JPS5857251B2 - 押出し加工用素材保持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、押出し加工用素材保持装置に係り、特に長尺
棒状素材の保持装置に係る。

押出し加工用ダイを移動させて素材をその押出し加工ダ
イの移動方向とは反対の側に、即ち後方に押出す押出し
加工に於いては、特に素材が長尺棒状の場合、その素材
の押出し加工用ダイ内に挿入されない側の端部をその中
心が可及的に前記押出し加工用ダイの軸心の延長上に整
合すべく保持することが素材の押出し加工部に曲りが発
生することを抑える上で有効であることが知られている
。

従来、上述の如き点に鑑み、素材の端部を複数個のグリ
ップ要素にて選択的に把持し、素材をその中心が押出し
加工用工具の軸線の延長上に整合するように保持する油
圧駆動式のグリップ装置が知られており、このグリップ
装置は押出し加工に於いて多く用いられている。

この油圧駆動式のグリップ装置は優れた素材保持性能を
有しているが、比較的高価であること及び取付に必要な
スペースが太きいという欠点があった。

また、素材の外径より若干大きい内径の保持孔を有し、
その保持孔内に素材の端部を差込まれることによりこれ
を保持する簡易型の素材保持装置が知られている。

この保持装置にあっては比較的安価で、また取付に大き
なスペースを必要としないが、素材の保持精度が良くな
い。

従ってこの保持装置を用いて素材の押出し加工を行なっ
た場合には素材の押出し加工部に曲りが発生することを
避けることができない。

本発明は従来の油圧、駆動式クリップ装置に比して構造
が簡単で、また取付に大きなスペースを必要とせずしか
も素材をその中心が押出し加工用工具の軸心に整合すべ
く確実に保持することができる新しい押出し加工用素材
保持装置を提供することを目的としている。

かかる目的は、本発明によれば、互に環状に組合わさっ
て押出し加工工具の軸線の延長上に中心を有するテーパ
状外周面と素材保持孔を郭定する複数個の素材クランプ
要素と、前記素材クランプ要素の環状組合わせを受入れ
るテーパ孔を有するホルダ要素とを含み、前記素材クラ
ンプ要素は前記テーパ外周面の小径側に素材の端部に係
合する内方延長つば部を有し、且つ前記テーパ孔の大径
側に向けて可撓的に付勢されている如き押出し加工用素
材保持装置によって遠戚される。

以下に添付の図を用いて本発明を実施例について詳細に
説明する。

添付の第１図は本発明による押出し加工用素材保持装置
の一つの実施例をその素材保持前の状態について示す断
面図、第２図は第１図の線■−■に沿う断面図、第３図
は第１図に示された保持装置をその素材保持状態につい
て示す断面図である。

図に於いて、符号１は押出し加工用ダイを示しており、
この押出し加工用ダイ１は加工孔２を有しており、図に
は示されていないラムに取付けられ、所定の加工圧にて
降下するようになっている。

３はボルスタ４に取付けられた下ダイセットを示してお
り、この下グイセット３は保持装置を収納するための孔
５を有している。

前記孔５内の前記ボルスタ４上には円盤状の底板６が置
かれ、この底板６上にはホルダ要素８が置かれ、更にこ
のホルダ要素８上には上蓋１１が置かれている。

この底板６とホルダ要素８と上蓋１１とは前記上蓋１１
のフランジ部１４に設けられた通し孔１５及び前記ホル
ダ要素８に設けられた通し孔１０を貫通し、前記底板６
のねじ扱７にねじ込まれた複数個のボルト１６によって
互に締結されている。

前記ホルダ要素８はテーパ孔９を有しており、このテー
パ孔９はその中心が前記押出し加工用ダイ１の加工孔２
の軸線の延長上に整合すべく設けられており、図にて上
側、即ち前記押出し加工用ダイ１の側が大径側になって
いる。

前記テーパ孔９内には、第２図に良く示されている如く
互に組合わさって環状をなす四つの素材クランプ要素１
７が設けられている。

この素材クランプ要素１７は互に組合わさって前記テー
パ孔９に係合するテーパ状外周面１７′を郭定し、また
中央部に素材保持孔１８を郭定するようになっている。

前記素材クランプ要素１７の各々はその上面が前記上蓋
１１の下底面に当接した位置と下底作が前記底板６の上
面に当接する位置との間で前記テーパ孔９の軸線に沿っ
て移動可能になっている。

前記テーパ孔９と前記テーパ状外周面１７′の傾き角Ａ
は００以上３００以下程度であることが実用的である。

前記素材保持孔１８は前記素材クランプ要素１７の各々
が第１図に示されている如く持上げられて拡開している
とき素材Ｗの外形にほぼ等しい寸法の内径になり、前記
素材クランプ要素１７の各々が第３図に示されている如
く押し下げられたとき実質的に真円断面の孔になるよう
に形成されている。

この素材保持孔１８の上端には座ぐり孔１９が設けられ
ている。

また前記素材クランプ要素１７の各々は前記テーパ外周
面１７′の小径側、即ち図にて下側に前記素材Ｗの端面
に係合する内方延長つは部２０を有している。

また前記素材クランプ要素１７の各々はその下部に盲孔
２１を有しており、この盲孔２１内には素材クランプ要
素１７の各々を前記テーパ孔９の大径側に向けて、即ち
図にて上方に向けて可撓的に付勢するはね２２が設けら
れている。

前記上蓋１１は前記素材保持孔１８と整合するテーパ孔
１２及びガイド孔１３を有しており、これらは素材Ｗの
外径より大きい内径を有している。

底板６とホルダ要素８と上蓋１１と素材クランプ要素１
７との組立て体は取付リング２３及び取付ボルト２４に
よって前記下ダイセット３及びボルスタ４に対して固定
されるようになっている。

次に上述した如き構成からなる保持装置の作用について
説明する。

第１図は上蓋１１のガイド孔１３内に素材Ｗの一端部が
挿入され、またその素材Ｗの他端に押出し加工用ダイ１
が係合した押出し加工の開始時の状態を示している。

第１図に示された状態より押出し加工用タイ１が降下し
始めると、素材Ｗの下端部はそれに伴いその下端面が内
方延長つは部２０に当接するまで素材保持孔１８内に挿
入される。

そして更に押出し加工用ダイ１が降下を続けると、素材
クランプ要素１７の各々は圧縮コイルはね２２のばね力
に抗してテーパ孔９内を降下しつつそのテーパ孔９の傾
きに応じて径方向内側に移動し、前記素材保持孔１８の
内周壁にて素材Ｗを拘束保持する。

前記素材クランプ要素１７の各々はその下底面が底板６
の上面に当接するまで降下する。

この時には素材クランプ要素１７の各々の間に設けられ
ていた間隙がなくなり、素材保持孔１８は実質的に真円
の断面形状を有するようになり、またその中心は前記押
出し加工用ダイ１の軸線の延長上に整合するようになる
。

従って素材Ｗはその中心が前記押出し加工用ダイ１の軸
線の延長上に整合すべく前記素材クランプ要素１７によ
って拘束保持される。

尚、素材Ｗの外形が標準外形より小さい場合には素材Ｗ
は手にて、或は適当なローディング装置によりその下端
面が外方延長つば部２０に当接するまで素材保持孔１８
内に挿入される。

また、素材Ｗの外形が標準外形より大きい場合には前記
素材クランプ要素１７の下底面が底板６の上面に当接す
る以前に素材クランプ要素１１によって拘束されるが、
これより更に前記素材Ｗに図にて下方に向かう力が与え
られるとホルダ要素８が弾性変形により拡径し、最終的
には前記素材クランプ要素１７の各各の下底面が底板６
の上面に接触するようになる。

。尚、上述の如く素材Ｗを保持するために必要な力は素
材Ｗを押出し加工するのに要する力の数分の−の力で行
なわれ得るので、この保持作用は押出し加工開始前に終
了する。

上述の如き素材Ｗの拘束保持が完了し、その後更に押出
し加工用ダイ１が降下すると、第２図に示されている如
く素材Ｗの押出し加工が始まる。

所定の押出し加工が完了すると、押出し加工用タイ１は
上昇する。

このとき、素材Ｗは弾性変形によって生ずる摩擦力によ
り前記押出し加工用ダイ１に食い付いているので、この
素材Ｗは押出し加工用ダイ１の上昇に伴い引上げられる
。

すると、素材クランプ要素１７の各々は素材Ｗの引上げ
に伴い、またはね２２のばね力によりその上面が上蓋１
１の下底向に当接するまで上昇する。

これにより素材クランプ要素１７による素材Ｗの拘束は
解除され、更に前記押出し加工用ダイ１が上昇すると、
素材Ｗは素材保持孔１８及びガイド孔１３より抜は出す
。

この素材Ｗは前記押出し加工用ダイ１の図にて上方から
図には示されていないノックアウトロッドによって前記
加工孔２より抜き出される。

以上の如く本発明による保持装置によれは、素材にＬｊ
えられる加工力を利用して素材の保持を行なうようにな
っているので、素材の保持のために特別な駆動装置を必
要とせず、また従来から一般に知られている油圧駆動式
のグリッパ装置に比してはるかに小型化でき、取付に大
きなスペースを必要とすることがない。

また構造が簡単であるから信頼性が高く、また比較的安
価である。

また本発明による保持装置は優れた素材保持性能を発揮
し、また作業開始時には素材クランプ要素が常に開いて
いるので、保持装置に対する素材の挿入が容易に行なわ
れ、作業性が良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による押出し加工用素材保持装置の一つ
の実施例をその素材保持前の状態について示す断面図、
第２図は第１図の線■−■に沿う断面図、第３図は第１
図に示された保持装置の素材保持状態について示す断面
図である。 １・・・・・・押出し加工用ダイ、２・・・・・・加工
孔、３・・・・・・下ダイセット、４・・・・・・ボル
スタ、５・・・・・・孔、６・・・・・・底板、７・・
・・・・ねじ孔、８・・・・・・ホルダ要素、９・・・
・・・テーパ孔、１０・・・・・・通し孔、１１・・・
・・・上蓋、１２・・・・・・テーパ孔、１３・・・・
・・ガイド孔、１４・・・・・・フランジ部、１５・・
・・・・通し孔、１６・・・・・・ボルト、１７・・・
・・・素材クランプ要素、１８・・・・・・素材保持孔
、１９・・・・・・座ぐり孔、２０・・・・・・内方延
長つは部、２１・・・・・・盲孔、２２・・・・・・は
ね、２３・・・・・・取付リング、２４・・・・・・ボ
ルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 、Ｔｊ−に環状に組合わさって押出し加工工具の
   軸線の延長−４二に中心を有するテーパ状外周面と素材
   保持孔を郭定する複数個の素材クランプ要素と、前記素
   材クランプ要素の環状組合わせを受入れるテーパ孔を有
   するホルダ要素とを含み、前記素材クランプ要素は前記
   テーパ外周面の小径側に素材の端面に係合する内方延長
   つば部を有し、且つ前記テーパ孔の大径側に向けて可撓
   的に付勢されていることを特徴とする押出し加工用素材
   保持装置。