JPS587270Y2 - 食品凍結装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、粉体あるいは粒体状の食品をばらばらの状態
で凍結せしめるための食品凍結装置に関するものである
。

粉状あるいは粒体状の食品をばら状態で凍結する装置と
しては、流動層式凍結装置と称されるものが公知である
。

該流動層式凍結装置は、多孔板の下方より冷風を供給し
、該冷風によって多孔板上の食品を流動させつつ凍結せ
しめるものである。

この場合、粒子の小さい食品や粒度分布の広い食品では
、多孔板から落下したり、微小粒子が飛散したりして、
良好なばら凍結かえられないという問題があった。

又、粘着性の強い食品では、多孔板上に付着するという
欠点もあった。

本考案は、半円弧状内面を有する樋状の凍結槽の一方か
ら粉、粒体状の食品を連続的に供給し、前記凍結槽にお
ける一方の長手側端から前記半円弧状内面の接線方向に
冷風を下向きに送給して、回転気流を形成し該冷風の力
によって食品を回転流動攪拌させつつ凍結せしめること
により、食品を理想的なばら状態に凍結し得る食品凍結
装置を提供することを目的とするものである。

以下添付の図面を参照して本考案の実施例にかかる食品
凍結装置を説明する。

第１図および第２図において、符号１は送風機２、クー
ラ３等を備えた冷凍室を示している。

該冷凍室１は隔壁４によって、２台の送風機２，２を備
えた送風機室５とクーラ３を備えたクー、う室６とに区
画されている。

前記送風機２，２は、クーラ３の下位に配設されており
、その送風口２ａ、２ａはクーラ室６下方に開口せしめ
られている。

前記隔壁４は、クーラ室６上方において、底が開放され
た樋状のガイド部４ ａ 、４ ａとされている。

一方、冷凍室１においてクーラ室６を構成する側壁７，
８には、それぞれ被凍結食品投入口９と凍結食品取出口
１０とが形成されている。

前記投入口９と取出口１０とは、投入口９が上位、取出
口１０が下位となる如く段違いに形成されている。

更に、冷凍室１内には、クーラ３の上位において前記投
入口９側から取出口１０側にかけて半円弧状内面１２を
有する樋状の凍結槽１１が前記内面１２が上向きとなる
如く架設されるが、本実施例においては、２つの凍結槽
１１．１１を長手側端で一体に連接したものが採用され
ている。

前記凍結槽１１．１１における一体に連接した長手側端
の反対側の長手側端１３．１３は、上方に延設されて、
前記ガイド部４ ａ 、４ ａの平端部外方を覆う如く
されている。

この長手側端１３．１３とガイド部４ａ、４ａとの間に
は、凍結槽１１．１１の半円弧状面１２．１２の接線方
向に冷風Ｗを下向きに導入するための若干の隙間からな
る冷風送入口１４．１４が形成されている。

前記凍結槽１１．１１は水平に設置してもよいが、本実
施例では、食品の取出口１０側への移動を促進するため
に、取出口１０側に稍下り勾配とされている。

なお、本実施例においては、２つの凍結槽１１．１１を
連接したものを採用しているが、単独の凍結槽１１を使
用してもよいことは勿論である。

その場合凍結槽１１の長手側端は、一方をガイド部４ａ
に気密に連結し、他方に冷風送入口１４を形成すればよ
い 次に、第１図および第２図に示す食品凍結装置の作用を
説明する。

投入口９より粉、粒体状食品Ｆを凍結槽１１．１１内に
供給しつつ、送風機２およびクーラ３を作動せしめると
、送風機２よりクーラ３を経て送給される冷風Ｗは、両
端の冷風送入口１４．１４から凍結槽１１．１１の半円
弧状内面１２．１２に沿って下向きに高速で流入し、中
央で２つの気流が合流して上昇し回転気流を形成する。

該冷風Ｗによって凍結槽１１．１１内の食品Ｆは回転流
動攪拌されつつ凍結され、冷風の一部Ｗによって取出口
１０側に運ばれてばら凍結品として取出口１０より取り
出される。

そして、凍結に使用した大部分の冷風Ｗは、送風機２側
に循環せしめられ、再使用される。

本実施例の食品凍結装置は、グリンピースや人参、ジャ
ガイモ等の角切りのような寸法がほぼ均一流動しやすい
食品をばら凍結するのに最適である。

なお、凍結槽１１内において冷風Ｗの力だけでは、取出
口１０側へ移動しにくい食品を凍結する場合には、第３
図イ、口、八に図示するような移送補助手段を併設する
ことによって食品の取出口１０側へ移動を円滑ならしめ
ることができる。

即ち、ミンチ状のもの（肉のミンチ、人造蛋白）や、ミ
シン切りのもの（タマネギ、人参等）のような粒子の小
さい食品あるいは粒度分布の広い食品を凍結せしめる場
合には、風速を上げると飛散し、下げると流動しにくい
ので、第３図イに示すように凍結槽１１内にスクリュー
コンベアー１５を併設して、冷風の速度を下げても流動
、移送がしやすいようにする。

又、細長い食品（アスパラガス、フレンチフライドポテ
ト等）はからまって流れにくいので、第３図口に示すよ
うに凍結槽１１に起振装置１６を連結して、凍結槽１１
を前後に振動させつつ凍結を行なう。

更に、米飯のように粘着性の強い食品あるいはカニ肉の
ような繊維状のからみやすい食品の場合、第３図ハに示
すように、凍結槽１１内に攪拌機１７を併設して、強制
攪拌しほぐしながら、凍結を行なう。

本考案の食品凍結装置において、凍結槽の径および長さ
や冷風の風速、食品の滞溜時間等は、食品の大きさ、粒
度分布、粘着性等の性質によって適宜選定される。

続いて、本考案の食品凍結装置の効果を以下に列記する
。

即ち、本考案によれば、 （１）冷凍室１内に架設された半円弧状内面１２を有す
る樋状の凍結槽１１内で、前記半円弧状内面１２の接線
方向に流通する冷風Ｗによって食品Ｆを回転流動攪拌さ
せつつ凍結せしめるので、従来の流動層式凍結装置のよ
うに食品が流れる槽が多孔板ではないため、小粒子の食
品でも凍結槽１１下方に落下することなく、ばら凍結す
ることができる、（２）凍結槽１１における一方の長手
側端１３に、半円弧状内面１２の接線方向に冷風Ｗを下
向きに導入すべき冷風送入口１４を形成したので、冷風
Ｗは凍結槽１１の半円弧状内面１２に沿って流通して上
昇気流となり、食品Ｆは凍結槽１１から遊離した状態で
回転流動し、食品Ｆが凍結槽１１に付着して流動を阻け
るおそれがなくなる、 （３）凍結槽１１内において食品Ｆは風力のみによって
回転流動せしめられるようになっているので、機械的ト
ラブルを最小限とすることができる、等の実用的な効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる食品凍結装置の縦断面
図、第２図は第１図のＩＩ −ＩＩ断面図、第３図は第
１図の食品凍結装置に各種の移送補助手段を併設したも
のの要部断面図である。 １・・・・・・冷凍室、９・・・・・・被凍結食品投入
口、１０・・・・・・凍結食品取出口、１１・・・・・
・凍結槽、１２・・・・・・半円弧状内面、１３・・・
・・・長手側端、１４・・・・・・冷風送入口、Ｆ・・
・・・・食品、Ｗ・・・・・・冷風。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷凍室１内に、被凍結食品投入口９側から凍結食品取出
   口１０側にかけて半円弧状内面１２を有する樋状の凍結
   槽１１を前記内面１２が上向きとなる如く架設するとと
   もに、該凍結槽１１における一方の長手側端１３には、
   前記半円弧状内面１２の接線方向に冷風Ｗを下向きに導
   入すべき冷風送入口１４を形成して、該冷風送入口１４
   からの冷風Ｗによって前記凍結槽１１内の食品Ｆを回転
   流動攪拌させつつ連続的に凍結せしめ得るようにしたこ
   とを特徴とする食品凍結装置。