JPS588999Y2 - 合成樹脂製ラチェット車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は時計の表示合わせ機構などに使用されるラチェ
ツト車に関するものである。

一方向にのみ回転を伝達させるラチェット機構には、逆
方向のトルクを逃す「にげ」とラチェツト車を噛合させ
るための「弾性」が必要である。

従来、この弾性を得るためには、コイルバネ、板バネ、
合成樹脂製の弾性円板等が使用されていたが、これらは
部品点数を増加させ組立工数の繁雑化を招いていた。

本考案は上述のような従来のラチェツト車に３ける欠点
を改良したもので、その−例を図面により説明すると、
第１図及び第２図に示すように、ラチェツト車１の一方
側の面上に弾性を有スるヒゲバネ２を、他方側の面上に
はラチェツト歯３をジュラコン等の合成樹脂で一体成型
し、又ラチェツト車１の周囲側面には他の歯車と噛み合
う歯４を刻設しである。

第４図は上記のような本案のラチェツト車を時計の表示
合わせ機構に使用した一例で、ラチェツト車１の周囲側
面の歯４が他の歯車５と噛合してこれを回すようにして
いる。

一方、第５図は前記本案のラチェツト車の側面に歯を設
けずに、ラチェツト軸７で直接回転を伝達するようにし
たものである。

上記第４図において、歯車５は時計輪列と日の裏車を介
して連結しており、その回転はラチェツト車１に伝えら
れるが、同車１の回転はラチェツト歯３で逃げるので、
つまみ軸６には伝わらない。

一方、このつまみ軸６を逆方向に廻すと、ラチェツト歯
３が噛み合うので、ラチェツト車１が逆方向に回転され
、同じ〈歯車５も逆方向に回転されて、日の裏車を介し
て表示合わせがなされる。

以上のように、本考案は構造簡単で部品数を減じて組立
を容易にすると共に、これは色々な箇所に使用でき、利
用価値は大である。

本考案によれば、従来別体であったバネ体とラチェツト
歯とが一体となるために、組立が非常に簡単になる。

尚、ラチェツト歯の一部を第３図に示すように、切欠い
た場合は、成型のさいの突出ピンによる成型物の型枠よ
りの離脱が容易になる。

本考案に釦けるヒゲバネ２の形状は前記第２゜４．５図
に示した以外にも、例えば、ラチェツト車周辺より軸中
心に向って複数本設けたり、逆に中心より周辺に放射状
に延したもの、あるいは、ブリッジ状に設けたもの等種
々ありうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のラチェツト車の正面図、第２図は側面
図、第３図は第１図におけるＡ−Ａ断面図、第４図、第
５図は本考案の使用例を表わし、第４図はラチェツト車
周囲側面に歯を設は他の歯車と噛合せたもの、第５図は
軸で直接伝達するものを表わす。 図中、１はラチェツト車、２はヒゲバネ、３はラチェツ
ト歯、４はラチェツト車側周に切られた歯、６はつまみ
軸、７はラチェツト軸を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 一方側の面上に弾性をもったヒゲバネ２を、他方側
   の面上にラチェツト歯３を一体的に成型ししたことを特
   徴とする合成樹脂製ラチェット車。 ２ ラチェツト歯３の一部を切欠いた実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の合成樹脂製ラチェット車。 ３ ラチェツト車の周囲側面に他の歯車と噛み合う歯を
   設けてなる実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記
   載のラチェツト車。