JPS5856446Y2 - ベルトテンシヨナ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジンのウォーターポンプファン等を作動
させるベルト （特にコグベルト）を緊張保持させるベ
ルトテンショナーに関する。

ベルト伝達機構では駆動プーリと従動プーリとの間に張
掛されたベルトに所要の張力を与えなければ所期の動力
伝達作用を行わない。

このために、従来では例えば第１図及び第２図に示した
ように、固定部材１にボルト２及びロックボルト３を介
してブラケット４を揺動固定自在に取り付け、このブラ
ケット４を引張コイルバネ５で揺動付勢させると共に、
前記ブラケット４の揺動端部にテンションプーリ６を軸
着してこのプーリ６をベルト７に転接させていた。

このようなベルトテンショナーでは、ボルト２及びロッ
クボルト３を緩めるとブラケット４が引張コイルバネ５
で揺動されてテンションプーリ６が緊張方向へと揺動さ
れるのでベルトの張力調整作業が容易であり更に揺動中
心と引張コイルバネ５の作用点との距離が充分に保てる
ため引張コイルバネ５のバネ荷重を小さくしても充分な
テンションをベルトに付与できるのであるが、大きな取
付スペースを必要とするのでレイアウト的に無理を生じ
るおそれがある。

特にエンジンルーム内のスペース的制約が著しいフロン
トエンジン・フロントドライブ型車両にあってはその傾
向が大きい。

公知技術として実開昭５２〜７１６０４号公報などもあ
る。

かかる不都合を回避するためにテンションブーツの移動
機構を該プーリの投影範囲内に納めることにより、ベル
トテンショナーの全体構成をコンパクト化してその取付
上の制約を回避したベルトテンショナーが例えば実願昭
５３−１５２３１１号（実開昭５５−６８７４２号）に
見られる。

即ち、このものはシャフトにプーリ本体を回転自在に設
け、該シャフトをその回転中心から偏心した位置を中心
として回転可能に固定側に設け、該固定側と前記シャフ
トとに亘すシャフトを回転付勢するスプリングを設けて
いる。

しかしかかるベルトテンショナーはスプリングをネジリ
コイルバネで構成すると共に該ネジリコイルバネの一端
を固定側に設けた大径孔に係止させ他端を前記シャフト
の回転中心付近に設けた溝に係止させるものであるから
シャフトの回動トルクを付与するにあたり、バネ力の作
用点とシャフトの回転中心との距離を充分にとることが
不可能であり、このためネジリコイルバネの設定バネ荷
重を極めて大きくしないとベルトに充分なテンシヨンを
付与できないという不都合があった。

そしてこれに加え、設定バネ荷重を大きくしたネジリコ
イルバネをシャフト回転中心付近にとりつけるため、そ
の構成が複雑になり、同時にその加工、組立を困難にす
るものであった。

本考案は上記に鑑みテンションプーリの移動機構を該プ
ーリの投影範囲内に納めることを前提とし、これに加え
て従来から用いられたブラケット５利用によりテンショ
ンプーリの揺動トルクをかせいでテンション付与用のば
ね荷重を軽減するという技術思想を組み込むことを目的
とするものである。

そのために本考案では偏心軸に回動自在に支持されかつ
固定可能なシャフトにテンションプーリを回転自在に軸
支させると共に、前記シャフトを回動付勢させるスプリ
ングを設けてなるベルトテンショナーにおいて、前記ス
プリングと、一端を固定部材に係合させると共に他端を
シャフトの偏心軸から遠い側の外周壁に係合させて該シ
ャフト外周に巻回したネジリコイルバネとしたもので゛
ある。

以下に本考案を第３図及び第４図に示された一実施例に
基づいて説明する。

図において、図示しないエンジンのシリンダブロック等
の外面に突設した固定部材１０カ略中夫には偏心軸をな
すスタッドボルト１１を転造固定する。

図示しないベルトに転接するテンションプーリ１２にベ
アリング１３を介して挿着されたシャフト１４の偏心位
置には、前記スタッドボルト１１と回動自在に嵌合する
軸孔１５を穿設する。

そして、この軸孔１５に前記スタッドボルト１１を挿入
してこのボルト１１の先端にロックナツト１６を取付け
ることにより、シャフト１４を固定部材１０に偏心回動
自在に取付けると共に、所定位置にロックできるように
なっている。

また、前記シャフト１４外周にはネジリコイルバネ１７
を巻回して外挿保持させ、このバネ１７の一端を前記固
定部材１０の端面にスタッドボルト１１と平行に穿設し
た係合孔１Ｂ内に突入係合させると共に、バネ１７の他
端をシャフト１４の外周壁のスタッドボルト１１とは遠
い側に半径方向に穿設した係合孔１９内に突入係合させ
ることにより、シャフト１４を偏心回動付勢させている
。

即ち、本考案はシャフト１４を介してテンションプーリ
１２を偏心回動可能に取り付けると共に、前記シャフト
１４をスプリングで回動付勢させたものである。

従って、ロックナツト１６を緩めると、ネジリコイルバ
ネ１７の張力でシャフト１４が偏心回動されてテンショ
ンプーリ１２を緊張方向へと移動させる。

このようにしてベルトの緊張を行わせた後に、ロックナ
ツト１６を締付固定すれば、テンショナー＝１１１２を
軸支するシャフト１４が固定されるのでベルトは緊張状
態に保持される。

ここにおいてネジリコイルバネ１７の一端はシャフト１
４の外周壁のうちスタッドボルト１１の遠い側に係止し
ているから、バネ力の作用点とシャフト１４の回動中心
との距離が大であり、従ってベルトに対して充分なテン
ションを付与するためのシャフト回動トルクはネジリコ
イルバネ１７のバネ荷重を小さくしても良い。

また係合孔１８．１９の加工は固定部材１０並びにシャ
フト１４外方からドリル加工すれば足りるため簡単であ
り、組立に際してはシャフト１４にネジリコイルバネ１
７を取り付けた状態でシャフト１４を固定部材１０にボ
ルト止めする過程において、極めて自然にネジリコイル
バネ１７の端部を保合孔１Ｂに挿入することができるか
ら、その作業は極めて容易である。

尚、ベルトを外す時又はベルトの張力を弱くする時は、
ロックナツト１６を緩めてネジリコイルバネ１７に抗し
てシャフト１４を逆方向へと回動させれば良い。

以上説明したように、本考案に係るベルトテンショナー
はテンションプーリの偏心回動機構及び回動付勢機構を
該プーリの投影面積内に取り付けることができるために
、ベルトテンショナーの全体構成がコンパクト化されて
その取付自由度が高くなり、特に取付スペースが制限さ
れるフロントエンジン・フロントドライブ型車両等にお
いてレイアウト的に有利である。

又、テンションプーリを軸支したシャフトはスプリング
で回動付勢されているので、ナツト又はボルト等を緩め
るのみにてベルトに自動的に安定した張力を与えること
ができるために、ベルトの張力調整作業が容易化される
。

更に前記スプリングは、シャフト外周に巻回すると共に
、その一端を固定部材に、他端をシャフト外周壁のうち
のシャフト回動中心から遠い位置に保合させたネジリコ
イルバネで構成したから、小さなバネ荷重であってもシ
ャフトに充分な回動トルクを与えることができ、従来の
ブラケット利用のベルトテンショナに対して劣らない程
度の充分なテンションをベルトに付与することができる
。

そしてこれに加えてネジリコイルバネの取り付は構成並
びにその加工が簡単であり、その組み付は作業はネジリ
コイルバネの両端を可視状態で固定できるから極めて容
易である。

また一度ベルトに適当なテンションを付与したら、その
位置でシャフトを固定部材に固定するから、運転中の張
力自動調整機能をなくしてベルトの踊りのない安定した
張力を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一例を示す正面図、第２図は第１図のＡ
−Ａ断面図、第３図は本考案の一実施例を示す断面図、
第４図は第３図の要部の分解斜視図である。 １０・・・固定部材、１１・・・スタッドボルト （偏
心軸）、１２・・・テンションプーリ、１３・・・ベア
リング、１４・・・シャフト、１５・・・軸孔、１６・
・・ロックナツト、１７・・・ネジノコイルバネ、１８
．１９・・・保合孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 偏心軸に回動自在に支持されかつ固定部材に固定可能な
   シャフトにテンションプーリを回転自在に軸支させると
   共に、前記シャフトを回動付勢させるスプリングを設け
   てなるベルトテンショナーであって、前記スプリングを
   、一端を固定部材に係合させると共に他端をシャフトの
   偏心軸から遠い側の外周壁に係合させて該シャフト外周
   に巻回したネジリコイルバネとし、固定部材に対しシャ
   フトを自由にしてベルトにテンションを与えた状態でシ
   ャフトを固定部材に固定したことを特徴とするベルトテ
   ンショナー