JPS5910484B2 - 分光計 - Google Patents

分光計

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JPS5910484B2
JPS5910484B2 JP3309576A JP3309576A JPS5910484B2 JP S5910484 B2 JPS5910484 B2 JP S5910484B2 JP 3309576 A JP3309576 A JP 3309576A JP 3309576 A JP3309576 A JP 3309576A JP S5910484 B2 JPS5910484 B2 JP S5910484B2
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JP
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slit
spectrometer
light
exit slit
absorption cell
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JP3309576A
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卓佑 泉
詔三 関野
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は分光計、特に気体または液体の微量分析を行う
ための分光計で、従来の分光計の感度、精度を改良した
もので、近年注目を浴びている公害関連計測に有用な分
光計に関するものである。
気体または液体の発光スペクトルまたは吸収スペクトル
から、気体または液体の定性分析および定量分析を感度
良く行う分光計には高次導関数法(別名:高次微分法と
呼ぷ)がある。この高次導関数法は、物質の定性定量分
析を、発光または吸収スペクトルを微分することによつ
て得られる1次微分スペクトルあるいは2次微分スペク
トルで行うものである。この方法を用いる理由は、発光
スペクトルまたは吸収スペクトルを波長に関して微分し
た場合、1次微分スペクトルが微分前の元のスペクトル
の僅かな変化を大きく把え、スペクトルのプロフィルは
急峻(シャープ)なものとなり、さらにこれを微分した
2次微分スペクトルは一層急峻なものとなるからである
。高次導関数法以外の方法としては、相関分光法がある
が、これには次のような欠点があるので一般に用いられ
ていない。
第1に測定すべき物質濃度と電気出力との関係が直線関
係でない。第2に測定すべき物質濃度が零の時でも大き
な零時信号が発生する。第3に相関分光法では出口スリ
ットが多数本のスリットアレイであるために、そのうち
のいずれかのスリットが他物質の吸収と重なる機会が多
く、他物質の妨害影響を受けやすい。つぎに、以上に述
べた2つの方法のうち、一般に用いられてきた高次導関
数法による分光計の従来技術について検討した結果を含
めて説明する。高次導関数法を採用した分光計の一つに
は、微分スペクトルを得るため分光計に電子計算機を付
加したものがあるが、これは電子計算機を使用するため
高価とならざるをえないので、一般に普及していない。
この電子計算機を用いて微分スペクトルを得る方法に対
して、任意の波長近傍で時間的に正弦波状の波長変調を
かけることによつて、その波長近傍のスペクトルの微分
値を求める方法が装置として簡単である。この方法に基
づく分光計が種々提案されており、これら分光計の特徴
は波長変調をかける点でそれぞれ異なつた技術が採用さ
れた点にある。それらの例を列挙する。第1例として、
分光計の内部に取付けられる分光器の入ロスリツトおよ
び出口スリツトを固定し分光器内部にミラーを置き、そ
のミラー面を振つて光束を振らせるようにして出口スリ
ツトの中心波長を変調した装置がある。この装置では振
動ミラーを分光器の内部に組込まなければならないから
、従来用いられている汎用の分光器の利用は考えられず
、新たに専用の分光器を設計しなければならなく、また
分光器内部に可動部分が取り付くため製造段階での調整
が複雑になる。第2例として分光器の入ロスリツト、出
口スリツトを固定し、分光器内部の透過形の振動屈折板
を用いて光束を振り、出口スリツトの中心波長を変調し
ている装置があるが、この装置では振幅を大きく取ろう
とすると厚い屈折板を用いなければならず、したがつて
質量の大きな屈折板になつてしまい、この屈折板を振動
させることが難しくなるし、もつと基本的な欠点は屈折
板の屈折率に波長分散があるため分光器に新たな色収差
が生じることである。
また第3例として分光器の出口スリツトを固定して入ロ
スリツトを振動させることにより出口スリツトの中心波
長を変調している装置があり、この装置は振動入ロスリ
ツトの分光器への取付け、調整などの製造が容易、被振
動物体のスリツト板が軽いから振動させることが容易で
ある、などの優れた点もあるが、この装置では入ロスリ
ツトが動く幅全体に亘つて光源から放射された光が均一
に照らされなければならない。
そのため入ロスリット上での光束は直径10u以上にし
なければならないから、入射光量で大きな損をすること
になり、分光学的手段で定量分析をする際、感度、精度
を悪くすることに他ならない。以上述べたように大別す
ると、3種類の分光計があつたが、いずれの分光計にお
いても、それぞれ欠点を有していた。
そこで、本発明者はこれらの欠点を取り除くために、出
口スリツトを振る分光計を作れば良いという着想を得た
が、従来の分光計では、繰返し反射光学装置を内蔵した
吸収セルを出口スリツトと、光電子増倍管の間に配置し
てあつたから、これを用いて出口スリツトを振る分光計
を作ることは不可能であることが分つた。さらに、詳し
く説明すると、繰返し反射光学装置を内蔵した吸収セル
を出口スリツトと光電子増倍管の間に配置せざるを得な
かつた理由は、次の2つであることが分つた。(イ)大
気中の汚染物質たとえばSO2ガス(被測定物質)など
を測定する場合は吸収光路長を10mあるいはそれ以上
もの長さに取つて感度を上げなければならないが、吸収
セルの実用的な長さとしては1m程度がせいぜいである
から吸収セルの内部に繰返し反射光学装置を配置して吸
収光路長を稼がなければならない。
この時吸収セルの容量をできるだけ小さくして被測定媒
質である大気の採取量を小さくすることが分光計の応答
時間を速くする上で必要であり、結局繰返し反射光学装
置も長さ方向を一定とすると断面積を小さくしなければ
ならない。この時、繰返し反射光学装置の中で往復して
いる光束のそれぞれの光軸すべてが同一平面内にあるよ
うな大きなミラーを対向させた普通の繰返し反射光学装
置を用いると、一方のミラー面上での任意の光束の反射
点とさらにもう一回反射して戻つて来た光束の同一のミ
ラー面上での反射点との間隔(ピツチ)は光束の太ざ程
度まで狭くすることが必要であり、それぞれのピツチは
ほぼ等しいから、入射光束が細くないと繰返し反射光学
装置の断面寸法を小さくすることができない。光源とし
てレーザ光のようなコヒーレント光が使用できる場合は
格別として、タングステンランプ、重水素放電管などの
発する太い光束のインコヒーレント光を使用しなければ
ならない場合には容積の小さな光吸収セルの中で、繰返
し反射させることは、むずかしい技術的課題である。例
えば長い光路長を得る光学装置として、第6図に示した
ように、2枚の球面鏡31を各各の曲率中心32が一点
となるように配置して、光束33を繰返し反射させるも
の、第7図に示したように平面鏡34を2枚対置して光
束33を繰返し反射させるもの、また両方とも平面鏡で
あると、繰返し反射されるにしたがつて光束が発散して
しまうので、第8図に示したように片方を2枚の球面鏡
35にして反射の角度を調整し、同時に光束の発散を押
えるようにしたものなどがあつた。これらの反射光学装
置で光束を繰返し反射させると第9図に示したようにミ
ラー面36に光束のスポツトの中心37が直線上に並ぶ
ことになる、そのため太い光束を同じ装置で繰返し反射
させようとすると、第10図に示したように、一方のミ
ラー面上での任意の光束の反射点(例えば38)と、さ
らにもう1回反射して戻つて来た光束の同一ミラ一面上
での反射点(例えば38′)との間隔は、光束の太さの
38I倍程度までしかせばめることが出来ないため、同
じ大きさのミラーを用いる限り、繰返し反射回数が少く
なり、短い光路長しか得られない。また光路長を長くし
ようとすると、ミラーの面積を大きくしなければならず
、光学装置を内蔵する光吸収セルの容積が大きくなつて
しまう。セルを小さくすることは、すなわちガス採取量
を少くすることで、ガスをセルに採取開始してからガス
が完全に新しいガスと交換するまでの測定の応答時間を
速くする上で必要なことである。そこでレンズを用いて
光束を細く絞ぼり、光学装置を小さくしようとしても、
光束は細くすればするほど、先へ行つての発散が大きく
なるため、発散による損失が大きくなる。これをさけよ
うとすると大きなミラーを使わなければならず結果的に
は、セル容積が大きくなつてしまう。要するに従来の反
射光学装置のように、繰返し反射による光束の通過軌跡
が全て一次元的に並ぶような装置では、繰返し反射回数
が多く(光路長が長い)、かつ光量損失が少なく、セル
容積を小さくするような繰返し反射光学装置を作ること
はできない。したがつて、分光器の出口スリツトを通過
した細い光束を繰返し反射光学装置に入射させる方法を
採用しなければならないからである。(ロ)第2の理由
としては、特に入ロスリツトを振る変調方法を採用して
いる従来装置では、前述したように入ロスリツトでの光
量損失が大きいから光源を入ロスリツトに近く配置して
できるだけ入ロスリツトでの光量損失を小さくするため
に長い吸収セルを出口スリツトと光電子増倍管との間に
配置しなければならなかつたためである。
以上2つの理由によつて、従来の装置は繰返し反射光学
装置を内蔵した吸収セルを分光器の出口スリツトと光電
子増倍管との間に配置しなければならなかつた。
この配置では仮りに出口スリツトを振動させると、繰返
L反射光学装置の内部の光束が振れるから繰返し反射光
学装置を構成しているミラー面のわずかな汚れや光束の
周縁がミラー面かられずかにはずれることなどにより大
きな光強度変調信号すなわち零時信号(被測定物質が無
い時でも発生している信号)が発生するから、繰返し反
射光学装置を出口スリツトと光電子増倍管との間に配置
した従来の分光計では出口スリツトを振動させることは
実用上できなかつた。また従来の分光計では量子効率の
大きな受光部分が格子線状の光電子増倍管を用いている
が、この場合も出口スリツトを振動させると光束が振れ
るから受光部が格子線状であるために大きな零時信号が
発生してしまい出口スリツトを振動させることが実用上
できなかつたのである。本発明は、前記従来技術の欠点
を解消し、高感度、高精度の分光計を提供することを目
的とするものである。
本発明の分光計は上記目的を達成するため、繰返し反射
光学装置を内蔵した吸収セルを光源と分光器の入ロスリ
ツトとの間に配置し、分光器の入口スリツトを固定し、
スリツト板に形成された出口スリツトをスリツト振動装
置によつて振動させ、頭部窓形光電子増倍管を使用した
分光計である。
つまり、出口スリツトを振らせる分光計を得るため、(
イ)、複数の分割されたミラーを使用して光束を繰返し
反射させることによつて、太い平行光束を狭い領域で多
数回往復させた繰返し反射光学装置を使用して吸収セル
の容積を小さくし、被測定媒質の採取に要する時間を短
縮した。これによつて光源と分光器の入ロスリツトとの
間に吸収セルを配置しても、従来の吸収セル容量と同程
度以下の形状の吸収セルを作ることを可能とした。(口
)、出口スリツトを振らせても零時信号が発生しないよ
うに、繰返し反射光学装置を内蔵した吸収セルを光源と
分光器の入ロスリツトとの間に配置した。(ハ)、出口
スリツトを振らせても零時信号の発生が無いように、受
光面が実質的に均一な頭部窓形光電子増倍管を使用した
。(ニ)、出口スリツトを振らせることによつて、入ロ
スリツトを固定することを可能とし、分光器と一体構造
にした。(ホ)、(ニ)項を可能としたことによつて、
吸収セルを通過した光束をコレクタで入ロスリツトへ集
光出来るようにして、分光器への入射光量損失を防止し
た。(へ)、波長変調装置として、スリツト振動装置を
使用し、このスリツト振動装置は分光器の外側から分光
器へ取付けることが出来る構造とした。これによつて、
スリツト振動装置の分光器への取付け、調整を容易にし
、汎用の分光器の使用を可能とした。(ト)、出口スリ
ツトを有するスリツト板を軽くすることによつて、スリ
ツト振動装置の負荷を軽るくし、スリツト板が容易に振
動するようにした。(力、スリツト板を横方向に時間的
に正弦波状にスリツト振動装置で振動させることによつ
て、出口スリツトを振らせ、出口スリツトを通過する光
に時間的に正弦波状の波長変調をかけた。(V)s出口
スリツトの振動周波数の2倍の振動周波数を有する光変
調信号の変調度に対応した出力を得るため、頭部窓形光
電子増倍管の出力信号を受けて、これを処理する電気処
理系を設けた。以上のような点を本発明は主なる特徴と
するものである。以下、一実施例を図面によつて詳細に
説明する。
第1図は本発明による第一実施例を示す構成図である。
同図において光源1から放射された光はコリメータレン
ズ5によつて平行光束にされた後、 ,7被測定媒質を
採取導入して吸収スペクトルを生じさせる機能を有する
吸収セル10の内部に吸収セルの入射窓11から入射す
る。この入射した平行光束は伝播するにしたがつて次第
に発散して行くから、凹面鏡21によつて反射し平面鏡
22の面 J上でもとの平行光束と同じような平行光束
となるようもどされ、この平行光束はさらに平面鏡22
で反射する。この様な反射を何回も繰返した後に吸収セ
ルの出射窓12から平行光束が出射する。吸収セル10
の内部に設けられた繰返し反射光学 4装置20は、そ
の内部で繰返し反射(往復)している光束の光軸すべて
が同一平面内にあるような繰返し反射光学装置である。
吸収セル10はその容量をできる限り小さくするため断
面が矩形の筒である。吸収セルの出射窓12から出射し
た平行光束はコレクタレンズ30によつて分光器40の
入ロスリツト41に集光され分光器40の内部に入射し
、分光器40の分散機構42によつて波長分散されて単
色光がスリツト板50に刻まれた出口スリツト55を通
過して頭部窓形光電子増倍管80の受光面に入射する。
スリツト板50はスリツト振動装置60に装着されてお
り、スリツト振動装置60によつてスリツト板50に振
動を加え、出口スリツト55を振動させて出口スリツト
55を通過する単色光の波長を変調する。この時、吸収
セル10の排気口14に接続した排気ポンプ(図示せず
)によつて吸収セル10内の大気を排気して吸収セル1
0内の気圧を下げることにより自然に吸気口13から新
しい被測定媒質である大気を採取し、この採取した大気
中の被測定物質である大気汚染物質たとえばSO2ガス
が含まれていたとすると、スリツト板50の前面にSO
2ガスの光吸収によつて生じたスペクトルを結像する。
すなわち、スリツト板50の横方向(第1図のx方向)
に出口スリツト55に平行な明暗の紋様が生ずる。そし
て、その暗い部分がSO,ガスの吸収に対応している。
スリツト板50の横方向(図中x方向)は光の波長λに
対応し、明暗の紋様は光の強度分布であるから、SO2
ガスの吸収によつて生じたスペクトルを横軸に波長λ1
縦軸に光強度1を取つて図示すると第2図のようになる
。同図に出口スリツト55の位置座標を第1図のx方向
に取つて波長軸λに対応させて示した。図において、出
口スリツト55の停止時のスリツト位置をX。、出口ス
リツト55の振幅ピークをXl,X2で示した。図のよ
うに出口スリツト55の停止時の位置XOが波長λ。(
例えば299nm)に対応するようにスリツト板50を
装着し、そして出口スリツト55の振幅ピークX1とX
,が波長λ,(例えば298nm)およびλ2(例えば
300nm)にそれぞれ対応するように出口スリツト5
5を振動させると、出口スリツト55の角周波数ωに対
し2倍の周波数2ωの光強度変調がかけられ、この光強
度変調信号を第1図に示した頭部窓形光電子増倍管80
で光電変換し、この周波数2ωの変調信号の変調度に対
応した出力を電気処理系85内の処理部90で発生し、
この出力を出力表示部96で表示する。つぎに本発明の
第一実施例で用いたスリツト振動装置60について詳細
に説明する。
第3図において固有振動数が高くしかも安定で、振幅が
安定なU字形音叉61を出口スリツト55の振動源とし
て使用する。このU字形音叉61の一方の自由端に出口
スリツト55を形成したスリツト板50をホールダ63
を介して取り付け、さらにもう一方の自由端に音叉のバ
ランスを保つためのバランサ62を取り付けて非常にQ
の高い振動器を構成してある。この振動器の固有振動を
ピツクアツプするためのピツクアツブ用電極ヘツド64
、このピツクアツプされた交流信号を増幅し一定の出力
の駆動用交流信号を発生する駆動回路70、前記振動器
を励振するためのドライブ用電磁ヘツド65および前記
振動器とから電気一機械系の発振装置を構成してある。
両電磁ヘッド64および65は、コア68,68′とコ
ア68,68′の回りに巻かれたコイル69,69/か
ら成つており、ピツクアツプ用電磁ヘツド64のコイル
69には駆動回路70に内蔵された定電流発生回路71
から常に定電流が供給されていて電磁ヘツド64は磁石
になつている。したがつて音叉61がわずかにでも振動
して電磁ヘツド64のコア68と音叉61の脚との間の
ギヤツプが変化すると磁気抵抗が変化し、したがつてコ
ア68を走る磁力線の密度が変化してコイル69に音叉
振動に応じた交流信号が誘起される。この誘起された交
流信号は駆動回路70に内蔵された増幅器73で増幅し
、さらに音叉61の振動を一定の振幅とするための駆動
電圧調節回路74を通してドライブ用電磁ヘツドに駆動
電圧を印加する。音叉61の振幅を一定に保つために、
ピツクアツプされた交流信号を増幅器75で増幅し、こ
の交流信号を全波整流回路76と低域ろ波器77を通し
てピツクアツプされた交流信号の絶対値に相当する出力
を発生させ、この出力が増すと駆動電圧が下がるという
風に駆動電圧調節回路74で自動的に駆動電圧を調節し
ている。以上説明したスリツト振動装置を用いた実験結
果では、振幅が約1」振動数が約400Hzの非常に安
定で、しかも正しく正弦波状の振動を得ることができ、
音叉を振動源とするスリツト振動装置は好ましい実施例
である。次に電気処理系を第4図によつて詳細に説明す
る。
同図において頭部窓形光電子増倍管80の電j気出力信
号は電気処理系85内の処理部90に内蔵された前置増
幅器120で増幅され、コンデンサ121によつて直流
成分を除去した後にバンドパスフイルタ122によつて
出口スリツトの振動数ωの2倍の周波数2ωの交流信号
を取り出し、さらに増幅器123により増幅し、同期ス
イツチ回路124に入れられる。
この同期スイツチ回路124は周波数2ωの変調信号が
正の半波の時スイツチがオンになり、負の半波の時オフ
になつて信号を半波整流する作用をしている。また増幅
器123の出力を極性反転回路125で極性反転すると
、増幅器123の出力信号の負の半波は正の半波となる
から、この正の半波を同期スイツチ回路124′によつ
て取り出し、同期スイツチ回路124の出力信号と低域
沢波器130の入口で合わせることによつて増幅器12
3の出力信号を全波整流している。同期スイツチ回路1
24および124′の同期信号は、スリツト振動装置7
0の周波数ωなる駆動信号を位相調整のための位相器1
10を通し、てい倍回路111で周波数4ωの信号とし
、さらに分周器112で分周し周波数2ωとし、それぞ
れ位相が180分シフトした二つの矩形波を作り、これ
を使つた。前述の全波整流された信号頃低域沢波器13
0で平滑され除算器135の分子に入る。一方、前置増
幅器120の出力のうち直流成分を直流増幅器131で
増幅した後、除算器135の分母に入れる。こうして除
算器135の出力を光源強度などに依存しない変調信号
の変調度に対応した値とし、これを出力表示器96で表
示する。この時、出力表示器の表示値と被測定ガス濃度
(実施例ではSO2ガス濃度)とをあらかじめ較正して
おけばガス濃度に応じた出力表示ができる。したがつて
、吸収セルの内部の大気を連続的に排気することにより
新しい大気を吸収セルの内部に連続的に採取導入すれば
、大気中のSO2ガスの濃度を連続して測定できる。実
施例では被測定ガスはSO2ガスであつたが、約200
nmより長波長で吸収を有し、その吸収スペクトルが比
較的シヤープな構造を持つ物質であれば測定できる。し
たがつて波長走査形の分光器であつて任意の波長でその
走査を止めておくことができる普通の分光器40を使用
すれば、所定の波長に合わせて所定の物質濃度を測定す
ることができる。次に第2実施例について説明する。
第5図において、分光器40は波長走査用のモータ(た
とえば波長走査形の回折格子分光器では一般にサインバ
一方式を採用してモータで回折格子を回転させ回折格子
への入射角を変えている)45と波長走査に対応した出
力を発生させるためのポテンシヨメータ46を備えた普
通の分光器であり、ポテンシヨメータ46の出力をXY
レコーダ95のX軸に入れ、処理部90の出力をXYレ
コーダ96′のY軸に入れる。そしてモータ45を回転
させると、XYレコーダに吸収セル10内に採取された
大気の吸収スペクトルの2次微分スペクトルが描かれる
。この2次微分スペクトルから大気中にわずかに含まれ
ている汚染ガスなどの定性分析、定量分析ができる。次
に、本発明による分光計の変形応用例について述べる。
吸収セルに内蔵される繰返し反射光学装置20として、
従来技術の方法をそのまま採用できない。
例えば特開昭50−86384号の光吸収セルでは回転
楕円反射鏡を両側に各1面宛配置しているが、発明者自
身が記述しているように光束が広がらずに反射するレー
ザ光についてのみ多重反射が可能とされている。また、
特開昭50−151542号の多重往復反射光学装置に
ついても、(1)対向する二方のミラーのうち一方は唯
一面の球面鏡であり、他方は数個の平面鏡であること:
(4)前記平面鏡で受光した反射光線の位置をずらして
のち、他の平面鏡を介して出射させ、球面鏡に向わせる
構造であること;(11i)光学装置の入口で焦点結像
する光束を入射光として取り扱つていることは明白で、
分光計に応用する場合に次の作用効果で問題がある。(
イ)明るい光学系を作るために、できるだけ開口系の大
きなミラーを用意しなければならないこと。
唯1個の球面鏡を小口径の複数のミラーに置換すること
は光学系の品質を劣悪にしてしまうことになる。(ロ)
光束の経路の一部を一方の側で、すぐ隣の小平面鏡に向
う構成としているから、この部分については光吸収セル
では無用の経路となる。
(ハ)多重反射光束の軌跡が占める空間がもつ広がりは
、一方で収束する円錐状の広がりであつて広がりが狭い
こと。そこで本願では吸収セルに内蔵される繰返し反射
光学装置の備えるべき要件として、理想的(仮想的)な
線ビームではなく、現存する光ビームの光束径とほぼ同
じ大きさの径をもつ複数個のミラーを用い、多重反射さ
れた光束が、セル内でできるだけ広く広がるように配慮
することとした。
吸収セルに内蔵される繰返し反射光学装置20を変化し
た実施例としては、繰返し反射光学装置内で繰返し反射
している光束の光軸が全体として立体的に三次元空間を
占めるように、ほぼ光束の太さと同程度の大きさに分割
された複数個のミラーを配置した繰返し反射光学装置と
すると、円筒状の吸収セルとすることができ、矩形状の
セルにくらべ容量も小さくでき、製造も容易となる。ま
た、従来の分光計(例えば特開昭50−86384号開
示)のように出口スリツトの後段に長光路セルを用いる
場合は、ホワイトセル(WhiteCell)が有効と
されているが、それは限りなく小さく絞り込みが可能な
光束に対してである。
本願発明が対象とするように、タングステンランプや重
水素放電管が発する光束のように、太い、絞り込みがむ
ずかしい光束を光源に用いる場合であつて、分光器の前
段に長光路セルを配置するときは、前記の繰返し反射光
学装置を内蔵したセルが効果を発揮する。またスリツト
の振動源は、直線棒状の音叉でも良いし音叉の脚の断面
は矩形、円形、ダ円形などいずれでも可能であるし、平
行バネやスピーカでも良い。
またスリツト板は必ずしも金属である必要は無く、感光
性のフイルムやガラス感板などを現像した時に、細い透
明部を残してその周囲全体を不透明になるように感光さ
せたものでも可能であるし、普通の透明なフイルムやガ
ラス板を細い透明部を残してその周囲全体を不透明に塗
りつぶしたものでも可能であり、スリツトも光学的に形
成されていれば良い。
フイルムをスリツト板に使用する場合は、フイルム自身
が羽ばたく様に振動しやすいから、この振動を妨ぐため
の枠を必要とする。以上説明した本発明による分光計?
使用して実験した結果を次に述べる。本発明による分光
計を大気中の汚染物質、たとえばSO2ガス、NOガス
、NO2ガス、0,ガスあるいは揮発性の諸物質の測定
に利用するとその効果を発揮するが、その一例として、
第一実施例のように構成した本発明の分光計を用いて3
00nmを測定対象波長として大気中のSO2ガス濃度
の測定を行うと、約3ppbの検出感度、±1.5pp
bの測定精度で測定でき、1週間にわたる長時 3間安
定性も3ppb以下であつた。
また、音叉の代わりに平行バネをスリツトの振動源にす
ると、従来の分光計では、入ロスリツトを50Hzにし
た最も感度の良いものでも、300nmを測定対象波長
にした場合、検出感度 1は高々24ppbであり、日
常起りえる200ppb以下の汚染度はとても測定でき
なかつた。
そこで、この分光計ではSO2ガスを測定するのにSO
2吸収ピークの大きな211nmを測定対象波長として
検出感度3ppbを得ているが、一般に大気中に含 1
まれている揮発性の諸物質の吸収がこの波長付近に多く
重つており、SO2ガスの測定に際して、これらの物質
の吸収によつて、大きな妨害影響を受けるから精度の悪
い測定になつて好ましくなかつた。ところが、本発明に
よる分光計においては、 二平行バネをスリツトの振動
源に使用しても、振動数が約40Hzで、U字形音叉を
使用したときよりもQの低い振動ではあるが、それでも
なお、SO2検出感度8ppb(300nmで)が得ら
れ、211nmを測定対象波長とすると、1ppbの検
出感度が得られた。以上説明したように本発明によれば
下記に示すような諸効果が得られる。
(イ)繰返し反射光学装置を内蔵した吸収セルを光源と
分光器の入ロスリツトとの間に配置したから出口スリツ
トを振らせても零時信号の発生が悪く、従来実用的には
不可能であつた出口スリツトを振る分光計が可能となっ
た。
(ロ)受光面が実質的に均一な頭部窓形光電子増倍管を
使用したから、出口スリツトを振らせても零時信号の発
生が悪く、従来実用的には不可能であつた出口スリツト
を振る分光計が可能となつた。
(ハ)出口スリツトを振ることを実用的に可能としたか
ら、入ロスリツトを固定することが可能となつた。
(ニ)入ロスリツトを固定したから、吸収セルを通過し
た光束をコレクタにより入ロスリツトへ集光することが
可能となり、結局は分光器への入フ射光量損失の小さい
感度、精度の良い分光計を提供することが可能となつた
(ホ)出口スリツトを振動させて波長変調をかけたから
、出口スリツトが所定の位置になるようにスリツト振動
装置を分光器の外側から分光器へ取付けるだけで良く、
波長変調装置(本発明ではスリツト振動装置)の取付け
、調整などの製造が容易になつた。
(へ)出口スリツトを振動させて波長変調をかけたから
、出口スリツトが所定の位置になるようにスリツト振動
装置を分光器の外側から分光器へ取付けるだけで良く、
新たに分光器の設計も必要なく汎用の分光器が使用でき
た。
(卜)出口スリツトを振動させて波長変調をかけたから
、被振動物体(本発明ではスリツト板)を軽くすること
ができ、結局、容易に振動させることができる。
(イ)繰返し反射光学装置を用いて吸収光路長を長くし
たから感度、精度の良い分光計ができた。
(男 繰返し反射光学装置を用いて吸収光路長を長くし
たから、直線見通し距離を吸収光路とする場合に問題と
なる熱や震動による光軸ずれの無い分光計ができた。(
?<)繰返し反射光学装置を吸収セルの中に収めたから
、ちり、霧、雨などによるミラー面の汚れを妨ぐことが
できた。
(ニ)本発明の実施例のように、音叉をスリツトの振動
源とすると、振動数の高い、振動数の安定な且つ振幅の
安定な振動をスリツトに供給でき、さらに感度、精度、
安定性を改善した分光計が構成できる。
以上詳細に説明したように、本発明による分光計は、従
来の分光計よりも著るしく感度、精度の良いものであり
、従来測定不可能であつた微量な公害測定が可能となり
、特に環境大気計測の分野での計測技術を向上させるも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による第一実施例を示す構成図である。 第2図は、SO2ガスによる光吸収を受けた通過光のス
ペクトルを示した図であり、さらに分光器の出射部にお
けるスリツト位置と波長の関係も示した本発明の説明図
である。第3図は本発明の第一実施例で用いたスリツト
振動装置の構成図である。第4図は本発明の第一実施例
で用いた電気処理系の構成図である。第5図は本発明の
第二実施例を示す構成図である。第6図、第7図、第8
図は従来の繰返し反射光学装置を示す図である。第9図
は従来技術の繰返し反射系の光束の並び方(一次元配列
)を示す図である。第10図は太い光束を従来技術の繰
返し反射系で反射させた場合を示す図である。1:光源
、10:吸収セル、20:繰返し反射光学装置、21:
凹面鏡、22:平面鏡、30:コレクタレンズ、40:
分光器、41:入ロスリツト、50:スリツト板、55
:出口スリツト、60:スリツト振動装置、80:頭部
窓形光電子増倍管、85:電気処理系、90:処理部、
96:出力表示器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 光源と、被測定物質を含む被測定媒質および繰返し
    反射光学装置を内部に有して測定空間を画成し前記被測
    定物質の吸収スペクトルを発生せしめる吸収セルと、固
    定された1本の入口スリットを有する分光器と、前記光
    源から放射され前記吸収セルを通過した光束を前記入口
    スリットに集光するコレクタと、前記分光器の出射部に
    備えられていて1本の出口スリットを有し該出口スリッ
    トをして横方向に振動自在ならしめるようにされたスリ
    ット板と、該スリット板を振動させ前記出口スリットを
    して横方向に時間的に正弦波状に振動させるスリット振
    動装置と、前記振動された出口スリットからの出射光束
    のすべてに対して実質的に均一な受光面を提供するよう
    に備えられた1個の頭部窓形光電子増倍管と、該光電子
    増倍管の出力信号を受領して前記出口スリット振動周波
    数の2倍の変調周波数を有する光変調信号の変調度に対
    応した出力表示を得るようにされた電気処理系とを備え
    て成る分光計。 2 繰返し反射光学装置は、その内部で往復している光
    束の光軸が全体として立体的に三次元空間を占めるよう
    に複数個のミラーを配置して成り、もつて所定の吸収光
    路長に対して吸収セルの容積を減少させたことを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の分光計。
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