着
を離脱させる場合には、砥石２ （移動側フランジ８）
を回転軸１の回転方向Ｘに回動しながら下方に引くと、
該移動側フランジ８の係合凹溝８ｆと係合しているロッ
ク爪４はコーナ部８ｇでスプリング６の付勢力に抗して
一旦収容凹所３ｄ内に没入して、該係合凹溝８ｆのロッ
ク係止を解除したのち、切欠案内壁８ｅに案内されなか
ら略９０°回動した時点で該切欠案内壁８ｅと完全に合
致するので、上記移動側フランジ８は固定側フランジ３
の嵌合穴３Ｃから抜出して離脱することになり、よって
砥石２を回転軸１から簡単に取外すことができる。

したがって、このように砥石２の回転軸１への装着およ
び離脱を、押込んで回動するあるいは回動して引抜くと
いう簡単な操作でもってワンタッチで容易に行うことが
できるとともに、ロック係止によりその装着を確実に行
うことができる。

しかも、摩耗して廃棄される砥石２には単に小さな移動
側フランジ８のみが付いているにすぎず、固定側フラン
ジ３は回転軸１に螺合固定したまま何度も使用されるの
で、砥石１枚当りのコストを比較的安価なものに抑える
ことができる。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、そ
の他種々の変形例をも包含するものであり、例えば移動
側フランジ８および固定側フランジ３の材質は特に限定
されないが、移動側フランジ８にあっては砥石２に一体
固着される関係上、グラインダに対する負荷軽減の点で
軽くて強い材質のもの、例えばアルミニウム等の軽金属
が好ましい。

以上説明したように、本考案によれば、グラインダの回
転軸に、該回転軸がその回転方向に締り勝手に螺合され
るねし孔を中心に有する本体と、該本体の下面に上記ね
し孔と同心状に形成された嵌合穴と、上記本体に嵌合穴
に対して出没自在に設けられた複数個のロック爪と、該
ロック爪を嵌合穴内に突出する方向に付勢するスプリン
グと、上記ロック爪の嵌合穴内への突出量を規制するス
トッパとを備えた固定側フランジが、上記本体のねじ孔
に回転軸を螺合することによって固定されており、一方
、中心に取付孔を有する砥石の該取付孔には、上記固定
側フランジの嵌合穴に嵌合される円筒状の本体と、該本
体の下面から垂下して上記取付孔に嵌挿されるボス部と
、該ボス部の先端部を取付孔の表面側周縁部にかしめて
なるかしめ部と、上記本体の外周に上記所定量突出した
ロック爪に対応して切欠かれて形成された切欠案内壁と
、上記本体の外周に該切欠案内壁の回転軸回転方向側に
コーナ部を介して周方向に連続して形成され上記突出し
たロック爪を上下がら包持するとともにロック爪の回転
軸回転方向への移動を係止する係合凹溝とを備えた移動
側フランジが、上記本体とかしめ部とによって取付孔の
表裏面周縁部を挾んで一体に固着されており、上記移動
側フランジは、固定側フランジの嵌合穴に切欠案内壁と
突出したロック爪とを合致させた状態で挿入して回転軸
回転方向とは逆の方向に回転することにより係合凹溝に
ロック爪が係合してロック係止されることによって砥石
が装着されるように構成したことにより、摩耗取替時に
砥石を、工具を用いずに手でもって回転軸回転方向又は
その反対方向に回転させるだけでワンタッチで簡単に脱
着することができ、その作業性を著しく向上させること
ができるとともに、ロック係止のために装着を確実に行
うことができる。

しかも、移動側フランジを含む砥石の価格を低く抑える
ことができ、コストダウン化をも併せ図ることができる
ものである。

加えて、上記固定側フランジの下面にゴム等の弾性材よ
りなる弾性薄層を設ければ、使用時の砥石の横ぶれを防
止できる利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は装着時の縦断
面図、第２図は分解した状態の縦断面図、第３図は第２
図のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図、第４図および第５図はそ
れぞれ移動側フランジの平面図および斜視図である。 １・・・回転軸、１ａ・・・雄ねじ部、２・・・砥石、
２Ｃ・・・取付孔、３・・・固定側フランジ、３ａ・・
・雌ねじ孔、３Ｃ・・・嵌合穴、３ｆ・・・側壁（スト
ッパ）、４・・・ロック爪、６・・・スプリング、７・
・・弾性薄層、８・・・移動側フランジ、８ｅ・・・切
欠案内壁、８ｆ・・・係合凹溝、８ｇ・・・コーナ部、
９・・・バックアップパッド。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）グラインダの回転軸に、該回転軸がその回転方向
   に締り勝手に螺合されるねし孔を中心に有する本体と、
   該本体の下面に上記ねし孔と同心状に形成された嵌合穴
   と、上記本体に嵌合穴に対して出没自在に設けられた複
   数個のロック爪と、該ロック爪を嵌合穴内に突出する方
   向に付勢するスプリングと、上記ロック爪の嵌合穴内へ
   の突出量を規制するストッパとを備えた固定側フランジ
   が、上記本体のねし孔に回転軸を螺合することによって
   固定されており、一方、中心に取付孔を有する砥石の該
   取付孔には、上記固定側フランジの嵌合穴に嵌合される
   円筒状の本体と、該本体の下面から垂下して上記取付孔
   に嵌挿されるボス部と、該ボス部の先端部を取付孔の表
   面側周縁部にかしめてなるかしめ部と、上記本体の外周
   に上記所定量突出したロック爪に対応して切欠かれて形
   成された切欠案内壁と、上記本体の外周に該切欠案内壁
   の回転軸回転方向側にコーナ一部を介して周方向に連続
   して形成され上記突出したロック爪を上下から包持する
   とともにロック爪の回転軸回転方向への移動を係止する
   係合凹溝とを備えた移動側フランジが、上記本体とかし
   め部とによって取付孔の表裏面周縁部を挾んで一体に固
   着されており、上記移動側フランジは、固定側フランジ
   の嵌合穴に切欠案内壁と突出したロック爪とを合致させ
   た状態で挿入して回転軸回転方向とは逆方向に回転する
   ことにより係合凹溝にロック爪が係合してロック係止さ
   れることによって砥石が装着されるように構成したこと
   を特徴とする砥石装着装置。
2. （２）固定側フランジは、その下面にゴム等の弾性材よ
   りなる弾性薄層が設けられている実用新案登録請求の範
   囲第（１）項記載の砥石装着装置。