JPS5851778B2 - 冶金容器用摺動閉鎖体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、冶金容器の底部に取付けられて下方へ開くハ
ウジングが、流通開口をもつ耐火穴あき板を保持する金
属保持枠と、穴あき板に対して摺動可能で同様に流通開
口をもつ耐火摺動板を保持する金属摺動体とを収容して
おり、この金属摺動体の両縦辺に設けられた摺動面が、
ハウジングの下方を閉じるハウジング蓋の摺動レール上
に移動可能に載っている、冶金容器特に鋼取鍋用摺動閉
鎖装置に関する。

公知のようにこのような摺動閉鎖装置は、冶金容器の出
湯口を開き、絞りまた閉じるのに役だつ。

この目的のため摺動板の流通開口が、この摺動板の上に
固定的に設けられた穴あき板の流通開口に対して動かさ
れる。

閉鎖装置の流入ノズルおよび流出ノズルと共に摩耗部材
とみなされるこれらの耐火摺動板および穴あき板は、特
に流通開口の付近において非常に高い熱的、化学的およ
び機械的負荷にさらされ、これらの負荷は、鋼の出湯の
場合数回の使用にしか耐えない不十分な寿命に加えて、
作動信頼性に関する困難を生ずる。

これらの欠点を除去するためにかなりの努力がなされた
。

例えば板の耐火材料を改良することに成功した。

特に鋼の溶湯に対しては、例えばアルミナを多量に含む
材料から慎重に作られた板は、熱的および化学的侵食に
特に耐えることがわかった。

これに反し機械的負荷に帰因する板の破損は、これまで
回避することができなかった。

長い間の観察により次のことがわかった。

すなわち板対（穴あき板および摺動板）を破損するよう
な機械的負荷は、出湯過程中におけるこれらの板の局部
的に異なる熱膨張によって生ずる。

なぜならば板は、流通開口の範囲において、ここに生ず
る高い温度のため、板の縁におけるよりも著しく大きく
膨張し、したがって板の両面がこの範囲で凸に湾曲しよ
うとするからである。

この不可避な膨張により、互いに接触する両方の板の摺
動面からの漏れをなくすように考慮されている穴あき板
保持枠と摺動板保持用摺動体との相互締付けがきつくな
る。

一方においては板の膨張のためまた他方においては板の
増大する相互締付けのため、板の流通開口範囲には、前
述の熱的および化学的侵食に加えて大きすぎる局部的圧
縮応力が生じ、この圧縮応力が板の寿命に不利な影響を
及ぼし、また締付は力増大のため摺動板が動かなくなり
、それによって摺動閉鎖装置の作動能力および作動信頼
性が低下する。

局部的な膨張と板の相互締付けとの関係およびその影響
は、これまで知られていなかった。

当業者の間には、作動信頼性のために絶対必要な閉鎖装
置の漏れ防止は、板の流通開口範囲において摺動体や場
合によっては穴あき板保持枠をできるだけ剛性的に、す
なわち変形しないように構成することによってしか保証
できないという、考えがあった。

ばねを介してハウジング蓋によりハウジング内の穴あき
板および摺動板へ予荷重をかけることは、摺動閉鎖装置
の部材の全般の熱膨張に対してのみ有効で、重大な影響
を及ぼすことがわかった板の局部的熱膨張については考
慮していない。

本発明により解決すべき課題は、摺動閉鎖装置の金属部
分を構造的に改良することによって、穴あき板と摺動板
からなる板対の寿命および作動信頼性を高めることにあ
る。

本発明によれば、この課題は次のようにすることによっ
て解決される。

すなわち金属摺動体が。両縦辺の端部範囲に、ハウジン
グ蓋の摺動レール上に載る摺動面を有する支持突起をも
っている。

このようドして、穴あき板を保持する金属保持枠と摺動
板を保持する金属摺動体とが充分弾性的にたわみ得るの
で、膨張により流通開口のまわりに生ずる板摺動面の湾
曲が相殺されるまで軽くたわむ板対の中心範囲に作用す
る熱膨張が吸収される。

それにより板対の間に漏れのない密閉性と摺動板の摺動
可能性を保証する相互締付けとを維持しながら、熱膨張
によって高められる板の圧縮応力を流通開口の範囲にお
いて著しく低下し、したがってこれらの板の寿命を改善
し、閉鎖装置の信頼性を高めることができる。

さらに本発明により、支持突起と摺動レールが耐摩耗性
摺動面をもっているのがよい。

本発明の実施例を以下図面によって説明する。

図面において１は冶金容器例えば鋼取鍋の底部範囲の金
属板外被を意味している。

この冶金容器は、金属環２により包囲される出湯口の耐
火部材用開口をもち、これら耐火部材のうち流入ノズル
３の一部だけが示され、この流入ノズル３を包囲する出
湯口れんがおよび容器の耐火性内張りは簡単化のため省
略されている。

金属板外被１の外面は取付は枠４をもち、この取付は枠
４にハウジング５がボルト６により取外し可能に取付け
られている。

下方へ開いたこのハウジング５内には、耐火穴あき板８
を動かないようにモルタル付けされた金属保持枠７と、
穴あき板８に対して摺動可能な耐火摺動板９および流出
ノズル１０を同様に動かないようにモルタル付けされて
これらを保持する金属摺動体１１とが収容されている。

摺動体１１は、操作棒１２に作用する駆動装置により操
作されて移動できるように、ハウジング５の下方を閉じ
るハウジング蓋１５のレール１３および１４上に支持さ
れている。

蓋１５は継手ボルト１６によりハウジング５に保持され
て、ボルト１６と共に、保持枠Ｔおよび摺動体１１を介
して穴あき板８および摺動板９を作動に適するようにハ
ウジング５内で締付けるのに役だつ。

図において摺動閉鎖装置は完全に開いた位置をとってお
り、流入ノズル３、穴あき板８、摺動板９および流出ノ
ズル１０の流通開口１７，１８゜１９および２０は一直
線上にある。

摺動レール１３および１４は板８および９の幅に相当す
る間隔で摺動体１１の移動方向に延び、ハウジング５の
縦辺内にはまっている。

これらレール１３および１４上には、摺動体１１の両縦
辺の端部範囲にそれぞれ設けられた摺動面３０を有する
支持突起２１，２１ａおよび２２．２２ａが載っている
。

それぞれの縦辺に属する突起２１゜２２と２１ａ、２２
ａとの間隔、すなわちレール１３．１４の長さ方向にお
けるこれら突起の間隔は、レール１３と１４との間隔に
ほぼ等しくされており、したがって突起２Ｌ２１ａ、２
２および２２ａは、摺動板９の流通開口１９を中心とす
る正方形の４つの頂点をそれぞれ形成している。

これによって摺動板９の流通開口１９の範囲から摺動体
１１へ膨張力が作用する際、摺動板９の弾性的なたわみ
がこの力の作用範囲で可能となる。

穴あき板８の保持枠７の縦方向における一方の端部は、
７番２３によってハウジング５に枢着され、他方の端部
は段付き面２４によりハウジング５の内面に支持されて
いる。

この保持枠７も両端部で支持されているだけなので、摺
動体１１におけるように、穴あき板８から膨張力が生ず
る際に、弾性的にたわむことができる。

摺動閉鎖装置が冷えている状態にあると、板対８および
９の研摩された摺動面２５および２６は完全に接触して
いるので、完全な密閉が保証される。

板８および９が、流通開口１８および１９のまわりを強
力に加熱されると、熱膨張のためこの個所に、平均的な
大きさの摺動閉鎖装置においては１０分の数ｍｍだけ厚
さの増大が生ずる。

したがって板８および９が互いに締付けられていない状
態では、摺動面２５および２６はもはや平らではなく、
少し凸に湾曲することになる。

この凸な摺動面が平らになるほど板全体を両面から圧縮
するような圧縮力は得られない。

その代りに板８および９を適当にたわませることによっ
て、摺動面を再び平らに戻すことができる。

板８および９を収容する金属構造部材７および１１は、
これら板８および９と同じ寸法だけたわむことができる
ので、凸に湾曲した摺動面２５および２６を再び平らに
戻すような板８，９のたわみが可能である。

さらに摺動体１１および保持枠７の対称的なたわみが生
ずるときにのみ、板８，９の湾曲の有利な修正が行なわ
れることは明らかである。

この場合にのみ、両方の板８および９は、完全に相互接
触するように、すなわちこれらの板の摺動面２５および
２６が密に接触するように戻されるだけでなく、同時に
これらの摺動面２５．２６の平面度も回復される。

これに反し摺動体１１だけがたわみ、保持枠７は全くあ
るいはわずかしかたわまない場合、あるいはこの逆の場
合、摺動面２５および２６の接触は行なわれるが、両方
の面のうち一方は少し凸になり、それに応じて他方の面
は少し凹になる。

この状態は最適ではないが、湾曲が非常にわずかである
場合には、摺動閉鎖装置は依然として完全に作動可能で
ある。

ハウジング５が互いに離れた個所２７および２Ｂにおい
てのみ取付は枠４に支えられており。

これらの個所に取付はボルト６が設けられていると有利
である。

それにより、局部加熱による金属板外被１の変形の除虫
ずることのある力および膨張に対して、摺動閉鎖装置全
体が保護される。

第４図による構成において、簡単化のため１つだけ示さ
れている摺動レール１４は、摩耗を少なくするために硬
化され、なるべく窒化されている。

硬化を可能にするため、摺動レール１４は、ボルト３１
によってハウジング蓋１５に取外し可能に取付けられて
いる。

さらに突起２２，２２ａの摺動面３０を、肉盛溶接によ
り例えば硬質炭化物なるべくあまり硬くない中間層３２
および一層硬い表面層３３で形成するのが有効である。

本発明は、特許請求の範囲に記載した特徴を有するもの
であるが、その実施態様を例示すると次の通りである。

支持突起２１，２１ａ、２２，２２ａまたは摺動レール
１３．１４が耐摩耗性摺動面をもっている０

【図面の簡単な説明】

第１図は摺動閉鎖装置の概略図、第２図は第１図のＡ−
Ａ線に沿う断面図、第３図は第２図のＢ−Ｂ線に沿う断
面図、第４図は第２図の一部を拡大して示す断面図であ
る。 ５・・・・・・ハウジング、７・・・・・・金属保持枠
、８・・・・・・耐火穴あき板、９・・・・・・耐火摺
動板、１１・・・・・・金属摺動体、１３．１４・・・
・・・摺動レール、１５・・・・・・ハウジング蓋、１
８．１９・・・・・・流通開口、２１゜２１ａ、２２，
２２ａ・・・・・・支持突起、３０・・・・・・摺動面
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冶金容器の底部に取付けられて下方へ開くハウジン
   グが、流通開口をもつ耐火穴あき板を保持する金属保持
   枠と、穴あき板に対して摺動可能で同様に流通開口をも
   つ耐火摺動板を保持する金属摺動体とを収容しており、
   この金属摺動体の両縦辺に設けられた摺動面が、ハウジ
   ングの下方を閉じるハウジング蓋の摺動レール上に移動
   可能に載っている摺動閉鎖装置において、金属摺動体１
   １が、両縦辺の端部範囲に、ハウジング蓋１５の摺動レ
   ール１３，１４上に載る摺動面３０を有する支持突起２
   １．２１ａ、２２．２２ａをもっていることを特徴とす
   る、冶金容器用摺動閉鎖装置。