JPS588975Y2 - ノツクピン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はノックピン、就中一体物として成形された堅
牢なノックピンに於ける割構造並びに止メピン構造の開
示に係るものである。

而して、従前に於けるこの種の部材接合には概ねボルト
、ナツト並びにロックナツトの併用等が基本とされたも
のであるが、かＳるボルト、ナツトに於いては接合部材
に於ける下穴の径κ合ったボルトの選択並びκ該使用ボ
ルトに合ったナツトの選択使用が要請され、不適当なボ
ルト、ナツトの使用による接合部分の離脱あるいはカタ
ンキ等は往々にして大きな事故の原因と目されたもので
ある。

又、か＼るボルト、ナツト手法に於いては取付は締着に
多分の作業手間が要請されると共に接合部位によっては
斯かる螺締操作を困難としたものである。

更に又、かＳるボルト、ナツトによる取付けに於いては
継続使用、殊に振動を伴う接合部分に緩みを生じ易く、
これが締着部分の離脱の原因とされたものであり、ロッ
クナツトの使用に於いても斯かる締着部分の完全な緩み
防止は不可能とされたものである。

本考案は斯かる従前接合方法に於ける不都合に鑑み特に
案出されたものであって、一体として成形されて充分な
強度を有するピンをテーパピンとして接合端部に於ける
開設係合孔の径に関係なく種々の径孔に対し確実に密嵌
状態を作出するようκなすと共に斯かる挿入ピンの予期
せざる離脱を防止すべく特に割構造並びに止めピン構造
とを別途予定し、一般的な仮型枠接合ばもとよシ、各種
フレーム部材等の固定接合並びに機器取付手段とし確実
な接合を期すようにしたものである。

特κ本考案に於いては接合作業に於けるピン操作の容易
性と接合の確実性との調和を期したものであって、その
考案の要旨を断面六角形状をなす頭部１ａと、該頭部１
ａに連設され且つ他側端部に向けて漸次縮径となる円錐
環部１ｂと、この円錐環部１ｂに於ける縮径端部をその
先端に向けて急速に縮径となる截頭円錐状とした縮径部
１ｃとよジなるノックピンに於いて該縮径部１ｃの頭端
よシ頭部１ａ方向に向けて割１ｄを設けるようになすと
共に該別１ｄに沿った環部１ｂに直交する方向に複数個
のビン孔１ｅを開設せしめるようにした点に置いたもの
でアシ、又か＼る構成要旨よりして以下に説明する具体
的な各実施例と更にこれに附随する相当の設計変更が予
定されたものである。

以下、本考案の詳細を図面に示す典型的な一実施例につ
いて説明するに、六角材よりその頭部を残して施錠加工
されたノックピン１は平面六角形の短寸且つ膨大の頭部
１ａと、該頭部１ａ基方部よシ漸次他側端に向けて緩傾
するテーパ面とした円錐状秤部１’ｂ並びに該枠部１ｂ
の端部に位置して急領する短寸且つ截頭円錐状の縮径部
１ｃとより構成されたものである。

而して、これがより具体的な一実施例としてモールステ
ーパに近似したテーパピンの作成が予定され、その全長
音９０間、頭部１ａをＩＯ扉へ環部１ｂを７５１ｎｍ、
縮径部１ｃを５順とし、頭部取付は基端部に於ける環部
１ｂ″ｆ：１５φ、環部１ｂと縮径部１ｃの分岐位置を
１３φとしたものである。

か＼る構造よりなるノックピン１に於ける先端面よシ稈
部１ｂ方向に向けて割１ｄを入れると共にこの割１ｄの
任意位置毎に環部１ｂの長手方向に直交するビン孔１ｅ
〜１ｅを開設したものであり、特に該ビン孔１ｅ’にテ
ーパ孔としたものである。

次いで２は焼き入れをした止めピンであって、先の孔１
ｅに嵌挿されるテーパピンとし、具体的にはビン孔１ｅ
を一方開口３φ、他方の開口２・５φとした場合３０間
ピン２の一方端を５φ、他方端１．５φとし嵌挿圧入に
よるノックピン１の拡開を強制せしめるようにしたもの
である。

かＸる構造よりなるノックピン１を鋼販よりなる型枠３
に於いて別途開設されてなる係合孔４〜４に挿通し、ピ
ン２を孔１ｅに圧入係止するようにしたものであって、
該型枠３に於ける夫々の両側立上り縁３ａｔ衝合し、こ
の立上り縁３ａに於いて連通された孔４〜４に該ピン１
を嵌挿し、且つこの立上り縁３ａに於ける挿通下面に近
接したビン孔１ｅにピン２を圧入し、ノックピン１の抜
は出しを防止するようになすと共に該ピン１を側方に拡
開して、その外周面を型枠３の孔４内壁に密着せしめる
ようにしたものである。

尚、叙上に於ける孔４の開穿に於いてテーパリーマ等を
もってテーパ孔とした場合に於いてはノックピン１の係
合性はより緊密とされたものであって、特に接合寸法誤
差を零とし、又振動に伴うノックピン接合部分に於ける
ガタッキ、破損の生ずる危惧を完全に払拭し得たもので
ある。

かＫる型枠３部材等の接合に対し、部材の脱装に於いて
はピン２を叩き出し、ノックピン１に於ける頭部１ａを
レンチ、スパナ等をもって軽く捻回することによって孔
４に対するピン１の密嵌状態が解放され、格別の器具を
要せず該ピン１を抜き増り得たものである。

か＼る利点はノックピン１の有するテーパ面によって保
障されたものであるが、ピン頭部１ａの一体的成形によ
る頭ｍｌａのネジ切れの防止をもって側面より助勢され
たものである。

尚、通例のピンと同様に接合部分よシの叩き出しも予測
され、ピン１０下端よりする叩き出しに於いては特にピ
ン端部のマクレを予測し、この叩き出しによるマクレを
枠部１ｂの縮径寸法と、縮径部１ｃの縮径寸法との範囲
内に納めるようにしたものであって、マクレが発生した
場合に於いても孔４に対する嵌挿の障害とならないよう
に特に構成されたものである。

尚又、かＸるノックピン１の下端面よシする叩き出しが
型枠３その他の障害物の存在をもって不可能とされる場
合に於いては頭部１ａの突縁鍔下面よシ叩き出すように
したものであって、か＼る頭部１ａを利用した叩き出し
に於いては該頭部１ａがノックピン１と一体物であるこ
とが特に要請されたものである。

即ち、該頭部１ａを溶接あるいは螺着した場合に於いて
は斯かる叩き出しに際し頭部破損を往々にして惹起し、
これが使用の用をなさなかったものである。

本考案に於いては、これを施錠による一体物として特に
頭部１ａの堅牢性を約束したものである。

本考案に係るノックピン１は叙上に於ける特長ある構成
並びに作用よりして以下の緒特性の具体的な奏効を約束
されたものである。

即ち、（１）ノックピン１に割１ｄを設け、且つこの割
１ｄに連通するピン２の孔１ｅｔテーパ孔として開設し
たことによシ、ピン２の嵌挿圧入を容易とし、該ピン２
は拡開されたノックピン１の反発力をもって確実に止着
されて、一旦挿入された後に於いては殆ど離脱の危惧の
ないものであシ、ノックピン１の脱落を完全に防止し得
たものである。

又、ノックピン１ばこのピン２をもって孔４の内壁に充
分に圧接され、その圧接抵抗により確実に止着状態を継
続し、振動等によるピン１の浮き出しを確実に防止し得
たものである。

（２）ノックピン１の頭端にスパナないしはレンチの係
合に供される頭部１ａを設け、しかもこの頭部１ａを断
面六角形状としたことによって、型枠職人等が通常携帯
しているレンチ、スパナを利用して即ノンクピン１の取
り外しを可能としたこと、特にノックピン１が型枠２に
緊く嵌挿されている場合に於いても頭部１ａをレンチ、
スパナをもって軽く回すことにより、ノックピン１は型
枠２より確実に密着状態を解かれて、緩い嵌挿状態とな
り、指先をもって簡単に抜き出すことが可能とされたも
のである。

従って、従前のようにノックピンをその下端より叩き出
す必要もなく、この叩き出しに伴うノックピン下端部の
マクレの不都合もなく、又叩き出しに伴うノックピンの
飛び出し散失あるいは叩き出し動作に伴う作業者の安定
失墜の危惧も一切回避されたものである。

又、当然のこと乍ら、叩き出しに伴うノックピン１の頭
部１ａの破損もなく、従前消耗品とされていたこの種ノ
ックビンの耐用度数を著しく助長せしめ得たものである
。

（３） ノックピン１の頭部１ａを部材の研削をもっ
て一体的に作ったことによシ、頭部１ａの強度は著しく
強いものとされ、ノックピン１の叩き込み、あるいは該
頭部１ａに対する叩き出しに於いても該頭部１ａが破損
されることを完全に防止したものであり、又このことは
レンチ、スパナによる頭部１ａの捻回に於いても同様と
されたものである。

（４）前１ｄｔ）、（２）の特性は第９図に於いて示さ
れるように型枠３に於ける立上縁３ａとノックピン１に
於ける先端部とが近接して、該立上縁３ａが妨ケトなっ
てノックピン１の叩き出しを困難とされる場合に於いて
特に効果を奏し得たものである。

（５）ノックピン１を円錐秤部１ｂとしたことによって
、テーパピン独特の効果、特に叩き込みを必要とするこ
となく型枠３〜３の孔４に完全に密嵌されて、抜は出し
の危惧を一切無からしめたものであり、又孔４自体をテ
ーパリーマを使用してテーパ孔とした場合に於いては型
枠３の接合は寸法の狂いの無いものとされたものである
。

又、このようなテーパピンとしたことは、型枠３に於け
る孔４の大きさにムラのある場合、あるいは施工現場を
異にして孔径を異にする型枠３が使用された場合に於い
ても常に同一規格のノックピン１の使用を可能としたも
のであって、従前に於けるように型枠毎に径寸法を異に
したノックピンを用意することの不都合並びに型組み時
に於けるガタッキの問題を一切無からしめたものである
。

（６）先端部を截頭円錐状の縮径部１ｃとしたことによ
って、ノックピン１の孔４に対する挿入を容易になすと
共にノックピン１の先端部の叩き出しに於いて、この叩
き出しによる先端部のマクレ幅を桿の縮径とした範囲内
に納めるようにして、マクレが生じた場合に於いてもノ
ックピン１を孔４に確実に嵌挿し得るようにしたもので
ある。

即ち、この縮径部１ｃが無い場合に於いてはマクレによ
って部端が外側方に膨出し、孔４に対する円滑な嵌挿を
困難としたものである。

尚、本案ノックピンは之が製作上の要請よシして角材の
研削処理による最適とし他の製作手法、例えばプレス加
工その他に比しコスト性ないしは堅牢性あるいは技術性
に於いて特に勝れたものである。

叙上に於ける特長ある構成並びに作用効果よりして本考
案に係るノックピン１は各種部材の接合、殊に簡便な接
合手法による仮止め構造具として、又寸法精度の高い接
合構造具としては勿論、外圧付加の強い接合部あるいは
振動の激しい接合部に於ける接合構造具として格別の実
効を奏し得たものであり、仮型枠は勿論機器設置等の広
範な使用が予定されたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の典型的な一実施例である側面図、第２
図はピン２の斜視図、第３図は一部破断斜視図、第４図
は使用状態を示す一部破截側面図、第５図は使用状態を
示す斜視図、第６図並びに第１図は使用状態を示す断面
図、第８図は脱装状態を示す斜視図、第９図は同断面図
である。 尚、図中１・・・ノックピン、２・・・止メビン、３・
・・型枠、４・・・孔を示したものである。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 断面六角形状をなす頭部１ａと、該頭部１ａ
   に連設され且つ他側端部に向けて漸次縮径となる円錐環
   部１ｂと、この円錐枠部１ｂに於ける縮径端部をその先
   端に向けて急速に縮径となる截頭円錐状とした縮径部１
   ｃとよυなるノックピンに於いて該縮径部１ｃの頭端よ
   り頭部１ａ方向に向けて割１ｄを設けるようになすと共
   に該別１ｄに沿った環部１ｂに直交する方向に複数個の
   ビン孔１ｅを開設せしめるようにしたことを特徴とする
   ノックピン。
2. （２）前記ビン孔１ｅをテーパ孔としたことを特徴とす
   る請求 ピン。