JP2008182965A - 飼料搬送装置の前処理機 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用飼料が、自家製飼料など、如何なる種類の飼料であっても、飼料詰まりやブリッジを発生させることなく、すべて円滑に搬送パイプライン内へ落し込む前処理機を提供する。
【解決手段】前処理機Cは、飼料投入ホッパ部と、投入飼料を前処理して飼料落下口28から搬送パイプラインP内へ落し込む撹拌処理部20とからなる。撹拌処理部は、飼料落下口寄りに、飼料のガイド部26aを円弧状に形成する一方、そのガイド部に沿って、駆動粉砕ドラム30を、ガイド部との間に飼料通過用の隙間Dをあけて回転駆動可能に軸支すると共に、駆動粉砕ドラムの上側には、それと平行に且つ所定間隔Sをあけて従動補助ドラム35を回転自在に軸支し、従動補助ドラムを、両ドラム間に大きな固形物が喰い込まれると、駆動粉砕ドラムに対し連れ回り可能に配設し、それら両ドラムには、それぞれ外周面30a・35aに細長いガイド棒31・36を螺旋状に巻着してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】前処理機Cは、飼料投入ホッパ部と、投入飼料を前処理して飼料落下口28から搬送パイプラインP内へ落し込む撹拌処理部20とからなる。撹拌処理部は、飼料落下口寄りに、飼料のガイド部26aを円弧状に形成する一方、そのガイド部に沿って、駆動粉砕ドラム30を、ガイド部との間に飼料通過用の隙間Dをあけて回転駆動可能に軸支すると共に、駆動粉砕ドラムの上側には、それと平行に且つ所定間隔Sをあけて従動補助ドラム35を回転自在に軸支し、従動補助ドラムを、両ドラム間に大きな固形物が喰い込まれると、駆動粉砕ドラムに対し連れ回り可能に配設し、それら両ドラムには、それぞれ外周面30a・35aに細長いガイド棒31・36を螺旋状に巻着してなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、養豚・肥育牛・養鶏など家畜用の飼料を搬送パイプラインに送り込んで自動的に家畜へと搬送する飼料搬送装置に備え、特に、飼料に含む固形物を粉砕するなど前処理を施して搬送パイプライン内へ落し込む前処理機に関する。
従来、この種の飼料搬送装置では、搬送対象の家畜用飼料として、多くは飼料メーカの製造に係る比較的乾燥した飼料で、例えば図10(A)に示すように、予め細かく砕いて配合した粉状のものであったり、同図(B)に示すように、予め熱処理を施して粒度を揃えたペレット等の粒状のものが使われている。従来の飼料搬送装置は、これらメーカ製飼料を、例えば5〜10t支給可能な大型の飼料タンクを備え、その飼料タンクにおける円筒部の下側に、漸次下向きに縮径した円錐ガイド部を設け、飼料供給時は、円筒部内に投入した飼料を円錐ガイド部を通して飼料出口から自然落下させて、下方の搬送パイプライン内へと送給している。ところが、従来の飼料搬送装置において、搬送対象のメーカ製飼料は乾燥した比較的滑りの良好なものではあるが、飼料タンクの下部側を円錐ガイド部で漸次下向きに幅狭に形成するので、そのように重力で飼料を自然落下させるものにあっては、円錐ガイド部で飼料が詰まってブリッジ状になり易く、飼料タンクの下端の排出口から飼料が排出されない虞があった。
そこで、従来の飼料搬送装置の中には、例えば図11および図12にそれぞれ示すように、飼料タンク1において、円錐ガイド部1aの下側にブリッジ防止機2・3を付設し、この前処理機内で円錐ガイド部1aから落ちてくる飼料を撹拌してから、搬送パイプライン内4へと落し込む構造にしたものがある。
図11に示す従来のブリッジ防止機2は、機体ケース2aに合わせて逆円錐型をなすコイルバネ製の撹拌ばね5aを、先端にローラ5bを回転自在に保持させた支持アーム5に取り付け、支持アーム5の基端を内周壁で回動可能に軸支し、ローラ5bをディスクケーブル6の搬送ディスク6a上に乗せて係止させた状態で、撹拌ばね5aを機体ケース2a内に配設している。また、機体ケース2aの飼料出口2bには、搬送パイプライン4に沿ってスライド自在にシャッタ7を装着した構造になっている。そして、飼料供給時、ディスクケーブル6が搬送パイプライン4内を駆動すると、それに従いローラ5bを搬送ディスク6aで上下させて支持アーム5を揺動するため、撹拌ばね5aが上下に弾んで機体ケース2aを通る飼料を撹拌し、ブリッジ状にならないように搬送パイプライン4内へ落し込むようにしている。更には、シャッタ7を適宜にスライドし、その先端部7aで飼料出口2bの開口量を調節することにより、搬送パイプライン4内への飼料送給量を調整している。
一方、図12に示す従来のブリッジ防止機3は、機体ケース3aに、漸次下部側が互いに近接する向きに傾斜した飼料の案内板3b・3cを備え、一側の案内板3b上に撹拌歯車8を沿わせて回転自在に軸支し、撹拌歯車8の歯8aを、搬送パイプライン4内に挿設したディスクケーブル6の搬送ディスク6aに噛み合わせる一方、他側の案内板3c上には、左右2枚の餌量調節板9を上下にスライド可能に装着した構造になっている。そして、飼料供給時、ディスクケーブル6が搬送パイプライン4内を駆動すると、それに従い撹拌歯車8が回転して機体ケース3aを通る飼料を撹拌し、ブリッジ状にならないように搬送パイプライン4内へ落し込むようにしている。更に、餌量調節板9を適宜にスライドさせて、その下端部9aで飼料出口3dの開口量を調節することにより、搬送パイプライン4内への飼料送給量を調整していた。
ところで、従来、家畜用飼料として使用されているメーカ製の餌は、コストが非常に高いために、最近、畜産業者の間では、メーカ製の餌に代えて、地場食用廃品を利用して安価に生成した自家製の飼料が盛んに使用される傾向にある。この自家製飼料としては、例えば図13(A)に示すように、添加剤・ビール粕等の粉末状のものa、トウモロコシ・ぺレット等の粒状のものb、牧草を圧縮した3cm以上の大粒なものcなど粒度の異なる地場食用廃品を配合したものや、同図(B)に示すように、おから・ビール粕等の粘性のあるものd、スナック菓子e、5cm以上のチョコレートの固まりf、5cm×5cm廃品パンgなど粒度の異なる固形物を含んだ地場食用廃品を配合したものを、それぞれ発酵させて生成したものがある。
ところが、これら自家製飼料を使用し、飼料搬送装置で搬送する場合、図11に示す従来のブリッジ防止機2では、図14に示すように、撹拌ばね5aで機体ケース2aの中心寄りにある飼料だけをかき混ぜて落すが、自家製飼料は湿り気が多く粘性を伴うため、機体ケース2aの内壁面2c寄りにある飼料は滑り落ちず、依然としてシャッタ7上にブリッジ状に残留すると共に、大粒な固形物hは、そのまま残って飼料出口2bに詰まって排出されず、結局、飼料搬送不能の事態を招く虞があった。
また、図12に示す従来のブリッジ防止機3でも、図15に示すように、撹拌歯車8で案内板3b寄りの飼料だけを掻き回して落すが、自家製飼料は湿り気が多く粘性を伴う上に、餌量調節板9が邪魔して案内板3c寄りにある飼料は滑り落ちず、依然としてブリッジ状に残留すると共に、同様に大粒な固形物hは、そのまま残って飼料出口3dに詰まって排出されず、同様に飼料搬送不能の事態を招く虞があるという課題があった。
本発明の目的は、使用飼料が、たとえ地場食用廃品を発酵させて生成した自家製飼料など、如何なる種類の飼料であっても、飼料詰まりやブリッジを発生させることなく、すべて円滑に搬送パイプライン内へ落し込む飼料搬送装置の前処理機を提供することにある。
上記した課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、たとえば以下に図1〜図9を用いて説明する実施の形態に示すとおり、飼料が飼料投入ホッパ部19から投入されると、その投入飼料を撹拌処理部20に通して飼料落下口28から落下させ、搬送ディスク15aを立てて連設したディスクケーブル15のような飼料搬送部材を挿設した搬送パイプラインP内へと送給すると共に、前記撹拌処理部20を投入飼料が通るとき、その飼料中に固形物Xを含むと、これを粉砕しながら撹拌して搬送パイプラインP内へ落し込む飼料搬送装置Aの前処理機Cであって、前記撹拌処理部20は、前記飼料落下口28寄りに、飼料のガイド部26aを円弧状に形成する一方、そのガイド部26aに沿って、駆動粉砕ドラム30を、前記ガイド部26aとの間に飼料通過用の隙間Dをあけて回転駆動可能に軸支すると共に、該駆動粉砕ドラム30の上側には、それと平行に且つ所定間隔Sをあけて従動補助ドラム35を回転自在に軸支し、該従動補助ドラム35を、両ドラム30・35間に前記固形物Xが喰い込まれると、前記駆動粉砕ドラム30に対し連れ回り可能に配設し、それら両ドラム30・35には、それぞれ外周面30a・35aに細長いガイド棒31・36を螺旋状に巻着してなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の飼料搬送装置の前処理機において、たとえば以下に図1〜図9を用いて説明する実施の形態に示すとおり、前記従動補助ドラム35は、前記ガイド棒36の巻き数を、前記駆動粉砕ドラム30のそれより多くしてなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の飼料搬送装置の前処理機において、たとえば以下に図1〜図9を用いて説明する実施の形態に示すとおり、前記撹拌処理部20は、前記従動補助ドラム35を前記駆動粉砕ドラム30に対し上下方向に平行移動可能に軸支する一方、前記従動補助ドラム35の前記駆動粉砕ドラム30に対する軸支高さ位置を調節して前記所定間隔Sを調整する、ドラム位置調整手段45を備えてなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載の飼料搬送装置の前処理機において、たとえば以下に図1〜図9を用いて説明する実施の形態に示すとおり、前記撹拌処理部20は、前記飼料落下口28と前記搬送パイプラインPの飼料受口24間に、細かく粉砕して撹拌された飼料が落下してくると、それら飼料を多数の落下穴40a…に通してふるい落とす一方、異物Yは取り残して飼料からより分けて除去する、篩手段40を備えてなることを特徴とする。
従って、請求項1に記載の発明によれば、たとえば各種の地場食用廃品を配合し発酵させて生成した自家製飼料を使って搬送する場合、飼料投入ホッパ部へ投入する自家製飼料は、前処理機の撹拌処理部を通って飼料落下口から落下するが、そのとき、撹拌処理部へ落ちてくる飼料が比較的細かい餌で、駆動粉砕ドラムと従動補助ドラム間の飼料通過用間隔より大きい固形物を含まない飼料の場合には、それら飼料を、駆動粉砕ドラム回転駆動に従って、螺旋状のガイド棒により両ドラム間の飼料通過用間隔へ押し込みながら、掻き回して撹拌する一方、落ちてくる飼料が粒度の差が大きい餌で、両ドラム間の飼料通過用間隔より大きい固形物を含む飼料の場合は、それら飼料を、駆動粉砕ドラムの回転駆動に従って、螺旋状のガイド棒により両ドラム間の飼料通過用間隔へ押し込みながら、掻き回して撹拌すると同時に、大きい固形物は、両ドラムのガイド棒間に喰い込まれ、すると、この固形物の喰い込みに従い、駆動粉砕ドラムに対し従動補助ドラムも連れ回りし、これによって、共に回転する両ドラムのガイド棒間で固形物を挟圧して細かく粉砕しながら撹拌する。次いで、撹拌処理部において、両ドラム間で、いったん固形物を細かく粉砕などして撹拌した飼料は、駆動粉砕ドラムの回転駆動に従って、円弧状のガイド部へ導かれ、そのガイド部と駆動粉砕ドラム間の飼料通過用隙間を通るとき、回動するガイド棒で固形物を挟圧し、再び細かく粉砕しながら飼料落下口から下方へ落下させる。その結果、投入された飼料が、たとえ湿り気が多く粘性を伴い、しかも粒度の大小異なる固形物を含む自家製飼料であっても、撹拌処理部においてブリッジ状に残留することなく、すべて下方へと落下させてブリッジの発生を完全に防止すると共に、大きな固形物は事前に細かく粉砕し、出口の飼料落下口で詰まることなく、円滑に流動させながら、下方の搬送パイプライン内へ落として送り出すことができる。よって、本発明によれば、使用飼料が、たとえ各種の地場食用廃品を発酵させて生成した自家製飼料など、如何なる種類の飼料であっても、飼料詰まりやブリッジを発生させることなく、すべてを円滑に搬送パイプライン内へ送り込むことができる。
請求項2に記載の発明によれば、従動補助ドラムは、ガイド棒の巻き数を、駆動粉砕ドラムのそれより多くした構成であるため、駆動粉砕ドラムに対し従動補助ドラムが連れ回りして両ドラムのガイド棒間で飼料の固形物を粉砕しながら撹拌するときに、固形物が両ドラム間で滑って喰い込まれなかったりすることがなく、回転する両ドラムのガイド棒間で固形物を効果的に且つより確実に細かく粉砕することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ドラム位置調整手段を操作して従動補助ドラムを駆動粉砕ドラムに対し上下方向に平行移動させて、従動補助ドラムの駆動粉砕ドラムに対する軸支高さ位置を調節して飼料通過用の間隔を調整するため、従来のように飼料搬送の妨げになることなく、搬送パイプラインへ送給する飼料の餌量や粒度を簡単且つ正確に調整することができる。
請求項4に記載の発明によれば、いったん細かく粉砕して撹拌された飼料が落下してくると、それら飼料は、篩手段の多数の落下穴に通してふるい落とす一方、紙屑やビニール等の異物は取り残して飼料からより分けて除去し、これによって、常に衛生的で安全な飼料を供給することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本発明の一例である飼料搬送装置の前処理機を適用する飼料供給システムの全体構成を示す。図示飼料供給システムは、例えば養豚用として豚舎内に構築され、図中符号Aで示す飼料搬送装置と、飼料搬送装置Aで飼料を搬送して送給する多数の給餌器Bとで構成されている。
飼料搬送装置Aは、本発明の前処理機Cを備えると共に、前処理機Cと給餌器B間を、給餌器Bの設置レイアウトに応じて、複数のコーナーを設けて配管した搬送パイプラインPを介して連結している。各給餌器Bは、垂設したドロップパイプ10を介して搬送パイプラインPと連通させている。搬送パイプラインPは、複数の直管状パイプ11と幾つかのコーナー部12を接続してエンドレスに配管し、中空パイプ内に、飼料搬送部材としてディスクケーブル15(図8参照)を無端状に繋いで挿設し、コーナー部12にディスクケーブル15を駆動する駆動ホイールを内装したケーブル駆動装置14を付設している。ディスクケーブル15は、多数の搬送ディスク15aの中心に鋼製ワイヤーを貫通させて等間隔に組み付けて成形し、ジョイント金具で繋いで無端状に形成している。そして、搬送パイプラインP内にディスクケーブル15を張設し、弛みなく引っ張りながら回送する構造になっている。
そこで、図示飼料供給システムでは、飼料供給時、投入する飼料を前処理機C内を通して搬送パイプラインP内へ落し込む一方、ケーブル駆動装置14を作動してディスクケーブル15を搬送パイプラインPに沿って回送する。すると、飼料は、ディスクケーブル15の搬送ディスク15aにより、搬送パイプラインP内を通って回送方向Wへ搬送され、各給餌器Bの真上に達すると、順次ドロップパイプ10を通って落下し、各給餌器Bへと供給されるようになっている。
さて、図示例の前処理機Cは、図8に示すように、飼料を投入する上側の飼料投入ホッパ部19と、飼料投入ホッパ部19の下側でそれと連通する撹拌処理部20とからなる。飼料投入ホッパ部19は、上部に飼料投入口19aを開けた略逆角錐型の簡易な囲いで形成してなる。
撹拌処理部20は、図1および図2に示すように、上記した飼料投入ホッパ部19から投入される飼料を搬送パイプラインPへ案内する矩形なガイド箱体25と、ガイド箱体25内を通る飼料に順次前処理を施す駆動粉砕ドラム30、従動補助ドラム35および篩手段40と、ドラム位置調整手段45などで構成されている。
ガイド箱体25は、搬送パイプラインPの直管状パイプ11上で左右に対向する支持板部17・18と、支持板17・18間の前後側板部21・22と、下側の底板部23とで上部開放の角筒状に組み立てられ、支持板部17・18の下端に直管状パイプ11を貫通させて搬送パイプラインP上に立設する。底板部23は、側板部21・22と直管状パイプ11との間で漸次下向きに傾斜して設ける仕切板23a・23bで形成し、それら仕切板でガイド箱体25の底部を塞いでいる。直管状パイプ11は、支持板部17・18間で上側半分が切り欠かれ、そこに上向きに開口した飼料受口24を開けている。更に、ガイド箱体25は、底板部23の上方に、側板部21・22から漸次下向きに傾斜させて飼料の案内板26・27を設け、これら案内板26・27で仕切って上方に飼料撹拌室M、下方に異物除去室Nを形成してなる。案内板26・27は、下端側のガイド部26a・27aを、それぞれ駆動粉砕ドラム30の曲率に合わせて円弧面状に湾曲させ形成し、それらガイド部26a・27aの端縁間に隙間を開けて、そこに細長い飼料落下口28を形成している。また、片側の案内板26は、そのガイド部26aの上部側にく字状に曲げた屈曲板部26bを設け、その屈曲板部26bの上端に、蝶番18を介して飼料侵入防止板29を回動可能に連結している。
かかる構造のガイド箱体25内には、上方の飼料撹拌室Mに駆動粉砕ドラム30と従動補助ドラム35を並設し、下方の異物除去室Nに篩手段40を配設している。駆動粉砕ドラム30は、円筒本体30aの外周面に細長い丸棒製のガイド棒31を溶接して螺旋状に巻着してなる。駆動粉砕ドラム30は、飼料落下口28の真上において、案内板26・27のガイド部26a・27aに沿わせて、それらガイド部との間に飼料通過用の隙間Dをあけて配置すると共に、中心軸32の両端を支持板17・18に懸架して軸受具33を介して回転自在に支持する。そして、中心軸32の一端を、片側の支持板18に外付けした駆動ギヤモータ34に連結して駆動回転可能に設置している。
一方、従動補助ドラム35は、円筒本体35aを駆動粉砕ドラム30の円筒本体30aより大径に形成し、その円筒本体35aの外周面に細長い丸棒製のガイド棒36を溶接して螺旋状に巻着してなる。従動補助ドラム35は、ガイド棒36の巻き数を、駆動粉砕ドラム30のそれより多くし、望ましくは図示のように、駆動粉砕ドラム30の2倍の巻き数とする。かかる従動補助ドラム35は、駆動粉砕ドラム30の図2中右斜め上方において、駆動粉砕ドラム30と平行に且つ飼料通過用の所定間隔Sをあけて配置すると共に、片側の案内板26の屈曲板部26bに沿わせて配置する。そして、中心軸37の両端を支持板17・18に懸架して軸受具38を介して回転自在に保持すると共に、中心軸37の両端に備えた左右のドラム位置調整手段45で駆動粉砕ドラム30に対する軸支高さ位置を調節可能に吊持している。また、従動補助ドラム35には、支持板17・18に懸架して後、上側周面に飼料侵入防止板29の先端部29aを当接させて従動補助ドラム35と案内板26間を塞ぎ、そこから従動補助ドラム35の裏側へ飼料が侵入するのを阻止し、常に飼料侵入防止板29上を通って駆動粉砕ドラム30上へ流れ落ちるように飼料を案内する構造になっている。
ドラム位置調整手段45は、図1に示すように、ガイド箱体25の支持板部17・18の上端側に、それぞれ雌ねじ穴を有した支持片46を鍔状に固定する一方、従動補助ドラム35の中心軸37両端に、同じく雌ねじ穴を有したL板状の支持アーム47を固着し、両雌ねじ穴に調整ボルト48を螺合させた構造になっている。そして、左右の調整ボルト48をねじ回すことによって、従動補助ドラム35を駆動粉砕ドラム30に対し上下方向に平行移動させて従動補助ドラム35の駆動粉砕ドラム30に対する軸支高さ位置を調節して飼料通過用の前記所定間隔Sを調整するようになっている。
篩手段40は、図3でも示すように、幅方向両側を曲げ起した横長な受け皿状をなし、全体に多数の落下穴40a…を縦横複数列に並設してメッシュ状に開けたベースの篩板41を備え、篩板41の上に、それに設ける落下穴40aの穴位置と穴形状に合わせて、同じように多数の落下穴40aをメッシュ状に開けた平板なシャッタ板42を重ね合わせて構成してなる。篩板41には、一端側に、蝶番用の取付穴43を有すると共に止めねじ44を立設し、図3(B)に示すように、下面の他端寄りに、略U形に曲げた丸棒製の係止体50を溶接し、長さ方向に沿って横向きに固着している。シャッタ板42には、一端寄りの止めねじ44と対応する位置に、長さ方向に沿って長穴51が設けられている。かかる篩手段40は、長穴51に止めねじ44を通して篩板41に対しシャッタ板42を長さ方向にスライド自在に重ねて、蝶ナットで締結して組み立ててなる。そして、図1に示すように、異物除去室Nにおいて、蝶番52を介して一端を片側の支持板18に回動可能に取り付けて、他端側の係止体50を、搬送パイプラインPの飼料受口24から臨むディスクケーブル15の搬送ディスク15a上に係止させて配設してなる。従って、篩手段40では、篩板41に対しシャッタ板42を長さ方向にスライドし、互いの落下穴40aの位置をずらすことにより、個々の落下穴40aの開口サイズを調整可能になっている。
さて、図示例では、家畜用飼料として、地場食用廃品を利用して生成した自家製の飼料を選択し、この自家製飼料を、上述した構成の前処理機Cを備えた飼料搬送装置Aで搬送して家畜へ供給することとする。自家製飼料として、例えば前記図13(A)・(B)に示したような各種の地場食用廃品を配合し発酵させて生成したものを使用する。
そこで、かかる自家製飼料を、飼料搬送装置Aを稼動して搬送する場合は、図8に示すように、例えばダンプカー型の2.0t〜10tトラックTに、自家製飼料を積載して図示飼料供給システムの飼料搬送装置Aへ搬入し、自家製飼料を前処理機Cの飼料投入口19aから飼料投入ホッパ部19へ投入し、下方の撹拌処理部20の飼料撹拌室M内へ落し込む。一方、飼料搬送装置Aでは、ケーブル駆動装置14を作動し、ディスクケーブル15を、搬送パイプラインP内を通して回送させると共に、図1に示す前処理機Cの駆動ギヤモータ34を作動し、駆動粉砕ドラム30を図2中時計方向に回転駆動させる。
すると、前処理機Cは、飼料撹拌室Mに入り込む飼料を、飼料侵入防止板29で従動補助ドラム35の裏側へ侵入するのを阻止しながら、駆動粉砕ドラム30上へ流れ落す。そのときに、流れ落ちる飼料が比較的細かい餌で、図4(A)に示すように、駆動粉砕ドラム30と従動補助ドラム35間の飼料通過用間隔Sより大きい固形物を含まない飼料の場合には、それら飼料を、駆動粉砕ドラム30の回転駆動に従って、螺旋状のガイド棒31により両ドラム30・35間の飼料通過用間隔Sへ押し込みながら掻き回して撹拌する。
一方、飼料撹拌室Mに流れ落ちる飼料が粒度の差が大きい餌で、図4(B)に示すように、両ドラム30・35間の飼料通過用間隔Sより大きい固形物Xを含む飼料の場合は、それら飼料を、駆動粉砕ドラム30の回転駆動に従って、螺旋状のガイド棒31により両ドラム30・35間の飼料通過用間隔Sへ押し込みながら掻き回して撹拌すると同時に、大きい固形物Xは、両ドラム30・35のガイド棒31・36間に喰い込まれ、すると、この固形物Xの喰い込みに従って、駆動粉砕ドラム30に対し従動補助ドラム35も連れ回りし、これによって、共に回転する両ドラムのガイド棒31・36間で固形物Xを挟圧して細かく粉砕しながら撹拌する。このとき、図示例では、従動補助ドラム35は、ガイド棒36の巻き数を、駆動粉砕ドラム30のそれより2倍多い巻き数であるため、固形物Xが両ドラム30・35間で滑って喰い込まれなかったりすることがなく、回転する両ドラム30・35のガイド棒31・36間で挟圧して固形物Xを効果的に且つより確実に細かく粉砕することができる。
次いで、前処理機Cでは、両ドラム30・35間で、いったん固形物Xを細かく粉砕などして撹拌した飼料は、図5に示すように、駆動粉砕ドラム30の回転駆動に従って、片側案内板26のガイド部26aへ導かれ、そのガイド部26aと駆動粉砕ドラム30間の飼料通過用隙間Dを通るとき、回動するガイド棒31で固形物Xを挟圧し、再び細かく粉砕しながら、飼料撹拌室Mから飼料落下口28を通して下段の異物除去室Nへと落下させる。すると、結局、前処理機Cにおいて、投入された飼料は、飼料撹拌室M内でブリッジ状に残留することなく、すべて、下段の異物除去室Nへと落下し、ブリッジの発生が完全に防止されると共に、大きな固形物Xは事前に細かく粉砕し、出口の飼料落下口28で詰まることなく、円滑に流動させながら下段の異物除去室Nへと落として送り出すことができる。
他方、前処理機Cでは、図5および図6に示すように、異物除去室Nにおいて、搬送パイプラインPを走行するディスクケーブル15が通過するとき、それに従って、篩手段40の係止体50が搬送ディスク15aに間欠的に押されて上下し、それに応じて篩手段40が蝶番52側を支点として繰り返し揺動する。従って、異物除去室Nでは、飼料撹拌室Mで細かく粉砕して撹拌された飼料が落下してくると、それら飼料を、篩手段40でふるいにかけて、落下穴40aを通してふるい落とし、飼料受口24から搬送パイプラインPの直管状パイプ11内へ送り込む一方、紙屑やビニール等の異物Yは、篩手段40上に取り残し、飼料からより分けて除去する。
なお、このとき、図示前処理機Cでは、篩手段40に備えた係止体50は略U形で、篩板41の長さ方向に沿って横向きに設けた構成であるため、係止体50が搬送パイプラインPを走行するディスクケーブル15の駆動に影響を与えることがなく、その結果、ディスクケーブル15の駆動方向、即ち搬送パイプラインPを通して飼料を搬送する方向を、左右いずれの方向にも任意に設定することができる。
ところで、図示前処理機Cは、搬送パイプラインPへ送給する飼料の、1)餌量を調整するとき、或いは、2)粒度を調整するときは、図7(A)に示すように、ドラム位置調整手段45を外部操作して左右の調整ボルト48をねじ回すことにより、同図(B)・(C)に示すように、従動補助ドラム35を駆動粉砕ドラム30に対し上下方向に平行移動させて、従動補助ドラム35の駆動粉砕ドラム30に対する軸支高さ位置を調節して飼料通過用の間隔Sを調整する。これによって、撹拌処理室Mにおいて、飼料搬送の妨げになることなく、搬送パイプラインPへ送給する飼料の餌量や粒度を簡単且つ正確に調整することができる。
更に、図示前処理機Cは、篩手段40を操作し、篩板41に対しシャッタ板42を長さ方向にスライドし、互いの落下穴40aの位置をずらすことにより、個々の落下穴40aの開口サイズを調節し、これによって、異物除去室Nにおいても、飼料搬送の妨げになることなく、搬送パイプラインPへ送給する餌量を、より正確に調整することができる。
A 飼料搬送装置
B 給餌器
C 前処理機
D 飼料通過用隙間
M 飼料撹拌室
N 異物除去室
P 搬送パイプライン
S ドラム間の所定間隔
X 大きな固形物
Y 異物
15 ディスクケーブル(飼料搬送部材)
15a 搬送ディスク
19 飼料投入ホッパ部
20 撹拌処理部
24 搬送パイプラインの飼料受口
26a 飼料のガイド部
30 駆動粉砕ドラム
31・36 ガイド棒
34 駆動ギヤモータ
35 従動補助ドラム
40 篩手段
40a 落下穴
45 ドラム位置調整手段
B 給餌器
C 前処理機
D 飼料通過用隙間
M 飼料撹拌室
N 異物除去室
P 搬送パイプライン
S ドラム間の所定間隔
X 大きな固形物
Y 異物
15 ディスクケーブル(飼料搬送部材)
15a 搬送ディスク
19 飼料投入ホッパ部
20 撹拌処理部
24 搬送パイプラインの飼料受口
26a 飼料のガイド部
30 駆動粉砕ドラム
31・36 ガイド棒
34 駆動ギヤモータ
35 従動補助ドラム
40 篩手段
40a 落下穴
45 ドラム位置調整手段
Claims (4)
- 飼料が飼料投入ホッパ部から投入されると、その投入飼料を撹拌処理部に通して飼料落下口から落下させ、搬送ディスクを立てて連設した飼料搬送部材を挿設した搬送パイプライン内へと送給すると共に、前記撹拌処理部を投入飼料が通るとき、その飼料中に固形物を含むと、これを粉砕しながら撹拌して搬送パイプライン内へ落し込む飼料搬送装置の前処理機であって、
前記撹拌処理部は、
前記飼料落下口寄りに、飼料のガイド部を円弧状に形成する一方、そのガイド部に沿って、駆動粉砕ドラムを、前記ガイド部との間に飼料通過用の隙間をあけて回転駆動可能に軸支すると共に、該駆動粉砕ドラムの上側には、それと平行に且つ所定間隔をあけて従動補助ドラムを回転自在に軸支し、該従動補助ドラムを、両ドラム間に前記固形物が喰い込まれると、前記駆動粉砕ドラムに対し連れ回り可能に配設し、
それら両ドラムには、それぞれ外周面に細長いガイド棒を螺旋状に巻着してなることを特徴とする、飼料搬送装置の前処理機。 - 請求項1に記載の飼料搬送装置の前処理機において、前記従動補助ドラムは、前記ガイド棒の巻き数を、前記駆動粉砕ドラムのそれより多くしてなることを特徴とする、飼料搬送装置の前処理機。
- 請求項1又は2に記載の飼料搬送装置の前処理機において、前記撹拌処理部は、前記従動補助ドラムを前記駆動粉砕ドラムに対し上下方向に平行移動可能に軸支する一方、前記従動補助ドラムの前記駆動粉砕ドラムに対する軸支高さ位置を調節して前記所定間隔を調整する、ドラム位置調整手段を備えてなることを特徴とする、飼料搬送装置の前処理機。
- 請求項1、2又は3に記載の飼料搬送装置の前処理機において、前記撹拌処理部は、前記飼料落下口と前記搬送パイプラインの飼料受口間に、細かく粉砕して撹拌された飼料が落下してくると、それら飼料を多数の落下穴に通してふるい落とす一方、異物は取り残して飼料からより分けて除去する、篩手段を備えてなることを特徴とする、飼料搬送装置の前処理機。
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JP2007019959A JP2008182965A (ja) | 2007-01-30 | 2007-01-30 | 飼料搬送装置の前処理機 |
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- 2007-01-30 JP JP2007019959A patent/JP2008182965A/ja not_active Ceased
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