JPS591341Y2 - 蓄電池の液面検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、蓄電池、とくに自動車用鉛蓄電池の電解液の
低下を検知する液面検出装置の改良に関するものである
。

従来、蓄電池は充電により電解液が電気分解して酸素ガ
スと水素ガスが発生し、電解液面を次第に減少させ、所
定値以下に液面が低下した場合には補水を行なっていた
。

この補水と電池の性能維持は、電池を定期的に点検すれ
ばなんら問題は発生しないが、点検を怠たった場合には
電解液が最低液面以下となり、極板が液面上に露出して
その性能を著しく劣化させ、蓄電池の寿命を低下させた
り、又は使用不能状態に至るものまで発生させていた。

これを防止する方法としては、例えば自動車の運転席に
いても蓄電池の液面状態を検知する方法が実用化され、
今日に至っているが、最近の状況として、防爆機能を有
した蓄電池の要望が高まってきている。

現有の電解液面検出装置では常開形排気孔を設けである
ためこの要望を満足することができないとともに、漏液
が発生し易く、漏れ出た希硫酸によって蓄電池周辺の他
の機器を損傷させる欠点があった。

又この欠点を防止する方法として、注液口とは別に液面
検出装置のための取付口を電槽蓋に設け、電池内からの
排気は注液口に取付けた液口栓で行なうようにし、この
液口栓にフィルターを装着して防爆機能をもたせ、液面
検出装置には一切排気口部分を設けないようにしてこれ
を取付口に取付けるようにする方法がとられていたが、
このためには注液口とは別に、液面検出装置のための取
付口を蓋を設けなければならず、蓋の構造を複雑にして
いた。

本考案は前記従来の問題点を、液口栓に防爆用安全弁と
液面検出電極とを設けることで容易に解消したものであ
り、以下本考案の実施例を図によって説明していく。

第１図は本考案の液面検出装置の断面図であり、図中１
は鉛合金等よりなる棒状の液面検出電極であり、２はこ
の電極１を表示ランプ等の表示部と接続するためのリー
ド線である。

３は検出電極１とリード線２との接続部を覆うとともに
、水平方向へ延出する上蓋部片３′を有し、中央下面に
電極１の上半分を包み込んで保護する筒部１′を一体に
設けた合成樹脂の覆い体である。

４は液面検出電極の位置決めおよび防沫の役目をなす円
盤状平板、５は電極支持体を兼ねた弁体で、中央部には
前記保護用筒部１′を挿入する中空円筒部５ａを有し、
その下端にリング状の係止用鍔部５′を一体に設けると
ともに、上端には軟質な逆椀形突部５″を一体に形成し
ている。

この逆椀形突部５″は弁機能を果すものであって、全体
が耐電解液性口軟質ゴムより形成さｆ”していて、ゴム
弁体と称することができる。

６はバッキング、７は液面検出装置の液口栓体である。

この液口栓体７は合成樹脂で成形されており、この栓体
７は蓄電池の液「」部のねじ部と螺合するねじ部７′と
、弁体５の中空円筒部５ａを嵌入させ係止用鍔部５′が
下部周縁に位置する透孔７″′と、これに一体的に連接
して切欠突出された排気ロア″を有する中仕切７ａとで
構成されている。

透孔７″′と排気ロア″とは鍵穴状を呈している。

この液面検出装置は、まず栓体７の透孔７″′に弁体５
の中空円筒部５ａを圧縮変形させて装着し、次に覆い体
３に設けたリード線２と検出電極１との接続部を覆う保
護筒部１′を弁体５の中空円筒部５ａに挿入し中空円筒
部５ａを膨張させてこれを栓体７の透孔７″′と密着さ
せるとともに、この検出電極１自体もこれを覆う保護筒
部１′により弁体５の中空円筒部５と密着状態にすれば
よい。

弁体５に設けた逆椀形突部５″はその下端部が排気ロア
″の外側に位置するよう垂下させて中仕切７ａ上に密接
させ、中空円筒部５ａの鍔部５′とで、鍵穴状の透孔部
分をその上下両面よりはさみ込み気密を保っている。

これにより液面検出電極１を規定の位置に設置できると
ともに、排気ロア″を軟質な逆椀形突部５″で塞いで、
密閉状態の液面検出装置を作り上げる。

次に第３図に示すごとく、この液面検出装置を備えた蓄
電池を過充電すれば、電解液が分解して酸素ガス、水素
ガスが発生する。

この際常に密閉状態の液面検出装置であれば、電池室の
内圧が−Ｌがり、最悪時には破裂して電池を使用不能に
してしまう。

第３図Ａにおいてイはカ゛゛スの排出経路を示す矢印で
あり、Ａのごとく古体５のもつある規定圧力（開弁圧力
）までは電池室内にカスは蓄積し、電池室外にで゛るこ
とはない。

しかし弁体５の開弁圧力まで゛電池内圧が上昇すると、
ゴム弁体５の逆椀状突部５″が栓体７０中仕切７ａより
離れて第３図Ｂのようにすきまを生じ、このすきまより
ガスは口のごとく液「］栓体７に漏れ出し、電池外部に
排出され、電池内圧を引き下げるため電池の破裂は防止
される。

本考案は前記のように、一つの液口栓のための取付口（
液口部）で密閉状態の電池を作りＬけることができ、防
爆機能をもたすことを可能とした液面検出装置であり、
かつ自動車の走行時に振動や衝撃をうけてもガス排気口
を弁体の逆椀状突部が密閉しているため、極めて漏液性
にすぐれた液面検出装置とすることができる。

又液面検出位置が異なる電池においても検出電極の弁体
中空円筒部への挿入深さを調整することにより容易に対
応させることができる。

従ってその構造は極めて簡？単であり、蓄電池への取付
のために特別に取伺丁］等を設けることなく、注液口を
使用できて密閉の信頼性も高く、実用的効果の大なるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における液面検出装置置の縦
断面図、第２図は同液面検出装置の逆椀形状突部と中空
円筒部を有したゴム弁体の要部を断面とした斜視図、第
３図Ａ、Ｂは弁体の作動を説明するための要部縦断面で
ある。 １・・・・・・液面検出電極、３・・・・・・上蓋部片
３′を有した１覆い蓋、５・・・・・・弁体、５′・・
・・・・係止用鍔部、５″・・・・・・逆椀形突部、５
ａ・・・・・川」空円筒部、７・・・・・・液口栓体、
７ａ・・・・・・中仕切、７″・・・・・・排気ロア／
／／・・・・・・透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空円筒部の下端に係止用鍔部を設けるとともに上端に
   軟質な逆椀形突部を一体に形成した弁体と、中仕切の中
   央に前記弁体の中空円筒部を変形させて装着する透孔と
   これに一体的に連接して切欠突出された排気口とを設け
   た液口栓体と、液口栓体の上蓋部片を一体に設けかつ棒
   状の液面検出電極の一部を覆う覆い体とを備え、前記弁
   体は逆椀形突部の下端部が前記排気口の外側に位置して
   中仕切上に密接するよう透孔に中空円筒部の鍔部で係止
   し、中空円筒部に棒状の液面検出電極をその下端が液口
   栓下方に突出するよう嵌入してなる蓄電池の液面検出装
   置。