JPS589725B2 - セメント賦形体の製法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、セメント賦形体の製法に関するものである。

そしてたとえば連続的にセメント瓦を製造する場合に、
表面仕上げを美しくすると共に、同時に両側端面を美し
く仕上げ、かつ両側端の寸法調整を行う場合に便利な賦
形法を提供する目的でなされた。

本発明は、直接的にはセメント瓦の連続的製造のために
なされたものであるが、必ずしも瓦の製造にのみ適用さ
れるのではなく、広くセメント組成物の賦形に応用でき
るものである。

以下は説明の便宜のために瓦を例に採って説明する。

従来のセメント瓦の成形方法は大きく分けて２通りの方
法があった。

第１の方法は、注型法である。

これは予め、作られた型に流動性の高い材料を注ぎ、材
料の硬化後、型を取り外すという方法であるが、充填が
非常に困難であるために流動性の大きい組成物を用いね
ばならず、そのためには混水比を高くしなければならな
かった。

混水比を高くすると、気泡を抱き込んだり、水を多量に
使用するために、製品に白華が生じやすく、さらには製
品の表面や、側端面を美しく仕上げることが困難であっ
た。

また型を取り外すためには、ある程度の時間、注型した
ま＼養生しなければ離型性が非常に悪く、生崖能率が非
常に悪かった。

第２の方法としてプレス法がある。

これはベルトコンベアで運ばれてきたセメント板をプレ
ス台に置き、成形板を用いて一定の圧力である程度の時
間プレスし、再びベルトコンベアに載せる方法である。

ところがプレスを行うためには、連続的な工程を一度、
停止せねばならず、またプレス保持時間が必要なため、
生産能力が非常に悪くさらに、プレス圧力によって、材
料（セメン１目成物）が広がるために、寸法調整の操作
、あるいはそのための装置が必要となり、表面両側端而
も、非常に粗く、混水比が高い場合には、材料がプレス
に付着するという欠点があった。

本発明は以上のような実情に照らしてなされたもので、
移送されつつある型板上のセメント被賦形組成物に、両
端に賦形体の厚みに関連して決められた深さの鍔を有す
る型ロールを回転させつつ押圧することにより、賦形す
ることを特徴とする。

以下実施例として示した図面により説明する。

第１図は、本発明において用いられる賦形ロール１の斜
視図である。

そして、このロール１の両端には鍔２が形成されている
。

ロール１はシャフト３により回転せしめられる。

鍔２の相互の間隔はセメント賦形物、たとえば瓦の巾に
一致するようになされている。

また鍔２の深さａは賦形物の厚み、すなわち瓦の厚みに
より変化せしめる。

しかし必ずしも瓦の厚みに一致させる必要はない。

第２図は第１図のロール１を用いて、実際に賦形を行う
場合の断面図を表わしている。

この図で４は賦形体、たとえば瓦であり、５は型板であ
る。

瓦４は、予め、型板５の上に、セメントｂ成物として載
せられ、場合によっては予備成形された形で移送されて
来る。

そしてこれを型板５と共にロール１の下に入れ、ロール
１を回転させつつ、押圧して賦形を完成する。

ロール１の回転方向は、型板５の移送方向と一致させる
。

このようにすることにより連続的に賦形体を得ることが
できる。

このようにして賦形体を得ると、賦形体の表面はロール
１の押圧または摺擦により、滑らかなものとなり、さら
に側端面も鍔２の内側面による摺擦により滑らかに仕上
げられる。

ロール１面の摺擦により仕上げを行うためには、型板５
の移送速度よりも、ロール１の回転速度を速くするとよ
い。

このようにすることにより賦形体の充填性も向上し、よ
り滑らかな仕上がりが得られる。

なお、型板が側端に立上り内側面を有せず、凹んだ型板
を用いないので、賦形物の型離れが良く、賦形効率の向
上が認められる。

さらに賦形体が最密充填により近くなるので強度も向上
する。

ロール１の面は、第１，２図のような平滑である必要は
なく、第３図に示すような異形のものでもよい。

これは、例えば日本瓦のような曲面を有する瓦の賦形に
適している。

この賦形方法に供されるセメント組成物は、混水比ので
きるだけ低いものがよく、その程度は、ロール１で押圧
した場合に、水が絞り出されない程度が好ましい。

以上要するに本発明は移送されつつある型板上のセメン
ト被賦形組成物に、両端に賦形体の厚みに関連して決め
られた深さの鍔を有する型ロールを回転させつつ押圧す
ることにより、賦形することを特徴とするので、表面、
側端面が滑らかに仕上り、かつ一定寸法の賦形物を連続
的に得ることができるのである。

実施例 １ ボルトランドセメント２５重量部、川砂６５重量部、水
１０重量部を混合したものを平板の型板上にならして、
ベルトコンベアで、第１，２図のようなロールで連続的
に賦形した。

ロールの回転速度は２０ｍ／分、ベルトコンベアの移送
速度は１０ｍ／分であった。

鍔間距離は３０ｃｍ、鍔の深さは１０ｍｍであった。

なお、型板幅は３０ｃＬ１型板の厚みは１４ｍｍであっ
た。

賦形後は８０℃、９５％以上の湿度下に８時間養生した
。

しかる後型より外し、平板瓦を得た。実施例 ２ 第３図のようなロールを用い、実施例１のセメント組成
物を用いて、賦形を行った。

賦形物は瓦である。

その他の条件は実施例１と同様であり、型板も第３図の
如き、曲面状を呈する以上は、略同様のものであった。

以上の実施例１、２で確昭されたところはつぎの点であ
った。

（１）連続的に賦形を行うことができ、表面および両側
端の仕上りが、非常にきれいであり、板幅３０ｃｒ，板
厚１０ｍｍの平板瓦が得られ、離型も容易であった。

（２）山と谷のある曲面状の瓦でも、平板瓦の場合と略
同様、容易に賦形でき、仕上りもきれいであった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る実施例に係るロールの斜視図、第
２図、第３図は賦形時の断面を表わす図である。 １・・・・・・ロール、２・・・・・・鍔、４・・・・
・・賦形体、５・・・・・・型板。 −２３一

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 移送されつつある型板上のセメント被賦形組成物に
   、両端に賦形体の厚みに関連して決められた深さの鍔を
   有する型ロールを回転させつつ押圧することにより、賦
   形することを特徴とするセメント賦形体の製法。