JPS6023730Y2 - 加速度検出器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は圧電材料を利用した加速度検出器の構造に関
するものである。

まず、この種の加速度検出器の従来構造を第１図につい
て説明する。

第１図において、１は振動加速度を発生する、例えばエ
ンジン等の被測定物に固定するためのネジ１ａを有する
ベース、２は加速度による力を電気信号に変換するため
のチタン酸ジルコン酸鉛等で作られる圧電素子、３は圧
電素子２から電気出力を取り出すあめのターミナル、４
はターミナル３に接続きれベース１を貫通して外部へ引
き出され電気出力を検出器外部へ取り出すためのリード
ワイヤで、この貫通部はシール部材で密封されている。

５は絶縁チューブ、６は加速度を出力に変換するための
重重、７は上記圧電素子２・ターミナル３・重錘６を互
いに重ね合せてベース１に固定するためのネジ、９は加
速度を電気出力に変換する部分を保護するためのカバー
、１０はベース１とカバー９により構成された気密室で
ある。

この様に構成された従来装置において、被測定物の振動
加速度を受けるベースと、慣性をもっ重錘６との間に挟
持された圧電素子２は加速度に対応した力を受けて電気
出力を発生する。

こ）で、この圧電素子２はそのインピーダンスが非常に
高いため、絶縁抵抗が落ちると出力電圧が抵下し、検出
器の性能に悪影響を及ぼすことから、これが収納される
室１０は防湿構造がとられている。

即ち、従来装置においては、加速度−電気変換部、つま
り、圧電素子２・ターミナル３・重錘６をネジ７で締付
けた個所全体をベース１とカバー９で密封し、電気出力
を外部に取り出すためのリードワイヤ４とベース１の間
隙も樹脂等のシール部材でふさぎ、圧電素子を取り付け
ている部分を外部から遮蔽し水分の侵入を断ち防湿構造
としていた。

ところが、この従来装置においては、本型使用時の振動
によりベース１とカバー９の嵌合部の気密性が悪くなっ
たり、温度変化による気密室１０と外部との圧力差によ
りベース１とリードワイヤ４とのシール部から漏れが発
生したりすることが多く、そのために外部の湿気を吸収
腰防湿機能に問題が生じることが多々あった。

この考案は上記実状に鑑みてなされたものであって、加
速度−電気変換部全面を半固体絶縁材料（例えばエポキ
シゲル）で覆い、外部と遮蔽した防湿構造とすることに
より上記問題点を改良しようとするものである。

以下、第２図に示すこの考案の一実施例について説明す
る。

即ち、同図において、１ｂはベース１に一体に形成され
た収納部、８は加速度−電気変換部全面を覆うようにベ
ース１の収納部１ｂ内に封入された半固体樹脂（例えば
エポキシゲル）であり、常態ではゴム状の弾性を有して
いる。

本加速度検出器を用いて加速度を測定する場合、まず、
ベース１のネジ１ａを加速度を発生する被測定物に締付
け、ベース１を被測定物と同じモードで振動させる。

ベース１には十極をターミナル３側に対向させた圧電素
子２・加速度を力に変換し圧電素子２に歪を与える重錘
６・ネジ７とターミナル３とを絶縁する絶縁チューブ５
及びターミナル３がネジ７で締付は固定されている。

この重錘６・圧電素子２・ターミナル３・絶縁チューブ
５をウェイトとしたバネ系の共振周波数以下での振動数
では、加速度に比例した力が圧電素子２に加えられ、圧
電素子２の十極には歪に比例した電圧を発生する。

この発生電圧をターミナル３からリードワイヤ４を介し
て外部へ取り出し、この出力電圧の大小で加速度を測定
する。

圧電素子２はチタン酸バリウム・チタン酸ジルコン酸鉛
等セラミック系のものが多く使用され、これらはインピ
ーダンスが高く絶縁性が性能を大きく左右する。

したがって、本検出器の性能を安定させるために収納部
１ｂに半固体樹脂８を封入し、圧電素子２に対する外部
空気中の水分を断っている。

半固体樹脂８は、例えばエポキシゲル・シリコンゲル等
が使用され、半固体という意味は、完全な固体のような
硬いものではなく、ゴム状で弾性を有するものというこ
とである。

完全固体になる材料を封入すると重錘の振動が阻害され
、圧電素子２に与えられる歪がわずかしか発生せず、変
換効率が落ち、さらに出力電圧の周波数特性も安定しな
いが、本検出器の如く半固体樹脂によれば検出性能が低
下することなく、しかも耐水性を向上できるものである
。

以上のようにこの考案は圧電材料を用いた加速度検出器
において、少なくとも重錘の一部を含み、かつ圧電素子
の露出部全面を覆うように、常態で弾性を呈する半固体
絶縁材料で覆い、防湿構造としているので、重錘の振動
が阻害されることなく検出性能の低下を防止でき、しか
も防湿機能が完全で信頼性の高い加速度検出器を得るこ
とができる。

また、電気信号を取り出すためのリードワイヤの引出し
部のシールも上記半固体絶縁材で同時に行ない得るのて
構成組立が極めて簡素化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示す断面図、第２図はこの考案の一
実施例を示す断面図である。 図において、１はベース、１ａはネジ、１ｂは収納部、
２は圧電素子、３はターミナル、４はリードワイヤ、５
は絶縁チューブ、６は重錘、７はネジ、８は半固体樹脂
、９はカバー、１０は気密室である。 なお、各図中同一符号は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧電素子を、ベース部材と加速度を力に変換して上記圧
   電素子へ与える重錘との間に配設し、上記圧電素子から
   取り出された電気出力によって加速度を検出するものに
   おいて、上記ベース部材に上記圧電素子及び重錘を収納
   部を形成するとともに、上記収納部内に少なくとも重錘
   の一部を含み、かつ上記圧電素子の露出部全面を覆うよ
   うに、常態で弾性を呈し上記重錘の貫性作用による上記
   圧電素子への圧力印加を妨げないような絶縁材料を充填
   したことを特徴とする加速度検出器。