JPS585327Y2 - 蓄電池 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は蓄電池、ことに鉛蓄電池における防爆構造の改
良に関し、電槽蓋に注液口を兼ねた排気筒を設け、この
排気筒の開口端部にガス透過性フィルターを当接させて
、このフィルターを、排気筒の外周に嵌合しかつ上端部
に内側へ延出したリング状鍔部を有したゴム筒により排
気筒に取付けることで構造が簡単で防爆機能をもち、使
用中にフィルターの目づまりに起因した爆発を防止でき
る蓄電池を提供するものである。

従来の蓄電池、ことに鉛蓄電池における防爆構造には、
液口栓の排気部にガス透過性フィルターを取付けたもの
や、電槽蓋に注液部と排気部とをそれぞれ設け、注液部
にめくら栓をする一方、排気部にガス透過性フィルター
を取付けたものなどがあった。

この場合、前者は構造が簡単な反面、使用中にフィルタ
ーが泥やほこりで目づまりを生じると排気が損なわれて
蓄電池が爆発する危険性があるという欠点があり、後者
の場合もフィルターの目づまりに起因した爆発の危険性
があるとともに、注液部と排気部を別個に設けるため、
構造的に複雑化するという問題があった。

本考案は、このような従来の欠点を解決した防爆構造を
もつ蓄電池を提供するものであり、以下その実施例を説
明する。

第１図において１は電槽蓋で、１セル当り１個づつの凹
陥部２が設けられており、凹陥部の中央底部にはセル室
内に通じる注液口兼排気筒３が上方に起立して蓋１の上
面よりは低く設けられている。

４は排気筒３の開口端部にこれを閉塞するように当接さ
れたガス透過性フィルターで、ポリエチレンまたはポリ
プロピレンの溶結体、あるいはセラミックよりなり、電
解液霧がガスとともに外部へ逸散するのを防止している
。

５はフィルター４を排気筒３に固定するためのゴム筒で
、排気筒３の外周に圧着嵌合して気密を保つとともに、
上端部には内側へ延出してフィルターの上面周縁に圧接
するリング状鍔部６を有している。

第２図はこのゴム筒５によりフィルター４が排気筒３の
開口端部に取付けられた状態を示し、ゴム筒の上端面は
電槽蓋１のそれと同一面をなし、電槽蓋上面全体が平坦
な、いわゆるトップフラット構造をなし、取扱いや搬送
を容易なものとしている。

７は排気筒３の下端に連設された液面指示筒８は電解液
である。

この構造において、使用時にガスが発生するとこれは、
第２図の矢印で示す如く、排気筒３の内部を通り、フィ
ルター４を通過して外部へ放出される。

又ガス発生により電解液が減少して補液を必要とする場
合には、第３図の如くゴム筒５およびフィルター４を取
外して排気筒３を開放すればよい。

この際のゴム筒５、フィルターの取外しは、これらが伺
ら接着や溶着されたものではなく、ゴム筒の弾力で排気
筒３に取付けられているため極めて容易に行える。

又、使用につれてフィン・ターが泥、はこり等で万−目
づまりを起した場合には、セル室内のガス圧力が、ゴム
筒５に作用しゴム筒５を一部排気筒３より離間させてそ
の部分から外部へ逃げるため、フィルターの機能が低下
、劣化した場合の防爆も十分になすことができるもので
ある。

このように、本考案の蓄電池は簡単な構造で防爆の信頼
性が高い構造を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における蓄電池の防爆構造を示
す部分分解斜複図、第２図は同要部断面図、第３図は補
液時の断面図である。 １・−・・・電槽蓋、２・・・・・・凹陥部、３・・・
・・・排気筒、４・・・・・・ガス透過性フィルター、
５・・・・・・ゴム筒、６・・・・・・リング状鍔部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）電槽蓋に注液口を兼ねた排気筒を設け、この排気
   筒の開口端部にガス透過性フィルターを当接させて、前
   記排気筒外周に嵌合しかつ上端部に内側へ延出したリン
   グ状鍔部を有したゴム筒により前記フィルターを排気筒
   に取付けてなる蓄電池。
2. （２）排気筒が、電槽蓋に設けた凹陥部内に形成されて
   いるとともに、ゴム筒の上端面が前記電槽蓋上面と同一
   面にある実用新案登録請求の範囲第（１）項記載の蓄電
   池。