JPS5915268Y2 - 電流形インバ−タによる誘導電動機のすべり周波数制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電流形インバータによる誘導電動機のすベリ
周波数制御装置に関し、特に閉ループを適用した定常運
転時の不安定現像を解消するための遅れ補償回路を備え
た制御装置の改良に関する。

電機子電流とすべり周波数を制御して電動機の速度制御
をするすべり周波数制御には、電機子電流を直接に制御
する電流形インバータが過渡特性に優れ、多く採用され
ている。

また、電動機の容量を有効に活用するためには、回転磁
界の強さを常に定格値に保つ必要があり、すべり周波数
制御ではすべり周波数と電動機に流れる電流の比率を制
御すれば、低速運転にも良好な運転特性を持つ回転磁界
一定制御ができ、周波数制御系に回転磁界一定のための
関数発生器を設けることが知られている。

また、電流形インバータによるすべり周波数制御におい
て、その過渡特性を一層向上させる方法として、本願出
願人はすべり周波数指令を電動機の２次時定数で補正し
て電動機の実トルクの遅れ分を補償することで系の振動
を抑える遅れ補償回路を周波数制御系に設けるものを既
に提案している（特願昭５３−１４０１５２．５３−１
４０１５３）。

第１図は従来のすべり周波数制御によるかご耐誘導電動
機の速度制御系ブロック図である。

順変換器１で制御される直流電流Ｉｄは、直流リアクト
ル２で電流リップルが軽減され、インバータ３で制御さ
れる周波数を持って電動機４に方形波電流として供給さ
れる。

設定器５に設定された電動機回転子速度信号は、電動機
４の速度を周波数として検出する速度発電機６及び周波
数−電圧変換器７を通した実速度信号と突合わされ、速
度制御増幅器８の出力電圧に比例して電動機４の一次電
流を制御すべく電流制御増幅器９、移相回路１０及び電
流検出回路１１から戒る電流制御系を具える。

また、電動機４の一次電流の指令信号を関数発生器１２
及び遅れ補償回路１３を介してすべり周波数指令値Ｓω
０を取出し、この値に周波数−電圧変換器７からの電動
機回転子速度（１−３）ω。

を加算し、加算結果ω。

でリングカウンタ１４等の転流制御回路を介してインバ
ータ３の転流制御をする構成にされる。

ここで、関数発生器１２は、電動機４の二次電流とすべ
り周波数ＳωＯの関係において電動機４の励磁電流分の
補正を行なう間接的な二次電流制御のための関数特性を
持ち、回転磁界一定の制御を可能とする。

また、遅れ補償回路１３は、電動機系全体の伝達関数と
インバータ制御系の伝達関数とから見た自動制御系にお
いて、周波数制御系でのインバータ出力周波数の変化に
対して電動機の実トルクの応答が振動的となることに鑑
み、すべり周波数指令を電動機の２次時定数で補償する
ことにより周波数制御系そのものひいては系全体の安定
性を高めるためのもので、具体的には電動機の２次時定
数信号ｒ２と電動機のすべり周波数ＳｏωＯとを取込ん
ですべり周波数指令を補正する。

しかし、上述の遅れ補償回路１３は、伝達関数補正のた
めの電動機の２次時定数ちを電動機定数から計算して設
定するため、例えば電動機の温度上昇によってその２次
抵抗値が増大した場合には設定値ｒ２と実際の２次時定
数とに差が生じ、適切な補償ができなくなる不具合があ
った。

同様に、関数発生器１２は定格電動機電圧時のすべり周
波数と電動機電流との関係から関数特性を定めているが
、電動機の温度変化により回転磁界一定制御ができなく
なる問題があった。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、電動機の
温度変化、制御部品の定数変化等による電動機の定数変
化を電動機電圧とインバータ出力周波数の比の変化から
検出し、この検出値に応じて遅れ補償回路に与える２次
時定数信号を補正し、さらには検出値を利用して関数発
生器の特性も補正できるようにしたすべり周波数制御装
置を提供することを目的とする。

第２図は本考案の一実施例を示すブロック図であり、破
線ブロックで示す調整回路を第１図の回路に付加したも
のである。

電圧検出回路１５は電動機４の電圧を検出する変成器等
との組合せにより電圧■、を適当な信号で取出す。

割算器１６は電圧ＶＭをインバータ出力周波数ωＯで割
算し、その結果ＶＭ ／ωＯを設定器１７で設定した電
圧・周波数比Ｖ／ω０と比較する。

これにより、通常の運転状態における電動機定数に対す
る電動機の実際の定数変化（例えば２次抵抗変化）を検
出する。

Ｖ／ωＯとＶＭ ／ω０との差分は電圧変換回路１８を
通して関数発生器１２の補正量として加えると共に、電
圧変換回路１８の出力もしくは該差分を入力とする電圧
変換回路１９を通して遅れ補償回路１３の乃補正量とし
て加える。

こうした調整回路を備える本考案によれば、電動機伝達
系の定数変化に応じて遅れ補償回路に設定する電動機２
次時定数を適切に補正でき、遅れ補償回路による電動機
の実トルクの遅れ分補償を常に最適な状態にすることが
できる。

また、調整回路の信号を利用して関数発生器における電
流すべり周波数補正値も適切にする制御が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のすべり周波数制御装置を示すブロック図
、第２図は本考案の一実施例を示すブロック図である。 １・・・・・・順変換器、２・・・・・・直流リアクト
ル、３・・・・・・インバータ、４・・・・・・誘導電
動機、５・・・・・・速度設定器、６・・・・・・速度
発電器、７・・・・・・周波数−電圧変換器、８・・・
・・・速度制御増幅器、９・・・・・・電流制御増幅器
、１０・・・・・・移相回路、１１・・・・・・電流検
出回路、１１・・・・・・電流検出回路、１２・・・・
・・関数発生器、１３・・・・・・遅れ補償回路、１４
・・・・・・リングカウンタ、１５・・・・・・電圧検
出回路、１６・・・・・・割算器、１７・・・・・・電
圧・周波数比設定器、１８．１９・・・・・・電圧変換
回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 誘導電動機の速度検出値と速度設定器の速度設定値との
   偏差を速度制御増幅器で増幅し、この速度制御増幅器の
   出力を誘導電動機の一次電流指令とすると共に該出力に
   対して一定比率にしたすべり周波数信号を関数発生器か
   ら得、このすべり周波数信号を誘導電動機の２次時定数
   で補正する遅れ補償回路の出力に上記速度検出値を加え
   て一次周波数指令とする電流形インバータによる誘導電
   動機のすベリ周波数制御装置において、誘導電動機の一
   次電圧信号を得る電圧検出回路と、この電圧検出回路の
   出力を上記関数発生器の出力に速度検出値を加えた一次
   周波数信号で割算してインバータの出力周波数−電圧比
   信号を得る割算器と、インバータ出力周波数−電圧比設
   定値を得る設定器と、この設定器の設定値と上記割算器
   の出力との偏差に比例した信号を上記関数発生器の補正
   加算量として出力する第１の電圧変換回路と、この第１
   の電圧変換回路の人力信号に応じて上記遅れ補償回路に
   よる２次時定数を補正する出力を得る第２の電圧変換回
   路とを備えたことを特徴とする電流形インバータによる
   誘導電動機のすべり周波数制御装置。