JPS589540B2 - カラ−陰極線管用マスクフレ−ムアツセンブリ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はカラー陰極線管（ＣＲＴ）のほぼ矩形または方
形のアパーチュア（孔あき）マスクフレームアツセンブ
リの周縁フレーム部材に関し、とくにかかるフレーム部
材の隅部の補強に関するものである。

背景技術 マルチビームカラー陰極線管（ＣＲＴ）においては、管
のエンベロープ（外匣）内にアパーチュアマスクフレー
ムアツセンブリを設け、これヲ管の観視パネルの内側面
に形成したパターンをもった陰極の発光スクリーンの近
くにこれより多少隔離して配置するのが普通である。

上述のようなマスクに用いるパターン付スクリーンの普
通の型はパネル上に前記有孔マスクのアパーチュア（孔
または開口）に対し整合させて所定の順番でパネル上に
設けた各種の色の発光ストライプまたはトライアンド（
３点）の多数個を有するものである。

マスクの孔または開口とスクリーンのパターンとの配列
整合はスクリーンに対し指向させる順次の特定の電子ビ
ームによって正しく発光を生じさせる上で必要である。

本発明においていう、「アパーチュア」（孔または開口
）は広義のものとし、丸形、楕円形またはスロット状開
口をすべて含むものとする。

マスクフレームアツセンブリのアパーチュア部分は、ほ
ぼ剛体の金属支持部材あるいはフレーム部材に対しとり
つけた薄肉の複雑なドーム構造のものである。

この基本支持用フレーム部材は一般に一体の打抜構造で
、頂部、底部、側部素子を有し、これらの隅角部で互に
連結し、連続した支持枠を作る。

このフレーム部材の周縁構造はほぼＬ型の断面形状を有
し、関連の上向きの側壁部素子より内側にのびる突縁状
の部分をもっている。

側壁部素子の端縁部の形状はドーム形のアパーチュア部
分と合体するように形成し、これと接合して一体の完全
なマスクフレームアツセンブリを形成する。

このようなアツセンブリを多数の支持手段によって管の
観視パネルのパターン付の陰極発光スクリーンの直近位
置に配置する。

フレーム部材のこのような構造或いは形状においては、
フレームの隅角部において材料の打抜加工により材料の
厚さ自体が薄くなるため、構造上弱い部分が生ずる。

このような弱点が生ずることによって打抜き或いは成型
加工工程において、隅角部領域に僅かなねじれ或いはよ
じれによる歪みが生ずる。

このようなドーム形アパーチュア部分をフレーム部材に
取付ける時、すなわちマスクとフレームとの組立て工程
において機憧的ジグを用いてフレームをまず平坦部分に
置き、接合前にこのフンームをなるべく平らな形として
おく。

しかしながらこれに続いて行われる陰極線管のパネル部
分とじようご形部分とを封着する工程においてはマスク
フレームアツセンブリはかなりの温度に加熱され、マス
クのアパーチュア部分に対する引張り力が弱められるの
でフレーム部分のストレスが相対的に犬となり、隅角部
に向う不所望のねじれ作用が生ずる。

管内でこのマスクアッセンブリに生ずるあらゆるしわ或
いは歪みは、マスクのアパーチュアとこれに対応するパ
ターン付のスクリーンとの間ゐ整合の不一致を来し、映
写スクリーンの解像度及び色純度を極めて悪くする。

上述のねじれを無くすようにした従来技術は隅角部領域
に直線の補強リブを設け、これを画面の対角線に対しほ
ぼ直角に向うようにして配置していた。

しかしこのようなリブを設ける場合、直線形のリブは隅
角部の材料のフロー線を横切る。

さらにこれに加えて普通リブの端部をかなり幅広い形状
とするときは、材料を隅角部において不所望に引張るこ
ととなり、かえって余分の応力を生じ、これによって管
の製造工程中不所望のしわ或いは片寄り、よじれ等を生
ずることとなる。

発明の開示 従って本発明の目的は従来技術における上述の如き欠点
を解消することをその目的とする。

本発明の他の目的は陰極線管のアパーチュアマスクフレ
ームアツセンブリに対し余分の応力を生ずることなくフ
レームの隅角部分を補強する手段を提供しようとするに
ある。

さらに本発明はフレームの強度或いは剛性を犬とし、こ
れによって管の総合的特性を改良しようとするにある。

上述の如き本発明の目的並びに利点は次の如く本発明の
実施例による特徴により達成される。

本発明においてはマスクフンーム部材の各隅角部領域に
おいてフレームの突縁部にほぼ三日月形の凹所を設ける
。

これらの補強用三日月形凹所は各隅角部領域でそのくぼ
んだ形の周縁部すなわちコンケーブ周縁部の開いた側を
フレーム部材の中央の空所に向け、ほぼ対称形に配置す
る。

各三日月形四所はその形状上ほぼ丸形としかつ傾斜をも
った端部を有するようにする。

各三日月形を円形の部分とし、その方向を特定すること
により、従来のものに比しより長い四所が形成でき、そ
の形状によりより犬なる補強効果を生ずる。

発明を実施するための最良の形態 以下図面により本発明を説明する。

第１図はカラー陰極線管１１の一部を断面とした部分を
示すものであり、本陰極線管は多数の開孔を有するほぼ
矩形状のマスクフレームアツセンブリ１３を有し、この
アツセンブリは陰極線管の観視パネル１７の内側表面に
配置したパターン付陰極発光スクリーン１５に対し空間
的な位置関係を保って取付ける。

さらに詳細には、陰極線管エンベロープの観視パネル１
７の内側に間隔をおいて配置するマスクフレームアツセ
ンブリはパネルの側壁１９に対し図示を省略した手段に
よって適当に支持させ固定スル。

マスクフレームアツセンブリを内側に配置したパネルは
、管のエンベロープのじょうご形部分２１に対し、一体
封着手段２３によって固定し、第１図に示す如く完全な
管ができるようにする。

マスクフレームアツセンブリ１３は金属のフレーム部材
２５を有し、これは例えば約１．１４ｍｍ（０．０４５
インチ）の鋼板を冷間圧延して作り、これにほぼドーム
形をした多数の孔を設けた部分２７を取付ける。

この孔をあけたマスク部分はほぼ円形の孔を設けたよう
にして図面には示してあるが、本発明は決してこれに限
定されるものでなく、これらは楕円形又は細長の開口と
して対応のスクリーンのパターンに希望される如き形状
とすることができる。

図示の如くほぼ矩形状のフレーム部材２５を頂部２９、
底部３１、側部３３，３５の各部分を隅角領域３７，３
９，４１および４３で互いに連結し、一体の多角用構造
としたアツセンブリ１３を形成する。

中央の原点０より基準軸ｘ−ｘ’およびＹ−Ｙ’がフレ
ーム部材の面に沿って第２図示の如く延長されると考え
られる。

このフレーム部材の断面はほぼＬ形の形状であり、これ
には狭い棚状の突縁部４５があり、これに対し一体に形
成されており上向きに延びている側壁部４７を有してい
る。

との突縁部４５は外側表面４９と内側表面５１を有し、
これより側壁部４７は第１図および第５図によく見られ
るようにほぼ直角に延びている。

側壁部４７の端縁部５３の輪郭は第３図に示す如く中高
形状とし、アパーチュア付マスク部材２７の周縁形状に
合致するようにし、この部分はその上にはめ込んで複数
箇所５５においてスポットウエルデイングにより互いに
固着する。

第２図および第３図によく見られるようにこのようなフ
レーム部材の突縁部４５と側壁部４７の形状は、その隅
角部領域３７．３９，４１．４３においてある程度の材
料の減少を生ずを。

このような材料の減少と部材の打抜きの形状の両者の組
合せにより、隅角部領域はフレームの他の部分に比べ構
造的に弱くなる。

既に説明したように打抜き製造工程により生ずる応力に
よって、比較的に弱い隅角部領域に対しねじれ或いはよ
じれ等の歪み力が加わる。

本発明はそれぞれの隅角部領域の強度を格段と増大し、
その剛性を極めて増大させる確実な手段を提供しようと
するにある。

このような強化手段とは、フレーム部材の突縁部４５の
各隅角部領域においてそれぞれその隅角部に背を向ける
ように設けたほぼ三日月形の凹部５７である。

図示のようにこの凹部５７は突縁部の外側表面４９より
内側に向うように設け、従って内側表面５１にこれの対
応の突出面５９が生ずるようにする。

然しなから所望に応じこれは内側表面５１より外側に突
出するように設けてもよく、この場合にはそれの対応面
は外側表面４９に生ずる。

第５図に示すようにこの凹部５７はほぼ円弧形の断面と
し、角を持った部分などがないようにする。

内側表向に突出するこれに対応の突出部５９の寸法は第
５図に″Ｐ”で示す如くで、突縁部の材料の厚さ”Ｔ”
より僅か犬なるようにする。

このような寸法関係を設けるようにすると、極めて適当
な強度の構造が得られる。

第１図、第２図および第４図に示すように、三日月形の
端部６１および６３は丸味を帯びる形状とし、凹部の傾
斜またはスロープに対し僅かにテーパを付す形とする。

このような構造とすることによりこの端縁部の材料の応
力の集中を有利に減少させ得ることが判明した。

特に第２図および第４図に示すようにこれら三日月形の
各々は凹入（コンケーブ）周縁部６５と突出（コンペッ
クス）周縁部６７とを有しており、それぞれ対応の隅角
領域内でほぼ対称に配向されており、そのコンケーブ周
縁部６５はＸ−Ｙ基準軸の原点に面している。

即ち隅角領域３９の対角線６９はそれぞれこれに対して
設けられた三日月形状５９の対角線あるいは二等分線と
もなっている。

この三日月形状５９の特別形状をほぼ直角の隅角部３９
に設ける場合の有利な位置関係を第４図に示す。

角／川ｑｕはフレーム部分２５の隅角領域３９のほぼ直
角形状を示すものである。

これに対し三日月形状５９の円弧形状の長さはその端部
６１，６３の方向がほぼ／ＥＣＦに向うようにする。

このような関係を設けることにより、凹部の大部分、即
ち図面″Ｍ”で示す領域より図面”Ｎ″で示す領域まで
の間の部分が、隅角部材料の曲率にほぼ見合った曲率を
有することとなるので、余分な応力を生ずることなくそ
の強度を増加させていることがわかる。

この”Ｍ”および“Ｎ”で示した部分の外側の端部領域
６３および６１は、凹部の曲率がごく僅か対角線的にみ
て材料の自然の流れを徐々に逃すような形状としている
。

このような材料の主要方向に対するある角度を持った形
状は、製造上の応力を少なくしてその剛性を極めて増加
させるものと考えられる。

このような三日月形の凹部を設けたフレーム部材はその
隅角部分の強度を極めて増大させる。

産業上の利用可能性 ほぼ矩形形状のカラー陰極線管のマスクフン一ムアツセ
ンブリの隅角領域に設けた本発明による強化手段は、そ
の構造上極めて犬なる強度を与え、かつ安定性を増加さ
せる。

三日月形の凹部で丸形でテーパ付の端縁部を設け、しか
もその隅部は打抜きフレームのほぼ外側の自然形状と一
致させる。

これによって粒子または格子構造が不自然に損われるこ
とはない。

このような凹部の形成はマスクフレームの製造上極めて
容易に適用することができ、これによって増加するコス
トは極めて僅かであり、管の品質向上を補って余りある
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の概要を示すためカラー陰極線管の１隅
部を断面として示す斜視図、第２図は陰極線管のマスク
フレームアツセンブリに使用スるほぼ矩形形状の周辺フ
レーム部材を示す平面図、第３図は第２図の３−３線よ
り見たフレーム部材の側面図、第４図は第３図矢印４の
方向より見たフレーム部材の１隅部の拡大図、第５図は
第４図５−５線における断面図である。 ４５……突縁部、４７……側壁部、５７……凹部、６１
，６３……端部、６５……コンケーブ周縁部、６７……
コンベツクス周縁部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カラー陰極線管内においてその観視パネルの発光ス
   クリーンの近くに配置されるほぼ方形のアパーチュアマ
   スクフレームの金属の周縁フレーム部材であり、該フレ
   ーム部材は頂部、底部ならびに側面素子を有し、これら
   は隅角領域部においてその間を互に連結され、一体の周
   縁支持構造をなし、かつ基準ＸＹ軸を有し、また該フレ
   ーム部材はその断面がほぼＬ形の形状を有し、これは端
   縁部を連結して一体とした垂直の側壁部より内側に延び
   ている突縁部を有し、この突縁部は内側表面と外側表面
   を有し、前記垂直の側壁部はこれよりほぼ垂直に延びて
   おり、この側壁部の端縁形状はマスクフレームアッセン
   ブリのアパーチュアマスク部材を配置し固定するに見合
   った形状としてなるカラー陰極線管のマスクフレームア
   ツセンブリにおいて、 前記の金属の周縁フレーム部材の隅角領域を強化するた
   め、該フレーム部材の各隅角領域にコンケーブ（くぼみ
   形）周縁部と、コンペックス（ふくらみ形）周縁部と、
   丸形の端部とを有するほぼ三日月形の四所を設け、各三
   日月形凹所はそのコンケーブ周縁部を前記ＸＹ軸の原点
   に向けて配置し、かつ各隅角領域の二等分線が対応の三
   日月形の二等分線にほぼ一致するよう構成してなること
   を特徴とするカラー陰極線管用マスクフレームアツセン
   ブリ。 ２ 前記各三日月形凹所の断面をほぼ円弧形とし、かつ
   その丸形の端部に向ってこれが傾斜してゆくようにした
   特許請求の範囲第１項記載のマスクフレームアツセンブ
   リ。 ３ 前記各三日月形凹所は突縁部の反対側の面にその突
   縁部の材料の肉厚より僅か大きく突出する相補形状の突
   出部を形成する如くした特許請求の範囲第１項記載のマ
   スクフレームアツセンブリ。 ４ 各三日月形凹所を突縁部の外側表面より内側に向っ
   て形成した特許請求の範囲第１項記載のマスクフレーム
   アツセンブリ。 ５ 各三日月形凹所を突縁部の内側表面より外側に向っ
   て形成した特許請求の範囲第１項記載のマスクフレーム
   アツセンブリ。 ６ 各三日月形の丸形の端部は対応のフレーム部材の隅
   角領域のほぼ直角の形状に対しやや鋭角をなす方向に向
   って配向される如くした特許請求の範囲第１項記載のマ
   スクフレームアツセンブリ。