JPS586263B2 - 像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は像増倍管を含む像形成装置に関する。

この種の装置は例えば医療用Ｘ線装置、シンチログラフ
イおよびＸ線分析装置に使用されている。

このような装置においては、像担持放射ビーム例えばＸ
線またはガンマ放射ビームが像増倍管の入射スクリーン
に入射する。

像増倍管の入射スクリーンにおいて、像情報を有するビ
ームを光電子の像情報ビームへと変換している。

電子ビームをこの像増倍管中に含まれている電子一光学
系を用いてこの管のルミネツセンス射出スクリーン上に
結像される。

像増倍管中での電子光学的結像の品質は外部磁界によっ
て著しい影響を受ける。

このような妨害磁界の例としては地磁気の磁界と、偏向
コイル、放射源用電力供給装置、電動モータ、磁気制動
装置等々から生ずる磁界がある。

ドイツ公開第２３０６５７５号明細書には入射スクリー
ンの前面に配設された強磁性フォイルを含むＸ線像増倍
管について開示されている。

このフォイルは像増倍管の周囲に配設した強磁性材料か
ら成る円筒と磁気的に一体となっている。

その目的は妨害磁界の効果を減少することになる。

しかしながら、この種のフォイルは迷（ストレイ）放射
の吸収の他に像形成放射の一部分をも吸収してしまうこ
と、さらに、このフォイルは像形成のためのビームをさ
らに追加して分散させてしまうという欠点がある。

この欠点を除去するためフォイルの厚さを比較的薄く選
定すると、その場合には磁気しゃへいが不十分となると
いう欠点がある。

本発明の目的は上述した欠点が生ずることが無くして好
適な磁気しゃへいを確実に得る装置を提供することにあ
る。

この目的のため、本発明による像形成装置は像増倍管の
前面でかつ該像増倍管の入射スクリーン近くに配設した
グリッド中に磁気しゃへい材料を含ませたことを特徴セ
する。

本発明によればグリッドの形態としてしやへい材料を配
置するので、像情報を有する放射ビームを追加して吸収
したり或いは分散させたりすることはないが、入射スク
リーンの前側には尚も比較的多量の磁気しゃへい材料が
存在出来るので十分余裕をもって確実にしゃへいを行な
うことが出来る。

本発明の他の好適実施例においてはストレイ放射グリッ
ドの積層を強磁性材料で完全に構成し、このグリッドは
像増倍管の周囲を囲む強磁性のジャケットを有する閉成
磁気円筒を形成する。

本発明の他の好適実施例においては、ストレイ放射窓の
積層の一部分を普通に使用される例えば鉛のようなグリ
ッド材料を以って構成し他の一部分を例えばミューメタ
ルのような強磁性材料を以って構成することが出来る。

十分に磁気しゃへいを行なうことおよび十分にコリメー
トさせることという両必要条件は追加のグリッドを追加
して設ける必要なくして材料の比率および機何的形状、
配置等を好適なものに選定することによって最適状態で
満足させることが出来る。

本発明によるストレイ放射グリッドを上述した如く像増
倍管と一体に、または取外し自在の独立構成素子として
或いは像形成装置の一部分として構成することが出来る
。

本発明による他の好適実施例によれば、磁気しゃへい材
料は像増倍管中に含まれる素子の一部分として形成する
ことも出来る。

特に強磁性材料をチャンネル増幅プレートを含む像増倍
管のチャンネル増幅プレート中に含ませることが出来る
。

以下、図面により本発明の実施例につき説明する。

図はＸ線装置の次のような部分を示す。

すなわち、１はＸ線源、２はＸ線源用の高圧電力供給源
、３は被検体例えば患者４用の台、５はＸ線像増倍管、
６は対物レンズ系、７は半透明鏡、８はフイルムカメラ
、９はテレビジョン用撮像管、１０はそのビーム偏向コ
イルおよび１１はテレビジョンモニタを夫々示す。

Ｘ線像増倍管５の中では地磁気による磁界の他に電子一
光学的結像を乱すような磁界も発生し，例えばこれら磁
界は高圧電力供給源２、撮像管９の偏向コイル１０、モ
ニタ１１の偏向コイルおよび装置の一部分を形成する台
またはスタンドに含まれることがある磁気制動装置（図
示せず）が原因となって生ずるものである。

Ｘ線像増倍管５は入射スクリーン１２と、光電陰極と電
子一光学系とを含感、この入射スクリーンの内面にはＸ
線けい光スクリーン（個別的には示していない）を具え
、このけい光スクリーンは好ましくはＣｓＩ を以って
形成したものである。

また電子一光学系は入射スクリーン１２および射出窓１
４の内面に設けた射出スクリーン１３の他に１個以上の
中間電極１５を含んでいる。

入射放射ビーム１６は患者４を照射し、この患者を透過
した像情報を有するＸ線ビーム１Ｔに増倍管の入射スク
リーンに入射する。

入射スルリーン土に入射したＸ線ビーム１７は光電子ビ
ーム１８に変換され、このビーム例えば２５ＫＶに加速
されて射出スクリーン１３上で表示される。

射出窓１４を経て像情報を有する光ビーム１９が放出さ
れる。

この光ビームは所望の如く写真乾板を露光することも出
来るし或いはテレビジョン映像を形成することが出来る
。

像増倍管内における像形成ビームの経路は偏向磁界の影
響を受ける。

その理由は像キャリアはこの領域における電子によって
形成されているからである。

特に電子の速度が小さいような入射スクリーンの近くで
は、磁界は電子の方向に従って像形成に強い影響を与え
がちである。

患者と像増倍管との間にストレイ放射グリッド２０を配
設する。

このグリッドの中では、例えば患者の内部での分散に基
因してビーム１７の伝播方向から著しくずれた伝播方向
のＸ線をされぎるものである。

このためこの種のストレイ放射グリッドを鉛のような比
較的重い素子から成る積層を以って構成するのが好適で
ある。

１つのグリッドは例えば５ ０ ｐｍの厚さを有し互い
に例えば２５０μＨの間隔で配列した積層を含んでいる
。

このグリッドの機能或いは形状は本発明とは関係がなく
従ってこれら装置には通常使用されている任意のグリッ
ドを使用することが出来る。

例えば２個の単一格子を互いに１８０°回転させた状態
に配置した交差グリッドを使用することが出来る。

本発明においては、ストレイ放射グリッドの材料の少な
くとも一部分を例えばミューメダルの如き強磁性材料と
するのが好適である。

この強磁性材料を通常使用されている全てのグリッド材
料の代わりに使用することが出来る。

グリッドの積層を重金属の積層よりも少ない強磁性積層
で例えば交互に或いは順次に重ね合わせることも出来る
。

さらに各積層の一部分を重金属で形成することも出来る
し強磁性材料で形成することも出来る。

後者の場合重金属と強磁性材料の合金はもちろん二重層
形態のものを使用することが出来る。

この目的のため、例えば、両金属の粉末を任意に選択出
来る混合比で焼結させて合金を形成することも出来る。

この場合溶融物を例えばフォイル形態で速やかに冷却す
る。

このようにして得た合金を非晶質金属と称することもあ
る。

上述した処から明らかなように、厚さが１０μｍから７
０μｍのミューメタルのフォイルを像増倍管の入射窓の
前面に配設して使用することが出来る。

既知のＸ線像増倍管について計算を行なったところ、ミ
ューメタルフォイルの厚さが約５０μｍであるとしやへ
いの程度と吸収および分散の程度とを考慮した場合には
好適であることが判ったが、しやへいの点では最適とは
いえない。

本発明による装置においては、例えば３００μｍのミュ
ーメタルと等価の厚さを容易に実現出来、この場合に像
形成のためのＸ線ビームが追加して吸収されたり分散さ
れたりすることが無いようにすることができる。

本実施例においては、本発明によるストレイ放射グリッ
ドと通常像増倍管の周囲に配設されている強磁性材料か
ら成るジャケット２１との間の好適な磁気接触を確実に
することが出来る。

この目的のため、ストレイ放射グリッドを取付けたジャ
ケット２１を前側にわずかに延在させることが出来る。

通常は像増倍管の磁気しやへいジャケットはこの管の射
出側では射出窓に向ってまたはおそらくは対物レンズ系
に向って出来るだけ延在させている。

従って、通常は射出窓を経て入り込む妨害磁界を十分に
阻止することが出来る。

本実施例においては，既にあるストレイ放射グリッドを
使用する代わりに本発明によるグリッドを使用するＸ線
検査装置に関するものである。

さらに本発明によるグリッドをストレイ放射グリッドを
既に含んでいる装置にもまたはこれを含んでいない装置
にも追加することも出来る。

ストレイ放射グリッドが１個の場合には、第２グリッド
をこれに対して１８０°の角度で配設するのが好適であ
る。

しやへいグリッドに対する好適位置は像増倍管の入射窓
に出乗るだけ近い位置である。

例えば大きな画像を表示出来るようにするために、像増
倍管の前面のある位置にストレイ放射グリッドを配設し
ている装置においては、このストレイ放射グリッド像増
倍管から比較的長い距離離間させて取付けしかも磁気し
ゃへいグリッドとしての追加のグリッドを使用するのが
有益である。

像増倍管に強磁性材料のジャケットを設けていない装置
に本発明による磁気しゃへいグリッドを使用する場合に
は、グリッドに強磁性材料のフランジを設けるのが好適
である。

この場合このフランジを像増倍管の少なくとも一部分の
周囲に後方に延在するように取付ける。

本発明による磁気しゃへいグリッドの好適実施例におい
ては、積層を強磁性材料から成る条片状コアをもって形
成し、このコアの面積の大きい方の２つの表面またはそ
の全周囲に重金属から成るカバ一層を設ける。

この場合重金属として錫一鉛半田材を使用するのが好適
である。

Ｘ線検査装置に応用する場合の他に、本発明装置を例え
ばシンチレーションの発生を記録するために像増倍管を
使用しているガンマカメラに使用しても有益である。

ガンマカメラはストレイ放射グリッドをコリメータの形
態で含んでいる。

本発明によるしゃへいグリッドをこのコリメータに追加
して使用することも出来るし或いは強磁性材料をコリメ
ータに含ませることも出来る。

光増強管を含む赤外ビューワにおいて本発明によるしゃ
へいグリッドを使用することによって像の形成の実質的
な改良を達成することが出来る。

これらビューワにストレイグリッドが存在しない場合で
も、強磁性材料のフォイルが赤外放射を完全に吸収する
ためその使用をすることが出来ない。

入射スクリーンの解像度の向上に用いられる本発明によ
るじゃへいグリッドはこの場合にはこのしやへいグリッ
ドを使用しない場合に測定中装置の方向を度々変化させ
ることにより強い妨害効果を与える地磁気による磁界に
対して好適な解決策を与える。

最近の像増倍管特に光増強管においては、その電子一光
学系にチャンネル増幅プレートを含んでいる。

このプレート中においても像情報を有する電子ビームが
発生するので、チャンネル増幅プレート中に強磁性材料
を含ませるか或いはチャンネルプレートの少なくても一
部分を強磁性材料で形成することによって本発明により
磁気じゃへいを有効的に使用することが出来る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明による像形成装置をＸ線検査装置として構成
した例を示す図式的な図である。 １・・・・・・Ｘ線源、２・・・・・・高圧電力供給源
、３・・・・・・台、４・・・・・・被検体、５・・・
・・・Ｘ線像増倍管、６・・・・・・対物レンズ、７・
・・・・・半透明鏡、８・・・・・・フイルムカメラ、
９・・・・・・撮像管、１０・・・・・・ビーム偏向コ
イル、１１・・・・・・テレビジョンモニタ、１３・・
・・・・射出スクリーン、１４・・・・・・射出窓、１
５・・・・・一中間電極、１６・・・・・・入射放射ビ
ーム、１７・・・・・・Ｘ線ビーム、１８・・・・・・
光電子、１９・・・・・・光ビーム、２０・・・・・・
ストレイ（又は迷）放射グリッド、２１・・・・・・強
磁性ジャケット。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 像増倍管の前面でかつ該像増倍管の入射窓の近くに
   配設したグリッド状素子中に磁気しゃへい材料を含ませ
   たことを特徴とする像形成装置。 ２ 特許請求の範囲１記載の像形成装置において、グリ
   ッド状素子を強磁性材料が含まれているストレイ放射グ
   リッドとして構成することを特徴とする像形成装置。 ３ 特許請求の範囲２記載の像形成装置において、グリ
   ッド状素子を強磁性材料の積層および放射透過材料の積
   層を以って構成したことを特徴とする像形成装置。 ４ 特許請求の範囲２記載の像形成装置において、グリ
   ッド状素子は放射透過材料の積層の他に強磁性材料と放
   射吸収積層とを含むことを特徴とする像形成装置。 ５ 特許請求の範囲２記載の像形成装置において、グリ
   ッド状素子は強制性材料と放射吸収材料とを有する多層
   の積層を含むことを特徴とする像形成装置。 ６ 特許請求の範囲２記載の像形成装置において、グリ
   ッド状素子は放射吸収材料と強磁性材料の混合物を含む
   こさを特徴とする像形成装置。 ７ 特許請求の範囲１ないし６のいずれか一つに記載の
   像形成装置において、しやへいグリッドは磁気的に閉成
   されたスリーブを形成し、該スリーブは像増倍管の少な
   くとも隣接する一部分の周囲に設けた磁気的にしゃへい
   をするジャケットを具見えることを特徴とする像形成装
   置。 ８ 特許請求の範囲１ないし７のいずれか一つに記載の
   像形成装置において、該像形成装置はＸ線源としゃへい
   グリッドを具えるＸ線源増倍管を含むことを特徴とする
   像形成装置。 ９ 特許請求の範囲１ないし８のいずれか一つに記載し
   た像形成装置において、像形成装置をしやへいグリッド
   を有する光増強管を含むむガンマカメラとして構成する
   ことを特徴とする像形成装置。