JPS5856165Y2 - 硬貨包装機における重積硬貨支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、一定巾の包装紙により重積高さの相異なる重
積硬貨を包装する硬貨包装機に係り、特に硬貨重積部に
より所定枚数重積された重積硬貨を支持杆上に支持して
複数本の包装ローラ間の包装位置へ誘導し、その重積硬
貨の周面に巻回された包装紙の両端縁をほぼ均等に折込
んで包装する硬貨包装機における重積硬貨支持装置に関
する。

前記のように一定中の包装紙により重積高さの異なる硬
貨を包装する硬貨包装機における重積硬貨支持装置は、
包装紙の紙中が一定であることから、重積硬貨の全高に
応じ常に包装紙の巾方向中心と重積硬貨の高さ方向中心
とが一致するよう包装位置において重積硬貨を支持する
必要がある。

しかして従来のこの種硬貨包装機における重積硬貨支持
装置は、前述の支持杆の他にその支持杆を硬貨重積部か
ら複数本の包装ローラ間に移行させる揺動アームを一端
を支点として揺動自在に設け、この揺動アームをモータ
により回動される回動カムにカムフォロワを介して常時
係合させ、このカムの回転により揺動が制御されるよう
にする一方、この揺動アームの近傍に設けられたソレノ
イドにより作動する揺動レバーが前記揺動アームに係合
する位置と係合しない位置とを採り得るように配設し、
金種ダイヤルにより重積高さが低い硬貨が選択された場
合にはソレノイドが作動して前記揺動レバーが揺動アー
ムに係合する位置におかれ、該揺動アームが前記回動カ
ムにより支持杆が重積硬貨を支持して包装ローラ間に誘
導する途中に前記揺動レバーに係合して包装位置に一時
停止され、また重積硬貨の高さが高い硬度の場合はソレ
ノイドは作動されず、揺動レバーも揺動アームと係合し
ない位置に置かれ、そのため揺動アームは回転カムに追
従して前述の包装位置よりや・下方の包装位置で一時停
止され、重積硬貨高さの高低にか・わらず包装紙の中心
と重積硬貨の中心とがほぼ一致されるようになされてい
る。

しかるに上記従来装置では、重積硬貨高さが低い硬貨の
場合揺動アームが回動カムにより動作されている途中に
おいて揺動レバーに衝接して停止されるため、その衝接
による停止の際の衝撃が揺動アームを通じ支持杆に伝達
され、支持杆上に支持される重積硬貨に衝撃を与えて重
積状態が崩れ、包装不能となり易いという大きな欠点を
有していた。

本考案はこれに鑑み、重積硬貨の高さに応じ支持杆が一
時停止される包装位置の変更調整が行なえ、かつその包
装位置での支持杆の一時停止がスムーズになし得るよう
にした硬貨包装機の重積硬貨支持装置を提供することを
目的としてなされたものである。

以下、本考案を図面に示す実施例により説明する。

第１図は本考案による重積硬貨支持装置の一構成例を示
し、第２図はその動作態様を示している。

第１図において、１は所定枚数の硬貨２の供給を受けて
これを重積状態に整列させる硬貨重積部で、その直下に
は複数本（通常３本）の包装ローラ３．３・・・・・・
からなる硬貨包装部４が設けられている。

前記硬貨包装部４の包装ローラ３，３・・・・・・間に
あって、重積硬貨受取位置Ａ、包装位置Ｂ、および放出
位置Ｃをそれぞれ採り得る支持杆５は、揺動レバー６の
先端にあるローラ７に溝８が遊動的に係合されて支持さ
れ、図示しないガイドに沿って昇降自在となっている。

そして前記放出位置Ｃにおかれたときは、図示していな
いが公知のように包装ローラ３に添設されている硬貨ガ
イドが開動して包装済硬貨を放出する際これに応動して
側方に退去動作されるようになっている。

一方、前記揺動レバー６の他端には支持部となるローラ
９があり、このローラ９が接触案内部材１０の案内面１
０ａに当接されている。

上記接触案内部材１０は、図示実施例においては第３図
に示すような回転体からなり、その側面に該回転体の中
心を通る弧状のカム溝１０ ｂが形成され、このカム溝
１０ｂに前記揺動レバー６の支持部となるローラ９が遊
動的に嵌合され、揺動レバー６のピン１６を支点とする
重量バランスにより自重でローラ９が案内面１０ａに常
接されて該レバー６の揺動支点を構成するようになって
いる。

なお前記支持杆５が重積硬貨受取位置Ａにあるときは、
前記支持部となるローラ９が接触案内部材１０の回転中
心位置Ａ′におかれるようになっている。

前記接触案内部材１０にはアーム１１が半径方向に突出
され、このアーム１１に枢着されたカムフォロワ１２が
金種の設定操作により回動するカム体１３のカム面に係
合され、このカム体１３の回動により前記接触案内部材
１０が回動変位され、カム溝１０ｂのおかれる位置が変
って揺動レバー６が下降する際の支持部の位置が変化す
ることにより先端部の位置が変化し、これにより支持杆
５の包装部４内での包装位置Ｂが変化されるようになっ
ている。

なお図示実施例では、前記カム体１３のカム面は、重積
高さの異なる２種の硬貨２に対応させてあり、したがっ
てカム面も高所１３ａと低所１３ｂとの２段となってい
る。

他方、前記揺動レバー６の中間部位には、基端が硬貨包
装機側の固定部にピン１４により枢支された従動レバー
１５の先端がピン１６により連結されており、この従動
レバー１５の中間部位に設けたカムフォロワ１７が支持
杆昇降駆動用カム１８のカム面に係合されていて、この
駆動用カム１８の回動により前記従動レバー１５を介し
て前記揺動レバー６をその支持部となるローラ９を遊動
支点として揺動自在に形成されている。

前記駆動用カム１８は、支持杆５を最上昇させて重積硬
貨受取位置Ａにおく第１のカム面１８ ａと、包装時に
包装位置Ｂにおく第２のカム面１８ ｂと、最下降して
放出位置Ｃにおく第３のカム面１８ Ｃとを有し、硬貨
包装機の各部の作動をなさしめるカム軸１９上に設けら
れている。

つぎに上記実施例の作用を説明する。

まず重積高さの大きい硬貨の場合には、金種ダイヤルを
その金種に設定すると、その操作に応動してカム体１３
が回動し、接触案内部材１０のアーム１１のカムフォロ
ワ１２が第１図および第４図示のようにカム面の低所１
３ｂに位置される。

これにより接触案内部材１０は第１図および第２図実線
図示の状態におかれ、そのカム溝１０ ｂは水平姿勢に
近い状態におかれる。

ここで硬貨包装機のスタート時には、従動レバー１５の
カムフォロワ１７は駆動用カム１８の第３のカム面１８
Ｃ上におかれているので、第１図示のように支持杆５
は放出位置Ｃにおかれる。

なお、支持杆５が放出位置Ｃにおかれるときのローラ９
と案内面１０ ａとの接触位置と、支持杆５が重積硬貨
受取位置Ａにおかれるときのローラ９と案内面１０ ａ
との接触位置とはほは同じである。

なぜならばローラ９と案内面１０ ａとの接触位置はピ
ン１６の第１図水平方向の変位量によって決まり、支持
杆５が受取位置Ａにあるときのピン１６の水平方向位置
も放出位置Ｃにあるときのピン１６の水平方向位置もほ
は同じであるからである。

そのため接触案内部材１０が回転変位されてもローラ９
と案内面１０ ａとの接触位置はほとんど変わらず、支
持杆５の放出位置Ｃもほぼ一定である。

この状態でスタート釦操作がなされると、設定された金
種硬貨が１枚ずつ硬貨重積部１内へ供給され、この硬貨
重積部１の下部はシャッター板で閉鎖されているので供
給される硬貨は順次重積状に整列され、所定枚数の硬貨
が供給されて重積された時点で硬貨重積部１への硬貨の
供給が一時的に停止される。

一方、カム軸１９の回転か′開始され、包装動作サイク
ルが開始してまずカム軸１９に設けられた図示しないカ
ムにより支持杆５が放出位置Ｃにおいて包装ローラ３，
３・・・・・・間下方側部から包装ローラ３，３・・・
・・・間内部へ水平移動する。

その時点で駆動カム１８の第３のカム面１８ Ｃ上のカ
ムフォロワ１７がカム面１８ Ｃとカム面１８ ａをつ
なぐ傾斜カム面上を上昇する。

その結果、従動レバー１５が揺動され、ピン１６を通し
て揺動レバー６が支持部となるローラ９を遊動支点とし
て揺動され、カムフォロワ１７か゛第１のカム面１８
ａにのりあがると支持杆５は重積硬貨受取位置Ａで一時
停止され、その直後に硬貨重積部１下部のシャッター板
が開き、所定枚数の重積硬貨は一定停止中の支持杆５の
上面にのり移って支承される。

その直後にカムフォロワ１７がカム面１８ａとカム面１
８ｂを結ぶ傾斜カム面上を下降するので、揺動レバー６
の他端の支持部となるローラ９は接触案内部材１０のカ
ム溝１０ｂに沿って第１図右方向へ移行する。

このローラ９が第１図の最右端まで移行した時点でカム
フォロワ１７が゛駆動用カム１８の第２のカム面１８ｂ
と接触し、支持杆５は包装位置Ｂで一時停止される。

この場合、接触案内部材１０のカム溝１０ ｂは前記の
ように金種設定に伴い水平方向に位置づけされているの
で、前記揺動レバー６の揺動に伴うローラ９の移動によ
る高さの変化はＨｌであり、支持杆５はカムフォロワ１
７がカム面１８ ｂとの接触している期間中第２図Ｂ１
の位置を保ち、重積硬貨を包装位置において支持する。

これにより支持される重積硬貨は、第１図に示すように
包装紙幅りの中心ＬＯに対し重積硬貨の高さ方向中心か
′一致しておかれることになる。

またその直後に重積硬貨が包装ローラ３，３・・・・・
・で挾持回転されて包装がなされる。

そしてこの時点で硬貨重積部１のシャツタ板が閉じられ
、硬貨の重積が再開される。

包装が完了する時期に至ると、従動レバー１５のカムフ
ォロワ１７が駆動カム１８の第３のカム面１８ Ｃに移
行するので、揺動レバー６のローラ９はカム溝１０ ｂ
の前端（第２図左方）に移行するとともに支持杆５は放
出位置Ｃに下降し、つぎにその放出位置Ｃにおいて包装
ローラ３，３・・・・・・間の下部位置から側方へ移動
され、包装ローラ３，３・・・・・・による重積硬貨の
挾持が解かれると包装済硬貨を放出させる。

その直後にカム軸１９か゛停止され、つぎの重積硬貨の
包装動作サイクルの開始に備える。

つぎに重積高さの低い硬貨の場合には、金種ダイヤルを
その金種に設定すると、その操作に応動してカム体１３
が回動し、接触案内部材１０のアーム１１のカムフォロ
ワ１２か゛第５図示のようにカム面の高所１３Ｈに位置
される。

これにより接触案内部材１０のカム溝１０ｂは、第５図
および第２図鎖線図示のように後方（第２図右側）に向
は下り傾斜した姿勢に変化しておかれる。

そしてカム軸１９の回転時には、揺動レバー６の支持部
となるローラ９ば前述の重積高さの高い硬貨の場合と同
様に接触案内部材１０のカム溝１０ ｂの中心位置Ａ′
に位置されているので、支持杆５の放出位置Ｃおよび重
積硬貨受取位置Ａでの高さは変化せず、前記の場合と全
く同じように重積硬貨の受取がなされる。

カム軸１９の回転途上で従動レバー１５のカムフォロワ
１７が駆動カム１８の第２のカム面１８ ｂに至ると、
揺動レバー６の支持部となるローラ９は接触案内部材１
０のカム溝１０ ｂに沿って後方（第２図右側）に移行
するが、このカム溝１０ ｂは前記のように後方に下り
傾斜しておかれているので支持部となるローラ９がＨ２
だけ下降することになり、したがってそのＨ２とＨｌの
差に比例的に対応する分Ｈだけ支持杆５は第２図鎖線図
示のように高い包装位置Ｂ２を採る。

この場合においても、重積硬貨の高さ方向中心が包装紙
中りの中心ＬＯにほぼ一致しておかれる。

すなわち上記高さの異なる２種の硬貨の包装における態
様は、第６図に線図で示すように、重積硬貨受取位置Ａ
では硬貨の厚みにかかわらず同一であり、包装位置Ｂで
は高低差Ｈを生じ、放出位置Ｃでは両者はは゛同一とな
る。

したがって前記差Ｈを、被包装硬貨の厚さに応じて設定
し得るよう予め接触案内部材１０の形状を選択すればよ
い。

また２種以上の厚みの異なる硬貨に対応させるについて
も同様で゛ある。

なお、接触案内部材１０は前述のように揺動レバー６の
支持部を案内してその位置に高低差を与えることにより
支持杆５の包装位置Ｂでの高さを決定する機能を持つも
のであるから、必ずしも本実施例のようなカム溝１０
ｂとせずともよく、例えばカム溝１０ ｂの下向きの案
内面１０ ａのみを有する部材を回動的に設け、これに
揺動レバー６の支持部をばね附勢により常接させるよう
にしてもよく、あるいは揺動レバー６の重量比の関係か
ら自重を利用して常接されるようにしてもよい。

以上説明したように本考案は、支持杆と、この支持杆を
昇降させる支持杆昇降駆動用カムと、このカムに従動す
る従動レバーと、この従動レバーに連結部で連結され、
前記支持杆を上下移動させる揺動レバーと、前記連結部
から離れた揺動レバーの所定部位に形成される支持部と
、この支持部の移動経路を定めて案内する接触案内部材
と、前記支持杆が重積硬貨受取位置から包装位置へ下降
移動される際の接触案内部材の支持部に対する移動経路
を重積硬貨高さに応じて調整する調整手段とを備えた重
積硬貨支持装置としたので、支持杆が一時停止される包
装位置が重積硬貨高さに応じて変更され、その変更にも
かかわらず支持杆の包装位置での一時停止時に重積硬貨
に衝撃を与えて重積硬貨くずれを生じさせるようなこと
がなく、確実な硬貨包装が行なえる優れた効果を有する
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る重積硬貨支持装置の一実施例を示
す構成図、第２図は同作動状態を示す略示説明図、第３
図は第１図における接触案内部材の部分の斜視図、第４
図および第５図は同作動状態を示す説明図、第６図は第
２図の作動状態を比較する線図である。 １・・・・・・硬貨重積部、２・・・・・・硬貨、３・
・・・・・包装ローラ、４・・・・・・硬貨包装部、５
・・・・・・支持杆、６・・・・・・揺動レバー、７．
９・・・・・・ローラ、１０・・・・・・接触案内部材
、１０ ａ・・・・・・案内面、１０ｂ・・・・・・カ
ム溝、１１・・・・・・調整手段としてのアーム、１２
・・・・・・調整手段としてのカムフォロワ、１３・・
・・・・調整手段としてのカム体、１５・・・・・・従
動レバー、１６・・・・・・連結部としてのピン、１８
・・・・・・駆動カム、１９・・・・・・カム軸、Ａ・
・・・・・重積硬貨受取位置、Ｂ・・・・・・包装位置
、Ｃ・・・・り放出位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定枚数の硬貨を重積させる硬貨重積部と、この硬貨重
   積部とは別に設けられ少くとも１本が移動可能な複数本
   の包装ローラを有する硬貨包装部と、前記硬貨重積部か
   ら重積硬貨を受取る重積硬貨受取位置、包装ローラ間の
   包装位置、および包装位置より下方の放出位置の間を上
   昇下降する支持杆とを備え、重積硬貨の下面を支持して
   前記受取位置から包装位置まで下降する支持杆が包装位
   置で一時停止される際に支持杆上の重積硬貨が前記包装
   ローラで挟持回転され、その挟持回転時に包装紙を重積
   硬貨の周囲に巻付けて包装する硬貨包装機において、支
   持杆と、包装動作を制御するカム軸上に設けられ、前記
   支持杆を上昇下降させるための支持杆昇降駆動用カムと
   、このカムに従動する従動レバーと、この従動レバーに
   連結部により連結され、該従動レバーの移動が伝達され
   て移動されることにより前記支持杆を上下移動させる揺
   動レバーと、前記連結部から離間した揺動レバーの所定
   部位に形成された支持部と、この支持部に接触し、前記
   連結部を介して移動される揺動レバーの支持部の移動経
   路を定めて案内する接触案内部材と、前記支持杆が前記
   受取位置から包装位置へ下降移動される際の接触案内部
   材の支持部に対する移動経路を重積硬貨の高さに応じて
   調整し、前記支持杆の包装位置が重積硬貨の高さに応じ
   て変更される調整手段とを有してなり、重積硬貨の高さ
   にか・わらず重積硬貨の高さ方向中心を包装紙の巾方向
   中心にほは゛一致せしめるようにしたことを特徴とする
   硬貨包装機の重積硬貨支持装置。