JPS5917288B2 - 同期回転継手の内部空所を換気するための換気装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は潤滑油を入れられ且つ密封部材によって封止さ
れた同期回転継手の内部空所を換気するための換気装置
に関するものである。

公知の同期回転継手は、継手の部分間の摩擦を防止する
ためにその内部空所に潤滑油が入れられ、この潤滑油の
漏洩を防ぐと共にこの内部空所に泥、コミ、水等が侵入
することを回避するためにフレキシブルブーツまたは同
心的なベロー等の密封部材によって封止されている。

同期回転継手はその作動時においては高速回転させられ
ることがあり、その高速回転時には継手部品間の摩擦に
よって熱が発生し、その熱の作用によって継手の内部空
所に過圧が発生する。

この種の継手内部空所に発生する高熱および過圧は上記
フレキシブルブーツまたはベロー等の密封部材を膨張さ
せ密封部材の劣化を招き、更には密封部材を破損させる
危険性がある。

特に継手の内部空所に過圧が発生した状態で、継手部材
が摺動または屈曲すると内部空所の容積が変化し、その
容積の変化によって継手内部空所に超過圧が発生し、密
封部材が破損する危険性を増大させる。

継手部品間の摩擦を回避するために潤滑油が入れられた
同期回転継手の内部空所の換気を行うための公知のもの
は孔または管を有する弁から構成されて部り、この孔ま
たは管は潤滑機能が行われた後には換気のために開放さ
れたままになっている。

しかしながら、この種の開放されたままの孔または管を
有する換気弁は、弁の配置が、その機械部分が制止して
しる時に、例えば内部空所の中の潤滑油のレベルの上に
その孔または管が開口しているかまたは潤滑油の粘度が
潤滑油の漏洩を妨げていると云った理由によって、潤滑
油が外部へ流出しないとき（潤滑油のロスがない。

）にのみ使用できるものである。

本発明の目的は、比較的粘度の低い潤滑油が充填された
同期回転継手の換気に適した換気装置であって、その装
置は同期回転継手が制止している時に流体（潤滑油）に
よって充填されている内部空所の領域内に弁の孔または
管の開口が配置されており、弁が開放された後でも潤滑
油の損失を回避できるものを提供することである。

本発明によればこの課題は、内部空所に通じる第１の孔
を備えた弁座が同期回転継手の回転軸線の片側に且つ弁
ケーシングと弁部材の主要部分が上記回転軸線をはさん
で弁座と相対する側にそれぞれ配置されており、継手の
回転軸線を横切るように移動できるように配置された弁
部材が第１の孔と第２の孔の連通を妨げるようにバネに
よって弁座に挿圧係合されており、継手が所定の回転速
度をこえた際にその遠心力により弁部材が弁座から離れ
て第１の孔と第２の孔が連通ずるように弁部材の重量と
弁部材を負荷するバネ力の強さが設定されている、と云
う構成によって達成されている。

この構成によれば、第１の孔の開口が潤滑油の中に位置
することができるように、同期回転継手が制止している
時にも弁座が弁部材によって閉鎖されたままであり、弁
は継手の遠心力の作用によりその内周面に潤滑油による
壁が形成されるように継手の回転速度が上昇した時のみ
開（。

従って、継手が制止している際に第１の孔の開口が潤滑
油の中に位置していて、その開口の中に潤滑油が入って
いても、作動時にはその開口内の潤滑油が継手の遠心力
によって継手の内部空所に強制的に戻され、更に弁が開
放されるような回転速度の場合には潤滑油が継手の内部
空所の内周面に壁を形成し、第１の孔の開口が潤滑油の
壁とガス（または空気）の境界面の内側に位置するので
、継手の内部空所の換気のみを行うことかでき、潤滑油
の損失はにとんどない。

本発明による換気装置は、継手が高速回転することがあ
り、その高速回転によって継手をシールするためのフレ
キシブルブーツに超過圧並びにそれによる膨張の危険性
が生じ、その結果ブーツの劣化および破損の可能性が必
然的に伴うものに使用された場合に、特にその効果が大
ぎい。

従って、本発明による換気装置は特に自動車に用いられ
る回転トルクを伝達するための、フレキシブルブーツま
たは同心的なペローによって覆われた自在継手に適シて
おり、フレキシブルブーツまたはベローの膨張並びに継
手部材の摺動および屈曲または継手内部空所のガスの加
熱によって生じる容積の変化に基づ（超過圧によって惹
起する破損を防止することに役立つ。

更に弁は第１の孔に連通ずる補助孔を備えることができ
、この孔は同期回転継手の回転軸線の半径方向外方へ延
びて内部空所に連通しており、継手の内部空所の容積の
変化の際に少量の潤滑油が第１の孔を通って内部空所か
らガスまたは空気と共に流出することを防止することか
できる。

第１の孔内の潤滑油を排出して急速に空らにするために
は、第１の孔を継手の回転軸線に対して半径方向外方に
斜めに延びるように配置して内部空所に開口させると良
い。

弁は継手の内側または外側に配置することが可能であり
、高速度回転の際にアンバランスになることが回避でき
るならば、いずれの側に取付けても良い。

以下、概略的に図面に示された本発明による実施例につ
いて更に詳しく説明する。

第１図および第２図には、同期回転継手の内部空所８内
に設けられた換気装置１が示されている。

この装置１は外継手部材３の後壁２の内側に且つ継手の
回転軸線１５を横切るように配置されている。

第２図から明らかな如（、換気装置１は弁ケーシング１
Ｔを備え、弁ケーシング１７が継手の後壁２を通って外
側へ延びる管状接続部１４を有しており、この接続部１
４の内側には孔１１が形成されている。

接続部１４はその外面に雄ネジ部を有しており、このネ
ジ部に６角ナツト４を締め付けることによって弁ケーシ
ング１７が継手の後壁２に固定されている。

弁ケーシング１７内には弁部材５が配置されており、継
手の回転軸線１５を横切る方向にその中で摺動すること
ができる。

更に弁部材５は弁座１に対してバネ６により押圧されて
おり、弁部材５が弁座７に係合している間は、継手の内
部空所８に開口する第１の孔９と外部に開口する第２の
孔１１との連通接続を遮断している。

弁部材５およびバネ６を含む弁ケーシング１７は、孔９
の側に配置された弁部材の一部分が係合する弁座７とは
継手回転軸線１５に対して反対側に配置されている。

弁ケーシング１７は、継手が回転している間、弁座７か
ら弁部材５を離す方向に移動させる遠心力を惹起するよ
うに配置されており、この移動は、弁部材５に作用する
遠心力が弁座７に弁部材５を押圧する方向に作用するバ
ネ力よりも現実的に大きくなった時に生じる。

弁部材５の移動が生じた時に、孔９が弁ケーシングの空
間１０を介して孔１１に連通し、それにより継手の内部
空所８の換気が行なわれる。

バネ６の強さと弁部材５の重量は、孔９が開口する継手
内部空所の中央領域から液体状の潤滑油が半径方向外方
へ遠心力によって移動した時にのみ弁座７から弁部材５
が離れるように選択されている。

これは、孔９の入口よりわずかに外側に位置する潤滑油
がその位置に留まることを最低の条件とする。

すなわち、遠心力により潤滑油が半径方向外方へ移動す
ることにより、孔９に潤滑油が入らない時に換気が行な
われる。

弁ケーシング１７は更に継手の回転軸線から半径方向外
方へ延び第１の孔に連通ずる補助孔１２を備えており、
この補助孔１２は継手が回転している時に形成される円
筒状の潤滑油の層に向いている。

この孔には、継手が回転を開始するやいなや弁座１の領
域に侵入していた潤滑油を排除することに役立つ。

孔１２が潤滑油の中に開口している時には、継手の内部
空所８の換気は孔９を介して行なわれる。

第３図に示された換気装置は原則的に第２図に示された
ものと同様に形成されており、換気装置１が継手の内部
空所８の外側に配置され、更に内部空所８を換気するた
めに孔１３が外継手部材３の回転軸線１５に対して斜め
に半径方向外方に離れる方向に延びている。

孔１３のこの配置により、継手が回転している時に、遠
心力によって孔１３内に含有する潤滑油が内部空所８内
へ戻される。

本発明による実施の態様を以下に例示する。

１）弁ケーシングが同期回転継手の回転軸線から半径方
向外方へ延び第１の孔に連通ずる補助孔を備えており、
この孔が継手の内部空所に連通していることを特徴とす
る換気装置。

２）弁ケーシングの第１の孔が同期回転継手の回転軸線
から半径方向外方へ離れるように斜めに延びていること
を特徴とする換気装置。

３）第１の孔が補助孔よりも同期回転継手の回転軸線に
近い位置で空所内部に開口していることを特徴とする上
記１）に記載の換気装置。

４）弁ケーシングが同期回転軸継手の内部または外部に
配置されていることを特徴とする換気装置。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による換気装置を同期回転継手の外継手
部材に配置した実施例を示すものであり、第２図は換気
装置が継手の内部空所に配置された実施例を示し、第３
図は換気装置が同期回転継手の外部に配置された実施例
を示すものである。 図中符号：１・・・換気装置、２・・・外部継手部材の
後壁、３・・・外部継手部材、４・・・六角ボルト、５
・・・・・・弁部材、６・・・バネ、７・・・弁座、８
・・・内部空所、９・・・孔、１０・・・弁内室、１１
・・・換気孔、１２・・・補助孔、１３・・・孔、１４
・・・接続部、１５・・・回転軸線、１７・・・弁ケー
シング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 潤滑油を入れられ且つ密封部材によって封止された
   同期回転継手の内部空所を換気するための換気装置であ
   って、換気装置が弁座を設けた弁ケーシングと弁ケーシ
   ング内に収容され且つ弁座に対してバネ負荷された弁部
   材とから成る弁を備えると共に弁ケーシングが互いに連
   通ずる２つの孔を有し、その一方の第１の孔が同期回転
   継手の内部空所に且つ他方の第２の孔が継手の外部に開
   口しているものにおいて、内部空所に通じる第１の孔を
   備えた弁座が継手の回転軸線の片側に且つ弁ケーシング
   と弁部材の主要部分が上記回転軸線をはさんで弁座と相
   対する側にそれぞれ配置されており、継手の回転軸線を
   横切るように移動できるように配置された弁部材が第１
   の孔と第２の孔の連通を妨げるようにバネによって弁座
   に挿圧係合されており、継手が所定の回転速度をこえた
   際にその遠心力により弁部材が弁座から離れて第１の孔
   と第２の孔が連通ずるように弁部材の重量と弁部材を負
   荷するバネ力の強さが設定されていることを特徴とする
   換気装置。