JPS5914443B2 - 歯科用充填材料 - Google Patents

歯科用充填材料

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JPS5914443B2
JPS5914443B2 JP55005983A JP598380A JPS5914443B2 JP S5914443 B2 JPS5914443 B2 JP S5914443B2 JP 55005983 A JP55005983 A JP 55005983A JP 598380 A JP598380 A JP 598380A JP S5914443 B2 JPS5914443 B2 JP S5914443B2
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monomer
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polymerizable
filling material
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JP55005983A
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育男 小村
淳一 山内
喜則 長瀬
享一郎 柴谷
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は歯科用充填材料、とくに低粘度型の歯科用充填
材料に関する。
従来、歯科用材料を構成する重合性単量体として、US
P3066112号に開示されている2、102’−ビ
ス〔4−(3−メタクリロキシー2−ヒドロキシプロポ
キシ)フェニル〕プロパン(以下、単にBis−GMA
と略称する)が汎用的に用いられているが、高粘性であ
るため、エチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコール15ジメタクリレート、テトラエチレ
ングリコールジメタクリレート等の低粘性の単量体で希
釈されて用いられている。
Bis−GMAに対して低粘性の単量体は所定の粘度に
なるように種々に配合されているが、窩洞の小さい乳歯
へ適用される充填材ク0 料としては低粘性の重合性単
量体を25重量%以上配合して、充填材料の粘度を10
4ポイズ以下(好ましくは、5.0×103ポイズ以下
)にすることが必要である。低粘性の単量体を25重量
%以上配合した充填フ5 材料としては、特開昭48−
18380号に開示されている充填材料が知られている
しかしながら、歯牙に対する密着性に対しては不十分な
ものであつた。密着性を確保するために、従来の歯科治
療においては、歯牙表面をリン酸等の酸からな10るエ
ッチング剤で処理することが行なわれている。この処理
によつて歯牙表面に凹凸部を形成し、重合性単量体が酸
エッチングによつて生成した凹凸部に浸入し、その状態
で硬化することにより硬化物の歯牙表面への密着性を確
保して来た。しかし■5 ながら、従来の歯科用材料で
は、密着性がまだ充分ではなく、繰り返し咬合圧や熱膨
脹収縮力坊口わると歯牙と硬化物との間に隙間を生じ、
充填物の脱落、歯牙と硬化物との間における歯牙の変質
(例えば、二次カリエスの発生)等を生じ易く、処置さ
れた状態を長く保持することができなかつた。本発明者
らは、歯牙への密着性を高めるためには、酸エツチング
により生じた凹凸部へ充分に浸入しうる粘度の低い、歯
牙に対して濡れ易い重合性単量体を用いることが望まし
いことに着眼し、鋭意検討を行なつて、ついに本発明に
到達した。
すなわち、本発明は、(IXイ)1,2−ビス(3−メ
タクリロキシ一2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、(
口)2,2′−ビス〔4−(3−メタクリロキシ一2−
ヒドロキシプロポキシ)フエニル〕プロパン(Bis−
GMA)、(ハ)ネオペンチルグリコールジメタクリレ
ートおよび(ニ)トリエチレングリコールジメタクリレ
ートからなる重合性メタクリレートモノマー、(4)フ
イラ一および(11・D重合触媒およびが特開昭48−
18380号に開示されている。しかしながら、該特開
昭に開示された化合物では、後述の比較例において示す
ように歯牙に対する密着性は十分には認められなかつた
。本発明においては、Bis−G凪〔モノマー(ロ)〕
は重合性メタクリレートモノマーに対し51〜60重量
%用いられる。
51重量%以下では硬化物の機械的強度の点から好まし
くなく、60重量%以上では充填材料の粘度が高くなつ
て、乳歯への適用には望ましくないものとなる。
本発明においては、重合性メタクリレートモノマーとし
て前述のモノマー(イ)および(口)の他に、モノマー
(ハ)が用いられる。
モノマー(ハ)は重合性メタ(へ)重合促進剤からなる
重合硬化剤、からなる歯科用充填材料であつて、該充填
材料は該触媒と該促進剤が別々に包装されるように少な
くとも2分割包装されて、使用時に混合されて用いられ
るものであつて、混合時において該成州i)は該成ボ1
)+(4)に対し30〜50容量%、該成ボIi)は7
0〜50容量%存在し、該成分(111)は重合性モノ
マーに対し0.1〜6重量%存在し、該モノマー(イ)
は該重合性メタクリレートモノマーに対し10〜20重
量%、該モノマー(口)は51〜60重量%、該モノマ
ー(ハ)は10〜20重量%、該モノマ→(ニ)は10
〜17重量%存在するように構成されてなる歯科用充填
材料である。本発明の最も特徴とするところは、歯科用
充填材料を構成するメタクリレート系単量体として、上
言dイ)のモノマーを用いることである。
モノマー(イ)は次の構造式で表わされる〇かかるモノ
マーを重合性メタクリレートモノマーに対し5〜50重
量%なかでも10〜20重量%用いることにより硬化物
に対する密着性が顕著に向上することが認められた。
10重量%以下では密着性向上の効果は充分ではなく、
20重量%以上では硬化物の吸水性が増大してくるので
、硬化物の機械的性質の点で好ましくない。
このモノマーによる上記の効果は、このモノマーが粘度
が低くしかも分子内に2個のヒドロキシル基を有する親
水性に起因する、歯質に対する重合性単量体混合物の濡
れ易さの改善によるものと考えられる。なお、分子内に
2個のヒドロキシル基を有する化合物である1,2−ビ
ス(3−メタクリロキシ一2−ヒドロキシープロポキシ
)ブタンυ一しN2しnし02υυし一し一しN2ノて
モノマー(ニ)が用いられているが、本発明においても
用いられる。
本発明においてモノマ→(ニ)は重合性メタクリレート
モノマーに対し10〜17重量褒の範囲で用いられる。
17重量%以上(すなわち、モノマー(口)+(ニ)に
対するモノマH(ニ)の比率が25重量%以上)では、
重合性単量体中におけるモノマ→イ),(口)およ連→
の比率が低下し、歯牙に対する密着性、機械的強度、耐
水性等の充填材料に対して要求される種々の性能のバラ
ンスがくずれてくるので好ましくない。
また、モノマー(ニ)が10重量%以下ではBis−G
沃の希釈効果が充分でなくなり、モノマHイ)および(
ハ)と共に前述の範囲すなわち10重量%以上、17重
量%未満用いるのが効果的である。本発明の充填材料に
は従来から用いられている粉末状のフイラ一がそのまま
用いられる。
フイラ一としてはシラン結合剤で表面処理された、粒径
100μ以下のガラス粉末、石英粉末等の熱膨脹係数の
小さい無機フイラ一が好ましい。かかるフイラ一は前述
のメタクリレート系重合性単量体とペースト状に混合さ
れて、歯牙空洞内に充填されて硬化される。充填材料中
におけるメタクリレート系単量体の比率は30〜50容
量%(対メタクリレート系単量体+フイラ一)、フイラ
一の比率は70〜50容量%であることが必要である。
重合性単量体の比率が30体積%以下では、ペーストの
流動性が不良となり、50体積%以上では硬化時の体積
収縮が大きくなりすぎ、また得られた硬化物の理工学的
性質(圧縮強度.熱膨脹係数等)の点でも望ましくない
性能となる。さらに、本発明においてはフイラ一の一部
に親水性コロイダルシリカ〔面積平均粒径が5〜50m
μの微粒子状無水シリカであつて、粒子表面にシラノー
ル(Si−0H)基が2〜3個/100八2の密度で存
在しているシリカ〕を加えることが望ましい。添加量は
重合性単量体とフイラ一からなる組成物中において0.
5〜20体積%が好ましい。本発明においては、低粘度
のモノマー〔前述のモノマー(イ)、(ハ)および(ニ
)〕の比率力塙いので、ペースト状組成物の長期保存中
においてフイラ一が沈降しやすい傾向にあるが、かかる
親水性コロイダルシリカの添加によりフイラ一の沈降を
防ぐことができる。メタクリレート系重合性単量体を歯
牙の窩洞内において重合硬化させるために、重合触媒お
よび重合促進剤からなる重合硬化剤が必要である。重合
触媒としては過酸化ベンゾイル、重合促進剤としてはN
,N′−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−
ヒドロキシエチノリ一p−トルィジン等の第三級アミン
が好適であるが、これら以外にも常法にしたがつて種々
のものが使用可能である。かかる硬化剤はメタクリレー
ト系重合性単量体を実質的に完全に重合できるように加
えられるが、通常その添加量は0.1〜6重量%である
。かかる重合硬化剤を用いるので、保存安定性の点から
市販の充填材料において採用されているように重合触媒
および促進剤が同一包装に入らないように、充填材料を
少なくとも2包装形態に分割包装して使用者である医師
に供給する。そして、かかる充填材料は使用時において
所定の組成物になるように混合して用いられる。包装形
態としては、例えば重合性単量体、フイラ一および促進
剤からなるペーストを封入した包装と触媒のみ(適当な
増量剤を加えておいてもよい)を封入した包装とからな
るペースト・触媒型、重合性単量体とフイラ一からなる
ペーストを2分し、それぞれに触媒または促進剤を加え
て包装した、2ペースト型があるが、本発明では本質的
にはいずれの型でもよい。本発明の充填材料を歯牙の窩
洞内へ充填するに際し、通常行なわれているように歯牙
表面はリン酸等からなる酸エツチング剤で処理され、つ
づいて重合性単量体(リン酸ジエステル基を有するモノ
マーを含むものが好ましい)と硬化剤からなる接着性プ
ライマーが塗布されていることが望ましい。
しかる後に本発明の充填材料を窩洞内へ充填し、硬化さ
せることによつて、硬化物の辺縁封鎖性は優れたものと
なる。以上のように充填材料を構成することにより〔と
くに、モノマ→イ)を用いることにより〕、充填材料の
歯牙に対する密着性は著しく改良され、その結果硬化し
た充填物の脱落、歯牙と硬化物との間における歯牙の変
質はなく、処置された状態を長く保持することができる
ことが判明した。
しかも、本発明の充填材料は、低粘度(2.0X102
〜5.0×103ポイズ程度)であるので、従来市販さ
れている充填材料では困難であつた先端口径1關以下の
ノズルを有する注入器での窩洞内への流しこみ充填法の
乳歯への適用が可能であり、充填操作の能率向上と充填
材料の使用領域を拡大することができた。以下実施例に
よりさらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら
の実施例により制限されるものではない。
実施例 1 次の処方にしたがつて、ペースト(A)およびB)を調
合した。
人歯1歯につき歯冠部側面に1〜2個の幅2mm、長さ
4m711深さ2mmの窩洞をダイアモンドバ一で合計
4個形成した。
正リン酸を含有するエツチングエイジエント(リン酸濃
度40重量%)で1分間窩洞のエナメル質を酸処理し、
水洗後気銃で乾燥し、リン酸エステル基を含有するメタ
クリレート系モノマーを含むボンデイングエイジエント
を塗布した。再び、気銃でボンデイングエイジエント中
に含まれている揮発性のエタノールをとばした後、ペー
スト(A)と(B)を等量ずつ30秒間混練して窩洞内
へ充填した。なお、ペースト(.A),(B)のそれぞ
れの粘度は1.1×103ポイズであつた(ワイゼンベ
ルクレオゴニメータ一で測定、25℃、せん断速度1.
35sec−1)。充填5分後に水中に浸漬し、1時間
後充填部を除く、歯全体を樹脂で固め、37℃水中に1
昼夜放置した。その後オーバーフイリングした充填物を
+500のエメリペーパ一で除去した。次にフクシンで
着色し、得られた試料を5℃と60℃の水中に交互に1
分間隔で100回浸漬した。得られたサンプルをカツタ
一で4枚にスライスし、接着界面へのフクシンの浸入度
を4個の試料、各4枚の薄片について点数評価した。そ
の結果浸入度は9.0%であつた。この結果は下記の比
較例に比して極めて優れたものである。なお、色素の浸
入度は次のように測定した。充填された歯牙をスライス
することにより、薄片試料において色素が浸入しうる歯
牙と充填物との界面は2ケ所存在する(充填物の両端)
。このうち一方について、色素がエナメル質まで浸入し
た場合5%、象牙質までの浸入を30%、窩底までの浸
入を50%として評価し、他方についても同様の評価を
行なつた結果を加算し、色素浸入度とした。上記の個数
の試料について測定を行ない、平均で表示した。比較例
1 実施例1のペースト(A)および(B)の1,2−ビス
(3−メタクリロキシ一2−ヒドロキシプロポキシ)エ
タンの代りに特開昭48−18380号に記載されてい
る1,2−ビス(3−メタクリロキシ一2−ヒドロキシ
プロポキシ)ブタンを同様の比率で混合したペースト(
C)およびペースト(D)を調合した。
実施例1の方法と同様にして歯牙に充填し、色素浸入度
を評価したところ、フクシンの浸入度は17.2%であ
つた。このことは前記特開に記載されている1,2−ビ
ス(3−メタクリロキシ一2−ヒドロキシプロポキシ)
ブタンに比し、本発明におけるモノマHイ)の効果が非
常にすぐれていることを示している。比較例 2 実施例1のネオペンチルグリコールの代わりに、さらに
トリエチレングリコールジメタクリレートを加えること
以外は実施例1と同様にしてペースト(E)および(F
)を調製した。
したがつて、ペースト(E)および(F)においてトリ
エチレングリコールジメタクリレートは7.7重量部と
なる。実施例1と同様にして、ペースト(ト)および(
F)の混合物を窩洞に充填し、色素浸入度を測定した。
色素浸入度は8.0%であり、実施例1と同じような結
果であつた。しかしながら、硬化物の吸水率を測つたと
ころ、実施例1の硬化物の吸水率が1.2重量%である
のに対し、本比較例の硬化物の吸水率は1.8重量%と
相当大きい値を示した。このことは、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレートの添加が硬化物を疎水性にし、
充填材料においてネオペンチルグリコールジメタクリレ
ートと1,2−ビス(3−メタクリロキシ一2−ヒドロ
キシプロポキシ)エタンの存在が性能のバランス(歯牙
に対する密着性と吸水率)の点で好ましいことを示して
いる。なお、吸水率は次のようにして測定した。
ペースト(ト)およ?F)を混合して硬化させ、直径3
3m7!Lφ、厚さ2m1の円板を作成し、このものを
一昼夜37℃に加温後重量を測定し、ついで37℃水中
に浸漬する。1ケ月後この円板の重量を測定し、得られ
た重量増加率を吸水率とする。
比較例 3 次の処方でペースト(9およ〆(至)を調製した。
実施例1と同様にしてペースト(9および(自)を混合
して、窩洞を充填し、色素浸入度を測定した。色素浸入
度は12%であつた。このことからトリエチレングリコ
ールジメタクリレートの量がBis一GMA+トリエチ
レングリコールジメタクリレート〔モノマー(口)+(
ニ)〕に対し31重量%であるときには実施例1の場合
に比し歯牙への密着性が低下することが認められた。1
,2−ビス(3ーメタクリロキシ一2−ヒドロキシプロ
ポキシ)エタンの量が相対的に低下するためと考えられ
る。
実施例 2次の組成でペースト触媒型の充填材料を調合
した。
作成し、前記の充填材料と共に歯科修復システムを構成
した。
この修復システムを用いて、次のように人歯を処置した
まず、人前歯5級窩洞全体を40%リン酸水溶液で1分
間エツチングし、気銃で充分乾燥した。っいでプライマ
ー(K)と(L)の混合液(混合比1:1)を窩洞全体
に塗布し、気銃でエタノールを蒸発させた。次にペース
ト(1)と(J)を重量比30:1で混合したものを常
法によりシリンジを使用して窩洞へ充填した。充填1日
後に表面を研磨し仕上げた。充填1週間後、充填された
歯について実施例1の方法でパーコレーシヨンテストを
行なつたところ、辺縁の漏洩は全く認められなかつた。
なお、ペーストIは内径13m1Lのポリプロピレン製
シリンジに充填した状態で1年間室温で保有しても、安
定であり、フイラ一の沈降も認められなかつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (i)(イ)1,2−ビス(3−メタクリロキシ−
    2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、(ロ)2,2′−
    ビス〔4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロ
    ポキシ)フェニル〕プロパン、(ハ)ネオペンチルグリ
    コールジメタクリレートおよび(ニ)トリエチレングリ
    コールジメタクリレートからなる重合性メタクリレート
    モノマー(ii)フィラーおよび (iii)(ホ)重合触媒および(ヘ)重合促進剤から
    なる重合硬化剤、からなる歯科用充填材料であつて、該
    充填材料は該触媒と該促進剤が別々に包装されるように
    少なくとも2分割包装されて、使用時に混合されて用い
    られるものであつて、混合時において該成分(i)は該
    成分(i)+(ii)に対し30〜50容量%、該成分
    (ii)は70〜50容量%存在し、該成分(iii)
    は重合性モノマーに対し0.1〜6重量%存在し、該モ
    ノマー(イ)は該重合性メタクリレートモノマーに対し
    10〜20重量%、該モノマー(ロ)は51〜60重量
    %、該モノマー(ハ)は10〜20重量%、該モノマー
    (ニ)は10〜17重量%存在するように構成されてな
    る歯科用充填材料。
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