JPS5856640B2 - 新規な酸性ヘテロ多糖類 - Google Patents

新規な酸性ヘテロ多糖類

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JPS5856640B2
JPS5856640B2 JP16511982A JP16511982A JPS5856640B2 JP S5856640 B2 JPS5856640 B2 JP S5856640B2 JP 16511982 A JP16511982 A JP 16511982A JP 16511982 A JP16511982 A JP 16511982A JP S5856640 B2 JPS5856640 B2 JP S5856640B2
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polysaccharide
glucose
acid
viscosity
reaction
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裕之 水上
博司 正井
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NAKANO SUTEN KK
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な酸性へテロ多糖類に関する。
従来、粘質多糖類は粘着性、粘稠性などの性質からその
利用範囲は広く、食料晶、化粧品への添加剤として、さ
らに接着剤、被覆材、凍結安定剤、潤滑剤、ドIJ I
Jングマソド添加剤及び油田における石油回収用剤等と
して各方面への用途が開発されつつある。
また近年、ある種の多糖類の抗腫瘍性作用、血圧降下作
用等の薬理作用が認められるに至り、医薬としての利用
範囲の拡大も期待されている。
そしである種の微生物が多糖類を生産することは公知で
あり、たとえばアルカリ土類金属、バチルス属、キサン
トモナス属、アースロバフタ−属、アゾトバクタ−属、
シュードモナス属、ロイコノストック属あるいはオーレ
オバシジウム属等の菌株の生産するものが知られている
またアセトバクター属に属する菌株がある種の多糖類を
生産することも公知である。
即ちアセトバクター・キシリナムが生産するセルロース
が著名であり(J、Chem、5oc−49,172(
1886): Biochem−J−,158,345
(1954))、さらにアセトバクター・レバニヵムが
レバン(Biochem−J−37,450(1943
))を、そしてアセトバクター・カブシュレイタムがデ
キストラン(Carbohydr、Re5−.75,2
75(1979))を生産することが知られており、そ
してまた、アセトバクター・キシリナムの自然変異株か
らグルコース、マンノース、ラムノース、グルクロン酸
を構成成分とする含窒素多糖類が分離されたことも報告
されている(Can−J−Microbiol−,27
,599603(1981))。
本発明者らは、微生物による安全性の高い高粘性の多糖
類の生産を意図し、古くから人類の食料に供され歴史的
にその安全性が確かめられている各種発酵食品の醸造過
程に関与する微生物の多糖類の生産能を広く検索した結
果、食酢の発酵醪から分離した酢酸菌であるアセトバク
ター属の菌株がグルコース、ガラクトース、マンノース
、グルクロン酸を主要構成成分とする多糖類を生産する
こと、そしてこの多糖類が従来知られている微生物の生
産する多糖類とは異なる新規な酸性へテロ多糖類である
ことを見出し、これに基いて本発明を完成した。
すなわち、本発明はグルコース、ガラクトース、マンノ
ース、およびグルクロン酸を主構成成分とし、その構成
糖比がグルコース:ガラクトースニマンノース:グルク
ロン酸=10 : 3〜6:0.5〜2:0.5〜2で
ある酸性へテロ多糖類であって、その目的とするところ
は有用な新規な酸性へテロ多糖類を提供することにある
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の多糖類は2N硫酸で100℃、4時間加水分解
した後、アセトン:イソプロパノール20.1M乳酸(
2:2二1)の展開溶媒を用いて薄層クロマトグラフィ
ーを行ない、アニリンニジフェニールアミン:アセトン
:燐酸試薬で呈色させると、グルコース、ガラクトース
、マンノース、グルクロン酸が検出される。
更に本発明の多糖類のガスクロマトグラフィーによる分
析結果からも、少なくともグルコース、ガラクトース、
マンノース、グルクロン酸が主構成糖であることが確認
され、そのグルコース:ガラクトース:マンノース:グ
ルクロン酸の構成比は約10=3〜6:0.5〜2:0
.5〜2であることが認められる。
また本発明の多糖類は、セチルトリメチルアンモニウム
ブロマイドあるいはセチルピリジウムクロライドを添加
すると白色沈澱が生じるので、酸性である。
すなわち、本発明の多糖類は、グルコース、ガラクトー
ス、マンノース、およびグルクロン酸を主構成成分とし
、その構成糖比がグルコース:ガラクトース:マンノー
ス:グルクロン酸=1o:3〜6:0.5〜2:0.5
〜2である酸性へテロ多糖類である。
そして本発明の多糖類は次の理化学的性質を有する。
■ 赤外吸収スペクトル 脱塩前の赤外吸収スペクトルは第1図に示す通りであり
、脱塩後の赤外吸収スペクトルは第2図に示す通りであ
る。
■ 呈色反応 アンスロン反応二階性、カルバゾール反応:陽性、エル
ソンーモルガン反応:陰性、ヨード反応:陽性。
■ 溶剤に対する溶解度 水に可溶で、エタノール、エーテル、アセトン等に不溶
である。
■ 色及び形状 精製品は白色綿状または繊維状である。
■粘度 水溶液は無色透明で粘性を有し、その1%溶液の粘度は
500〜1200cp(25°CC230rp、東京計
器製B型粘度計による)である。
なお、粘度に与えるpHの影響を試料濃度1%(W−/
V ’)で調べた結果は第3図に示すとおりで、pHに
よる粘度変化は認められない。
また、粘度に与えるC a C12とNaC1の影響を
試料濃度1%(W/V)で調べた結果は第4図に示すと
おりで、本多糖類は2価および1価のカチオンに対して
安定である。
また、粘度に与える温度の影響を試料濃度1%(W−/
V )で調べた結果は第5図に示すとおりで、120℃
までの温度変化に対して大きな粘度変化は示さない。
■ 元素分析値 C=40.63±1%;H=6.74±1%;N=O%
;灰分=1.07±0.8%。
■ 比旋光度 〔α〕D:+80〜+20.0 (C=0.3 Q 、
水溶液) ■ 分子量 ウベローデ型粘度計を用いて測定した極限粘度値(溶媒
:水)をシュタウデインガー(Staudinger)
の式にあてはめて計算した分子量は約1.65X107
から2.2X107であり、また東洋曹達工業製高速液
体クロマトグラフィーを用い、林原製プルランを標準に
して測定した分子量は5X10’から1,5X106で
ある。
したがって分子量は約105以上である。
■融点 1900Cで黒褐色が始まり、250℃で分解する。
[相] 核磁気共鳴スペクトル 13C−核磁気共鳴スベクトルは第6図に宗すとおりで
あり(溶媒:D201チューブ:10朋、内部標準ニジ
オキサン)、主要ピークは103.7ppm、 76
.9 ppm、 74.1 ppm、 70.7 pp
m169.8 ppm、 62.1 ppmである。
0 その他の性質 本多糖類の水溶液はローカストビーンガム及びグアガム
などのガラクトマンナン類と相溶してゲル化あるいは高
粘性化を示す。
本多糖類とローカストビーンガムとの相溶作用の関係は
第7図に示すとおりである。
従来、アセトバクターに属する細菌が生産するヘテロ多
糖類としては、アセトバクター、キシリナムの自然変異
株がグルコース、ラムノース、マンノース、グルクロン
酸の構成糖比が3:1:1:1でかつ炭素原子と窒素原
子のモル比が165(蛋白質として1.4重量%)であ
る含窒素の酸性へテロ多糖類を生産することが報告され
ているが(Can−J−Microbiol−27、5
99−603(1981)〕、本発明で得られる上記多
糖類は主要構成糖としてガラクトースを含有すること、
ラムノースを検出しないこと、および窒素を含有しない
点で上記の多糖類とは明らかに異なる。
また、グルコース、ガラクトース、マンノース、グルク
ロン酸を主要な構成成分とする多糖類としては、コリネ
バクテリウム・フミフエルム・バール・ミクソゲネス(
Corynebacterium hu−mifer
um var myxogenes)の生産する多糖類
(特開昭50−123890号公報)、バチルス・ポリ
ミキサ(Bacillus polymyxa )2
71の生産する多糖類〔農芸化学会誌43,780(1
969))、クレブシェラ・ニューモニエ(Klebs
iella pneumoniae)の生産する多糖
類(特開昭54−95792号)などが知られているが
、これらはいずれも構成糖の比率が本多糖類と明らかに
異なる。
すなわち、コリネバクテリウム・フミフエルム・バール
・ミクソゲネスの生産する多糖類はグルクロン酸を多量
に含有する点で本多糖類とは明らかに異なり、バチルス
・ポリミキサ271の生産する多糖類は、グルコース:
ガラクトース:マンノース:グルクロン酸の比率が3:
1:3:2であり、本多糖類とは構成糖の比率が明ら力
)に異なる。
またクレブシェラ・ニューモニエの生産する多糖類は、
グルコース:ガラクトース:マンノース:グルクロン酸
の比率が26〜32:19〜23二30〜37:15.
3〜18.8であり、さらに5.1〜6.3%のアセチ
ル基と4.5〜5.4%のピルビン酸を同時に含有する
点で本多糖類とは明らかに異なっている。
上述したことから、本発明の酸性へテロ多糖類は従来得
られたことのない新規な酸性へテロ多糖類であるといえ
る。
「本発明の酸性へテロ多糖類は上述したように新規な酸
性へテロ多糖類であるが、更にその構造解析について述
べると、次の如くである。
(イ)比旋光度(〔α〕D)が+8.0〜+20.00
と低い値を示すこと赤外線吸収スペクトルが890cm
”付近に吸収を示すこと、13C−NM、Hにおいてア
ノメリック炭素の化学シフトが103.7 ppmに見
られることから、本多糖類のほとんどの糖残基はβ−結
合をしていることが認められた。
(0)メチル化した本多糖類の加水分解物をガスクロマ
トグラフィーで同定、定量した結果、生成分として2,
3,4,6−チトラーO−メチルD−グルコース(約9
%)、2,3.4−1−リーO−メチルーD−グルクロ
ン酸(約6%)、3゜4.6−1−リーO−メチルーD
−マンノース(約11%)、2,3.4−1−リーO−
メチルーDグルコース(約19%)、2,3.6−トリ
ー〇メチルーD−グルコース(約19%)、2゜3.4
−トリーO−メチルーD−カラクトース(約19%)、
2,6−ジーO−メチル−D−グルコース(約17%)
が認められた。
(/ラ 本多糖類の完全スミス分解物をガスクロマト
グラフィー等によって同定、定量した結果、約60%の
グリセロール、約20%のエリスリトール、約20%の
D−グルコースが認められた。
に)本多糖類を0.25 N−) IJフルオロ酢酸、
100℃、3時間で部分加水分解し、この部分別水解物
にエタノールを加え、沈澱した多糖類残香をメチル化分
析した結果、2,3,4,6−チトラーO−メチルーD
−グルコース(約4%)、2.3,4−t−、リーO−
メチルーD−グルクロン酸(約19%)、3,4,6−
トリー〇−メチルーD−マンノース(約19%)、2,
3,6−トリー〇−メチルーD−グルコース(約39%
)、2.6−ジーO−メチル−D−グルコース(約19
%)がガスクロマトグラフィーによって同定、定量され
た。
(ホ)本多糖類を0.25N−1−IJフルオロ酢酸、
100℃、3時間で部分加水分解後、エタノール添加に
よって多糖類残香を沈澱物として除いた上清部分をダウ
エックスによるイオン交換カラムクロマトグラフィーを
行い、中性画分と酸性画分とに分け、中性画分は活性炭
カラムクロマトグラフィーおよび調製用ペーパークロマ
トグラフィーにより、また酸性画分は調製用ペーパーク
ロマトグラフィーによってオリゴ糖を精製した。
中性画分からは3種類のオリゴ糖が、酸性画分からは1
種類のオリゴ糖が単離され、その構造はメチル化分析、
比旋光度測定などによって、次のように決定された。
中性糖=(a)β−D−Glc −(1−+6 ) −
DGa■、(b)β−D−O1e −(1→6 )−β
−D−Glc、−(1−+6 ) −D−Glc、(c
)β−DGlc(1−+6)−β−D−Gl c −(
i−+6 )−βD−Glc−(1−)6)−D−Ga
lただし、Glcはグルコース残基、Galはガラクト
ース残基を示す。
なお、D −Gl c−(1−+6 )−D−Ga 1
はグルコースのC−1位の炭素とガラクトースのC〜6
位の炭素がグリコシド結合していることを示す。
)酸性糖二β−D−Glc UA−(1→2) DM
an(ただし、Glc UAはグルクロン酸残基、M
anはマンノース残基を示す。
)(へ) コンカナバリンAおよび多糖類末端のβ−D
−グルクロン酸を抗原とする抗血清を本多糖類と反応さ
せたところ、前者とは反応しなかったが、後者とは反応
したことが認められた。
(ト)本多糖類を2N−MJフルオロ酢酸、100℃、
3時間処理することによってガラクトースをほとんど含
まない多糖類が得られた。
このガラクトースを含まない多糖類を充分透析し、透析
内液をセルラーゼ(β−1,4−グルカナーゼ)と反応
させたところ、オリゴ糖の遊離がペーパークロマトグラ
フィーにより認められた。
上記の(イ)から(ト)の結果を総合的に判断すると、
本発明の酸性へテロ多糖類は、主鎖がβ−1,4結合の
D−グルカンであり、2種類の側鎖−1つはD−グルコ
ースとD−ガラクトースから構成され、すべて1,6−
結合であるもの、他の1つはD−グルクロン酸とD−マ
ンノースから構成されているものである−をもち、この
2種類の側鎖は主鎖のグルコース残基のC−3位から分
岐していることが認められる。
かくして、本多糖類の主な繰り返し単位を示すと、次式
の通りであると思われる。
なお、式中、GIcはグルコース残基、Galはガラク
トース残基、Manはマンノース残基、GlcUAはグ
ルクロン酸残基を示し、mはO〜1である。
本発明の酸性へテロ多糖類は、例えは次のような方法で
製造することができる。
すなわち、酢酸菌に属し、グルコース、ガラクトース、
マンノース、およびグルクロン酸を主構成成分とし、そ
の構成糖比がグルコース:ガラクトース:マンノース:
クロクロン酸=10:3〜6:0.5〜2:0.5〜2
である酸性へテロ多糖類を生産する能力を有する菌株を
培地に培養し、培養物から上記酸性へテロ多糖類を採取
することにより製造することができる。
酢酸菌に属し上記酸性へテロ多糖類を生産する能力を有
する菌株としては、自然界から分離した菌株、寄託機関
から入手可能な菌株、これらを変異した菌株など、これ
らの菌株が酢酸菌に属し上記酸性へテロ多糖類を生産す
る能力を有する限り、すべて使用することができる。
このような菌株の具体例としては、本発明者らが食酢の
発酵醪から新たに分離したアセトバクター属に属する細
菌であるアセトバクター・ポリサツカロゲネス(Ace
tobacter polysacchar。
genes)MT −11−2、アセトバクター・ポリ
サツカロゲネスMF−8、アセトバクター・バストリア
ヌス(Acetobacter pasteuria
nus)IFO13751、グルコノバクタ−・カブシ
ュレイタス(Gluconobacter cupsu
latus)IAM1813、グルコノバクタ−・ノン
オキシグルコニクス(Gluconobacter n
onoxygluc −onicus) I FO32
75などが挙げられる。
なお、アセトバクター・ポリサツカロゲネスMT−11
−2は微工研条寄第112号(FERMBP−112)
(微工研菌寄第6174号、FEBM P−6174)
として、アセトバクター・ポリサツカロゲネスMF−8
は微工研条寄第113号(FERMBP−113)(微
工研菌寄第6175、FEBM P−6175)として
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されている。
また、上記IFOおよびIAMは日本微生物株保存機関
連盟(JFCC)に加入している保存機関の略号であり
、IFOは財団法人発酵研究所の略号、IAMは東京大
学応用微生物研究所の略号であって、上記のIFOおよ
びIAMの番号を附した菌株はこれら保存機関から入手
することができる。
上記MT−11−2およびMF−8の菌学的性質は下記
の如くである(特に菌株別に記載されていないものは各
菌共通の性質および生育状態である)。
なお菌学的性質に関する実験方法は、1975年6月2
0日東京大学出版会発行、長谷用武治編著「微生物の分
類と同定」、「ザ・ジャーナル・オブ・ジェネラル・ア
ンド・アプライド・マイクロバイオロジー(The J
ournal of Generaland Appl
ied Microbiology)第10巻1第2
号、第95〜126頁(1964年)」のrTheFl
agellation and Taxonomy o
f GeneraGluconobacter and
Acetobacter wi thReferen
ce to the Existence of
Intermediate 5trains (中
間菌株の存在に関連してのグルコノバクタ−属およびア
セトバクター属のフラゲレーションおよび分類学)」お
よび「す・ソサエティー・フォー・アプライド・バクテ
リオロジー・テクニカル・シリーズ・/162(The
Society for Appl ied Bact
eriologyTechnical 5eries
42 )アイデンテイフイケイション・メソツズ・フォ
ー・マイクロバイオロジスツ(Identificat
ion Methods forMicrobiol
ogists ) 1968年」の第1〜8頁のl−M
ethods for Identifying Ac
eticAcid Bacteria (酢酸菌の同
定法)」に従った。
また酵母エキス−ブドウ糖寒天培地は酵母エキス5g、
ブドウ糖30g、ポリペプトン3g、寒天15.9を蒸
留水11に溶解しpHを6.5に調節したもの、酵母エ
キス−ブドウ糖液体培地は酵母エキス5g、ブドウ糖3
0g、ポリペプトン3gを蒸留水11に溶解しpHを6
.5に調節したもの、エタノール含有酵母エキス−ブド
ウ糖液体培地は酵母エキス5g、ブドウ糖30g、ポリ
ペプトン3gを蒸留水11に溶解しpHを6.5に調節
して滅菌後、エタノールを3%(V/V)無菌的に添加
したもの、MY平板培地はブドウ糖10g1ポリペプト
ン5g、酵母エキ3331七ルトエキス3g、寒天15
gを蒸留水11に溶解しpHを6.5に調節したもの、
肉汁液体培地は肉エキス10g、ポリペプトン10gを
蒸留水11に溶解しpHを6.5に調節したもの、加糖
肉汁液体培地はブドウ糖10g1肉エキス10g、ポリ
ペプトン10gを蒸留水11に溶解しpHを6.5に調
節したものである。
そしてまた、ユビキノンの同定は濾紙クロマトグラフィ
ー、薄層クロマトグラフィー、赤外部および紫外部吸収
スペクトラムおよび質量分析法で行なった。
■、形態的所見 形 状 短稈状 大きさ 0.5〜0.7X 1. O〜1.2
μm集 団 単独あるいは連鎖状 運動性 無し 胞子、形成 形成せず ダラム染色 陰性 抗酸性 陰性 ■、培養的所見 ■ 酵母エキス−ブドウ糖寒天平板培養(30°Cで4
日間培養) 形状 円形 辺縁 平滑で金縁 隆起 隆起状(Raised) 光沢 有り 表面 平滑 色調 MT−11−2は淡黄色で光沢ありMF”−8
はうす桃色で光沢あり ■ 炭酸カルシウム含有酵母エキス−ブドウ糖斜面培養
(30’Cで3日間培養) 生育の良否 良好 隆 起 中程度 表面 平滑 辺 縁 平滑で金縁 色 調 MT−1f−2は淡黄色で光沢あり MF−8はうす桃色で光沢あ り ■ エタノール含有酵母エキス−ブドウ糖液体静置培養
(30℃で4日間培養) よく生育する。
湿潤でもろい菌膜を形成する。
混濁し、一部は底に沈澱する。セルロースからなる厚膜
を形成しない。
■ 肉汁液体静置培養(30℃で7日間培養)生育上し
い。
セルロースからなる厚膜を形成しない。
MT−11−2はリング状に生育する。
MF−8は極めて薄い菌膜を形成する。
■ ブドウ糖含有肉エキス液体静置培養(30℃で7日
間培養) 生育良好。
セルロースからなる厚膜を形成しない。
MT−11−2の培養液は混濁し、 部は沈澱する。
薄い菌膜を形成する。MF−8の培養液はよく混濁し、
沈澱 する。
もろい菌膜を形成する。■ MYゼラチン高層培養(2
0°Cで7日間培養) 生育良好。
液化性無し。■ リドマスミルク(30°Cで7日間培
養)凝固性無し。
■、生理学的性質 ■ 硝酸塩の還元二無し 脱窒反応:無し VPテスト:陰性 インドールの生成:無し 硫化水素の生成二無し デンプンの加水分解:無し クエン酸の利用: Chr i s tensenの培地:無し無機窒素源
の利用: 硝酸塩:無し アンモニウム塩:無し 培地中への色素の生成二無し ウレアーゼ活性:無し オキシダーゼ活性:無し カタラーゼ活性二有り 生育pH範囲:3.O〜7.5 最適pH範囲=4.0〜5.5 0 生育温度範囲=15〜35℃ 最適温度範囲=20〜28℃ ■ 酸素に対する態度:好気的 o 5−ケトグルコン酸の生成:有り [相] ジヒドロキシアセトンの生成:有り0 エタノ
ール資化性:エタノールを弱く資化し酢酸を生成する。
[相] 酢酸の資化性:無し [相] 乳酸の資化性:無し [相] ビタミン要求性二有り ■ 酢酸の分解性:有り [相] 乳酸の分解性:有り [相] 塩化第2鉄反応:陰性(グルコース培地)■、
炭素源の資化性およびそれらからの酸およびガスの生成 第1表のとおりである。
■、電子伝達系の補酵素の種類 補酵素の主要成分ニュビキノンー10 上記の諸性質に従い、本菌の分類学的地位を「バージイ
ズ・マニュアル・オブ・デターミネイティブ・バクテリ
オロジー(Bergey’s Manualof D
eterminative Bacteriology
)第8版」、ならびに「ザ・ジャーナル・オブ・ジェネ
ラル・アンド・アプライド・マイクロバイオロジー第1
0巻、95〜126頁(1964年)」の「The F
lagellation and Taxonomy
ofGenera Gl uconobacter
and AcetobacterWith Refer
ence to the Existence of
Intermediate 5trains(中間菌株
の存在に関連してのグルコノバクタ−属およびアセトバ
クター属のフラゲレーションおよび分類学)」、および
「ザ・ジャーナルーオブ・ジェネラル・アンド・アプラ
イド・マイクロバイオロジー第15巻、181〜196
頁(1969年)」の「Enzymatic 5tud
ies on theOxidation of Su
garand Sugar alcohol (糖およ
び糖アルコールの酸化に関する酵素的研究) V、 U
biquinone ofAcctic acid
bacteria and its Re1a
tion to C1assification of
Genera Gluconobacter an
d Acetobacter especiallyo
f the so called inte
rmediate 5trains(酢酸菌のユビキ
ノンおよびそのグルコノバクタ−属およびアセトバクタ
ー属、特に所謂中間菌株の分類との関係)」に従って求
めた。
即ち本菌はダラム陰性の好気性桿菌でエタノールを酸化
して酢酸を生成し、またpH3,0でも増殖できること
から、一般に酢酸菌と呼ばれるアセトバクター属もしく
はグルコノバクタ−属に属する菌株であることは明らか
である。
本菌は主たるユビキノンタイプがQtoでビタミンが生
育に必須であり、またジヒドロキシアセトンの生成能を
有する点ではグルコノバクタ−属としての性質を有する
が、一方酢酸および乳酸の分解性を示す点ではアセトバ
クター属としての性質を示し、アセトバクター属または
グルコノバクタ−属のいずれとも断定し難いが、酢酸お
よび乳酸の分解性を示すこと、および培地中にグルコー
ス、ガラクトース、マンノース、グルクロン酸を主構成
成分とする上記した新規な酸性へテロ多糖類を蓄積する
能力があることにより、本菌はアセトバクター属に属す
る新菌種と認定するのが妥当であり、アセトバクター・
ポリサツカロゲネス(Acetobacter pol
ysaccharogenes)と命名した。
そして上記したMT−11−2とMF−8とは類似の性
質が多いが、酵母エキス−ブドウ糖培地での色調、ソル
ビトールの資化性が異なり、それぞれアセトバクター・
ボリサツカロゲネスMT11−2およびアセトバクター
・ポリサラ力ロゲネスMP−8と命名した。
上記の酸性へテロ多糖類を生産する能力を有する菌株の
培養に使用する培地の炭素源としては、たとえばグルコ
ース、ガラクトース、フラクトース、シュクロース、ク
リセロース、マンニトール、エタノール、クエン酸、リ
ンゴ酸、糖蜜、各種澱粉質含有穀類の糖化液などが単独
または混合して用いられる。
また窒素源としては、酵母エキス、ペプトン、コーンス
テイープリカー、硫酸アンモニウムなどの有機および無
機窒素源が用いられる。
さらにカリウム、カルシウム、マグネシウム、ナトリウ
ムなどの塩類やパントテン酸、ニコチン酸、FelCo
1M0などの微量要素が上記酸性へテロ多糖類の生産お
よび粘性を高めるために有効に使用される。
培養は、20〜35℃、好ましくは25〜28℃、培地
のpl−13〜8、好ましくは5〜7において好気的条
件下で、通常振盪培養あるいは通気攪拌培養で行なわれ
る。
培養時間は種々の条件によって異なるが、通常24〜9
6時間の範囲で行なわれる。
このようにして培養物中に得られた上記酸性へテロ多糖
類(以下、上記多糖類という)の回収は公知の方法を用
いて行うことができる。
たとえば、培養液をそのまま、または適量の水で希釈後
、遠心分離、濾過などによって菌体を分離し、メタノー
ル、エタノール、プロパツールあるいはアセトンなどの
沈澱剤を加え繊維状の上記多糖類を沈澱せしめた後、ア
セトン洗滌して乾燥を行うことにより回収することがで
きる。
また上記多糖類は酸性物質であるので、菌体を除いた培
養液にセチルトリメチルアンモニウムブロマイドなどを
添加して上記多糖類を沈澱させることにより回収するこ
とができる。
粗製の上記多糖類は多糖類の精製法にしたがつて精製す
ることができる。
例えば粗製の上記多糖類を水に再溶解し、熱処理後、遠
心分離して不溶物を完全に除去し、アセトンなどの沈澱
前りで再沈澱をくり返すことにより純度の高い白色綿状
の精製された上記多糖類が得られる。
また、セチルトリメチルアンモニウムブロマイドによる
沈澱(CTAB処理)、透析、およびイオン交換樹脂な
どを併用して高純度の精製品を得ることもできる。
次に、上記多糖類の製造の具体例を示す。
具体例 1 リン酸1カリ0.1g、リン酸2カリO,Ig、硫酸マ
グネシウム7水塩0.25g、塩化第2鉄01005g
、酵母エキス2g、およびシュクロース30gを11の
純水に溶解して培地とした。
この培地31を調製し、pHを6.0としたのち、51
容のジャーファーメンタ−に注入し、120℃で20分
間殺菌した。
上記と同一組成の培地を用い、坂ロフラスコで前培養し
たアセトバクター・ポリサツカロゲネスMT−11−2
を上記のジャーファーメンタ−に接種し、培養温度30
℃、通気量0.5VVMで96時間培養した。
培養終了液のpHは3.4、B型粘度計による粘度は1
20cpであった。
96時間の培養の後、培養終了液に水を加えてiozと
し、10.00 Orpmで20分間遠心分離して菌体
および固形物を除去したのち、151のエタノールを徐
々に加えると白色の繊維状沈澱が得られた。
沈澱を採取し、アセトンで洗浄し、減圧乾燥した。
このようにして得た白色繊維状の粗製の上記多糖類の収
量は22.5g(収率259であった。
このようにして得た粗製の上記多糖類20gを再び水2
1に溶解し、これにセチルI−IJメチルアンモニウム
ブロマイドを加え上記多糖類をセチルトリメチルアンモ
ニウムブロマイドとの複合体として沈澱させた。
この複合体を水およびエタノールで十分洗浄して過剰の
セチルトリメチルアンモニウムブロマイドを除いた後、
飽和塩化ナトリウム水溶液を加えて複合体を溶解した。
この溶液に3倍量のエタノールを加えて上記多糖類を沈
澱させた。
沈澱を分離し、減圧乾燥後、再び水に溶解した。
得られた溶液を透析用セロハンチューブに入れ3日間流
水中で透析を行なった後、3倍量のアセトンを加えて上
記多糖類を沈澱させ、沈澱物を分取、減圧乾燥を行い精
製された上記多糖類18.5gを得た。
具体例 2 リン酸1カリo、ig、リン酸2カリo、 i g s
硫酸マグネシウム7水塩0.25 g 、塩化第2鉄0
.005g、酵母エキス2g、クエン酸5gおよびマン
ニトール25.9を11の純水に溶解して培地とした。
この培地31を調製し、pH6,0としたのち、51容
のジャーファーメンタ−に注入し120°Cで20分間
殺菌した。
上記と同一組成の培地を用い坂ロフラスコで前培養した
アセトバクター・ポリサツカロゲネスMT−11−2を
上記ジャーファーメンタ−に接種し、培養温度30℃、
通気量0.5VVMで80時間培養した。
培養終了液のpHは5.6、B型粘度計による粘度は1
100cpであった。
この培養終了液を具体例1と同様に処理して粗製の上記
多糖類を45g(収率60%)得た。
具体例 3 リン酸1カリ0.1g、リン酸2カリ0.1 g、硫酸
マグネシウム・7水塩0.25,9.コーンステイープ
リカー1g、および廃糖蜜(シュクロース55%を含む
)55gを11の純水に溶解して培地とした。
この培地101を調製し、pH6,0としたのち、20
1容のジャーファーメンタ−に注入し120℃で20分
間殺菌した。
上記と同一組成の培地を用い、坂ロフラスコで前培養し
たアセトバクター・ポリサラ力ロゲネスMF−8を上記
のジャーファーメンタ−に接種し、培養温度30’C,
通気量0.5VVMで80時間培養した。
なお、水酸化ナトリウムと塩酸の水溶液を用い培養中の
pHは6.0前後に調節した。
培養終了液のB型粘度計による粘度は2500cpであ
った。
この培養終了液を具体例1と同様に処理して粗製の上記
多糖類を26(Bi’(収率86%)得た。
具体例 4 リン酸1カリ1g、リン酸2カリ1g、硫酸マグネシウ
ム・7水塩0,25g、コーンスチープリカ−2g、ペ
プトン2g、およびグルコース20gを14の純水に溶
解して培地とした。
この培地iozを調製し、pH6,0としたのち、20
7のジャーファーメンタ−に注入し120℃で20分間
間殺菌した。
上記と同一組成の培地を用い、坂ロフラスコで前培養し
たアセトバクター・ポリサツカロゲネスMF−8を上記
のジャーファーメンタ−に接種し、培養温度30℃、通
気量0.5VVMで80時間培養した。
なお水酸化ナトリウムと塩酸の水溶液を用い培養中のp
Hは5.0前後に調節した。
培養終了液のB型粘度計による粘度は1200cpであ
った。
この培養終了液を具体例1と同様に処理して粗製の上記
多糖類を162g(収率81.0%)得た。
具体例 5 リン酸1カリ1g、リン酸2カリ1g、硫酸マグネシウ
ム・7水塩0.25,9.塩化第2鉄0.09g1酵母
工キス2g、コーンスチープリカ−19、コハク酸8g
、およびグリセロール30gを11の純水に溶解して培
地とした。
この培地31を調製し、pH6,0としたのち、51容
のジャーファーメンタ−に注入し、120℃で20分間
殺菌した。
上記と同−組成の培地を用い、坂ロフラスコで前培養し
たアセトバクター・ボリサツカロゲネスMT−11−2
を上記のジャーファーメンタ−に接種し、培養温度28
°G通気量0.4VVMで96時間培養した。
培養終了液のpHは5.45、B型粘度計による粘度は
1900 cpであった。
この培養終了液を具体例1と同様に処理して粗製の上記
多糖類を61.6g(収率54%)を得た。
具体例 6 リン酸1カリウム1!!、リン酸2カリウム2g、硫酸
マグネシウム・7水塩0.25g、酵母エキス2g、ク
エン酸5g、およびシュークロース30gを11の純水
に溶解して培地とした。
この培地31を調製し、pH6,0としたのち、51容
のジャーファーメンタ−に注入し、120℃で20分間
殺菌した。
上記と同一組成の培地を用い、坂ロフラスコで前培養し
たアセトバクター・・バストリアヌスIFO13751
を上記のジャーファーメンタ−に接種し、30001通
気量0.5 VVMテ120時間培養した。
なお、水酸化ナトリウムと塩酸の水溶液を用い培養中の
pHは6.0前後に調節した。
培養終了液のB型粘度計による粘度は23 cpであっ
た。
この培養終了g31を具体例1と同様に処理し、さらに
精製して精製された上記多糖類6.o、9(収率6,7
%)を得た。
本発明の多糖類は、古来から食酢醸造に使用され、歴史
的にその安全性が確かめられている酢酸菌が生産する高
粘性多糖類であり、その安全性と高粘性を生かして食品
工業における添加剤として、特に増粘安定剤として有効
に用いることができる。
すなわち、本発明の多糖類は、例えばドレッシング、ア
イスクリーム、ジャム、ネクター、ヨーグルト、チョコ
レート、ペースト、ソーセージ、シロップ、ゼリー、菓
子、マヨネーズ、ホイツピングクリーム、ケチャツプ、
ソース、スープ、ビール、酒類、正油、食酢、漬物など
の液体食品や固体食品に増粘安定剤として添加配合する
ことができる。
各種食品への本発明の多糖類の配合量は使用目的などを
考慮して適宜決定すれば良いが、通常は最終製品に対し
て0.01〜20%(W/V )程度の範囲で加えるの
がよい。
従来、食品に用いられる増粘・乳化安定剤としては、ロ
ーカストビーンガム、グアガム、ペクチンなどの植物質
多糖類、カラギーナン、寒天、アルギン酸などの海藻質
多糖類、およびキサンタンガム、プルラン、デキストラ
ンなどの微生物多糖類が知られている。
しかし、植物質多糖類や海藻質多糖類は天然物であるの
で、その生産量は天候、その他の要因に大きく左右され
て供給が不安定になるのが大きな問題であり、また同時
に食品中での安定性とくに耐酸性や耐熱性の点で欠陥が
多い。
一方、微生物多糖類は安定した供給が可能な点で優れて
いるが、従来公知の微生物多糖類は人畜、植物に対して
病原性を示すいわゆる病原性微生物が生産するものであ
り、大量に生産する場合には環境に与える危険な影響は
もとより、安全性が最も重視されるべき食品に使用する
増粘・乳化安定剤としては基本的に重大な欠陥を有して
いるのである。
これに対し、本発明の多糖類は、古来から食酢醸造に使
用され歴史的にその安定性が確かめられている酢酸菌が
生産するものであり、かつ耐酸性、耐熱性、pH安定性
、耐塩性に優れた新規な多糖類であり、従来知られてい
る多糖類に比べて食品用の増粘・乳化安定剤として非常
に有用である。
この点について具体例を示して説明する。
従来、分離タイプのドレッシングには安定剤トしてロー
カストビーンガム、グアガム、カラギーナン、トラガン
トガムなどが使用されているが、これらのガム類は低p
Hに不安定、冷水に可溶化しない等の欠点がある。
これに対し、本発明の多糖類は、耐塩性、pH安定性な
どの特性があり、しかも冷水に可溶であることから、分
離タイプのドレッシングに用いる安定剤〔最終製品に対
し0.05〜1.0%(W/V )添加〕として上記ガ
ム類に比べすぐれている。
例えは本発明の多糖類及びローカストビーンガムをそれ
ぞれドレッシングの総量に対して0.2%添加した場合
の振とう後から分離までの時間を経口的に測定した結果
を示すと、下記第2表のとおりである。
第2表から、本発明の多糖類は粘性をほとんど失なわず
、しかも分離までの時間が60日後でもほとんど変化し
ない極めて有効な多糖類であることがわかる。
さらに本発明の多糖類とローカストビーンガムをそれぞ
れ添加して作成したドレッシングを室温に60日保存し
た後、サラダを試作し、嗜好についてパネル数40で官
能検査を行った結果は、本発明の多糖類を添加して作成
したドレッシングを好むとしたもの29、ローカストビ
ーンガムを添加して作成したドレッシングを好むとした
もの11であって、危険率1%で有意差が認められた。
また従来、ヨーグルト類には、増粘安定剤としてキサン
タンガム、カラギーナン、グアガム、トラガントガムな
どが使用されているが、これらのガム類は乳蛋白(特に
カゼイン)と結合して離漿したり、低pHに不安定で粘
性の消失があるなどの欠点がある。
これに対し本発明多糖類は、上述した様に低p鷹でも極
めて安定であり、しかも乳蛋白と結合して離漿するとい
った現象が全く認められないことから、ヨーグルト類に
用いる増粘安定剤〔最終製品に対して0.05〜2,0
%(W/V )程度添加〕として上記ガム類に比べてす
ぐれている。
例えば本発明の多糖類及びキサンタンガムをそれぞれ市
販のプレーンヨーグルトの総量に対して1.0%添加し
た場合の保存(4℃)試験結果を示すと、第3表のとお
りである。
第3表から、明らかなように、本発明の多糖類を添加し
たヨーグルトでは60日の保存後も全く粘性を失なわず
、しかも全く離漿が認められないのに対し、キサンタン
ガムを添加したヨーグルトでは3日の保存で早くも離漿
が認められる。
また本発明の多糖類は、その安全性と高粘性を生かして
医薬品用としての用途が十分期待できるとともに、潤滑
剤、被覆剤、糊料、懸濁補助剤、化粧品素材、石油を回
収する際の増粘剤などの工業用の用途もも充分利用する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の酸性へテロ多糖類の赤外
吸収スペクトルで、第1図は脱塩前のもの、第2図は脱
塩後のものであり、第3図は本発明の酸性へテロ多糖類
の粘度に与えるpHの影響を示す図であり、第4図は本
発明の酸性へテロ多糖類の粘度に与えるCaCl2とN
aC1の影響を示す図であり、第5図は本発明の酸性へ
テロ多糖類の粘度に与える温度の影響を示す図であり、
第6図は本発明の酸性へテロ多糖類の核磁気共鳴スペク
トルであり、第7図は本発明の酸性へテロ多糖類とロー
カストビーンガムとの相溶作用の関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 グルコース、ガラクトース、マノノース、およびク
    ルクロン酸を主構成成分とし、その構成糖」七がグルコ
    ース:カラクトース:マンノースニクルクロン酸二10
    :3〜6:0.5〜2二〇、5〜2である酸性へテロ多
    糖類。 2 酸性へテロ多糖類が下記の理化学的性質。 ■ 赤外吸収スペクトル 脱塩前の赤外吸収スペクトルは第1図に示す通りであり
    、脱塩後の赤外吸収スペクトルは第2図に示す通りであ
    る。 ■ 呈色反応 アンスロン反応二階性、カルバゾール反応:陽性、エル
    ソンーモルガン反応:陰性、ヨード反応:陽性。 ■ 溶剤に対する溶解度 水に可溶で、エタノール、エーテル、アセトン等に不溶
    である。 ■ 色及び形状 精製品は白色綿状または繊維状である。 ■粘度 水溶液は無色透明で粘性を有し、その1%水溶液の粘度
    は500〜1200cp(25°C2C230rp東京
    計器製B型粘度計による)である。 ■ 元素分析値 C=40.63±1%;H=6.74±1%;NO%;
    灰分=1.07±0.8%。 ■ 比旋光度 〔α)D:+8.0〜20.0 (C=0.33 、水
    溶液) ■ 分子量 約105以上である。 ■融点 190℃で黒褐色化が始まり、250℃で分解する。 [相] 核磁気共鳴スペクトル 13 c−核磁気共鳴スベクトルは第6図に示す通りで
    ある。 を有する特許請求の範囲第1項記載の酸性へテロ多糖類
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