JPS5856648B2 - 管の連続圧延法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は継目無金属管の連続圧延法に関するものである
。

継目無金属管、例えば継目無鋼管の連続圧延法にはマン
ドレルの動きを外力によって拘束シナいフルフローティ
ングマンドレルミル法と、マンドレルの動きを外力によ
って拘束するセミフローティングマンドレルミル法があ
り、これらを管の連続圧延法と称する。

管の連続圧延法にかいては、ロール組により略楕円形の
カリバー列を構成し、円管の内部に円柱形マンドレルを
挿入して該カリバー列へ通し、管の外径と肉厚を所望の
寸法咬で圧減するものであるが、第１図に釦いてカリバ
ー形状がロール１，１′方向を短径、ロール間隙部２．
２′方向を長径とする略楕円形であるため、管Ｐの外径
と肉厚はカリバー底部近傍３に釦いてのみ圧減され、カ
リバーの一部しか有効に利用されていない。

これはロール間隙部２．２′に釦いて発生するかみ出し
疵を恐れて、カリバー形状を略楕円形とし、これと真円
形断面のマンドレルＭを組合せて圧延することによる必
然的な帰結であり、この様な圧延法に釦いては管の変形
の不均一と仕上管の肉厚精度の悪化は避けられず仕上管
の内面には第２図に示す様なリッジ４が形成される。

これらの略楕円形のカリバーに対して、カリバーと略々
相似断面のマンドレルを用いて、両者の構成するパスが
周方向に均等化する方法も提案されたが、この方法では
マンドレルの移動距離が制限されること、）よびマンド
レルの製造費カ高くつくことのため今だに実用化されて
いない。

また、円管断面のマンドレルをその弾性限界内にかいて
使用する試みも行なわれているが、マンドレルの肉厚が
厚すぎれば圧延力による楕円化は極めて小さく、仕上管
の寸法精度向上には効果がなく、マンドレルの肉厚が薄
ければ、マンドレルの弾性限を超えた歪が発生し、マン
ドレルは再使用出来なくなる。

この様なマンドレルでは使用範囲が極めて限定され、多
種類の材質を１種類のマンドレルで圧延する一般の工場
では、十分な寸法精度改善効果をあげることは出来なか
った。

また従来法では、マンドレルの潤滑はマンドレルの表面
に潤滑剤を噴霧塗布するのみであり、潤滑剤の効果は管
の連続圧延機の前半の圧延でかなり失なわれ、後半スタ
ンドでの圧延りよびその後の管からマンドレルの抜取り
（ストリッピング）にも支障をきたした。

圧延中にマンドレル外からマンドレル内部の潤滑剤配管
を通して潤滑剤を供給する方法も提案されているが、マ
ンドレルはその構造の複雑さのために高価となり、かつ
、最も普及しているマンドレルを循環使用する圧延法で
は、該配管の着脱に時間がかかりすぎるため、未だに実
用化されていない。

本発明は仕上管の寸法精度が良く、マンドレルの表面劣
化が少なく、かつマンドレル外） ＩＪツピングを容易
にする管の連続圧延法と、それに使用するマンドレルの
提供を目的とする。

本発明の対象とする管の連続圧延機は、ロール組によっ
て略楕円形のカリバーを直線上に連設し、該カリバーと
管の内部に挿入した円形断面のマンドレルとの間で管の
外径必よび肉厚を圧減する圧延機をすべて包含する。

これらの管の連続圧延機には、フルフローティングマン
ドレル□ル、セミフローティングマンドレルミル釦よび
ブツシュベンチのほか、これら三者の組合せにより成る
圧延機があげられる。

本発明で相称する略楕円形のカリバーとは、複数のロー
ルに刻設した溝によって構成する略々円形の圧延空間で
あり、その形状が厳密な楕円に限定されるものではなく
、中心を異にする円弧の組合せ、又はその一部を直線又
は曲線で置換した場合をも含むものである。

本発明に使用するマンドレルは第３図釦よび第４図に示
す様に２重構造の複合マンドレルである。

マンドレルは圧延に直接関与する外殻Ｍ１と、その内部
にあって外殻の変形を制限する内芯Ｍ２から構成され、
外殻内径りと内芯外径ｄとの間には次の関係式を満足せ
しめる。

１．０１！Ｄ／ｄ４１．ｌ Ｏ■ ■式の下限はマンドレルの製造に際し、外殻Ｍ１に内芯
Ｍ２を挿入するために必要であり、発明の効果だけを考
えるならば１．００２程度１で拡張できる。

この様な極〈わずかな間隙であっても、圧延力によって
マンドレルは楕円化し、管の寸法精度を向上し、マンド
レル表面が急速に加熱冷却を受ける場合の熱応力を緩和
するに十分である。

上限は圧延後のマンドレルの真円度により制限される。

外殻の断面寸法は次の範囲に定める。ここでり。

は外殻の外径である。■式の下限は容易に弾性限を超え
ないための強度を与え、かつ、弾性限を超えた場合であ
ってもその外面がなめらかな曲線を保つ様に制限した値
であり、上限はマンドレル外殻が楕円化しやすい様に制
限したものである。

外殻の楕円度はカリバーの楕円度を超える必要はない。

一般に、カリバーの楕円度（−長径／短径）は１．２を
超えないから、外殻の楕円度も１．２以下で十分であり
、従ってＤ／ｄは１．１０以下で十分である。

圧延中にふ−いてマンドレル外殻の楕円化は、その弾性
限度を超える程度に出来る。

この場合に仕上管の寸法精度を損なわず、かつ、圧延後
のマンドレルの真円度を許容範囲に留めるためには、次
の圧延法を採用する。

（１）カリバー形状は、出側スタンドへ進むに従がい、
次第に真円化する。

（２）カリバーのロール方向寸法は、出側スタンドへ進
むに従がい、次第に小さくする。

（３）カリバー底部にかげる肉厚圧下量（＝当該カリバ
ー直前の管の肉厚−当該カリバー直後の管の肉厚）は、
出側スタンドへ進むに従かい次第に小さくする。

（４）奇数番目のスタンドでの全肉厚臣下量と偶数番目
のスタンドでの全肉厚圧下量をほぼ等しくする。

以上の条件は、最も入口側のカリバーについては厳密な
適用は免除され、例えば、肉厚圧下量が２番目のカリバ
ーよりも多少小さくても許される。

なぜならば、後に多くの繰返し圧延が残されているから
である。

以上の様な条件下にわいては、マンドレルの楕円度は入
側寄りのカリバーで最も著るしく、それより出側に向う
に従って次第に小さくなり、真円に近づく。

この様な場合に、マンドレルにかかる応力が弾性限を超
える程度に大きい場合があっても、外殻Ｍ１の内面ば内
芯Ｍ２によって支持される。

塑性変形を生じ楕円化したとしても次のカリバーで９０
度異性る方向に楕円化され、次第に弱くなる加工度で数
回繰返されるため、はとんど真円１で矯正されることに
なる。

前記条件を満足しない圧延条件を採用する場合には■式
の上限はマンドレル外殻Ｍ１の弾性限度内に留めなけれ
ばならないが、本発明の諸効果は消失するものではなｔ
ゝ。

本発明に使用するマンドレルは第４図に示す様にマンド
レル外殻Ｍ１に潤滑剤噴出口５と、マンドレル内芯Ｍ２
の外面に潤滑剤流通溝６とマンドレル端部に潤滑剤注入
ロアとを刻設する。

この様なマンドレルに圧延前に該注入ロアから圧延潤滑
剤を注入し、被圧延管内にマンドレルを挿入後、該管の
熱と圧延力により管内に潤滑剤を噴出せしめて潤滑を補
給し、マンドレルの損傷を防止するとともに、被圧延材
料の内面あらさを改善し、圧延消費エネルギーを減少す
る。

潤滑剤の噴出は被圧延材料からマンドレルを抜取る（ス
トリッピング）１で続き、ストリッピングを容易にする
。

マンドレルには潤滑剤注入ロアからの潤滑剤の流失を防
ぐためのチェック弁８を設けることが望１しく、必要に
応じて内芯マンドレルを冷却する孔９を設けることが出
来る。

本発明の実施例を述べると、第１表に示す様に仕上管の
肉厚精度（＝最大肉厚−最小肉厚）は従来法が１．２２
１ｍであるに対し、本発明法では０．９０ｍ１ｔで改善
された。

また従来法では１本の圧延でマンドレル表面に熱亀裂が
認めらｈたが、本発明法では１０本圧延後でも熱亀裂は
発生していない。

さらに、本発明法によりマンドレル潤滑を行なった場合
は従来法よりマンドレルストリッピング力比は従来法の
０．６倍１で低下した。

本発明法の附随的効果としてマンドレル内芯には圧縮強
度のみ保証すれば良いので、安価な高炭素焼入鋼を使用
できること、マンドレル外殻の合金成分も大幅に削減で
き、マンドレルの費用を節約できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図会よび第２図は従来法の場合であって第１図Ａは
マンドレルの横断面図、第１図Ｂは圧延中の断面図、第
２図は仕上管の断面図である。 第３図会よび第４図は本発明の説明図であって第３図Ａ
はマンドレルの横断面図、第３図Ｂは第３図Ａのマンド
レルを使用した場合の圧延中の断面図である。 第４図Ａは本発明の別のマンドレル横断面図であり、第
４図Ｂはこのマンドレルを使用した場合の圧延中の断面
図、第４図Ｃは第４図Ａのマンドレルの縦断面図である
。 すなわち第４図ＣのＡ−Ａ断面が第４図Ａである。 １．１’・・・ａＥ延ロー＃、２．２’・・・ロール間
隙部、３・・・カリバー底部近傍、４・・・リッジ、５
・・・潤滑剤噴出口、６・・・潤滑剤流通溝、７・・・
潤滑剤注入口、８・・・チェック弁、９・・・冷却孔、
Ｍ・・・マンドレル、Ｍｌ・・・マンドレル外殻、Ｍ２
・・・マンドレル内芯、Ｐ・・・管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ロール組により構成される略楕円形の力ＩＪ バー
   列により管を連続圧延するに際し、圧延せんとする管の
   内部に挿入するマンドレルが同心２重構造に形成され、
   且つその外殻内径と内芯外径との比が１．０１から１．
   １０の間である複合マンドレルを用いて圧延する管の連
   続圧延法。 ２ ロール組により構成される略楕円形のカリバー列に
   より管を連続圧延するに際し、圧延せんとする管の内部
   に挿入するマンドレルが同心２重構造に形成され、且つ
   その外殻内径と内芯外径との比カ１．０１から１．１０
   の間である複合マンドレルを用いるとともに、該複合マ
   ンドレルの外殻、内芯で形成される間隙部にマンドレル
   潤滑剤を注入し、該潤滑剤をマンドレル外殻管壁に設け
   た潤滑孔を介してマンドレル外殻、管内壁当接面に噴出
   せしめながら圧延する管の連続圧延法。