JPS591459Y2 - 田植機の苗取出し案内装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は田植機の苗取出し案内装置に関し、さらに詳
しくは、分離爪により取出された採苗が分離爪に対し正
しい姿勢で一体的に付着される苗取出し案内装置に関す
る。

田植機は苗載せ台上に載置した苗マットを植付機により
一株ずつ切出して採苗とし、これを移動しながら圃場に
対し植付けるようにしたものである。

このような田植機において、苗載せ台の下端縁に沿って
配置した苗受板の取出口から植付機の分離爪が採苗を取
出して圃場の植付は面近くまで、その採苗を運ぶ間に、
採苗と分離爪との結合が弱く、採苗の自重で落下してし
まったり、採苗の床土部がばらけてしまったりして採苗
全体の姿勢が乱れ、植付けた場合に転び苗になったり、
ひどい場合には、採苗が分離爪から分離してしまうなど
の不都合が生じることがあった。

このような問題点を解決するために、例えば実公昭 ４９−１３４５８号、実開昭５２−１３４５２４号等に
開示されているように、取出口の両側に、植付機で運ば
れる採苗の側面に若干の側圧を加えるための金属製の板
体、あるいは片体を設けて、とくに、植付フォークが採
苗を圃場にしっかりと植付けるまで、採苗の床上部と分
離爪とが分離することがないようにした苗取出し案内装
置が知られている。

このような苗取出し案内装置によれば、分離爪で切出さ
れた採苗、とくに床上部が分離爪に対して密着するので
、取出口から圃場の植付は面に対して移動される間に、
床土部がばらけて姿勢を乱すことは防止されるのである
が、分離爪は苗マットの上面に対して垂直に切込むもの
ではなく、植付機の駆動軸を中心とした複合円運動を描
き、さらに、採苗が取出口を通過する際、苗の葉が苗マ
ットなどに接触するので、採苗は遠心力と、葉の接触に
よる抵抗などで１端部が苗載せ吉例に倒れがちとなる。

その状態のまま分離爪で押出されて植付けられると、直
立ではなく前傾姿勢で植込まれ、ひどい場合には転び苗
となってしまうことがあり、また案内装置が金属製の場
合は苗の床上部への追従性が悪い欠点があった。

そこで、この考案は、取出された採苗が分離爪で取出口
を経由して植付は面に移動される間に、分離爪に対して
正しい姿勢になるようにしたもので、そのために、分離
爪で捉えた採苗の床上部が移動方向の先端となるので、
取出口の両側から垂下する取出し案内体をゴム状の弾性
体で構成し、この案内体でその床上部に移動過程におい
て抵抗を与え、とくに、取出し直後の苗の床上部と分離
爪の付着を良好にし、さらに下端部に移動するにつれ床
上を固める作用を期待し、正しい姿勢で確実に植付ける
ことができるようにしたことを特徴とするものである。

以下、この考案の構成を添付した図面に沿って説明する
。

先ず、第１図は植付機と、苗載せ舌下縁部との位置関係
を示す部分側面図で、苗の床上部の左右両側を外方から
挟持して取出す分離爪１１に沿って上下動できる植付フ
ォーク１２により構成された植付機１０が、苗載せ台２
０の下端縁に沿って配置された苗受板２１の取出口２２
中を運動し、そのときの分離爪１１の先端部は曲線Ｔで
示す軌跡を描いて通過でき、苗載せ台２０上の苗マット
ｍを取出して採苗にとしてこれを圃場に植付けることが
できる構成となっている。

この取出口２２の両側には、ゴムやプラスチックで代表
される弾性体で成形された取出し案内体３０が互いに間
隔をおいて対向配置されている。

この取出し案内体３０は、取付端部３１位置の幅寸法が
最も大きく、下端部３２に向って幅が減じられ、取出し
案内体３０の相対向する面は、全面が同一平坦ではなく
、取出口２２に取付けた場合、取出し案内体で形成され
る空間の幅が取付端部で最も大きく、下端部３２に向っ
て減じられるような案内面３０ ａをもち、この案内面
３０ ａの最上端部には、取付端部とほぼ等幅で直線的
に下降し、その等幅部につづいて取出し案内体３０の最
大幅寸法のほぼ中心線と直交する方向に沿って下端側を
内側に急傾斜させた傾斜段部３０ ｂがある。

そして取出し案内体３０の勾配を有する平坦面の外側に
は、幅方向はぼ中央に沿って、取付端３１側が最も高く
、下端部３２に向って低くなり、最終的には取出し案内
体３０の外側面と面一となるリブ３３が一体的に形成さ
れている。

このような構成の取出し案内体３０が、一対、下端に向
って間隔が次第に狭くなるように苗受板２１の取出口２
２の両側に案内面３０ ａを互いに対向させて取付けら
れて取出し案内装置が構成される。

次に、この取出し案内装置による苗取出し作業について
説明する。

先ず、分離爪１１の下端部の運動軌跡は第１図の曲線Ｔ
の通りで、点Ｔ１で分離爪１１の下端部１１ ａが苗マ
ツ）ｍの床上部ｍ′に切入り、次第に切込みを深くして
採苗ｋを分離爪１１に付着させるのであるが、採苗には
分離爪１１に対してその床上部ｔが分離爪１１に十分に
付着していない。

この状態のまま、床上部ｔが取出し案内装置を構成する
取出し案内体３０で形成されるほぼ等幅の空間に送られ
ると、案内面３０ Ｈには、等幅部分につづいて送り方
向に向って幅寸法が小さくなる傾斜段部３０ ｂが形成
されているので、最も先に入ってくる床上部ｔに側面か
ら抵抗を与え、抵抗力で床上部ｔを分離爪１１に向って
突上げ、採苗にの床上部を全体を同図に仮想線で示す状
態として、植付けに際し正しい姿勢に矯正して付着する
。

さらに、取出された採苗ｋが分離爪１１と共に苗取出口
に移動していくと、取出し案内体３０の取付端部３１側
では剛性が大きいので、この取出し案内体３０間を通過
する前段では採苗にの床上部ｔに対し側圧を加えて分離
爪１１との結合を図り、さらに採苗ｋが取出し案内体３
０の下端部３２に向って移動するにつれ柔軟となってい
るので、床上部ｔを両側から単に保護する程度の側圧を
与え、取出し案内体間の間隔力ｙ小さくなっているが、
採苗の床上部に強い側圧を加えない。

したがって、採苗に取出し後においては、その床上部ｔ
を分離爪１１に対して押固め、植付面に次第に近づくに
つれ、取出し案内体の間隔は小さくなるが、取出し案内
体自体軟らかくなっているので、床上１に適度の圧力を
加えて固めながら、採苗ｋを通過させる。

以上の説明から明らかなように、この考案の苗取出し案
内装置によれば、分離爪を苗の床上の左右両側から挟持
する構造とし、取出口の両側から垂下して取付けられる
取出し案内体をゴム状の弾柱体で構成したので、分離爪
で取出された採苗が案内体間を通過するとき、その全面
で側圧を受けて分離爪との結合を強め、案内体は弾性変
形しっつ採苗に抵抗を与えて採苗を姿勢よく植付は面ま
で゛案内することか゛できる。

しかも、案内体の対向間隔は下方はど狭くなり、その上
部に、等幅部分につづく中間部を内向きに急傾斜したの
で、分離爪が取出口から採苗を分離するときには、採苗
の先端部が案内体と接触することなく取出されて床上が
崩れることがなく、採苗が分離された後は案内体の急傾
斜部で両側から抵抗を与えて分離爪との結合を強め、以
後は案内体が弾性変形しつつ植付は面近くまで採苗を適
正な姿勢に保持して案内し、転び苗、ばらけ苗などのな
い正確な田植え作業が行える。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による田植機の苗取出し案内装置の側
断面図、第２図は取出し案内体の斜面図、第３図は正面
図である。 ０・・・・・・植付機、１１・・・・・・分離爪、１２
・・・・・・植込フォーク ２０・・・・・・苗載せ台
、２１・・・・・・苗受板、２２・・・・・・取出口
３０・・・・・・取出し案内体、３０ ａ・・・・・・
案内面、３０ ｂ・・・・・・傾斜段部、３１・・・・
・・取付端部、３２・・・・・・先端部、３３・・・・
・・リブ１１ｍ・・・・・・苗マット、ｋ・・・・・・
採苗、ｔ。 ｍ′・・・・・・床上部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 田植機の苗載せ台の下端縁に沿って苗受板を配置し、こ
   の苗受板に形成され、苗の床上部の左右両側を外方から
   挾持して取出す分離爪が上方から通過する苗取出口の両
   側に、相対向する一対の取出し案内体を下方へ向けて垂
   下し、この取出し案内体をゴム状の弾性体で構成すると
   共に、該案内体は、上部の苗取出口側が所定間隔てがつ
   ほぼ等幅で直線的に所定長さ下降し、その等幅部につづ
   く中間部を内向きに急傾斜させ、それにつづく下端部を
   対向間隔が次第に狭くなるように構成してなることを特
   徴とする田植機の苗取出し案内装置。