JPS5852368Y2 - 燃料タンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃料水分離器と組み合わされた車両用燃料タ
ンクに関する。

燃料は水分を含んで釦り、特にインジェクションポンプ
等の精密部品を介して燃料が機関へ供給されるディーゼ
ル機関では、燃料中の水分が摺動部の摩耗や内部発錆の
原因となるので、燃料タンクから送られる燃料の水分を
除去する燃料水分離器が設けられている。

こうして燃料が燃料水分離器の金網等のメツシュ層を通
過する際に燃料中の水分が露出し、氷粒が形成され、と
の氷粒の沈殿によって水が分離されている。

常温時においてはこのような燃料水分離器は正常に機能
を発揮するが、冷寒地の低温時においては露出した水分
が氷結して金網等のメツシュ層に付着し、金網の目詰ま
りが生じたり燃料水分離器の機能低下が起きている。

本考案の目的は、燃料をメツシュ層に通過させることに
より燃料中の水分を分離させる燃料水分離器において、
低温時に氷結水分がメツシュ層に付着して機能が低下す
ることを防止することである。

次に図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図はディーゼル機関の燃料系統を示し、燃料タンク
１は所定量の燃料を貯蔵し、その内部に室２を設けられ
ている。

室２は下部に燃料タンク１の貯蔵空間５へ突出する管部
３を有するとともに、上部のオーバフロー管４を介して
燃料レベル６より上方の貯蔵空間５へ連通している。

管部３の下端には底壁が設けられている。

フューエルフィルタを兼ねる燃料水分離器８は室２内に
配置されている。

吸入管９は一端において燃料水分離器８に接続されると
ともに、管部３の内部を通って貯蔵空間５内へ延びてい
る。

ドレン管１０は上端において燃料水分離器８の下部へ接
続され、鉛直方向へ延び、燃料タンク１の外部へ達して
いる。

ドレン管１０の下端はドレンプラグ１１によってふさが
れる。

送給管１２は燃料水分離器８をインジェクションポンプ
１３へ接続する。

インジェクションポンプ１３内へ導かれた燃料はフィー
ドポンプ１４により圧送され、レギュレーティングパル
プ１５により供給圧を制御され、プランジャピストン１
６、釦よびデリバリパルプ１７を介してインジェクショ
ンノズル１８へ送られる。

リターン管２１は室２へ接続されており、ポンプ−・ウ
ジング内の冷却を行なった一部の燃料、およびインジェ
クションノズル１８により噴射されなかった余剰燃料は
リターン管２１を介して室８へ戻される。

インジェクションポンプ１３内を冷却した後の燃料は比
較的高温になっており、また、インジェクションノズル
１８およびリターン管２１は高温の機関および排気管の
近傍に配置されているので、リターン管２１を介して室
２へ戻される燃料は比較的高温に維持されている。

また、室２内の戻り燃料はオーバフロー管４を介して貯
蔵空間５へ戻される。

第２図は燃料水分離器８の詳細を示す。

燃料水分離器８は、吸入管９を接続されるインレット２
４と送給管１２を接続されるアウトレット２５とを有し
、その内部においてろ紙２６の層とガラス繊維２７の層
とを同心的に配置されている。

ガラス繊維２７の層はメツシュ層の役目をもつ。

インレット２４を介して燃料水分離器８内へ導かれた燃
料は、ろ紙２６によってじんかいを除去される。

次に燃料がガラス繊維２７０層を通過する際に、燃料中
の水分が露出して径を増大させ、こうして所定径の氷粒
２８が形成される。

氷粒２８は重力により沈殿し、燃料水分離器８の下部に
水２９の層としてた１す、ドレン管１０を介して排出さ
れる。

燃料から水分が分離された結果、含水率の少ない燃料が
送給管１２を介してインジェクションポンプ１３へ送ら
れる。

冷間地の低温時では、ガラス繊維２７の層を低温の燃料
が通過する際に露出する水が氷結するおそれがあるが、
燃料水分離器８はリターン管２１を介して室２へ戻され
る高温Ｑ燃料によって加熱され、ガラス繊維２７の層を
通過する燃料は常温に近い温度に維持されるので、露出
した水が氷結することは防止されるへあるいは形成され
た氷結粒は融解される。

燃料水分離器自体がリターン管２１からの高温燃料によ
って加熱されるほかに、この高温燃料によって満たされ
ている室２釦よび管部３内を吸入管９は長く延びている
ので、燃料は燃料水分離器を通される前に吸入管９にお
いて常温近く１で加熱され、これにより燃料力姿料水分
離器を通過する際に露出する水が氷結することは確実に
防止される。

このように本考案によれば、メツシュ層を有する燃料水
分離器が高温の余剰燃料を戻される燃料タンク内の室に
配置され、戻された余剰燃料により加熱されるので、低
温時においてもメツシュ層への氷結露出水の付着という
不具合が防止され、燃料水分離器の機能を良好に保持す
ることができる。

なお実施例では、フューエルフィルタを兼ねる燃料水分
離器８が室２内に配置され、フューエルフィルタも加熱
されるが、フューエルフィルタと燃料水分離器とが完全
に分離している燃料系統において、燃料水分離器のみを
室２内に配置することも本考案の範囲内であることはい
う昔でもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の燃料タンクを燃料系統ととも
に示す図、第２図は第１図の燃料水分離器を詳細に示す
断面図である。 １・・・・・・燃料タンク、２・・・・・・室、５・・
・・・・貯蔵空間、８・・・・・・燃料水分離器、２１
・・・・・・リターン管、２７・・・・・・ガラス繊維
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンク内に燃料の貯蔵空間へ連通してかつ該貯蔵空
   間とは別個に室が設けられ、該貯蔵空間から機関へ送ら
   れる燃料をメツシュ層に通過させることにより燃料中の
   水分を分離させる燃料水分離器が該室内に配置され、余
   剰燃料を該燃料タンクへ戻すリターン管が該室へ接続さ
   れていること１を特徴とする、燃料タンク。