JPS5856593B2 - 低膨脹接着剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は低膨張接着剤に関し、特に３ｏｏ℃以上の高温
における熱膨張係数が負または極めて低い正の値を示し
、かつガスタイト性能を有する無機系の接着剤に関する
。

多孔質高ケイ酸ガラス（たとえば化学組成５ｉＯ２９６
〜９８％、Ｂ２０３１〜４％、 Ａ １２ ｏ３０〜０
．５％、細孔容積約０．３ｃｃ／′？、細孔径３ｏ〜４
０人、細孔表面積１００〜２００ ｍ”／７ ）は８０
０℃まで加熱しても、まだ細孔が残っているので、高温
のガスとか液体の分離膜として利用価値が高い。

しかし、このように高温でガス分離を行なうためには分
離膜は勿論、この分離膜を装置に固定する接着剤も高温
にさらされるため、通常の有機系接着剤は使用できない
。

したがって、耐熱性の高いガラス系接着剤が使われるが
、上記多孔質高ケイ酸ガラスは熱膨張係数が負あるいは
極めて低い正の値を示すので、通常の熱膨張係数の高い
均質系ガラス接着剤で接着することは不可能であった。

これを改善するため、従来から負の膨張係数を有するセ
ラミックスと正の膨張係数を有するガラスの粉体を水ま
たは流動パラフィンなどと混合し、ペースト状にして多
孔質高ケイ酸ガラス膜に塗布し、これを焼成するとガラ
スのみが溶融軟化して流動性を示し、多孔質高ケイ酸ガ
ラス膜を濡らすので、セラミックスの結晶とガラスの不
均一系混合物で接着が可能になることが知られている。

したがって、この接着剤中のセラミックス結晶とガラス
の混合比を適当に調節することにより、多孔質ケイ酸ガ
ラス膜の膨張係数と接着剤の膨張係数を同等の値に合わ
せることができる。

しかしながら、従来から知られていたセラミックス、即
ち負膨張体の膨張係数は一６０×１０−１０−７ｄｅ程
度であったため、これとガラスを混合して多孔質ケイ酸
ガラスの膨張係数と同程度にしようとするとガラスの混
合比率が４０〜５０重量％となり、接着剤中のセラミッ
クス結晶割合が多いため、接着斉泪体が多孔性になり、
ガスタイト性が得られないという欠点があった。

そこで本発明者らは負あるいは極めて低い正の膨張係数
を有し、かつガスタイト性を有する接着＊＊剤について
鋭意検討を重ねた結果、次のような本発明に至ったので
ある。

即ち、本発明の低膨張接着剤は、Ｌｉ２Ｏ、Ａｌ２Ｏ３
および５ｉ０２の組成が下記式を満足し、熱膨張係数が
一２０Ｘ１０−７〜−１００Ｘ１０ ”ｄｅｇ ”
のセラミック不貞膨張体１０〜４５重量部と、軟化点が
８００〜１０００°Ｃで熱膨張係数が３０Ｘ１０’〜６
０Ｘ１０−７ｄｅｇ ’のガラス５５〜９０重量部と
からなり、を特徴とするものである。

本発明において最も特徴的なのは負膨張体の組成にあり
、Ｌｉ２Ｏ，Ａｌ２Ｏ３，５ｉ０２のうちＬｉ２Ｏ組成
を１．０モルに固定して、Ａｌ２Ｏ３，５ｉ０２の組成
を変化させるとＡｌ２Ｏ３が０．５〜１．５モルの範囲
、５ｉ０２が１．０〜２．０の範囲でかつＡｌ２Ｏ３の
モル数とＳｉＯ２のモル数の積が０．５〜２．０の範囲
にあるときのみ負の膨張係数を示し、その値は一２０Ｘ
１０−７から一１００Ｘ１０−７に達する。

軟化点が８００〜１０００℃の無機系結合体としてはア
ルミノシリケートガラス、パイレックスガラス等膨張係
数が３０Ｘ１０−７〜６０Ｘ１０−７程度のガラスが好
ましい。

★★負膨張体と結合体の混合割
合は４５１５５〜１０／９０ （重量）にする必要があ
り、負膨張体が４５重量％を越えるとガスタイト性が悪
くなり、１０重量％以下では膨張係数が大きくなって使
用できなくなる。

そして好ましくは３０／７０〜２ ｏ／８０ （重量）
である。

第１図は本発明に使用される負膨張体の組成範囲を示す
３角図で、線分ＡＢ、ＢＣ，ＣＤおよびＤＡで囲まれた
領域の組成物が本発明に使用しうるものである。

以上述べたように本発明によれば、Ｌｉ２Ｏ。

Ａｌ２Ｏ３およびＳｉＯ２の組成が、 を満足し、熱膨張係数が一２０×１０−７〜−１００
Ｘ １０−７０−７ｄｅのセラミック不貞膨張体１０〜
４５重量部と、軟化点が８００〜１０００℃で熱膨張係
数が３０Ｘ１０−７〜６０Ｘ１０−７ｄｅｇ １のガ
ラス５５〜９０重量部を用いたので、熱膨張係数が負ま
たは極めて低い接着剤を得ることができる。

また、この低膨張接着剤は優れたガスタイト性を有して
いる。

以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。

実施例 １ 負膨張体の製造 Ｌｉ２Ｏ、Ａｌ２Ｏ３、ＳｉＯ２のうちＬｉ２Ｏおよび
Ａｌ２Ｏ３を１：１モル比に固定し、５ｉ０２の混合割
合を変化させ、焼成温度を１２５０〜１４００℃の範囲
で５時間行ない、得られたセラミックスの３００〜６０
０℃における平均熱膨張係数を求め、第２図に示した。

第２図な結果からＬｉ２Ｏ： Ａｌ２Ｏ３： ５ｉ０２
＝ｉ： １：ｙ（モル）のときｙが１．０〜２．０の場
合にのみ、すぐれた負膨張係数を示すことがわかる。

実施例 ２ 負膨張体の製造 実施例１と同様、今度はＬｉ２０ ： Ａｌ２Ｏ３：５
ｉ０２＝１：ｘ：１（モル）とし、Ｘを変化させて熱膨
張係数を測定した。

結果を第３図に示す。第３図からＬｉ２Ｏ： ５ｉ０２
＝１ ： １モルのとき☆☆Ａ１□０３が０．５〜１．
５の範囲で膨張係数は負の値を示すことがわかる。

実施例 ３ 次の組成の結合体と負膨張体を使用し、混合量を変えて
９００℃で焼成した。

負膨張体組成 Ｌｉ Ｏ： Ａｌ２Ｏ３： ５ｉ０２＝ １ ： １
： １．５モル焼成条件：１３００℃で５時間 膨張係数−９９Ｘ１０−７ 結合体（アルミノシリケートガラス） ＳｉＯ２５７％、Ａ１２０３１５％、Ｂ２Ｏ３３％、Ｍ
ｇ０ ７％、Ｃａ０１０％、Ｂａ０６％線膨張係数５２
Ｘ１０−７ 得られた接着剤の熱膨張係数を表１に示す。

表１の結果から負膨張体が２０％程度でも、きわめて低
い熱膨張係数を示すことがわかる。

実施例 ４ 下記の負膨張体と結合剤を各割合で混合し、１０％の流
動パラフィンを添加して、直径１０間、厚さ１０ｍｒｒ
ｔの円板を形成し、８８０℃で１時間焼成した。

負膨張体 組成： Ｌｉ２Ｏ： Ａｌ２Ｏ３二５ｉ０２＝１ ：
１ ：１．５
※※ 焼成条件：１３００℃で５時間 線膨張係数−９９Ｘ１０−７ 結合体（パイレックスガラス） Ｓｉ０２８０．８％、Ａ１２０３２．３％、Ｆｅ２０３
０．０３％、Ｂ２０３１２．５％、Ｎａ２Ｏ４，０％、
Ｋ２Ｏ０，４％ 線膨張係数３２Ｘ１０−７ これら各試料のＮ２ ガス透過係数を求め表２に示した
。

表２の結果から、負膨張体の混合割合が５０％を越える
と透過係数が大きくなり、ガスタイト性がなくなるーこ
とがわかる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に使用できる負膨張体の組成を示す３角
図、第２図は負膨張体のＳｉＯ２組成と膨張係数との関
係を示す図、第３図は負膨張体のＡｌ２Ｏ３組成と膨張
係数との関係を示す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. Ｉ ＬｉＯ２、Ａ１２ｏ３および５ｉｏ２の組成が下
   記式を満足し、熱膨張係数が一２０×１０−７〜−１０
   ０ＸＩＯ−７ｄｅｇ ’ のセラミックス不貞膨張体
   １０〜４５重量部と、軟化点が８００〜１０００℃で熱
   膨張係数が３０×１０−７〜６゜ＸＩＯＸｌｏ−７ｄｅ
   のガラス５５〜９０重量部とからなることを特徴とする
   低膨張接着剤。