JPS589703B2 - 下水道汚泥中の土砂の分離方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、下水処理工程の沈澱池に沈澱した土砂と有機
汚泥との混合汚泥から土砂を分離する方法に関するもの
である。

従来下水処理場において処理される汚水は、道路などの
土砂も同時に流入しているため、沈澱池において本来処
理さるべき有機物と同時に混合されて沈降し、その分離
がなされないま７ポンプなどによって次の工程の消化槽
に移送されている。

そのために移送ポンプのインペラの摩耗、パイプのつま
り、または消化槽の閉塞など種々の障害が起り、さらに
消化汚泥の多量化につながりその処理に困難をきたして
いるのが現状である。

本発明は、このような従来の問題を解決し本来処理の対
象外である土砂を分離回収する方法を提供するものであ
る。

本発明にあたり、発明者は土砂と有機物との分離にそれ
らの比重差を利用することを考えついたが、沈澱池にお
ける攪拌その他種々の操作では両者の分離がうまくいか
ず、このため鋭意研究検討を重ねた結果、混合汚泥に遠
心力を与え土砂と有機物とに働く重力差を利用して効率
よく両者を分離する方法を見出した。

以下本発明方法を一実施例をもとにして詳細に説明する
。

図面は本発明方法を実施する装置の一例を示したもので
あって、第１図は縦断面図を示し、１の分離槽内の分離
室２および静止室３内に水を張り、攪拌装置４で攪拌羽
根５を回転させながら汚泥ポンプ６よりパイプ７を通じ
て抵抗板８に切線方向に汚泥を送り込む。

汚泥はポンプ６の圧力および攪拌によってじょうご型抵
抗板８に沿って遠心力が与えられ、重力が大きい土砂は
抵抗板８にしたがい間隙９または底部１０より静止室３
に送り出されて沈降しロータリバルブ１１より外部へ放
出される。

一方、汚泥中の有機物はそれに働く重力が小さいので中
央に浮遊し、分離室２内の水の抵抗によって上部へ送ら
れパイプ１２を通じて放出され次工程の沈澱槽に入る。

以上の如く、本発明方法は最初沈澱池に沈澱した有機、
無機の混合汚泥を分離槽に導き、遠心力を与えた際の重
力差によって有機汚泥は上部に浮かし、無機汚泥は下部
より取り出すことによって土砂を分離するものである。

かくして分離された各汚泥は、多少はまだ混合汚泥であ
ることはまぬがれないので、必要によっては分離された
土砂分または有機汚泥分をさらにもう一度この分離法に
かけてもよい。

第２図は第１図の抵抗板部分の平面図を示し、じょうご
形の抵抗板８に対し汚泥移送パイプ７の進入口は切線方
向となしたものである。

本発明方法によれば、土砂を取除くことによる消化汚泥
の減量化、消化槽関係の運転保守上の事故の予防あるい
はポンプのインペラの運転寿命の延長などにきわめて著
しい効果をもち、その実用的利用度も大きい。

また一実施例では、２．８の分離室を備えた装置で５分
間の滞留時間で２４時間当り１，ｏｏｏｍ８の汚泥処理
において３０〜４０ｍ８の土砂を分離できており、土砂
の回収再生利用の面からも有利な発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施の一例を示す縦断面図、第２図は抵
抗板への汚泥送入機構を示す平面図である。 図において１は土砂と有機汚泥の分離槽、２は分離室、
３は静止室、４は攪拌装置、５は攪拌用羽根、６は混合
汚泥送入用ポンプ、Ｔは仝用パイプ、８は抵抗板、９は
分離槽と抵抗板間の間隙、１０は抵抗板下部の開口、１
１は土砂排出用ロークリバルブ、１２は有機汚泥の排出
パイプを示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 分離槽１内に、じょうご型抵抗板８を収納して、同
   抵抗板８の上方を分離室２とし、下方を静止室３とする
   と共に、じょうご型抵抗板８の周縁部と分離槽１の内周
   面との間に間隙９を形成し、同間隙９より分離室２中の
   重力の大きい大砂を静止室３に送るように構成し、同分
   離室２中に沈澱池に沈澱した土砂と有機汚泥との混合汚
   泥を収納して分離室２中の攪拌用羽根５により遠心力を
   与えて、遠心力の重量差により有機汚泥は分離槽１の上
   部に、無機汚泥は周囲の間隙９より下方の静止室３に分
   離することを特徴とする下水道汚泥中の土砂の分離方法
   。