JPS5852810Y2

JPS5852810Y2 - 電線の絶縁被覆剥離用工具

Info

Publication number: JPS5852810Y2
Application number: JP1979140086U
Authority: JP
Inventors: 茂生山崎; 勝彦中村
Original assignee: 株式会社松阪鉄工所
Priority date: 1979-10-09
Filing date: 1979-10-09
Publication date: 1983-12-01
Also published as: JPS5657617U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は表面がゴム、塩化ビニルのような絶縁材料で被
覆された電線より絶縁被覆を剥離する電線の絶縁被覆剥
離用工具に関するものである。

この種の絶縁被覆切断用工具としては先端側に顎部を連
設した一対の把手を顎部の基部付近でＸ字状に重合して
枢着させ、両顎部に切断刃を対向して取付けて開閉自在
としたものが普通とされていて、絶縁被覆の剥離を要す
る電線を両切断方間に挿入して把手を握りしめ、切断刃
を所定の深さだけ絶縁被覆に切り込ませたのち工具本体
を電線の軸線方向に引いて移動させることにより両切断
刃をもって電線の心線に沿って絶縁被覆の剥離を行って
いるが、この場合、電線の心線を傷つけたり切断したり
しないように工具本体を注意しながら移動させねばなら
ぬので、スイッチボックス内その他の狭い場所では作業
が極めて困難であり、また、両切断刃は平形被覆電線と
単線を同じ刃部によって切截するようになっているため
、剥離作業に細かい神経を集中させねば適確な絶縁被覆
の剥離を行い難いという欠点がある。

本考案は以上のような欠点のない電線の絶縁被覆剥離用
工具を目的として完成されたもので、以下、図示の実施
例について詳細に説明する。

１は先端に下顎２を連設した一方の把手で、該下顎２に
設けた下方の保持部３゛は第５図に示すように下顎２の
表面より突出されて把手１０片面１′および後記の把手
の片面ぎから外側へ張出させて設けられ、このような保
持部３の上面ぎには切断刃の一方をなす下刃４および複
数個のガイド５の基部が該保持部３に形成される溝６に
固定保持されて取付けられ、従って、下刃４釦よびガイ
ド５も把手１，９の軸線すなわち片面１’、９’より外
側へ位置されている。

また、前記下刃４の一側は単線の絶縁被覆切断用として
１個または複数個の円弧状の刃部７とされるとともに他
側は平形ビニルシースケーブルのような平形被覆電線の
被覆切断用として一段と引込んだ溝形の刃部８とされて
トリ、ガイド５はこのような刃部７，８の両端部トよび
境界部に位置して下刃４に添わせて取付けられている。

また、把手１の下顎２の基部には断面Ｕ字状で前面側を
片面ぎとする下方の把手９の先端部が軸１０により枢支
され、該軸１０には一端を把手１の先端内部に形成され
る段部１１に当接されるとともに他端を把手９の内壁面
に当接された把手９復帰用のばね１３が設けられている
。

１４は上方の把手１の略中間部に該把手１の略長手方向
１に貫通して形成される案内孔で、該案内孔１４内には
案内部材１５を挿通して該案内部材１５の略中間部を把
手１に固定されるボルト１６をもって該把手１に枢支し
てあり、この案内部材１５は先端に把手１の下方の保持
部３と同方向に突出されて把手１，９の軸線すなわち片
面１’、９’より外側へ位置される上方の保持部１７が
連設され、該保持部１７の下面１７′は下方の保持部３
の上面３′と対向して両者をもって把手１，９の開度を
小さくしたとき電線を咬持する電線保持機構を構成する
とともに一側に下面１７′より若干突出された停止部材
１８が設けてあり、該停止部材１８は把手１゜９を握り
しめて案内部材１５を後記の連桿２１を介してボルト１
６を中心に反時計方向に枢動させた場合の枢動位置を規
定するもので、案内部材１５が所定の枢動位置に達した
ら停止部材１８の先端が保持部３の上面３′に当接して
前記枢動を停止させるようになっている。

また、保持部１Ｔの下面１７′には絶縁被覆剥離操作の
際に前記の各ガイド５の先端を受入れ可能とする凹部１
９が対応して形成され、さらに、案内部材１５の後部に
は長孔２０が透設されている。

２１は下方の把手９の先方部に設けた軸２２に下端を枢
支させるとともに先端を前記長孔２０に遊挿させたピン
２３に枢支させた連桿で、これにより案内部材１５は連
桿２１により把手９と枢動自在に連結された構成とされ
、との連桿２１には軸２２に設けられて一端を把手９の
内壁面に当接させたばね２４の他端が当接させてあり、
軸２２を中心とする反時計方向の弾発力が作用しており
、把手１，９の握りしめを解除した場合に前記ばね１３
と共に把手９０時計方向に枢動下降させるとともに連桿
２１を反時計方向に枢動させてその先端を第１図に示す
ように長孔２０の左側へ復帰させるようになっており、
２６は切断刃のうちの上刃の測定部２７を、先端に連設
した上刃保持部材で前記案内部材１５と並列状に案内孔
１４内に挿通され、この上刃保持部材２６には略中間部
に長孔２８が透設されて前記ボ、ルト１６が遊挿されて
いるとともに後部には孔２９が透設されて前記ピン２３
が遊挿され、従って、上刃保持部材２６も把手１に枢支
されるとともに後部を連桿２１により把手９と枢動自在
に連結された構成とされ、また、前記固定部２７は前記
保持部１７の後部側に位置されるとともに該保持部１７
と同方向に突出されて把手１，９０片面１’、９’より
外側へ位置され、このような固定部２７の先端面２７′
には下刃４に対向して切断刃の他方をなす上刃３０が取
付けられていて、下刃４と同様に把手１，９の軸線すな
わち片面１’、ｃＪより外側へ位置され、該上刃３０は
一方を刃部７に対応する同数の円弧状の刃部３１とされ
るとともに他方を刃部８に対応する溝形の刃部３２とさ
れている。

３３は下刃４により切断された側の絶縁被覆に当接され
て上刃３０と共に平行移動することにより該絶縁被覆の
剥離を助成する剥離部材で、その先端には剥離部３４が
連設されるとともに後部に長孔３５が透設されていて案
内孔１４内にある案内部材１５と上刃保持部材２６間に
挿通され、また、この剥離部材３３は略中間部に長孔３
６が透設されてボルト１６が遊挿されていて、前記上刃
保持部材２６と同様に把手１に枢支されているとともに
長孔３５にピン２３が遊挿されて後部が連桿２１により
把手９の先方部と枢動自在に連結された構成とされ、か
つ、前記剥離部３４は第５図に示すように保持部３と同
方向に突出されて把手１，９の片面ｉ’、ｓ’より外側
へ位置されるとともに下刃４の後部側に位置され、剥離
操作の開始時には剥離部３４の先端は下刃４後部に接し
た状態とされ、このような剥離部３４には必要に応じ剥
離刃３７が下刃４と同様に把手１，９の片面１’、ｃｌ
の外側に位置して取付けられ、かつ、剥離刃３７の刃面
は下刃４と同方向でその刃部７゜８と対応する形状とさ
れて電線の絶縁被覆に切り込み可能とされている。

このように構成されたものは、第１図に示すように把手
９を開いた状態として絶縁被覆の剥離を必要とする電線
、例えば平形被覆電線をその軸線方向を把手１の長手方
向としてガイド５，５の案内の下に前方側より挿通する
か、あるいは側方よリガイド５，５間に導入して絶縁被
覆の剥離を開始すべき位置を下刃４の刃部８上に位置さ
せたのち把手１，９を握りしめると、下方の把手９はば
ね１３の弾発力に抗して軸１０を中心として反時計方向
に枢動上昇し、これにより把手９の軸２２に枢支されて
いる連桿２１もばね２４による反時針方向の弾発力の作
用下に上昇移動してその先端のピン２３により案内部材
１５の後部を押し上げ、従って、案内部材１５はボルト
１６を中心に反時計方向に枢動して上方の保持部１７は
把手１の下方の保持部３側へ向って下降し被覆電線を上
下の保持部３，１７でもって保持することとなる。

また、前記の連桿２１の運動により同時に上刃保持部材
２６もその後部をピン２３により押し上げられ、ボルト
１６を中心に反時計方向に枢動して先端の上刃の固定部
２７の上刃３０は下方の保持部３０下刃４へ向って下降
するが、一方、剥離部材３３はその後部の長孔３５が連
桿２１の前記運動によるピン２３の移動方向と同方向と
されていて、連桿２１により移動されるピン２３は該長
孔３５に沿って逃げて剥離部材３３は枢動を生ずること
なくそのま１とされ、剥離部３４は下方の保持部３に接
して剥離刃３７が下刃４に隣接した状態に保持されてい
る。

このような把手９の枢動上昇により、上刃３０は下刃４
上に位置された平形被覆電線に上方より圧着されて各ガ
イド５の先端は凹部１９へ進入し、下刃４および上刃３
０のそれぞれの刃部８，３２が平形被覆電線の筒体状の
絶縁被覆に切り込み、同時に下刃４の下部に隣接して位
置される剥離刃３７も前記被覆に切り込み、これらの切
り込みが所定の深さとなると第２図に示すように案内部
材１５の停止部材１８先端が把手１の下方の保持部３の
上面３′へ当接されて前記の案内部材１５釦よび上刃保
持部材２６の枢動が停止され、この状態で案内部材１５
の長孔２０、上刃保持部材２６の長孔２８お・よび剥離
部材３３の長孔３６は把手１の長手方向側にすべて平行
とされる。

続いてさらに把手９を枢動上昇させると該把手９の軸２
２により連桿２１の下端も同様に上昇されるが、連桿２
１の先端はピン２３を介して停止状態とされた案内部材
１５の長孔２０に係合されているため、該ピン２３は連
桿２１の下端の上昇により長孔２０に沿って右方向へ移
動し、従って、連桿２１は軸２２を中心としてばね２４
の弾発力に抗して時計方向に枢動することとなり、この
ピン２３の移動により後部を該ピン２３に枢支されてい
る上刃保持部材２６は中間部の長孔２８に遊挿されたボ
ルト１６の案内の下に右側へ移動し、同時にピン２３が
長孔３５に遊挿されている剥離部材３３も中間部の長孔
３６に遊挿されたボルト１６０案内により前記上刃保持
部材２６と共に平行に右側へ移動し、このような移動に
より絶縁被覆に切り込１れた上刃３０と剥離刃３７も右
側、すなわち、把手１の長手方向側とされる平形被覆電
線の軸線に沿って右側へ同時に互に平行に移動して第３
図の状態となるが、平形被覆電線は把手１，９の開度を
小さくしたとき電線を咬持する電線保持機構としての保
持部３，１７と下刃４により移動を阻止されているため
、電線の絶縁被覆を切載して基部に引き出す切断刃とし
ての上刃３０および剥離刃３７の移動により絶縁被覆は
その切口からそれぞれ剥離される。

次いで、把手１，９の握りしめを解除すると前記の逆作
動が行われて、まず、把手９がばね１３，２４により時
計方向に枢動下降されるとともに連桿２１もばね２４に
より反時計方向に枢動して復帰され、これにより上刃保
持部材２６および上刃３０と剥離部材３３および剥離刃
３７は同時に平行に左側へ移動して第２図に示す状態に
復帰し、さらに、把手９が枢動下降されることにより連
桿２１が下降されて案内されて案内部材１５および上刃
保持部材２６は時計方向に枢動して第１図の状態に復帰
し、剥離処理された平形被覆電線が解放されて剥離作業
が完了する。

また、単線の絶縁被覆の剥離を行う場合は切断刃の一方
をなす下刃４に前記溝形の刃部８とともに形成されてい
る円弧状の刃部７上に単線を前記同様にガイド５の案内
下に位置させて把手１，９を握りしめることにより、前
記刃部７と切断刃の他方をなす上刃３０に前記溝形の刃
部３０とともに形成されている刃部３１むよび剥離刃３
７の該単線の絶縁被覆への切り込みおよび単線の心線に
沿っての移動が行われて絶縁被覆の剥離が行われる。

以上の説明によって明らかなように、本考案によれば、
絶縁被覆を剥離すべき電線を下顎の保持部上に位置させ
て把手を握りしめるのみで電線の軸線方向に沿っての絶
縁被覆の剥離が行われるので、極めて能率がよいうえに
狭い場所での絶縁被覆の剥離作業が可能とされ、また、
切断刃に平形被覆電線用の溝形の刃部と単線用の円弧状
の刃部とが一連に形成されているから、平形被覆電線の
シースと心線の各絶縁被覆をそれぞれに最適な形状の刃
部をもって切截でき、絶縁被覆の皮むき作業時に心線な
どを傷付けるおそれがない等積々の利点を有するもので
、在来の電線の絶縁被覆剥離用工具の欠点を除いたもの
として実用的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は一部切欠
正面図、第２図は上刃を下降させた状態において示す一
部切欠正面図、第３図は上刃および剥離刃を移動させた
状態において示す一部切欠正面図、第４図は同じく側面
図、第５図は要部の一部切欠斜視図である。１・・・把手、２・・・下顎、３・・・下方の保持部、
４・・・下刃、５・・・ガイド、７・・・円弧状の刃部
、８・・・溝形の刃部、９・・・把手、１０・・・軸、
１５・・・案内部材、１７・・・上方の保持部、３０・
・・上刃、３１・・・円弧状の刃部、３２・・・溝形の
刃部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

上面３′に固定の下刃４を設げた下顎２を先端に設けた
一方の把手１の中間部に他方の把手９を軸１０により枢
着した工具本体の先方部に両把手１゜９の開度を小さく
したとき電線を咬持する電線保持機構と該電線の絶縁被
覆を切截して基部に引き出す移動自在な上刃３０を設け
、前記下刃４と上刃３０をもってした切断刃には平形被
覆電線用の溝形の刃部と単線用の円弧状の刃部を形成す
るとともに前記各刃部に電線を案内するガイド５を該切
断刃に添わせて設けたことを特徴とする電線の絶縁被覆
剥離用工具。