JPS5912970Y2 - ばつ気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、無酸素水製造のための窒素のような不活性
ガス供給などに使用されるばつ気装置に関するものであ
る。

液体中の溶存酸素を除去するために用いられている従来
のばつ気装置は、ばつ気を必要とする液体の中に酸素を
含まないガスを吹込む形式のものが多いが、液体に対す
るガスの接触能率が低いために、充分なばつ気効果を望
む場合には、大形の散気装置を設けるとともに、この散
気装置に大量のガスを供給する必要がある。

したがって設備コストが上昇し、また動力の損失も大き
い。

この考案は、小さい動力で効果的なばつ気効果が得られ
、しかも必要な部分に集中的にばつ気を行うことが可能
なばつ気装置を提供することを目的としている。

以下にこの考案の一実施例について図面を参照して説明
する。

第１図において符号１で示すコンクリ−１・槽は、溶存
酸素を除去することを望む液体を収容するためのもので
、液体の流入および処理水の排出は図示しない糸路によ
って行われる。

また符号２は、槽１の外部に固定された支持アームを示
し、この支持アーム２の先端は槽１の中央部上方に達し
、この先端にチェインのような吊索３によってばつ気機
構４が吊下げられている。

ばつ気機構４は、はぼ垂直に配置された筒体からなるバ
ブラー５およびセトラー６と、この両者をつなぐほぼ水
平な連通管７とを有し、この例では、連通管７の内底面
が槽１内の液面レベルとほぼ等しくなるような位置に保
持されている。

バブラー５内には、後で述べるような散気装置８が設け
られ、この散気装置８に、ポンプもしくはブロワ−９か
ら高純度不活性ガスが供給される。

高純度不活性ガスは、適当な供給源１０がら、フレキシ
ブルホースなどで形成された糸路１１を経て、まずセト
ラー６内の液面上の室６ａ内に導入され、ついで糸路１
２、ブロワ−９および糸路１４を経て散気装置８に供給
されるようになっている。

また散気装置８からバブラー５内の液面上の室５ａに達
したガスは、糸路１５から外部に排出される。

なお糸路１６は、室５ａおよび６ａを接続するためのも
のであり、５ａ内のガスを一部排出し一部循環する場合
には、循環ガスはこの糸路１６を通る。

さらにバブラー５の下端には、その開口にほぼ連なるＵ
字形のような流路を形成するようにガイド１７が設けら
れ、このガイド１７の上向きの開口すなわち取入口３５
を経てバブラー５内に液体が流入する。

この例で用いられた散気装置８は、第２図に詳細に示す
ように、糸路１４に接続されたパイプ２１と、このパイ
プ２１の下端で水平に延びる分散パイプ２２と、この分
散パイプ２２上でこれと交差するように配置された複数
の散気パイプ２３とを有する。

したがってブロワ−９から糸路１４を経てパイプ２１に
供給された高純度不活性ガスは、分散パイプ２２を経て
各散気パイプ２３内に供給され、各散気パイプ２３の散
気孔２４から、その周囲に存在する液体中に気泡として
放出される。

また各散気パイプ２３の上方には、バブラー５の内部を
その軸方向に延びる多数の細長い通路に区画するために
、格子状に配置された多数のセパレータ２５が設けられ
ている。

この通路は、気泡が相互に接触して大きい気泡になるの
を防止し、液体とガスとの接触状態を改善するのに役立
つ。

このように構成されたばつ気装置において、取入口３５
、ガイド１７からバブラー５内に流入した液体は、散気
装置８から放出された気泡による湧昇力でバブラー５内
を上昇し、この過程でガスと接触する。

このガスは、酸素をほとんど含有しない高純度不活性ガ
スであるので、バブラー５内の液体の溶存酸素は不活性
ガスによって置換され、その含有量が低下する。

また気泡による液体の湧昇力は、バブラー５内の液面を
槽１内の液面Ｌ１よりも高い位置Ｌ２まで上昇させるの
で、見掛上この液面の差（ＬｌとＬ２の差）によって、
バブラー５内の液体は、連通管７を経てセトラー６内に
移行し、ついでその下端にほぼ連らなる取出口３３をへ
て槽１内に戻される。

また支持アーム２の角度を変えるが、あるいは吊索３の
長さを変えることによって、槽１内でばつ気機構４を水
平な方向に移させ、あるいは上下方向に移動させてその
位置を自由に調節することができる。

このように構成されたばつ気装置において、バブラー５
の下端には第３図のように取入口３５を有するガイド１
７を所定の深さに位置させる導管３２を介して取入口３
５が形成されており、セトラー６の下端には同じく第３
図のように排出口３３を所定の深さに位置させる導管３
４を介して排出口３３が形成されている。

これらの導管３２．３４は、取入口３５、排出口３３を
どこの位置に設定せしめるかによってあらかじめ定めた
寸法にしておくことが必要であるが、第１図の場合には
、これらの導管が短かく、これらが実質的にそれぞれバ
ブラー５の下端の一部、セトラー６の下端の一部を構成
するように設定した実施例を示したものである。

すなわち、導管３２は非常に短がくても又非常に長くて
も、湧昇力は単にバブラー５内の比較的浅い深度の散気
装置８によって、いずれも得られるので動力は少くてす
み、しかもほぼ同様の速度で取入口３５から液体を取入
れることができる。

同様に導管３４が非常に短くても又非常に長くても、は
ぼ同様の速度で酸素除去された液体が排出口３３から３
１内に排出される。

これらの導管の長さの調節は、ばつ気すべき成分の抽出
位置（取入口の位置）の選択を可能にし、より効果的な
ばつ気条件の設定が容易になる。

なお、第１図の実施例では、ばつ気機構４は支持アーム
２に吊索３を介して吊下げられた場合を示したが、槽１
が大きいような場合には、ばつ気機構４にフロートをつ
けて液面上に浮かせておくこともでき、このフロートを
船類で代替することもできる。

本考案のばつ気装置は、ボイラ用水、醸造用水等酸素の
ない用水を使用する場合に、酸素をふくむ通常水に９９
．９９％のような高純度の窒素などの不活性ガスをばつ
気して無酸素水を製造する用途に適用できる。

さらに本考案のばつ気装置は１つの槽内に複数個設ける
ことができ、また使用するガスの徹底的有効利用をはか
るために、第１のばつ気装置からの排ガスを第２のばつ
気装置のガス供給系路へ、第２のばつ気装置からの排ガ
スを第３のばつ気装置のガス供給系路へ、というように
直列多段にすることも可能である。

一方これらの装置に同時に新しいガスを供給する並列方
式を取ることも勿論可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第３図はこの考案の一実施例によるばつ気
装置の概略的縦断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線にお
ける拡大断面図である。 １・・・槽、２・・・支持アーム、３・・・吊索、４・
・・ばつ気機構、５・・・バブラー ６・・・セトラー
７・・・連通管、８・・・散気装置、９・・・ブロワ
−１１０・・・高純度不活性ガス供給源、１７・・・ガ
イド、３２・・・導管、３３・・・排出口、３４・・・
導管、３５・・・取入口。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）はぼ垂直に配置された筒状のバブラーおよびセト
   ラー間をほぼ水平に延びる連通管で接続し、上記バブラ
   ーの下端には取入口を、また上記セトラーの下端には排
   出口を、それぞれ取入口、排出口を液面から所定の深さ
   に位置させる導管を介して形成するとともに、上記バブ
   ラーの底部には、その内部に導入された液体中に高純度
   不活性ガスを吹込むための散気装置を設けることによっ
   て、ばつ気機構を構成し、このばつ気機構を、上記連通
   管の内底面が上記液面レベルとほぼ等しい高さで、かつ
   水平方向に移動し得るように支持機構によって支持させ
   たことを特徴とするばつ気装置。
2. （２）上記支持機構は、上記液面上に位置する支持アー
   ムと、この支持アームに上記ばつ気機構を取付けるため
   の吊索とからなっている実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のばつ気装置。
3. （３）上記支持機構は、上記ばつ気機構を上記液面に対
   して所定の位置に浮力によって支持する浮体である実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のばつ気装置。
4. （４）上記取出口、排出口のそれぞれの導管が、実質的
   に、それぞれバブラーの下端の一部、セトラーの下端の
   一部を構成している実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のばつ気装置。
5. （５）上記散気装置の上方に、上記バブラーの内部でそ
   の軸方向に延びる複数の通路を形成するためのセパレー
   タが配置されている実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のばつ気装置。