JPS5852502Y2 - 高耐熱性熱電対 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高耐熱性熱電対の構成に関し、特に鉄鋼用均熱
炉等極高温度な雰囲気中で、鋼塊等の被加熱物の温度を
容易に測定できるように構成すると共にこれらのｌ１ｌ
ｆｆｌ装置を安価に提供できるようにしたものである。

従来工業炉等の高温雰囲気中で被加熱物の温度を測定す
る手段としては、光高温計、放射温度計等の非接触式の
温度計が利用されている。

しかしながらこのような非接触式の温度計では、被加熱
物の表面温度しか測定できず、内部温度は測定できない
。

特に鋼塊、スラブの表面にはスケールが発生するため前
記した非接触式の温度計でばＩｆｆ誤差が大きくなる欠
点がある。

最近になって、省エネルギー、品質管理面から前記鋼塊
、スラブ等の昇温特性を調査して昇温パターンや燃焼法
の検討ならひにこれらの技術開発が進められるに至って
、被加熱物の温度はその表面温度のみならず内部温度も
測定することが必要になった。

一方内部温度を測定するためには、熱電対のような接触
式の温度計を使わざるを得ないが、特に前記鉄鋼用均熱
炉のように鋼塊温度が１３００℃、炉内雰囲気温度が１
５００℃以上にもなる場合においては、一般に利用され
るような熱電対では劣化が激しく短時間で断線するから
１ヒートサイクルを通して温度測定は到底不可能であっ
た。

そのため熱電対を構成するシース材料を白金ロジウムで
形成したり、或は熱電対を通した鉄パイプを窒素冷却し
て鋼塊に接触させてその内部温度を測定する手段が開発
されているが、前者は極めて高価であう、また後者は構
造が複雑となって測定が煩雑である。

従って一般に使用されるシース熱電対を、前記したよう
な高温雰囲気中でも十分利用し得るような対策が望１れ
る。

本考案はこれらに着目してなされたもので、通常使用さ
れているシース熱電対のシース外周に特別な被覆層を形
成することによって、前記均熱炉のような超高温の雰囲
気中で被加熱物に接触させてその内部温度を簡単に測定
でき、しかも安価に測定できるような高耐熱性熱電対を
提供しようとするものである。

しかしてこのような本考案とは、シースの外周に多数の
碍子筒を順次並べて被装した保護筒と、該保護層の外周
に更に耐熱性繊維材で形成した保護外層を設けて構成し
たもので、熱電対の劣化現象は主としてシースの酸化作
用に起因するものであり、劣化を防止するためには熱電
対シースを超高温の酸素雰囲気から隔離することが肝要
であるとの発想から、これらの材料ならびにその構成に
ついて種々検討の結果到達したものである。

以下図面に基づいて本考案を詳細に説明するが図は本考
案の具体的な実施の一例を示すもので、本考案は図示例
に限定されず前記訃よび後述する記載Ｑ趣旨に徴して構
成材料訃よび層厚を変更することができる。

また実用新案登録請求の範囲に記載した実施態様も本考
案を限定するものではない。

第１図は本考案を適用する熱電対の一部を示す説明図、
第２図は第１図の接断線■−■に沿う矢印方向断面図、
第３図は本考案を適用した断面図、第４図は本考案の構
成を示す説明、１図である。

これらの図において１は熱電対を示し、細長いシース２
の先端に測湿接点＠（プラグ部分）３が着脱可能に取っ
付けられる。

そして該プラグ部分３は石英保護管等で形成され、内部
に熱電対を収納する。

またシース２としては鋼管またはステンレス管が利用さ
れ、適当に湾曲されたもの、或は可撓性が与えられたも
のもあう、これらの管外周には黒鉛管を被覆して劣化の
防止を計ったもの或はカーボン管を被挿したものも提案
されている。

しかしながらこれらの被覆はシースの可撓性を阻害し、
被加熱物に接触させるのに困難である。

特に図示するように熱電対１は炉壁５に設けられた挿入
口６から挿入されて加熱物に接触するものであるから、
湾曲できることが必要である。

そして熱電対１の断面は第２図に示すように熱電対素線
４゜４が絶縁的に収納される。

７は絶縁材で無機絶縁材としてＭｇＯを示し、シース２
内に充填されて可撓性を保持するように構成される。

このような従来の熱電対にあっては前記したように劣化
が激しく短時間でこれらの素線４が断線する欠点がある
。

よって本考案は第３図に示すように、従前の熱電対を構
成するシース２の外周に」の保護層を形成するものであ
る。

即ちシース２の外周に緩く嵌挿されるような碍子伯８で
形成する保護層と、耐熱繊維材９で形成する保護外層で
溝底するものである。

そして保護層を形成する碍子伯８は磁器又はガラス等の
直管で形成され、５〜１Ｏｃｒｎの長さのものをシース
２の外周に多数嵌挿し、その隣設接合面８’、 ８’は
積極的に圧接されない状態で極く僅かの隙間を残すよう
に挿設する。

（第４図）即ちシース２が湾曲されるときこれを阻害し
ないよう、碍子筒８が移動変位し得るように挿設される
ものである。

また保護外層を構成する耐熱性繊維材９としてはセラミ
ック・ファイバーを使用臥特にカオウール（商品名：イ
ソライト工業株式会社製）が好適であった。

そしてこれらの耐熱繊維層は、マット状に形成したもの
を巻き付けたり、或は繊条束を巻き付けて形成し、これ
らの繊維層を乱さないようにするためその外周には螺旋
状の結束線１０を配置することが推奨される。

筐た結束線１０としてはニクロム細線を利用する。

そしてこれらの繊維層は均一な厚さで巻装されることが
必要であると共に、前記したシース２の湾曲によって碍
子筒８の隣接同土間に生ず別液間を高温雰囲気から保護
するために相当の厚さが必要である。

本考案者等はこの繊維層の厚さが熱電対の連続使用にど
のように影警するか実験した。

即ちブタン焚トよびＣＯＧ焚（コークス炉ガス）均熱炉
において、炉温度を１８００℃とした場合にかける鋼塊
の昇温特性を測定した結果を第１表に示す。

なお使用したシース熱電対は以下の通りであり耐熱性繊
維としてはカオウールを使用した。

上記第１表のＡ３−５／Ｉ′ｉ、少なくともｌヒートサ
イクルの温度をｌ１ｆｆｌすることが可能であり、通常
のシース熱電対のみのＡＩは雰囲気温度が低い加熱期の
み、また繊維層の薄いＡ２は均熱期に入ってからそれぞ
れ断線して測定不能となった。

これらから本考案に適用する最外層繊維層の厚さは１６
ｗ以上であることが推奨される。

以上述べたように本考案は、通常匝用されたシース熱電
対のシース外周に短い筒で形成された碍子部層ネ・よび
その外周に比較的厚い層の耐熱繊維層を形成したから、 ■ 僅かの改良でも超高温雰囲気中での利用が可能にな
った。

■ シースの劣化防止はもとより、シースの折損も防止
できて熱電対を長期に利用できる。

■ 熱電対の取扱いを容易にする。

■ 安価に得ることができ測定作業も簡単にできるよう
になって品質向上に役立つ。

等の利益を享受することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用する熱電対の→０を示す説明見取
図、第２図は第１図の切断線■−■に沿う矢印方向断面
図、第３図は本考案による熱電対の断面図、第４図は本
考案の構成を示す説明見取図である。 １・・・熱電対、２・・・シース、３・・・測温接点部
、４・・・素線、５・・・炉壁、６・・・挿入口、７・
・・絶縁材、８・・・碍子筒、９・・・耐熱性繊維、１
０・・・結束線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 超高温雰囲気中に挿入し、高温物に接触してその温度を
   測定する熱電対であって、先端部に設けるプラグ部分に
   連通ずる素線若しくは補償導線を収納保護する金属シー
   スの外周に、該シースの屈曲に追従するように多数の碍
   子筒を長さ方向に順次僅かの隙間を残して並べて被装さ
   れた保護層と、更にその外周に耐熱性繊維材で形成され
   た厚さ１６ｍｍ以上の保護外層を設けると共に、該保護
   外層を耐熱細線で固定してなることを特徴とする高耐熱
   性熱電対。