JPS5856558Y2 - 溶融金属の移送樋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は溶融金属の移送樋の構造に関するものである。

溶融金属の移送に用いる樋に於いては、一般的に知られ
ている樋は、例えば第１図に示す如く、外枠１の内側に
Ｕ字管２を設け、この内側と外側に耐火物３をスタンプ
して用いているのが主である。

この従来の樋は、溶融金属を移送する際、予めこの樋を
予熱するため、また樋内を流れる溶湯を保温するため、
樋の上部に設けたバーナー４により、予熱保温を計って
いる。

係る従来の樋においては、その構造上耐火物３に吸収さ
れる吸熱量が非常に多くなるため、予熱および保温に要
する熱容量が大きくなり極めて不経済である。

更にこの様な従来の構造では、溶融金属の酸化を防止す
るためのシールが困難である。

また樋の補修には多くの手数と時間を要するし、その割
には樋の寿命も限られていた。

本考案はかかる従来の欠点を解消したものであり、以下
に本考案の詳細を図によって説明する。

１０は鋼板によってなる外枠であり、１１は該鋼板１０
の内部に内張すされた耐火レンガである。

１２は外枠１０の底部に設けたバーナ一孔で、１３は該
バーナ一孔１２に設置したバーナーである。

１４は外枠１０の上部に設置した蓋で、１５は鉄蓋１４
の中央に適当間隔で開孔した排気孔である。

１６は前記外枠１０の内部中央に設置した鋼管、例えば
耐熱鋼管であり、１７は該耐熱鋼管１６の内側に挿入し
たセラミック管である。

該セラミック管１７は第４図に示す如く例えばＳｉＣ管
あるいはハイアルミナ管、マグクロ管を前述の耐熱鋼管
１６内に次々と挿入接続し、二重管としている。

この二重管を保持するには懸吊等の機構でもよいが図示
したのは、外枠１０の内側下角に適当間隔で設置した支
持ブロック等の支持体１８である。

１９はセラミック管１７内を流れる溶融金属である。

係る本考案の樋は、従来の樋と比較した場合、下記に示
す如く数々の特長を有する。

（１）溶湯に接する雰囲気を外気と完全に遮断出来るの
で、溶湯の接する雰囲気を調整しやすく、従って、シー
ル不良から生ずる不良品の発生が激減する。

（２）樋周辺の熱気が少ないため、作業環境が極めて良
好である。

（３）予熱、保温には樋の下部よりバーナーを焚くこと
ができるため、バーナーのフレームは外部に洩れること
なく有効に二重管の周囲を循環するので熱効率が非常に
高く、特に予熱時間が短縮され、合せて熱放散が少ない
ため、省エネルギー上極めて有効で、従来より約３０％
の熱節約が可能となった。

（４）鋼管とセラミック管で完全にシールされるため、
溶体の熱損失が極めて少ない。

（５）構造が堅固であるため湯洩れ等のトラブルがなく
、特に樋の形状を円筒にしておくと、全周面が利用でき
るので、その寿命は従来の約３倍以上に延長された。

（６）樋のトラブルにおける複修は、従来復旧するのに
平均１０時間を要していたが、本考案の樋は作業性がよ
いため３時弱で補修が完了する。

（７）使用材が少なく、大巾なコスト削減が可能である
。

以上の本考案は従来の樋がもつ操点を解消した理想的な
樋であり、安全上はもとより、省エネルギー上からみね
も優れたもので、産業上極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の溶融金属の移送に用いる樋であり、第２
図および第３図、第４図は本考案の樋の構造を示す正面
図と断面図である。 １は外枠、２はＵ字管、３は耐火物、４はバーナー、１
０は外枠、１１は耐火レンガ、１２はバーナ一孔、１３
はバーナー、１４は蓋、１５は排気孔、１６は耐熱埋管
、１７はセラミック管、１８は支持ブロック等の支持体
、１９は溶融金属。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶融金属の移送樋において、溶融金属１９を流通させる
   セラミック管１７の外周を耐熱鋼管１６で保護した二重
   管を形成し、該二重管を支持体１８を介して外枠１０内
   に密閉保持し、該丸棒１０の下部には加熱バーナー用の
   バーナ一孔１２を設け、上部にはガス排出用の排出口１
   ５を設け、該二重管の周辺には該バーナーの加熱焔を流
   通させるための空間を設けてなる溶融金属の移送樋。