JPS5911925Y2 - 搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は搬送装置に関し、詳しくは断面円形状の搬送物
を２本の平行な傾斜ガイドによって高低差を利用して下
方に搬送するようにしたものに関する。

従来、この種の搬送装置として、固定基台に所定傾斜角
度に傾斜する２本の平行な傾斜ガイドを固定し、該傾斜
ガイドの上端部に搬入した断面円形状の搬送物（例えば
自動車におけるデファレンシャノレギャケースアツセン
ブリ）を自重によりその外周下面部を傾斜ガイドで案内
しながら下方に滑らせて搬送して、傾斜ガイドの下端部
から搬出するようにしたいわゆる自重搬送方式のものは
よく知られている。

しかしながら、上記従来のものにおいては、傾斜ガイド
の傾斜角度を比較的大きくして搬送物を自重によって滑
らせて搬送する構造であるため、搬送物は搬入部である
傾斜ガイドの上端部から搬出部である下端部まで一気に
滑り下り、そのため、傾斜ガイドの下端部に溜った停止
搬送物に次の搬送物が激しく衝突して搬送物の表面に打
痕が生じ、特に搬送物が上記ギヤケースアツセンブリの
如き歯車の場合にはその歯部に打痕がついて品質不良を
来すという問題があった。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、上記構
或の搬送装置において、２本の傾斜ガイドを搬送物が自
重では下方に滑り出さない程度の緩い傾斜角度に傾斜さ
せるとともに、該２本の傾斜ガイドのうちの一方を駆動
装置によって傾斜方向に往復動する移動傾斜ガイドに形
或することにより、該移動傾斜ガイドの下方への往動時
には搬送物を他方の固定傾斜ガイドとの間で回動させな
がら下方へ移送する一方、上方への復動時には搬送物を
移動傾斜ガイドに対して滑らせて停止させ、搬送物を傾
斜ガイドの往復動によってワンピッチずつ緩やかに下方
に搬送するようにし、よって搬送物同士の衝突による打
痕の発生を防止し得るようにした搬送装置を提供せんと
するものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。

第１図ないし第３図は本考案を自動車のデファレンシャ
ルギャケースアツセンブリ製造ラインの搬送工程に適用
した場合を示し、１は装置設置用床面であって、該床面
１には搬送方向前側位置（第１図で右側位置）に略Ｔ字
状の前側支持柱２が、また搬送方向後側位置（同左側位
置）に上記前側支持柱２より低い略Ｔ字状の後側支持柱
３がそれぞれ立設され、該各支持柱２，３の上面には、
両端部に上方に突出するブラケット部４ａ，４ｂを有す
る略コ字状の基台４が取り付けられ、該両基台４，４の
前後に対応するブラケット部４ ａ， ４ ａおよび４
ｂ，４ｂ間には傾斜する２本の平行な傾斜ガイド５．６
が架設されている。

該各傾斜ガイド５，６の相対向する側部にはそれぞれ相
対する傾斜ガイド６，５に向って下方に傾斜する対称な
案内面５ａ，５ａが形或され、該両案内面５ａ，６ａ間
で断面円形状の搬送物Ｗ（デファレンシャルギャケース
アツセンブリ）の外周下面部を横架支持しながら該搬送
物Ｗを下方に案内搬送するように設けられている。

また、上記両傾斜ガイド５，６の傾斜角度は上記搬送物
Ｗが自重では案内面５ａ，６ａ上を下方に滑り出さない
程度の緩い傾斜角度（例えば７゜）に設定されている。

そして、上記一方（第２図で左側）の傾斜ガイド５はそ
の下面に突設したブラケット７，７を基台４，４の一方
側ブラケット部４ａ，４ａにピン８，８を介して連結固
定されている。

一方、上記他方（第２図で右側）の傾斜ガイド６の下面
にはその幅方向略中央位置で長手方向（傾斜方向）中間
位置に、所定長さに亘るガイド溝９が穿設され、該ガイ
ド溝９には２つのガイド部材１０．１０が各々摺動可能
に嵌合され、該各ガイド部材１０は、上記基台４，４の
他方側ブラケット部４ ｂ， ４ ｂ間にブラケット１
１．１１およびピン１２．１２を介して連結固定せしめ
た橋絡部材１３に支持ブラケット１４を介して取り付け
られている。

また、上記橋絡部材１３の上面には、傾斜ガイド６の下
側に位置する４つのコ字形状の下部支持部材１５，１５
，・・・と、傾斜ガイド６の上記一方の傾斜ガイド５と
反対側側方に位置する２つの側部支持部材１６．１６と
が取り付けられ、上記各下部支持部材１５の両端部（上
方突出部）には傾斜ガイド６を載置支持する一対の受け
用ガイドローラ１７．１７が軸支されている一方、上記
各側部支持部材１６の上端部には傾斜ガイド６の上面縁
部を押圧支持する押え用ガイドローラ１８が軸支されて
おり、上記ガイド溝９とガイド部材１０．１０との嵌合
および各ガイドローラ１７．１８のガイド保持によって
他方の傾斜ガイド６は基台４，４に対して傾斜方向に所
定ストローク量だけ移動可能に支持されている。

さらに、上記基台４．４間はに架設固定された橋絡部材
１３の下面の所定位置には駆動装置を構戒するエアシリ
ンダ１９が上記傾斜ガイド５，６の傾斜方向と平行に取
り付けられ、該エアシリンダ１９のピストンロツド１９
ａは、上記橋絡部材１３に貫通形或した傾斜方向の長
孔２０内を貫通移動する連結アーム２１を介して上記移
動可能な他方の傾斜ガイド６下面に連結されており、上
記駆動装置（エアシリンダ１９）の駆動によって移動可
能な他方の傾斜ガイド６を往復動させるように設けられ
ている。

よって、上記他方の傾斜ガイド６を駆動装置によって傾
斜方向に往復動させることにより、搬送物Ｗをワンピッ
チずつ下方に搬送するように構或されている。

尚、２２は橋絡部材１３の下端部に立設され、搬送物Ｗ
を傾斜ガイド５，６の下端部位置に停止規制するストツ
パである。

次に、上記搬送装置の作動について説明すれば、傾斜ガ
イド５，６の上端部に搬送物Ｗ（デファレンシャルギャ
ケースアツセンブリ）を順に載置して搬入したのち、駆
動装置のエアシリンダ１９を伸縮作動せしめて他方の傾
斜ガイド６を傾斜方向に往復動させると、該他方の傾斜
ガイド６が下方に移動する往動時には搬送物Ｗは両傾斜
ガイド５，６の案内面５ａ，５ａで案内されながら転動
して下方に移動する。

一方、傾斜ガイド６が上方に移動する復動時には搬送物
Ｗはその自重による摩擦抵抗力により、移動する傾斜ガ
イド６に対して滑って追従移動せずにその位置に停止し
ている。

その結果、搬送物Ｗは傾斜ガイド５，６上を駆動装置の
駆動ストロークに応じてワンピッチずつ緩やかに下方に
搬送されることになり、従来の如く搬送物Ｗが一気に滑
り下りることによる搬送物Ｗ同士の激しい衝突が防止さ
れ、搬送物Ｗの打痕の発生を解消することができる。

尚、上記実施例では、駆動装置としてエアシリンダ１９
を使用したが、その他カムやクランク等種々の往復動作
する装置を用いてもよいのは勿論である。

また、上記実施例では、自動車のデファレンシャルギャ
ケースアッセンブリ製造ラインの搬送工程に適用した場
合について述べたが、本考案の搬送装置は上記実施例に
限定されずに、傾斜ガイドの傾斜角度や案内面の摩擦度
等を種々に変更することにより、断面円形状の搬送物を
高低差を利用して下方に搬送するようにした各種の搬送
工程に対し適用することができるのは勿論である。

以上説明したように、本考案の搬送装置によれば、断面
円形状の搬送物の外周下面部を２本の平行なガイドで案
内しながら該搬送物を下方に搬送するようにした搬送装
置において、上記２本の傾斜ガイドを搬送物が自重では
下方に滑り出さない程度の緩い傾斜角度に傾斜させ、一
方の傾斜ガイドを基台に固定する一方、他方の傾斜ガイ
ドを傾斜方向に移動可能に基台に支持し、さらに上記移
動可能な他方の傾斜ガイドを往復動させる駆動装置を基
台に設けたものであるので、搬送物を、上記他方の傾斜
ガイドの下方への往動時には追従移動せしめる一方、上
方への復動時には停止せしめてワンピッチずつ緩やかに
下方に搬送することができるので、搬送物同士の激しい
衝突を防止することができ、よって搬送物の打痕発生を
解消してその品質の向上維持を図ることができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は一部切断側
面図、第２図は第１図のＩＩ−ＩＩ線断面図、第３図は
第１図ＩＩＩ−ＩＩＩ線の駆動装置取付部の断面図であ
る。 ４・・・・・・基台、５，６・・・・・・傾斜ガイド、
９・・・・・・ガイド溝、１０・・・・・・ガイド部材
、１７・・・・・・受け用ガイドローラ、１８・・・・
・・押え用ガイドローラ、１９・・・・・・エアシリン
ダ、Ｗ・・・・・・搬送物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面円形状の搬送物の外周下面部を２本の平行な傾斜ガ
   イドで案内しながら該搬送物を下方に搬送するようにし
   た搬送装置において、上記２本の傾斜ガイドを搬送物が
   自重では下方に滑り出さない程度の緩い傾斜角度に傾斜
   させ、一方の傾斜ガイドを基台に固定する一方、他方の
   傾斜ガイドを傾斜方向に移動可能に基台に支持し、さら
   に上記移動可能な他方の傾斜ガイドを往復動させる駆動
   装置を基台に設けたことを特徴とする搬送装置。