JPS5891711A - アクリロニトリル系重合体、その製造方法及びそれからなるモダクリル系合成繊維 - Google Patents

アクリロニトリル系重合体、その製造方法及びそれからなるモダクリル系合成繊維

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JPS5891711A
JPS5891711A JP19004581A JP19004581A JPS5891711A JP S5891711 A JPS5891711 A JP S5891711A JP 19004581 A JP19004581 A JP 19004581A JP 19004581 A JP19004581 A JP 19004581A JP S5891711 A JPS5891711 A JP S5891711A
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polymer
acid group
sulfonic acid
acrylonitrile
vinyl monomer
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JP19004581A
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Kaoru Yamazaki
薫 山崎
Shunichiro Kurioka
栗岡 駿一郎
Mitsuya Sakata
坂田 三也
Takahiro Ogawa
小川 孝裕
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、難燃性を有し、かつ失透防止性に優れた繊維
を与えるアクリロニトリル系重合体、その乳化重合法及
びそれからなるモダクリル系合成繊維に関するものであ
る。
アクリル繊維は、染色性、風合い、耐光性等の数々の優
れた化学的並びに物理的性質を有している。しかしなが
ら近年我々の生活環境は火災などの災害の危険にさらさ
れる度合いが増大しつつあり、また国民の生活水準の向
上もあって、繊維製品の難燃化に対する要求が急速に高
まり、特にアクリル繊維の易燃性が大きな問題になって
きている。アクリル繊維は、本質的に難燃性に欠けるた
め、防燃性を必要とするカーテンやカーペット等のイン
テリア製品、幼児・老人の着衣等に使用することは好ま
しくない。
この欠点を改良するために、従来より難燃剤を紡糸原液
に添加して紡糸する方法、難燃剤を後加工により付与す
る方法、難燃性重合体とアクI))し系重合体とを混合
紡糸する方法等検討されてきているが、いまだ充分に満
足されるものは得られていない。これは難燃性能を付与
するのに多量の難燃剤を添加するため、アクリル繊維本
来の物性・風合い等において劣ったり、染色・洗擢等に
おいて難燃剤が脱落して難燃性が低下し永続的な難燃性
が得にくいことにある。また混合紡糸法では、紡糸原液
を均一で安定に保つことが困難であり、工業的に生産す
ることが難かしいからである。
一方、半永久的に難燃性を付与する方法として、アクリ
ロニトリルにハロゲン含有単量体、例えば塩化ビニル・
塩化ビニリデン・臭化ビニル・臭化ビニリデン等を共重
合する方法が行なわれている。
この場合、ハロゲン含有量が多くなる程難燃性は良好に
なるといわれているが、反対に失透防止性が著しく低下
するため、繊維物性・加工性・商品性を損なうという大
きな欠点を有している。
この理由としては、ハロゲン化ビニル単量体を多く含有
するアクリル系繊維は、一般に湿式紡糸法により製造さ
れているため繊維組織内に微細な空隙を作りやすいこと
、そのうえ繊維の軟化温度が低いので比較的低温域で容
易に膨潤しやすいこと等によるものと推定される。この
ため、ハロゲン化ビニル単量体を多量に含有するアクリ
ル系繊維の失透性を改良するためには、凝固浴中での繊
維組織内の微細な空隙の生成を防止することが特に重要
である。
このような失透性を改良する方法として、アクリロニト
リルを85優以」二含有するいわゆるアクリル系合成繊
維では、一般に染料に対する染着座席の付与を兼ねてス
ルホン酸基含有ビニル単量体を共重合して失透性を防止
することが行なわれている。しかしながら本発明の如く
ハロゲン化ビニル単量体を多く含有するいわゆるモダク
リル系合成繊維では、元来緻密な繊維構造を形成するこ
とが難かしいため、スルホン酸基含有ビニル単量体を導
入しても失透性を防止することは極めて困寿トであるば
かりでなく、かえって更に失透防止性が低下するという
事態も生じる。このためモダクリル系繊維業界において
は、との失透防止性をアクリル系繊維並みまで向上させ
ることが急務となっているが、いまだ充分満足する難燃
性・失透防止性を兼ね備えたものは得られていない。
このモダクリル系繊維の失透性を重合段階から改良する
方法としては、特公昭53−9299 。
特公昭53−9300にアニオン性モノマーヲ多情に含
有した共重合体を重合系に添加して溶液重合する方法が
記載されている。しかしながら、かかる方法はいずれも
アニオン性モノマーを多量に含有したアクリロニトリル
系共重合体を予め製造し、これを重合系に添加してから
溶液重合するため親水性共重合体を別途調製したり、安
定した繊維性能を得るため溶液重合の重合収率によって
添加量を調節したりするので製造方法が繁雑となる。
さらに、重合系に始めに添加されるアニオン性モノマー
含有共重合体の熱履歴が、2回の重合を経るので倍加さ
れるため着色防止の観点からも好ましくない。その−8
該重合系に始めに添加される重合体の共重合成分として
のアニオン性モノマーとして、アリルスルホン酸ソーダ
、メタリルスルホン酸ソーダを用いた場合、その使用量
が比較的多いので、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤
に溶解しにくく溶液重合系が不均一となりやすい。
このような整置を防ぐために重合系のモノマー濃度を下
げて溶剤量を多くすると生成する重合体の重合度が低下
したシ、生産性が低下したりする。
また得られた紡糸原液は、混合されている共重合体の親
水性と疎水性の差が比較的大きいため均一溶液に保つこ
とが難かしく、特別に親水性の大きな共重合体を用いた
場合には、用いる有機溶剤の種類により親水性の共重合
体が溶解しないか、あるいは膨潤のみしかしないという
事態が生じる。
(7) このような均一性に欠ける紡糸原液を用いて紡糸すると
ノズ/l/詰りゃ糸切れ等の整置を生じるため安定して
繊維を製造することは困難となる。その上、親水性の高
い共重合体は凝固浴あるいは水洗浴中に流出しやすいた
め失透防止の効果は半減し、染色性等の品質も安定に得
ることが難かしく工業的に有利な方法とはいえない。
本発明者らは、難燃性で失透防止性に優れたアクリル系
合成繊維を鋭意研究した結果、特定組成範囲のアクリロ
ニトリル、塩化ビニルおよび又は塩化ビニリデンを主成
分とする共重合体から高度の難燃性を有する繊維が得ら
れ、更にこの共重合体を製造するに際し、特定のスルホ
ン酸基含有ビニル単量体を特殊な方法を用いて共重合し
た重合体から失透防止性の極めて良好な繊維が得られる
ことを見出し本発明に到達した。
即ち本発明は、40〜65重量%のアクリロニトリルと
31〜59.9重量%の塩化ビニルおよび又は塩化ビニ
リデンと式(2)を満たす0.1〜4重量%のスルホン
酸基含有ビニル単量体を下記の弐(1)(8) を満たす条件で重合したアクリロニトリル系重合体であ
シ、又その用途発明としての該共重合体からなるモタソ
リル系合成繊維である。
0(S(83・・・・・・・・・(1)z+/ Z2 
> 1   −(21 (式中、8は式(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル
単量体の実質的な添加期間中に生成した重合体の全重合
体に対する百分率を示し、2. 、22は各々スルホン
酸基含有ビニル単量体、アクリロニ) IJルの反応性
比を示す。) 以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のハロゲン化ビニル単量体を含有するアクリロニ
トリル系重合体の組成は、40〜65重M%のアクリロ
ニトリル(AN)、!=31〜59.9重量%の塩化ビ
ニ)v41’(VC)および又は塩化ビニリデン(VD
)を主とするアクリロニトリル系重合体であることが必
要である。
重合体の組成のうちANの含有量を40〜65重量%と
規定したのは、40重瞼係未満では繊維としたとき失透
防止性をはじめとする合成繊維とじての繊維性能を維持
することが難かしく、また655重量%こえると合成繊
維としての特性は容易に得られるが高度の難燃性を与え
ることが困難であるからである。なお、紡糸原液の溶剤
としてアセトン、アセトニトリル特にアセトンを用いる
場合、AN含有量を40〜58重量%(VCおよび又は
VDは38〜599重量%)とする事が好ましく、更に
40〜55重M%(VCおよび又はVDは41〜599
重量9I+)とする事がより好ましい。これは、ANが
58重Ji−%をこえると重合体のアセトンへの溶解性
が低下し、紡糸に好適な均一な溶液が調製できにくいか
らである。一方、VCおよび又はVDの含有量を31〜
59.9重量%と規定したのは、31重量%未満では繊
維としたとき高度な難燃性を与えることはできず、また
59.9重量%をこえると難燃性は容易に得られるが合
成繊維としての繊維性能を維持することが難かしいから
であるQ 本発明のアクリロニトリル系重合体は、上記の通りAN
とVCおよび又はVDを主とするが、更に後記する通り
式(2)を満たす特定量のスルホン酸基含有ビニル単量
体を共重合成分とすることが必須である。なお、これら
共重合成分のほか、これと共重合可能なモノオレフィン
性単量体の少量を含有してもよい。共重合可能なモノオ
レフィン性単量体としては、例えばアクリル酸・メタク
リル酸及びそれらのエステル、アクリルアミド、メタク
リルアミド、酢酸ビニル、臭化ビニル等が挙げられ、こ
れらの単量体を重合体中にIO重量φ以下含有しても何
らさしつかえない。又このモノオレフィン性単量体とし
て(2)式を満足しないスルホン酸基含有モノビニル単
量体を小量共重合してもよいが、それは本発明の共重合
体の疎水性部分の疎水性を損なわない程度にすべきであ
る。
さらに、本発明のハロゲン化ビニル単量体を含有するア
クリロニトリル系重合体は、前記式(2)を満足するス
ルホン酸基含有ビニル単量体を01〜4重量係含有し、
かつ式(1)を満たす条件で重合されたものであること
が必要であり、特に式(1)の8は3チ以Jニア5’1
以下が好ましい。これは、Sの値が0%の場合では、生
成した重合体中にはスルホン酸基含有ビニル単量体を共
重合した共重合体が少なく、その共重合体は比較的親水
性の高いものとなるため、この重合体から調製した紡糸
原液は均一性に欠き、ノズ)V詰りゃ糸切れが多発する
ばかりではなく、凝固浴や水洗浴中で親水性の共重合体
が流出しやすくなるので、繊維としたとき染色性等の繊
維性能に欠き、安定した品質のものが得られないからで
ある。この傾向は、とくにANとVCおよび又はVDと
式(2)を満足するスルホン酸基含有ビニル単量体とを
混合してから重合する製造方法の場合に多くみられる。
また、8の値が83%以上の場合では、生成した重合体
中にはスルホン酸基含有ビニル単量体を共重合した共重
合体は多いのであるが、個々の共重合体に含まれるスル
ホン酸基含有ビニル単量体成分が少ないために、凝固浴
中で繊維に緻密な凝固構造を与えることが難かしく、繊
維としたときの失透性を改良することが困難であるから
である。
なお、8の好ましい値は、紡糸特使用する紡糸原液の溶
剤によって異って来る。すなわち、アセトン、アセトニ
トリル特にアセトンを用いる場合には、Sの値は16チ
を越え83S末溝であることが好ましく、特に33φ以
」ニア5φ以下がより好ましい。また、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド
特にジメチルホルムアミドを用いる場合には、Sの値は
O係を越え61条未満であることが好ましく、特に3係
以上40%以下がより好ましい。この理由は用いる紡糸
時の溶剤の種類により凝固構造が異るためであり、本発
明の共重合体を繊維化する際には、凝固浴中で繊維に緻
密な凝固構造を与える共重合体を使用する溶剤により本
発明の共重合体の中から選択する必要がある。
また、本発明において式(1)を満たすように用いられ
るスルホン酸基含有ビニル単量体は式(2)を満たすも
のと規定したのは、この値が1以下のスルホン酸基含有
ビニル単量体では、その共重合性が劣るため重合系に添
加されても直ぐには共重合せず、またその供給を停止し
ても反応性が劣るため未反応単量体として残存し、共重
合反応が緩慢に続行して繊維としたときの失透防止に有
効な共重合量と組成を有する共重合体を定量的に効率よ
く得ることが出来ず、式(1)を満たして用いる意味が
ないからである。なお、この値が1を越えるスルホン酸
基含有ビニル単量体を含有する重合体から失透防止性が
向上した繊維が得られる理由は定かでないが、これらの
単量体は共重合性が高いため、重合系に添加されると速
かに共重合し、また、その供給を停止すれば速かに共重
合反応を終了し未反応単量体としてほとんど残存しない
ためスルホン酸基含有ビニル単量体を含有した共重合体
とそれを含まない共重合体とがきわめて円滑に定量的に
生成し、繊維にしたときの失透防止に有効な共重合量と
組成を有する共重合体が容易に得られるものと推定され
る。さらに本発明では、式(2)を満たすスルホン酸基
含有ビニル単量体を含有した共重合体と、それを含まな
い共重合体とが同一重合□  系中で製造されるために
、式(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル単量体を重
合系中に添加開始あるいは添加終了した時にスルホン酸
基含有ビニル単量体の含有量が連続的に増減した共重合
体がごく微量生成するが、これがさらに繊維の失透防止
に有効な緻密な凝固構造の出現を助長したものと考えら
れる。
本発明に用いられる式(2)を満たすスルホン酸基含有
ビニル単量体としては、メタクリロイルオキシプロピル
スルポン酸等のスルホン酸基含有アクリル又はメタクリ
ル酸エステル類、又はスチレンスルホン酸及びビニルベ
ンジルスルホン酸等のスチレン系不飽和結合を有するス
ルホン酸基含有ビニル単量体、及びこれらのナトリウム
、カリウム、アンモニウム等の塩類などがあり、これら
のものを1つ以」二相いることが必要である。
本発明の共重合体中の式(2)を満たすスルホン酸基含
有ビニル単量体の含有量は、0.1〜4重量係、好まし
くは0.3〜3重量%がよい。0.1重量部未満ではス
ルホン酸基含有ビニル単量体を共重合した重合体と、そ
れを共重合しない重合体との親水性の差が小さいために
緻密な凝固構造を与えることが難かしく、また4重量部
をこえると共重合体中の親水性の差が大きくなりすぎる
ため凝固が不均一におこり多量の空隙を生じたり、凝固
浴・水洗浴中にスルホン酸基含有ビニ)v単量体を共重
合した重合体が流出したりするために繊維にしたときの
失透防止性、染色性等の品質を安定に得ることが出来な
いからである。又その上、製造コストもあがり経済的に
も不利となる。
本発明の重合体の好ましい分子量を比粘度を用いて示す
と、0.13〜060が好ましく、特に0.15〜0.
54がより好ましい。なおこの比粘度は、重合体2グラ
ムを1リツ)/しのジメチルホルムアミドに溶解した溶
液を30℃で測定したものである。
重合系中への式(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル
単量体の添加方法としては、連続追加方法や断続追加方
法がある。また添加量は均等添加方法や漸次増減方法あ
るいはこれらの組合わせの方法があるが、均等連続添加
方法がとくに好ましい。
なお本発明において、Sは式(2)を満たすスルホン酸
基含有ビニ)v単量体の実質的な添加期間中に生成した
重合体の全重合体に対する百分率を示すと定義したが、
具体的には次のようである。すなわち式(2)を満たす
スルホン酸基含有ビニル単量体を断続追加した場合は、
Sは実際に式(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル単
量体が追加されている期間であって、該単量体の追加が
中断されている期間を除く期間中に生成した重合体の全
重合体に対する百分率を示すことになる。又該単量体の
漸次増減追加方法等において、あまりに該単量体の追加
速度の遅い期間中に生成した重合体をも8のうちに含め
るとすると、°実際は該単量体を小量しか含まない疎水
性共重合体をもBのうちに含める事になる。従って本発
明においてはたとえ式(2)を満たすスルホン酸基含有
ビニル単量体が追加されている期間に生成した重合体で
あっても、余りにその追加速度の遅い期間に生成した重
合体を8のうちに含めない。具体的には、式(2)を満
たすスルホン酸基含有ビニル単量体の追加速度の重合体
の  □生成速度に対する重量百分率が、全重合体中の
式(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル単■体成分の
重量百分率(o、i〜4チ)の1/2未満である期間は
実質的な該単量体の添加期間とは考えず、その期間に生
成した重合体は8に含まれないものとする。
本発明の要件を具備した共重合体により、繊維にしたと
きの失透性が改良できる理由は定かでないが、ハロゲン
化ビニル単量体を多量に含有する共重合体からなるモダ
クリル系合成繊維を製造するに際し失透性を改良するた
めには、凝固浴中での繊維組織内の微細な空隙の生成を
防止することが必要である。このためには、凝固浴中で
連続的に均一で緻密な凝固構造を生ずる重合体を調製す
ることが必須であり、本発明条件を満たす重合体は、式
(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル単量体を含有す
る共重合体の割合と、その共重合量がバランスよく保た
れているために、親水性の共重合体と疎水性の共重合体
とが理想的に渾然となって一体化し、連続的に均一な沈
澱挙動を生じて緻密な凝固構造が出現し、これが繊維に
したときの失透性を防止するものと考えられる。
本発明の共重合体は、水性媒体中または有機溶剤を含む
水性媒体中での乳化重合あるいは懸濁重合、または溶液
重合の如きいずれの重合方法によっても作られる。乳化
重合によって作られるときは後述の如く望ましい重合法
がある。重合に使用される触媒としては通常のラジカル
重合開始剤、例えば過硫酸塩、あるいは過硫酸塩と酸性
亜硫酸またはその塩などの組合わせ、更にはアゾビスジ
メチルバレロニトリルなどのアゾ化合物、過酸化ベンゾ
イル等の過酸化物などがあシ特に限定されない。
ところで、いわゆるモダクリル繊維とよばれるAN含有
量の少ないアクリロニトリル系繊維用の重合体のうち、
VCを含有するアクリロニトリル系重合体の製造におい
ては、溶液重合方法が採用されることは比較的少ない。
これは、溶液重合法には様々な長所のある反面、使用す
る溶媒によっては溶媒分子が生長高分子ラジカルと連鎖
移動反応を起こして平均重合度が低下しやすい傾向にあ
るため、繊維としたときの繊維物性や失透防止性を維持
することが難かしかったり、さらに重合速度が小さいた
めに重合時間が長くなり、重合体溶液が着色しやすいと
いう欠点を有しており、特にこの傾向がVCを含有する
アクリロニトリル系重合体では大きいことによるためで
ある。
そこで本発明者らは、本発明の如き・・ロゲン化単量体
を含有するアクリロニトリル系重合体の乳化重合による
製造方法を種々検討した結果、従来採用されている乳化
重合法の欠点を改良し、しかも難燃性、失透防止性に優
れた繊維を与えるアクリル系重合体が容易に得られると
いう経済的にも利点を有した製造方法を見出し本発明の
重合体の製造方法の発明に到達したものである。
すなわち本発明の重合体の製造方法の発明は、40〜6
5重量%のアクリロニトリルと31〜59.9重量%の
塩化ビニルおよび又は塩化ビニリデンと前記式(2)を
満たす0.1〜4重量%のスルホン酸基含有ビニル単量
体を重合するにあたり、前記式(1)と下記の式(3)
を満たす条件で乳化重合するアクリロニトリル重合体の
製造方法である。
Y〉71   ・・・・・・・・・(3)(式中、Yは
式(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル単量体の実質
的な添加終了時に生成していた重合体の全重合体に対す
る百分率を示す。なおここでいう式(2)を満たすスル
ホン酸基含有ビニル単量体の実質的な添加とは、前述の
如く該単量体の追加速度の重合体の生成速度に対する重
量百分率が、全重合体中の式(2)を満たすスルホン酸
基含有ビニル単量体成分の重量百分率の172以上であ
るような追加速度で該単量体が追加されているものを言
う。) 本発明の重合体の製造方法の発明において、アクリロニ
トリル系重合体の組成のうちANの含有量を40〜65
重量%と規定したのは、前記した如くであるが、特に乳
化重合方法においては、65重量%をこえると重合体水
溶液を安定に保つことが難かしいことにもよるためであ
る0 さらに乳化重合法において重合体水溶液から重合体の粉
末を得るためには、まず塩析・凝固・沖過を行なって重
合体水溶液から重合体を分離し、これを水洗・脱水・乾
燥を行なうのであるが、ANの含有量が65ffJl1
6をこえると、この脱水時の含水率が高くなり乾燥効率
が低下して工業的に好ましくないからである。
また式(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル単量体の
含有量は前記した如く4重量係以下であるが、特に乳化
重合方法においては、4重量%をこえると重合系中で生
成した親水性の高い重合体は、塩析後の沖過・水洗・脱
水時に流出しゃすくなシ、失透防止性・染色性等の品質
を安定に得ることが出来ないからである。
なお式(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル単量体の
添加方法としては、前記した如く、連続追加方法や断続
追加方法がある。また添加量は、均等添加方法や漸次増
減方法、あるいはこれらの組合わせの方法があるが、均
等連続添加方法がとくに好ましい。
本発明の重合体の製造方法の発明の乳化重合法において
、式(3)のYの値を71チを越えると規定したのは、
71係以下では生成する乳化重合体水溶液が不安定であ
るため凝固しやすくなり、安定に重合を進行させたり乳
化重合体水溶液を安定に保存することが比較的難かしい
からである。なお、Yの値は75係以上96チ以下がさ
らに好ましい。
これはYの値が96係を越えると乳化重合体の水溶液は
、安定でその面では好ましいのであるが、含水樹脂の含
水率が高くなり、乾燥効率がやや低下する傾向にあるか
らである。
本発明の重合体の製造方法の発明に用いられる乳化重合
法の界面活性剤はアニオン活性剤がとくに有効であシ、
アニオン活性剤としては、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、
スルホン酸塩、リン酸エステル塩等を挙げることができ
る。なお、用いられる界面活性剤にはアニオン活性剤の
他に、通常のノニオン活性剤の少量を併用しても向らさ
しつかえない。これらの界面活性剤の使用層は、多けれ
ば多い程生成する重合体の品質にはよいのであるが、界
面活性剤を多く用いると含水樹脂の含水率がきわめて高
くなシ、乾燥効率の急激な悪化や重合工程の排水水質の
低下をもたらすので、全単量体に対し0.1〜10重量
係、とくに02〜5重量係用いることが好ましい。
本発明の重合体の製造方法の発明の重合に使用される触
媒としては、通常のラジカル重合開始剤、例えば熱分解
開始剤である過硫酸塩あるいは、レドックス系開始剤で
ある過硫酸塩と第1鉄塩、過酸化水素と第1鉄系のフェ
ントン試薬、過硫酸塩とチオ硫酸ソーダ系、過硫酸塩と
酸性亜硫酸ソーダ系、過酸化水素とオギシカルポン酸系
などがあるがとくに限定されない。また重合温度は30
〜70℃を採用することが望ましく、単量体濃度は全重
合系に対しlO〜70重Jt%であることが好ましい。
なお、製造方法の発明の実施に有用な重合媒体としては
、水性媒体の他に、これと均一溶解性のある通常の有機
溶媒の少量を含有せしめても何らさしつかえないが、重
合系溶剤の回収や排水の水質を考えると工業的にはあま
り得策な方法とは言えない。
乳化重合体水溶液からは通常、塩析用の塩類である塩化
ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸
アルミニウムなどの電解質の水溶液を用いることにより
重合体が分離され、さらに沖過、水洗、脱水、乾燥を経
て重合体粉末が得られる。
このようにして、本発明の重合体の製造方法の発明は従
来の乳化重合法の欠点を改良し、安定な乳化重合体水溶
液から重合体を経済的に製造することができ、更にこれ
から難燃性、失透防止性に優れたモダクリル系合成繊維
を得ることができる。
なお本発明の共重合体を製造する方法の一つとして溶液
重合法にも付言する。重合に使用される溶媒としては、
連鎖移動常数の比較的小さいエチレンカーボネート、ジ
メチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等を用いることが好ましい。なお重合媒体
としては、これらの有機溶剤の外に共重合体の均一溶解
性や重合性を妨げない程度の少量の水やその他の有機溶
剤を用いても何らかまわない。重合に使用される触媒と
しては、通常のラジカル重合開始剤、例えば過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、または2,
2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)
、2.2’−アゾビス−イソブチロニトリルなどのアゾ
化合物、更にはジ(2−エチルヘキシル)バーオキシジ
カーボネート、t−プチルパーオギシピパレート、ラウ
ロイルパーオキサイドなどの過酸化物、あるいは過酸化
水素とL  7スコルビン酸との組合せ等があり、特に
限定されないが、重合度の維持・着色防止の観点から低
温活性型の触媒を用いることが特に好ましい。また、重
合温度は35〜70℃を採用することが好ましく、単量
体濃度は、全重合系に対し20〜70重量係であること
が好ましい。なお、重合には、必要に応じてエポキシ化
合物や有機錫化合物あるいは有機還元剤等の着色防止剤
を用いても何らさしつかえない。
このようにして得られた重合体溶液の混合物から、AN
、VC,VD等の未反応の単量体を除去する方法として
は、未反応の単量体としてVCが存在する場合には、ま
ず常圧下でVCの大部分を除去しついで減圧下でANや
VD等の単量体をも回収することが好ましい。減圧下で
の単量体除去の操作条件としては、1.0〜200 m
mm1(、40〜90℃で実施することが好ましい。こ
の場合、未反応単量体の除去のしやすさや最終の重合体
濃度を調整するために、各除去工程では、必要に応じて
、適宜重合系に用いた有機溶剤を添加することが望まし
い。
本発明の共重合体から、本発明の用途発明である繊維を
製造する方法としては、通常の湿式・乾式紡糸法のいず
れもが可能であるが、とくに湿式紡糸法が好ましい。紡
糸原液の溶剤としては、通常のアクリロニトリル系重合
体の溶剤であるアセトニトリル・アセトン・ジメチルア
セトアミド・ジメチルホルムアミド・ジメチルスルホキ
シド等が用いられるが、前述した如く、好ましいSの値
は溶剤によって異り、溶剤によって使用する共重合体を
選択する必要がある。なお紡糸原液には、通常の熱や光
に対する安定剤や風合いを改良するための添加剤あるい
は難燃性をさらに高めるための難燃剤を含有しても何ら
さしつかえない。
このようにして本発明の用途発明である繊維は、従来の
アクリロニ) l)ル系合成繊維の欠点を改良し、難燃
性で失透防止性に優れた繊維を得ることができるのであ
る。
次に、本発明の重合体によって得られた繊維の難燃性、
失透性、染色性の評価法について説明する。
難燃性の測定は、酸素指数燃焼試験器を用いて行なった
。酸素指数法では、まず3デニ−#300本のフィラメ
ント6本に25インチ中75回撚りをかけ二組合わせて
綿状の試料とし、更にこれを70係収縮させて酸素指数
燃焼試験器のホルダーに直立させ、この試料が5cm燃
えつづけるのに必要な酸素パーセントの測定を行なった
。酸素指数法で示される数値は大きい方がより難燃性で
ある。
失透性の測定は、透過率法により行なった。まず3デニ
−)vのフィラメントを沸水中で30分間処理した後、
長さ3mmに切断し、これを200mg採取し石英板ガ
ラスに均一にはさみ、パラクロルトルエン3 mlを入
れた厚さ1cmの石英セルに入れた。未処理系をブラン
クとして沸水処理系の透過率を分光光度計を用いて波長
650mμで測定した。
透過率で示される数値は大きい方がより失透防止性が良
好である。
染色性は、3デニールのフィラメントに対しマラカイト
グリーン染料2.5重量%を用い、沸水中で90分間染
色したときの染料の吸尽率を測定した。染色性の数値は
大きい方がより染色性が良好であることを示す。
次に、本発明の重合体の製造方法における乳化重合体水
溶液を塩析処理して得られる含水樹脂の含水率の測定方
法について説明する。
10100O!の乳化重合体水溶液を55℃に加温し、
これに20係塩化ナトリウム水溶液100m1を攪拌し
ながら加えた。生成した重合体スラjJ−をさらに攪拌
しつづけ、液温か90℃になるまで加熱し、90℃で8
分間保持した後、70℃まで冷却した。つぎに、直径1
2cmのポリエステ/L/製沖布(透気度約45cm/
5ec)を装着した沖過器をこの塩析処理したスラリー
水溶液中に20On+n+Hgの減圧下の条件で5秒間
浸漬した後、30秒間脱水した。
このようにして得られた含水重合体の重量をWglこれ
を70℃で6時間乾燥した後の重合体の重量をW。gと
すると、含水率は次のように表わされる。
W −W。
含水率(係) = −X 100 以下、実施例により本発明の詳細な説明するが、実施例
・比較例に示した重合体の収率は次のように表わしたも
のである。
重合体の収率(%)− その時点までに生成した重合体量×100実施例1 内容積157の耐圧重合反応装置を用いて乳化重合を行
なった。重合条件は、アクリロニトリル(AN)40.
4部、塩化ビニリデン(VD)12.8部、塩化ビ=)
v (VC) 46.1部に対し、水260部を用い、
重合開始剤として過硫酸アンモニウムと酸性亜硫酸ソー
ダの組合わせを、また界面活性剤としてラウリル硫酸ナ
トリウム0.9部を使用し、重合系のPI(を22に調
整して反応温度38℃、重合時間7時間で行なった。
この乳化重合に際し、スルホン酸基含有ビニル単量体と
してビニルベンジルスルホン酸ソーダ(VBSA、)0
.7部を重合開始2時間め(重合体の収率29.3φ)
から、6時間め(重合体の収率85.4%)まで連続的
に重合系に均等量添加した。
なお、生成する重合体の組成を均一に保つため、用いる
ANとVDのうち、AN29.6部、VD4.6部を重
合の進行に伴ない全重合時間にわたり、重合系に連続的
に追加した。さらに重合速度を一定に保つため、用いる
過硫酸アンモニウムの一部を連続追加使用した。
このようにして得られた重合体の組成は、AN492重
M係、VD15.3重量係、VC34,6重量係、ビニ
ルベンジルスルホン酸ソーダ0.9重量係であり、未反
応のVCl3.7部を回収した時点での重合体の収率は
96.8優であった。
この重合方法により得られた重合体(比粘度0.192
)は、Yが882係であるため、その重合体水溶液はき
わめて安定であり、塩析処理して得られた含水樹脂の含
水率は985チと良好であった。又この重合体をアセト
ンに溶解して30係の紡糸原液となし、35ヴのアセト
ン水溶液中に湿式紡糸して得られた合成繊維は、Sの値
が58.0優であるために透過率が788ヴと失透防止
性に優れ、難燃性も酸素指数値32.2と良好であった
実施例2〜8、比較例1〜4 スルホン酸基含有ビニル単量体を重合系に添加開始、あ
るいは添加終了する時間を変えてSの値が重合体特性や
失透防止性に及ぼす効果について検討した。
重合条件は、AN40.4部、V C59,1部に対し
、水270部を用い、重合開始剤として過硫酸アンモニ
ウムと酸性亜硫酸ソーダの組合わせを、また果面活性剤
としてラウリル硫酸ナトリウム0.8部を使用し、重合
系のP Hを2.3に調整して反応温度39℃、重合時
間7時間で行なった。この重合に際し、スルホン酸基含
有ビニル単量体としてスチレンスルホン酸ソーダ0.5
部を重合開始から6時間めまでの間に添加をはじめ、均
等量追加して重合開始4時間から7時間めの間までにそ
れぞれ添加を終了した。
得られた重合体の組成は、AN49.4重N係、VC5
0,0ff1J!’%、スチレンスルホン酸ソーダ06
重N係であり、重合体の収率は約96係であった。
これらの重合体特性、並びにこれらの重合体をアセトン
に溶解して紡糸原液を調製しアセトン水溶液中で湿式紡
糸して得られた繊維の失透防止性の結果を第1表に示す
。なお難燃性は、重合体の組成がいずれも同一なため酸
素指数値28.1と良好であった。
第   1   表 実施例2〜7は、いずれも本発明の条件を満たしている
ので、重合体の水溶液は安定であシ、含水率も120%
以下と乾燥効率の向上したものであった。また、これら
から得られた繊維も透過率が70チ以」二と失透防止性
に優れたものであった。
しかしながら、実施例8は、Sの条件を満たしているの
で失透防止性は良好であったが、Yの値が71係以下で
あるため重合体水溶液の安定性に劣り、1日後には凝固
してしまった。また、比較例1〜4では、Sの条件を、
いずれも満たしていないので失透防止性に劣シ、比較例
1ではYの値が約69係のため重合体水溶液の安定性に
問題があった。
実施例9〜13、比較例5〜8 スルポン酸基含有ビニル単量体の重合特性・失透防止性
に及ぼす効果について検討した。スルホン酸基含有ビニ
ル単量体としては、式(2)を満たすメタクリロイルオ
キシメロピルスルホン酸ソーダ(SPMA)、スチレン
スルホン酸ソーダ(888)、スチレンスルホン酸アン
モニウム(Ass)、ビニルベンジルスルホン酸ソーダ
(VBSA)を。
また比較例としては、スルホン酸基含有ビニル単量体を
添加しないものと、ANの反応性比との比が1以下であ
る反応性比を有するスルホン酸基含有ビニル単量体であ
るメタクリ)レスルホン酸ソーダ(SMAS)、アリル
スルボン酸ソーダ(8AS)とを用いた。重合条件は、
実施例1と同様にして行なったがSMAS 、SASを
用いた比較例7゜8では重合速度が遅いため重合時間7
時間で重合体の収率が約97係になるように触媒量を調
整して実施した。得られた重合体の特性、失透防止性の
結果を第2表に示す。なお、得られた重合体のy−x及
びYの値は各々56〜60チ、87〜89ヴであり、重
合体の組成もAN48〜50重量%、VD14〜16f
i!%、VC!a4〜a6ffi量%と、いずれも本発
明の条件を満たしていた。
これらの重合体をアセトンに溶解して30’%の紡糸原
液を調製し、次いで35%のアセトン水溶液の凝固浴中
に湿式紡糸を行なってモダクリル系合成繊維を得た。
得られた合成繊維の失透防止性の結果を第2表に示す。
なお難燃性は、酸素指数値がいずれも約31〜32と良
好であった。
第   2   表 実施例9〜13は、式(2)を満たすスルホン酸基含有
ビニル単量体を用いているので、製造される重合体の水
溶液はきわめて安定で、含水率も120チ以下といずれ
も良好であり、これらから得られる繊維の失透防止性も
優れたものであった。しかしスルホン酸基含有ビニル単
量体が添加されない比較例5では、重合体水溶液の安定
性がやや劣シ、失透防止性も透過率が60%以下と劣っ
ていた。
また、式(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル単量体
を用いている比較例6では、その使用量が多いために含
水率が不良となり乾燥効率の悪い重合体しか得られず、
これから調製された紡糸原液はアセトン不溶解物を含み
紡糸性が劣っており、失透防止性も、とうてい改良され
たものではなかった。
比較例7.8では、スルホン酸基含有ビニル単量体とし
てSMAS、SA、9を用いて検討したが、これらのモ
ノマーが重合系に添加されると、生長高分子ラジカルと
連鎖移動反応をおこすためか、重合速度が低下するとい
う事態が生じた。このため、触媒の使用量を増加させて
重合速度を維持したが、製造された重合体水溶液は安定
性に欠け、含水率も130係以上と劣ったものであった
。これらから得られた繊維は、失透防止に有効な組成と
共重合量を有する共重合体が得られなかったためか、失
透防止性に劣り染色性も満足されるものではなかった。
実施例14 内容積151の耐圧重合反応装置を用いて乳化重合を行
なった。重合条件は、AN58.6部、アクリル酸メf
)L/(MA、 ) 1.5部、V D 38.2 部
に対し、水450部を用い、重合開始剤として過硫酸ア
ンモニウム0.2部、二酸化硫黄0.7部及び硫酸第1
鉄0002部の組合わせを、また界面活性剤としてラウ
リル硫酸ナトリウム1.2部、分子量調節剤としてハイ
ドロキノン2部を用い、反応温度40℃、重合時間5時
間で行なった。
この乳化重合に際し、スルホン酸基ビニル単量体として
8881.7部を重合開始3時間め(重合体の収率59
,1φ)から4時間め(重合体の収率71.9%)まで
連続的に重合系に均等量添加した。
なお重合速度を維持するため、用いる過硫酸アンモニウ
ム0.2部のうち、015部を重合の進行に伴ない全重
合時間にわたり重合系に連続追加使用した。
このようにして得られた重合体の組成は、AN56.0
重量%、MAI、3重量%、VD40.6重量1.5s
s2.1重量%であり、重合体の収率は821ヴであっ
た。比粘度はo341であった。
この重合方法によシ得られた重合体は、Yが87、6 
%であるため、その重合体水溶液はきわめて安定であり
、塩析処理して得られた含水樹脂の含水率は118.2
チと良好であった。また、この重合体をジメチルホルム
アミドに溶解して24チの紡糸原液とし、60部%のジ
メチルホルムアミド水溶液中に紡糸して得られた合成繊
維は、Sの値が15.6%であるために透過率が866
%と失透防止性に優れ、難燃性も酸素指数値30.5と
良好であった。
実施例15〜20、比較例9 内容積151の耐圧重合反応装置を用いて溶液重合を行
ない、スルホン酸基含有ビニル単量体を重合系に添加開
始あるいは添加終了する時間をかえて8の値が失透防止
性に及ぼす効果について検討した。
重合条件はAN58.5部、VD40.0部に対し、溶
媒としてジメチルホルムアミド92部を、重合開始剤と
してアゾビスジメチルバレロニトリル0.28部を用い
、反応温度50’C,重合時間11時間で行なった。こ
の重合に際し、スルホン酸基含有ビニル単量体として5
8S1.5部を重合開始から重合終了の11時間めまで
の間に添加を開始し、連続的に均等量追加して、重合終
了の11時間めまでの間に添加を終了した。
得られた重合体の組成は、AN55〜56重量係、VD
重量−43重量引 B582.4〜2.6重It%であ
シ、重合体の収率は約57〜60チであった。さらにこ
れらの重合体溶液にジメチルホルムアミドを加えて約2
0チの重合体溶液に再調製し、3部mmHg、  59
℃の操作条件で未反応の単量体を除去して、紡糸原液濃
度が約25チの重合体溶液を得た。この重合体溶液を5
7%のジメチルホルムアミド水溶液中に湿式紡糸し、つ
いで30チのジメチルホルムアミド水溶液中で3倍に延
伸後、水洗・乾燥を行ない、さらに3倍の熱延伸を施し
た後、湿熱状態で緩和熱処理を行なった。
このようにして得られたモダクリル系合成繊維の失透防
止性、染色性の性能を第3表に示す。
第   3   表 実施例15〜20は、いずれも本発明の条件を満たして
いるので失透防止性に優れており、染色性も90チ以」
二と良好であった。また難燃性は酸素指数値が31〜3
2と良好であり、繊維物性も繊度3デニール糸で、強度
30〜15g/d、伸度25〜30%、ヤング率350
〜450kg/IorAとバランスのとれた合成繊維が
得られた。
しかしながら、ANとVDと888を混合してから重合
を開始した比較例9では、失透性は比較的良好であった
が、染色性に劣り、側底、実用に耐えるものではなかっ
た。
実施例21 内容積301の耐圧重合反応装置を用いて溶液重合を行
なった。
重合条件は、AN61.5部、VD37.0部、5A8
0.5部に対し、溶媒としてジメチルポルムアミド76
部を、重合開始剤としてアゾビスジメチルバレロニトリ
ル0.21部を用い、反応温度55℃、重合時間10時
間で行なった。この重合に際し、ジメチルホルムアミド
20部に溶解した8881.0部の溶液を重合開始3時
間め(重合体の収率21.1部%)から4時間め(重合
体の収率28.4%)まで連続的に重合系に均等量添加
した。
このようにして得られた重合体の組成は、AN58.1
重M係、VD39.7重量係、8881,43重量%、
5AS0.6重量係であシ、重合体の収率は61.3チ
であった。又、比粘度は0.368であつた。この重合
体溶液から実施例15〜20と同様な条件で未反応単量
体の除去操作や湿式紡糸を行って得られた合成繊維は、
8の値が11.996であるため透過率が85.5φと
失透防止性に優れておシ、また酸素指数値30.0.染
料吸尽率94.6優と難燃性・染色性にも優れたもので
あった。
特許出願人  鐘淵化学工業株式会社 代理人  弁理士  浅 野 真 −

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)40〜65重最係のアクリロニトリルと31〜5
    99重量%の塩化ビニルおよび又は塩化ビニリデンと式
    (2)を満たす0.1〜4重量係のスルホン酸基含有ビ
    ニル単量体を下肥の式(1)を満たす条件で重合してな
    ることを特徴とするアクリロニトリル系重合体。 0(S(83・・・・・川・(1) z+ / Z2 > i    ・・・・・・・・・(
    2)(式中、Sは式(2)を満たすスルホン酸基含有ビ
    ニル単量体の実質的な添加期間中に生成した重合体の全
    重合体に対する百分率を示し、2、 、22は各々スル
    ホン酸基含有ビニル単量体、アクリロニトリルの反応性
    比を示す。)f2140〜65重Ju%のアクリロニト
    リルと31〜599重1%の塩化ビニルおよび又は塩化
    ビニリデンと式(2)を満たす0.1〜4重量φのスル
    ホン酸基含有ビニル単量体を重合するにあたり、下記の
    式(1) 、 +31を満たす条件で乳化重合すること
    を特徴とするアクリロニトリル系重合体の製造方法。 o<s<g a    ・・・・・・・・・(1)z+
     / z2 > 1   −−f21Y〉71    
     ・・・・・・・・・(3)(式中、8は式(2)を満
    たすスルホン酸基含有ビニル単量体の実質的な添加期間
    中に生成した重合体の全重合体に対する百分率を示し、
    ZI、 Z2は各々スルホン酸基含有ビニル単量体、ア
    クリロニトリルの反応性比を示し、Yは式(2)を満た
    すスルホン酸基含有ビニル単量体の実質的な添加終了時
    に生成していた重合体の全重合体に対する百分率を示す
    。)f3140〜65重Nチのアクリロニトリルと31
    〜599重量%の塩化ビニルおよび又は塩化ビニリデン
    と式(2)を満たす0.1〜4重N%のスルホン酸基含
    有ビニル単量体を下記の式(1)を満たす条件で重合し
    た共重合体からなることを特徴とするモダクリル系合成
    繊維。 0(S(83・・・・・・・・(1) Zl/ Z2 > 1   −−−f21(式中、Sは
    式(2)を満たすスルホン酸基含有ビニル単量体の実質
    的な添加期間中に生成した重合体の全重合体に対する百
    分率を示し、2、 、22は各々スルホン酸基含有ビニ
    ル1体、アクリロニトリルの反応性比を示す。)
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