JPS5854682Y2 - 振動検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、たとえば水晶、電気石、ロシエル塩、リン
酸カルシューム、チタン酸バリウム等の誘電体の結晶片
（圧力や張力などを加えて機械的なひずみを与えたとき
に、このひずみに比例した電荷を発生する性質がある）
からなる圧電素子等の圧力変換素子を用いた振動検出装
置に関するものである。

従来のこの種振動検出装置は、第１図に示すように、ケ
ース１内の底部に収納したベース２上に、圧電素子ある
いは動電型コイル等の圧力変換素子３、電極板４、絶縁
板５、および重錘６を順次重積したあと、ケース１の上
部開口をキャップ７により閉塞するようになされている
。

８はリード線９により上記電極板４に電気的に接続され
、外部に信号を取り出すためのコネクタである。

従来のこの種振動検出装置は、上記のように構成されて
おり、これを使用する場合には、上記ケース１を被測定
物の所定位置に取付けると、いま、たとえば上下方向に
加速度αで振動する被測定物を測定する場合を仮定する
と、重錘６と、絶縁板５と、電極板４の合計質量をｍと
したとき、圧力変換素子３にはｍαなる力が加えられ、
この力に比例した電荷、すなわち信号が電極板４、リー
ド線９およびコネクタ８を介して外部に取り出されるわ
けである。

しかしながら、上述したような従来の振動検出装置にお
いては、圧力変換素子３自体に多少の弾性を有するため
、重錘６が第２図に示すような固有振動数ｆｎで共振し
、コネクタ８から取り出される出力信号は第２図に実線
で示すような特性となる。

しかして、一般にこの種振動検出装置の実際の使用範囲
は、上記固有振動数ｆｎに対して、第２図に示すように
共振特性の影響の少ないたとえば０．２ｆｎ未満に限定
されている。

この使用範囲においては、測定加速度に対しては、出力
信号は一様な大きさとなるが、上記固有振動数ｆｎ付近
と比較したときには、出力信号はきわめて感度が悪い状
態で使用することになり、微少な振動の検出時にはＳ／
Ｎ比が悪くなり、振動測定が困難になったり、あるいは
高価な高感度の圧力変換素子３を使用しなけれは゛なら
ない欠点か゛ある。

この考案は、かかる点に着目してなされたもので、特定
した比較的低い周波数の振動のみを高感度に検出するこ
とができる小形で安価な振動検出装置を提供しようとす
るものである。

すなわち、第３図はこの考案の一実施例を示すものであ
るが、上述した従来のもの（第１図）と同一符号は同−
構成部材につきその説明を省略する。

１０は上記絶縁板５に重積された保護板１１と、重錘６
との間に介装された所定圧力のコイルばねからなる弾性
体、１２は上記重錘６とキャップ７との間に介装された
軟質ゴム、または軟質合成樹脂等からなる振動減衰体で
ある。

この考案の振動検出装置は上記のように構成されている
ので、いまこれを上下方向に振動する被測定物に取付け
ると、重錘６が振動することによって保護板１１．絶縁
板５、および電極板４を介して圧力変換素子３に加えら
れ、コネクタ８には、被測定物の振動に比例した電荷、
すなわち信号が送出される。

上述した従来の振動測定装置においては、その構造上、
圧力変換素子３の剛性が高いため、振動検出器の振動系
の固有振動数が、たとえば数ＫＨｚ以上に及ぶのに対し
、この考案の振動測定装置においては、弾性体１０の剛
性がきわめて小さいため、固有振動数を、たとえば数１
０止程度に設定することができ、振動の感度特性は第２
図に示すものと同等になり、固有振動数前後における感
度が著しく向上するものである。

これを云い変えると、固有振動数を除く周波数域で、振
動検出器の感度が低下するのは、固有振動数を中心周波
数とするバンドパスフィルタを通過させた場合と同じこ
とになるからといえる。

この考案は、上述したように、重錘６と、圧力変換素子
３との間に、弾性体１０を介装するきわめて簡単な構成
によって、他の周波数成分を除去し、特定した比較的低
い周波数の振動のみを高感度で検出することができ、安
価で小型の振動検出装置が得られる優れた効果を有する
ものである。

なお、第４図および第５図は、この考案の他の実施例を
示すもので、これは弾性体１０として第５図に示すよう
な多数の円弧状のスリブ）１０ａを有する板ばねを用い
るようにしたもので、この板ばねの中心部を支持する突
子１１ａ、および板ばねを偏位させるための空間６ａは
、第４図においては、保護板１１と重錘６とにそれぞれ
設けたものについて記載しているが、この逆であっても
よい。

この他の実施例は、弾性体１０として板ばねを用いたも
ので、その作用効果は上述した一実施例のコイルは゛ね
を用いたものと同一で゛あるは゛がりで゛なく、この板
ばねを用いると、弾性体１０としての高さ寸法が著しく
小さくなるため装置として小形化に貢献し、しかもこの
板ばわは水平方向の剛性が高いため、重錘６がより上下
方向に振動し易くなり、上下方向の振動感度に敏感にな
る効果を有している。

この考案の弾性体１０（コイルばねおよび板ばね）は重
錘６とキャップ７との間にも介装するようにすれば上下
方向の感度が一層向上することはいうまでもない。

さらに、この発明は、単に被測定物の振動検出だけでな
く、自動車等の衝突時における搭乗車保護用の衝撃検出
装置として用いることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の振動検出装置を示す縦断面図、第２図は
重錘の固有振動の特性図、第３図はこの考案の一実施例
を示す縦断面図、第４図および第５図はこの考案の他の
実施例を示すもので、第４図は縦断面図、第５図は板ば
ねの正面図である。 図面中、１はケース、３は圧力変換素子、４は電極板、
５は絶縁板、６は重錘、１０は弾性体、１１は保護板で
ある。 なお図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）被測定物に取付けられると共に装置の外箱を形成
   するケースと、このケースの内部に固定されて機械的ひ
   ずみを電気信号に変換する圧力変換素子と、被測定物の
   振動にもとづいて上記圧力変換素子に機械的ひずみを与
   える重錘とを備えた振動検出装置において、上記圧力変
   換素子と上記重錘との間にばねを介装したことを特徴と
   する振動検出装置。
2. （２）圧力変換素子として圧電素子を用いたことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の振動検出装
   置。
3. （３）圧力変換素子として動電型コイルを用いたことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の振動検
   出装置。
4. （４）ばねとしてコイルばねを用いたことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の振動検出装置。
5. （５）ばねとして板ばねを用いたことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の振動検出装置。
6. （６）圧力変換素子として絶縁板を重合させた電極板と
   、上記ばねが係合する保護板を重合させたものを用いた
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   振動検出装置。