JPS59116Y2 - 連結装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は連結装置、特に、パレット棚、棚板付槽、足場
その地間様の構体の構成部品を互に着脱可能に連結固定
するために用いられ、組立時に剛固に連結された自己支
持構体を形成し得るとともに運搬又は格納のために迅速
かつ容易に分解することを可能にする連結装置に関する
ものである。

上述したパレット棚、棚板付槽、足場等のような構体は
直立トラス柱組立体、水平梁支持部材およびこれらの構
成部品を互に結合するための連結装置を通常具えている
。

ｌ・ラス柱組立体は溝形鋼材および山形鋼材により通常
構成され、水平および筋違部材によって互に所定の間隔
で離間して溶接その他の手段によって固着された一対の
垂直柱を具えるのが普通である。

かかるトラス柱組立体は構体の長さ方向軸線に対して直
角をなす垂直面における剛性を与えるものである。

組立現場においては、連結板と着脱可能の鎖錠ピンまた
はボルトねし、ナツトその地間様の緊締具とのような連
結装置を用いて水平部材を直立トラス柱組立体に固着支
持する。

この場合、交差プレース又は鎖錠装置のような補強又は
補助部材が構体の長さ方向面における剛性を与えるため
に附加されるのが普通である。

上述したような従来既知の構造物はボルトその他の別個
の緊締装置を用いることを必要とし、これがため相当量
の在庫部品および工具を絶えず保管し、また多少熟練し
た作業員による作業が必要とされていた。

また、鎖錠装置および交差プレースのような補助又は補
強部材によって組立構体の長さ方向面内における剛性を
与えることが必要であることは現在の構体組立作業上の
問題となっている。

剛固な自己支持構体を正しく構築するために要求される
部品の多様性および作業時間のために材料費および組立
費が高価となり、構造物を経済的に得ることが困難であ
る。

上述した従来の構造物における種々の多くの欠点を除去
するために改良された鎖錠装置が米国特許第３０４８２
４５号および第３２１７８９４号明細書に記載されてい
る。

これらの米国特許に記載されている構体は鎖錠ピンのよ
うな補助構成部品を用いる必要をなくし、しかも、垂直
方向ねじりおよび横方向荷重を有効に分布させ、構造材
の単位面積における圧力荷重を実質的に減少し得る利点
がある。

更に、各柱部材および連結部材に荷重を適切に作用させ
て柱および連結板の材料に剪断応力よりむしろ引張応力
が加わるようにしている。

従って、構体の荷重支持容量が実質的に増大し、安全率
が高くなる他の利点がある。

また、水平の荷重支持部材を垂直柱部材に容易に組立て
得るとともに運搬および格納のために容易に分解し得る
よう構成した連結装置が西独国特許出願公開第２０６１
３６９号明細書および実公昭４１１０４５４号公報に記
載されている。

本考案の目的は、水平の荷重支持部材から垂直柱部材へ
の荷重を伝達を改善し、垂直方向、横方向およびねじり
強度の高い剛固な自己支持構体を得るための着脱可能の
連結装置を提供しようとするものである。

これがため、本考案による着脱可能の連結装置は、前ウ
ェブとこの両側に直角に位置する側方フランジとを具え
、前記前ウェブの中心に長さ方向に延在する連続窪みが
形成されて一対の離間した前面と、これらの前面に隣接
する対向側壁とが限定され、隣接する前面と対向側壁と
が内向きの対向隅角を形成し、対向隅角の少なくとも一
方に複数個の隅角孔が形成された柱と、１個の連結片ウ
ェブによって結合された一対の実質的に平行に離間した
フランジを有する連結片とを具え、連結片ウェブとフラ
ンジとによって前記前ウェブ前面の幅に実質的に等しい
幅を有する窪みが限定され、前記フランジの一方に水平
荷重支持部材が固着され、他方のフランジと前記連結片
ウェブとの間の隅角における板材を内方に打抜いて下方
に延在する複数の突起を設け、これらの突起のそれぞれ
が前記柱の対向隅角に形成された隅角孔内にそれぞれ入
り且つ前記柱の前ウェブおよび対向側壁の内壁に衝合せ
掛合し得る形状の側壁を有することを特徴とする。

本考案を図面につき説明する。

図面において１０は前ウェブ１２とこの両側における側
方フランジ１４．１６とを有する中空構造の鋼製垂直柱
を示す。

側方フランジ１４．１６の後端縁１８．２０を折曲げて
補強する。

前ウェブ１２の中心に長さ方向に延在する連続窪み２２
を形成して互に離間する前面２４，２６、対向側壁２８
．３０および後壁３２を限定する。

前面２４と側壁２８および前面２６と側壁３０のそれぞ
れの間の各対向隅角３６、３８上に長さ方向に等間隔で
離間する複数個の隅角孔３４を形成する。

第１図および２図に水平の荷重支持部材である梁４０の
両端に連結片４２を固着する。

この連結片４２を平行に離間したフランジ４４．４６と
連結片ウェブ４８とを有する溝形材で形成する。

連結片４２をフランジ４４の外面上の、すみ肉溶接４９
その地間様の結合手段によって梁４０の両端に取付け、
フランジ４４．４６が梁４０の長さ方向軸線に対して直
角となるようにする。

前面２４、２６の幅に実質的に等しい幅を有する窪み５
０をフランジ４４．４６間に限定し、これによりフラン
ジ４４．４６の内面をフランジ１４および窪み側壁２８
又はフランジ１６および窪み側壁３０に緊密に嵌合する
よう衝合させる。

支持部材の左端に取付けた左側連結片につき説明したが
、右側の連結片も同様に構成される。

連結片ウェブ４８とフランジ４６との間の隅角の内側に
一対の垂直方向に離間した下方に延在する突起５２を内
方に曲げて形成する。

各突起５２を連結片の隅角の材料からほぼＵ字形切欠６
０を除去し、これにより限られる上方連結部又はテーパ
付部分６２を有する突起を内方に曲げて突起の側壁６４
．６６の外面が連結片のフランジ４６およびウエブ４８
の内面より柱の肉厚に等しい距離だけ内方に位置し且つ
柱の側面に対してほぼ平行をなすように構成する。

連結片４２には１個の突起５２又は図面に示す一対、あ
るいは３個以上の複数個の突起を隅角孔３４の間隔に等
しい距離又は隅角孔３４の間隔の倍数に等しい距離で離
間して設け、連結片４２を側方に動かすことによって突
起５２を孔３４内に挿入し得るようにする。

第１および２図に示す例では、一対の突起５２間の間隔
を一対の隣接する孔３４間の間隔に等しくする。

突起５２の間隔は水平支持部材である梁４０の剛性、垂
直荷重およびねじり荷重によって決定される。

孔３４の間隔は水平支持部材である梁４０の所要の垂直
方向調整量によって決定される。

本考案による連結装置を具える構体を組立てるに際して
は、連結片４２を例えば柱１０の面２６に沿って滑らせ
て横方向に動かし、フランジ４４．４６を柱フランジ１
６および側壁３０にそわせ、突起５２を孔３４内に挿入
する。

次に、連結片を下方に動かして突起側壁６４．６６の外
面を柱対向側壁２８、３０の内面に衝合および掛合させ
、連結片側壁４４．４８．４６の内面を柱側壁１６，２
６．３０の外面に衝合および掛合させ緊密に嵌合させる
。

かかる掛合状態を第３および４図に示し、図面に示すよ
うに突起５２は柱の隅角孔３４内に挿入され、突起側壁
６４．６６の外面は柱側壁２６、３０の内面に衝合され
る。

側壁６４に比べ幅広の突起側壁６６は梁又は支持部材４
０上に支持される荷重の押しつけ又は引きつけ作用によ
りまた第１図に示すように横棒８２上に支持した容器８
０のように重い荷重の不均衡支持のために梁４０に生ず
る剪断ねじり荷重に抵抗する。

図面において横棒８２は荷を棚上にのせたり棚から取除
くことによって生ずる衝撃のため中心垂直荷重によって
彎曲している。

第４図に示すように楔作用を生せしめるための突起か゛
内方に曲げられることによって形成された突起のテーパ
付部分６２は柱部材の孔３４の下端縁に掛合する。

これがため、水平荷重支持部材である梁４０上のねじり
および側方荷重は連結片４２によって突起５２と柱部材
］Ｏの対応壁との掛合によって生じた衝合支承面を経て
柱部材１０に伝達される。

荷重は実質的に大きい支承面全体に伝えられるから、結
合部材上の荷重応力は最小となり、これにより安全仕事
レベルに応力が維持される。

また、ねじりおよび横方向荷重に対して構造材料が引張
、圧縮および剪断応力状態となり、これにより荷重支持
能力を高めることができる。

更に、互に離間して設けた複数個の鎖錠突起５２が相互
に作用して垂直およびねじり変形に対して有効に対抗し
、水平部材上に荷重が正しく整列しない状態又は不均衡
状態でのせられることによって生ずる回転モーメントに
より梁４０上に加わる偶力に対して有効に対抗すること
ができる。

また、対の離間した鎖錠突起は構造物の垂直長さ方向面
における剛性を強める作用をなす。

水平荷重支持部材である梁４０から連結片４２を介して
柱１０に伝達される垂直荷重は柱１０の中心軸線を通り
、これがため柱に常時作用する曲げモーメントを最小に
する。

連結片および柱に生ずる応力は各突起５２のテーパ付部
分６２によって適切に支持され、突起５２は過負荷時に
おいても容易に曲がって破損することがないばかりかむ
しろ突起の基部の金属材料が加工硬化され連結片の荷重
支持能力を増大する。

第１図は互に離間して位置する直立トラス柱構体７５と
これらに連結片４２によって結合された連結梁４０とで
構成されたパレット棚を示す。

１個の連結梁４０を棚から横方向に離間する組立前の状
態で示す。

各トラス柱構体を２個の垂直柱１０と水平および筋違溝
形材７６、７７とで構成し、これらの溝形材は溶接その
地間様の手段によって柱に固着される。

かように構成してなるトラス柱構体は構体の長さ方向軸
線に対して直角をなす横断面に剛性を有する。

図面に示すように棚の両側に複数個の連結梁４０を固着
することによって長さ方向の剛性が付与され、斜めの補
強部材の必要がなくなる。

本考案による柱と米国特許第３２１７８９４号明細書に
記載の柱とを同じ断面寸法の鋼材を用いて破壊強度を測
定した結果を次表に比較して示す。

荷重条件 本考案による住 従来の柱軸荷重
２１１ｔＯＯ１１） ２２１００ ｌｂ
柱の孔と外端績との ２６ｊ００ ｌｂ
Ｉ４３００１Ｆ：１間の中心線上の荷重 孔の偶力における荷重 ２０１００ ｌｂ
１００００ ｌｂ組立棚の側面に対し ２３７０
０１ｎ−１ｂ ／１７！０ｉｒＬ−１ｂ直角方向の
曲り 本考案により得られる柱は同じ材料の鋼材で強さ軸線に
おける正味断面係数が３０％以上増大し、また上記の表
から明らかなように本考案による柱の荷重容量は従来の
柱に対して実質的に増大している。

また、本考案による柱の曲りに対する強さは従来の柱よ
り２５％以上高く、これがためフォークリフトトラック
のような荷役車輛による衝撃によって生ずるおそれのあ
る不慮の損傷に対する抵抗が従来の柱に比べて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による連結装置を用いた棚構体の斜視図
、第２図は梁部材を柱部材から横方向に離間させて組立
前の状態を示す本考案の連結装置の斜視図、第３図は柱
上に組立てた連結部品の関係を示す第４図の３−３線上
の断面図、第４図は柱上に取付けた連結部品を示す第３
図の４−４線上の断面図である。 １０・・・・・・柱、１２・・・・・・前ウェブ、１４
．１６・・・・・・側方フランジ、１８，２０・・・・
・・後端縁、２２・・・・・・窪み、２４．２６・・・
・・・前面、２８．３０・・・・・・対向側壁、３２・
・・・・・後壁、３４・・・・・・隅角孔、３６．３８
・・・・・・対向隅角、４０・・・・・・支持部材又は
梁、４２・・・・・・連結片、４４．４６・・・・・・
フランジ、４８・・・・・・連結ウェブ、４９・・・・
・・すみ肉溶接、５２・・・・・・突起、６０・・・・
・・Ｕ字形切欠、６２・・・・・・上方連結部又はテー
パ付部分、６４゜６６・・・・・・側壁、７６・・・・
・・水平部材、７７・・・・・・筋違部材、８０・・・
・・・容器、８２・・・・・・横棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前ウェブ１２と対向する側方フランジ１４．１６とを有
   し前記前ウェブ１２の長さ方向に延在し中心に形成した
   連続窪み２２により一対の離間したウェブの前面２４．
   ２６とこれら前面に隣接する対向側壁２８．３０とを形
   成し前記離間した前面と前記対向側壁とは一対の内向き
   の対向隅角３６．３８を形成し前記対向隅角の少なくと
   も一方に沿って複数個の隅角孔３４が形成された柱１０
   及び、前記一対の離間したウェブの前面２４．２６の幅
   に実質的に等しい幅を有すると共に連結片ウェブ４８に
   よって結合され、窪み５０を形成する一対の実質的に平
   行に離間したフランジ４４．４６を有する連結片４２と
   を具え、前記フランジ４４．４６の一方に荷重支持部材
   ４０を固着し、他方のフランジと前記連結片ウェブ４８
   との連結部により形成された隅角部においてこれら板材
   を内方に打抜き前記柱１０の対向隅角に形成した隅角孔
   ３４内に挿入可能な形状の下方に延在する複数の突起５
   ２を設け、これら突起を前記柱１０の内壁に衝合せて掛
   合させることにより前記荷重支持部材に固着されたフラ
   ンジを前記柱１０の側方フランジ１４．１６の一方に、
   前記他方のフランジを前記ウェブの前面２４．２６に隣
   接する前記対向側壁２８、３０の一方に、前記連結片ウ
   ェブ４８を前記前ウェブ１２にそれぞれ衝合させたこと
   を特徴とする着脱可能の連結装置。