JPS5851033B2 - 粒状硫黄化物の製法 - Google Patents

粒状硫黄化物の製法

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JPS5851033B2
JPS5851033B2 JP48137419A JP13741973A JPS5851033B2 JP S5851033 B2 JPS5851033 B2 JP S5851033B2 JP 48137419 A JP48137419 A JP 48137419A JP 13741973 A JP13741973 A JP 13741973A JP S5851033 B2 JPS5851033 B2 JP S5851033B2
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sulfide
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英二 高橋
坦 三宅
清 寺田
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真 入内島
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は重質炭化水素または熱可塑性有機合成高分子化
合物(以下高分子化合物と略称する)を硫黄と反応せし
めることにより粒状硫黄化物を製造する方法に係り、そ
の目的とするところは塊状物を破砕あるいは粉砕したり
または成型したりするための特別な装置や操作を用いる
ことなく、機械的強度その他の諸特性の優れた粒状硫黄
化物をきわめて容易に製造する方法を提供するにある。
すなわち、本発明は重質炭化水素または高分子化合物を
粉状ないし粒状の不融、不溶の固体物質および常温で液
状の炭化水素からなる反応媒質(以下反応媒質と略称す
る)の存在下、攪拌しながら、170〜400℃の加熱
下に、硫黄と反応せしめることからなる不融、不溶の粒
状硫黄化物の製造方法に係るものである。
そして、本発明で得られる粒状硫黄化物は、任意の方法
で極めて容易に機械的強度その他の諸特性の優れた粒状
炭または粒状活性炭になし得るので、本発明は粒状炭ま
たは粒状活性炭の製造方法の改善にも役立つ。
炭化水素やピッチ等を硫黄と反応させて得られる不融、
不溶の硫黄化物は、二硫化炭素製造用炭素、各種炭素製
品、1過助剤、油吸収剤、イオン交換剤、吸着剤などの
原材料として有用であり、特に機械的強度の高い粒状硫
黄化物は、充填材、補強材として優れた性質を示し、各
種用途への応用が期待されている。
また炭素材料は、耐熱性、耐蝕性、耐久性、電導性、潤
滑性などの性質を持ち、その特徴ある物性を利用して多
様の分野で用いられているが、特に粒状炭素材料は重量
比の強度が優れているために近年複合材料用素材として
注目されている。
また活性炭としては、従来粉末状活性炭が主として用い
られていたが、粉末活性炭が使い捨てであったのに対し
、粒状活性炭は再生使用できる可能性があること、粉末
活性炭の取扱い上の問題点(微粉の飛散、使用後のスラ
ッジの処理など)、粉末炭の原料であるノコクズや木炭
が高価なうえ、大量に入手し難いなどの理由により近年
粒状活性炭への依存が大きくなっている。
特に粒状活性炭はガス吸着、上下水処理等に優れた能力
を発揮することが認識され、公害防止規制の強化と相ま
って、良質、安価な粒状活性炭を大量に供給できる技術
の開発が要望されている。
以上のような粒状の炭素質固体物質を製造する方法は、
塊状物の破砕による方法と粉状物の成型による方法に大
別できる。
このうち破砕による方法では、特定の粒径のものを選択
的に製造するのは不可能であり、希望する粒径の粒子の
得率が低い。
また破砕によって得られたものは不規則性のかとばった
形状であるために取扱い作業中に破損し、細かい破片が
生成しやすく、粉化しやすいという欠点もある。
一方、成型物は、一般に骨格基材となる粉末を異種の粘
結剤と混合し、成型後熱処理する方法で製造されている
したがって粉末を取扱うために作業性が悪く、かつ粘結
剤と骨格基材との結合が弱く、作業中に基材粒子が脱落
していくために、使用中に著るしく摩耗され且つ微粉化
しやすいという欠点があった。
また成型法では粒径1間以下から数ミクロンにいたる粒
径の微小粒子を得ることは非常に困難でもある。
このほか粒状炭や粒状活性炭を製造する方法として、高
軟化点の高粘性ピッチを球形に加工し、ついでこれを不
融化処理する方法があり、この場合には粘結剤を使用し
ていないので、従来品に比し強度の高い優れた粒状炭が
得られるが、ピッチなどの溶融性物質を変形させること
なく不融化するためには、極めて高度の技術を要し、特
に17nm以上の大きい粒子を得るのは極めて困難であ
る。
本発明は以上のような要望及び問題点に鑑みてなされた
もので、その特徴とするところは不融、不溶の固体物質
および反応媒質の存在下、攪拌しながら、170〜40
0 ’Cの加熱下に、重質炭化水素または高分子化合物
を硫黄と反応せしめることにある。
かくして得られた不融、不溶の粒状硫黄化物を炭化もし
くは炭化、賦活するだけで、良好な性状を有する粒状の
炭化物または活性炭を与え得るものである。
すなわち、塊状固形物を破砕、整粒もしくは粉砕、成型
することな(、また造粒のための特殊な装置を用いるこ
となく、使用目的に応じた特定粒度の且つ機械的強度の
優れた粒状硫黄化物の製造を可能ならしめるものである
従ってまた、粒状炭および粒状活性炭の容易な製造にも
有益である。
本発明方法において+3反応条件を選択することによっ
て、粒径数ミクロンの微細粒子から数センチメートルの
大粒子に至るまで、任意に粒径を変化させることが可能
であり、本発明の方法で得られる粒状の硫黄化物は、破
砕物や成型物と比較し、特に表面強度が高く摩耗に対し
て強い抵抗性を有する。
また、この粒状硫黄化物から製された粒状炭は特に複合
材料用炭素材料として、従来品に比し強度が高く、また
活性炭としても比表面積2000 tr?/f以上のも
のが容易に得られる上、特に粉化性が小さいという特徴
を有する。
本発明方法の実施により得られる粒状物の形状は主とし
て球状ないしは不整球状であるが、製造条件によって円
盤状あるいは円柱状のものも得られる。
いずれも粒状物の表面は滑らかであり、微細粒子であっ
ても形態安定性、流動性がよく、機械的強度がすぐれて
いる。
また本発明の方法では硫黄による脱水素反応と重縮合反
応が起り、熱的に強い三次元網状構造の硫黄化物が生成
するのでこの硫黄化物から炭化物を製造するために加熱
炭化する際に、熱分解による低分子量炭化水素の放出が
非常に少なく、したがって炭化物の収率がきわめて高い
という特徴も認められる。
また炭化に際して、低分子の溶融状態を経ず、固相のま
ま炭化されるので、芳香環平面の成長とその屑状化が妨
げられ、難黒鉛化性の粒状炭を形成し、したがってこれ
を賦活すると微品質構造のきわめて優れた活性炭を得る
ことができる。
本発明方法で出発物質として用いられる重質炭化水素ま
たは高分子化合物としては軟化点が400℃以下、常圧
における沸点が300℃以上、または本発明の反応媒質
に可溶の物質であり、特に天然化石燃料から得られる重
質油、例えば溶剤税源アスファルト、各種変性アスファ
ルト、各種直留アスファルト、減圧残油、各種分解残油
、ピッチ等の重質炭化水素、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリビニルアルコール、各種ゴム等の熱可塑性有
機合成高分子化合物が好ましい原料である。
これらの混合物も勿論使用できる。これらは本発明の方
法における主原料として用いられるものであるので以下
の記述においては便宜上原料物質と称する。
本発明方法において用いられる反応媒質としては沸点が
常圧下50℃以上420℃以下の常温で液状の有機物質
であって、原料物質にくらべて硫黄との反応性が低いも
の、または硫黄と反応しても高次の重縮合物を生成しな
いものが望ましい。
媒質として好ましい物質は例えばベンゼン、トルエン、
キシレン、第3級ブチルベンゼンなどの芳香族炭化水素
、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、流動パラフィ
ンなどの飽和炭化水素が好ましく、これらの混合物も勿
論用いられる。
また原油の蒸溜によって得られる沸点50℃から420
℃までの任意の沸点の部分、例えばナフサ部分、灯油部
分、軽油溜分なども好ましい反応媒質である。
なお本発明方法の実施に際して使用した反応媒質は回収
して繰返し反応媒質として使用出来る。
本発明方法で用いる不融、不溶の固体物質とは、本発明
方法の硫黄化反応条件下で、原料物質、硫黄ならびに反
応媒質に不溶でかつ前記反応条件において不融な固体で
あり、本発明方法で得られた粒状硫黄化物を粒状炭また
は粒状活性炭とする際には、炭化工程または賦活工程に
おける熱処理において気体または炭素質物質に転化し得
るものが好ましい。
具体的には、本発明方法の実施により得られる粒状硫黄
化物またはこれらの破砕物、粉砕物、成型物、または本
発明方法の実施に際し少量副生ずる粉状物が最も好まし
いが、そのほか例えば本発明方法で得られる硫黄化物か
ら製造された炭化物、活性炭あるいは一般の石油コーク
ス、石炭、コークス、木炭、木材、熱硬化性樹脂なども
使用できる。
これらの不融、不溶性固体に金属化合物、例えば金属酸
化物を加えてもよい。
用いる不融、不溶性固体は一種に限らずこれらの混合物
であってもよい。
本発明の方法において反応媒質を用いる主な目的は、反
応系内の液状物質の粘度を下げ、原料物物、硫黄および
その反応物の移動、分散をよくするためであり、粘度を
低下させることによって、反応物からの硫化水素の放出
が容易になり、また低粘度の反応液をかきまぜることに
よって、反応物等の分散がよくなり粒状物が生成しやす
くなるという効果がある。
したがって、本発明で用いられる反応媒質は、反応器内
の反応系の粘度を低下させ原料物質や反応物を分散させ
得るものであればよ(、必らずしも原料物質や硫黄を完
全に溶解させ得るものである必要はない。
また本発明方法において、原料物質との相溶性の高い反
応媒質を用いると比較的に低温度で不融、不溶の粒状硫
黄化物が容易に得られるという効果もある。
この理由はいまだに充分には解明されて居らず、本発明
は以下の理由によって拘束されるものでもないが、可融
、可溶の成分が反応媒質中に選択的に溶は込むために、
粒状硫黄化物中の可融、可溶成分の量が少なくなり不融
、不溶性の粒状硫黄化物が分離され易くなるものと考え
られる。
本発明において不融、不溶の固体物質を用いる主な理由
は粒状硫黄化物の製造工程における粒状化を容易にし、
希望するね径の粒状硫黄化物を効率よく製造するためで
あり、後に示す実施例および比較例より理解されるよう
に、不融、不溶の固体物質を加えると、反応系内(器壁
、攪拌翼、じゃま板等)への反応物の付着、塊化が殆ん
どなくなり、また得られる粒状硫黄化物の粒径分布が狭
(、希望する範囲の粒径の粒状物の得率を高くすること
ができる。
このような固体物質添加により得られる効果がいかなる
作用機構によりもたらされるのかは必ずしも明らかでは
ないが、固体物質が攪拌によって反応系内を移動する間
に、固体物質が粒状物生成の核となったり、あるいは複
数個の固体物質の層間に反応物が包含されたりあるいは
また固体物質が反応器壁等に付着する反応物を掻き取る
こと等により塊化を防止するものと考えられる。
不融、不溶の固体物質を用いるいま1つの理由は、本発
明の方法で得られた粒状物のうち、希望する粒径以外の
粒状物の一部または全部を破砕して、または破砕するこ
となく反応系にもどし、適度の粒径に成長させ、最終的
には希望する粒径分布を有する粒状物のみを得るためで
ある。
本発明において使用される反応媒質の量は、原料物質の
種類、反応媒質の種類、硫黄量、不融、不溶の固体物質
の添加量、反応条件等によって異り一部に規定できない
例えば常圧残油のように硫黄に対する反応性の高い物質
と比較的に反応性の低い物質との共存混合物を原料とし
て用いる場合には、反応性の低い部分は反応媒質として
作用し、反応物の分散を促進するので、反応媒質を積極
的に加えなくとも粒状硫黄化物が得られ、常圧残油は減
圧残油と反応媒質との混合物の一種と見做せる。
しかしアスファルトなどのように、硫黄との反応が進む
とともに全体の粘度が著るしく増大し、かきまぜによる
分散が困難になるような場合には反応媒質を加える必要
がある。
なお、反応媒質は反応中常時存在させることが望ましい
が、反応物の粘度に応じて反応媒質を加えてもよい。
すなわち原料物質と硫黄とを無溶媒であるいは少量の媒
質の存在下で反応させ、反応物の粘度が上昇しはじめた
時点で反応媒質を加えたりあるいは追加したりすること
も可能であり、場合によってはこれらの手段を採ること
が好ましい。
後に実施例で示すように、反応媒質の量や種類によって
粒状硫黄化物の粒径は著るしく変化し、一般に用いる反
応媒質の量が多い程、また反応媒質と原料や硫黄との相
溶性が大きい程、生成する硫黄化物の粒径は小さくなる
したがって、希望する粒径の硫黄化物を得るためには、
原料物質、硫黄量、反応媒質の種類、その他の反応条件
に応じて反応媒質の量を精密に決定する必要があり、例
えば不融、不溶の固体物質の存在下、反応媒質に軽油を
用い、アスファルト1部と硫黄1.5部とから粒状硫黄
化物を製造する場合には少くとも0.5部の軽油を用い
ることが必要であり、また軽油を20部以上用いた場合
には硫黄化物は極めて微細な粉末となる。
反応媒質にトルエンの如き芳香族炭化水素を用いる場合
には、粒径の変動はさらに顕著となるので、希望する粒
径のものを得るためには反応媒質の量を極めて精密に決
定する必要がある。
本発明方法において使用された反応媒質あるいは反応媒
質を含む液状物質は繰返して使用することができ、反応
媒質の一部は硫黄と反応して消費されることもあるが、
この場合、消費された量を補充することによって何等支
障なく連続的に繰返し使用が可能である。
本発明において使用される不融、不溶の固体物質の大き
さは特に限定されるものではなく、目的とする反応生成
物のね径より太きいものでもあるいは小さいものであっ
てもよい。
しかし、一般的に述べて共存する固体物質の粒径が小さ
い方がその作用効果が顕著であるので、通常は10mv
t程度以下の粒径の粒子または粉末が用いられる。
また本発明方法において用いられる不融、不溶の固体物
質の量は原料物質と反応媒質との合計1部当り0.02
〜2部とするのが好ましい。
本発明の方法の実施に際し、必要な硫黄の量は原料物質
の反応性や、反応媒質の種類、反応条件等によって異り
、後記する実施例に示すように、原料物質等反応に関与
する要因が同じであっても硫黄の使用量によって硫黄化
物の粒径は著るしく変化するので、希望する粒径の硫黄
化物を得るためには用いる硫黄の量を精密に選定するこ
とが必要である。
一般的に述べて、原料物質1部に対し0.2〜7部の硫
黄を使用するのが好ましく、0.5〜5部の硫黄を使用
するのが更に好ましい。
硫黄の添加量の効果を概観すると、一般に硫黄量が少な
いと粒径が小さくなり原料物質1部当り0.2部以下の
硫黄の使用量では不融化が不完全になり易い。
硫黄は一時に加えずに断続的にあるいは継続的に加える
ことも出来るが、この場合、硫黄を加える速度ならびに
時期により生成する粒状硫黄化物の粒径が著るしく変化
する。
本発明の方法で用いる硫黄は固体状、熔融状を問わず、
また加熱前に硫黄を加えても、あるいは反応温度に達し
た後に、一度にあるいは徐々に硫黄を加えてもよい。
本発明方法において、原料物質と硫黄との反応は、一般
に、容易に進行し、短時間で不融、不溶の粒状硫黄化物
が得られるが、この反応に際し、塩化アルミニウムなど
を硫黄1部に対して0.01〜0.5部加えることによ
り、反応速度を更に増大し、反応温度の低下を図ること
が出来る。
本発明方法において“かきまぜ′”あるいは“攪拌″と
は反応器中の物質を流動状態に保持せしめ、系内の物質
を物理的に分散、凝集ないし均一化することおよび物質
移動、熱移動をたすけ化学反応をより促進、均一化する
こと等を意味している。
したがって、攪拌の手段は特に限定されるものではなく
、上記の目的の達成に適する諸種の構造、原理に基づい
た攪拌手段、操作が用いられ得て、例えば揺動式、攪拌
羽根回転式、攪拌羽根振動式、液流動式、ガス噴出式、
源振動式など種々の攪拌方式が採用され得る。
また攪拌効果を改善するために、反応系に異相物質、例
えば水などの相溶性のない液滴、固体粒子あるいは気泡
を分散させ、これらの周囲の液に激しい乱れを生じさせ
、またはこの−変法として、水の如き低粘度異相物質中
に原料物質、反応媒質および硫黄を分散せしめて反応を
行うことも条件によっては有効である。
攪拌を行なわない場合には反応器内に塊状の硫黄化物が
堆積し、粒状の硫黄化物は得られない。
反応はバッチ式でも連続式でも行い得て、例えば攪拌槽
を多段に設置するなどにより連続操作が容易に可能であ
る。
本発明方法において原料物質と硫黄との反応による粒状
硫黄化物の製造に適した温度は170〜400℃であり
、最も好ましい温度は200〜300℃である。
反応温度を高くすることによって反応時間を短縮するこ
とができるが、400℃以上の温度では反応媒質の損失
が多くなり、また粒状硫黄化物以外に塊状の硫黄化物も
生成し、反応器壁等に堆積して反応装置の円滑な運転が
困難となる等の問題が生ずる。
200℃以上の反応温度では極めて短時間で粒状硫黄化
物が生成する。
この場合、反応時間が短いと低密度の粒状硫黄化物が得
られるが、さらに反応を続けることによって強度の高い
高密度の粒状硫黄化物とすることができる。
原料物質や硫黄をすべて反応させることは必ずしも必要
でなく、反応を完全に行うためには多量の硫黄を要し、
また反応時間も長くなるので、むしろ未反応物を残して
未反応物は系内で循環し繰返し使用するのが望ましい。
反応圧力は減圧あるいは100 kg/crAまでの加
圧のいずれでもよい。
本発明方法の実施に際して用いられる反応器の材質はこ
の反応条件において不活性な材質であればよく、例えば
ステンレス、チタン、ホウロウ等が好適に用いられる。
本発明の方法により得られる粒状硫黄化物は軟化点を示
さないので、したがって、高温度における炭化処理によ
っても粒状の形態を維持するものである。
本発明の方法により得られた粒状硫黄化物を粒状炭とす
ることは、一般に窒素等の不活性ガス雰囲気中で400
〜1200℃の温度に加熱することによって容易に達成
される。
本発明方法で得られた粒状硫黄化物を炭化して得られた
粒状炭は任意の方法で賦活することによって粒状活性炭
とすることができ、あるいはまた本発明方法で得られた
粒状硫黄化物を直接、水蒸気等の賦活雰囲気中で昇温す
ることにより炭化、賦活することによって粒状活性炭を
得ることもできる。
本発明方法で得られる粒状硫黄化物またはそれから得ら
れた粒状炭を破砕して炭化または賦活することも勿論可
能であり、また粉砕したのち常法に従って成型したのち
炭化、賦活してもよい。
以下に本発明を実施例ならびに比較例により更に具体的
に説明するが、これらは単に例示のためのものであり本
発明の範囲を限定するものではない。
尚、この明細書で“部″とあるのは特記しない限り重量
部である。
実施例 1〜4 電磁回転攪拌装置および還流冷却器のついた内容積11
のステンレス製反応器に、常圧蒸溜残渣をプロパンを用
いて税源処理する際に得られたアスファルト(以下プロ
パン税源アスファルトと称する)15M’、硫黄225
1、本発明で得られた粒径0.5〜1.0mmの粒状硫
黄化物75fを入れ、反応媒質として軽油(B、P18
0〜350℃)15 oP(実施例1)、300グ(実
施例2)、4501(実施例3)、600P(実施例4
)を加え、毎分900回転の速度でかきまぜながら、常
圧下230〜235℃で4時間反応させた。
反応中、硫化水素と主成分とするガスが多量に発生した
反応物を取出し遠心1過したところ、表1に示す粒径分
布を有する不融不溶の球形粒状硫黄化物が得られた。
反応器壁等に付着塊化した反応物はわずかであった。
比較例 1 実施例1と同じ反応器に、プロパン税源アスファル)1
51’、硫黄225iおよび本発明で得られた粒径0.
5〜1.0mmの粒状硫黄化物を入れ、毎分900回転
の速度でかきまぜながら230〜235℃で反応させた
反応の進行にともなって反応系内の物質の粘度が著しく
増大し、反応温度に達してから約20分後にかきまぜ不
能となった。
そのまま4時間反応を続げたところ、粒状の硫黄化物は
得られず、塊状の硫黄化物のみが生成していた。
このものは冷時固体の軽石状物質であり、400℃に急
熱したところ1部熔解した。
表1から明らかな如(、用いる反応媒質の量によって生
成する粒状硫黄化物の粒径が変化する。
また反応媒質を用いない比較例1では粒状物は全く生成
しない。
実施例 5〜9 実施例1と同じ反応器に、プロパン税源アスファル)2
00f、軽油40(1、本発明の方法で得られる粒径0
.5〜1.0mmの粒状硫黄化物100zを入れ、硫黄
20OS’(実施例5)、25(1(実施例6)、27
5グ(実施例7)、硫黄30(1(実施例8)、硫黄4
00グ(実施例9)を加え、毎分900回転の速度でか
きまぜながら、常圧下230〜235℃で4時間反応さ
せたところ、表2に示す粒径分布を有する不融不溶の粒
状硫黄化物が得られた。
実施例 10〜12 実施例1と同じ反応器にプロパン税源アスファ#)20
0P、軽油4001、硫黄300tを入れ、本発明の方
法で得られる粒状硫黄化物の破砕物(破砕物の粒度分布
は0.25mm以下30重量%、0.25〜0.5mm
30重量%、0.5〜1.0mrrt40重量%であっ
た)を20i(実施例10)、60グ(実施例11)、
100P(実施例12)を加え、毎分900回転の速度
でかきまぜながら、230〜235℃で4時間反応させ
たところ、表3に示☆す粒径分布を有する不融不溶の球
形粒状硫黄化物が得られた。
比較例 2 実施例1と同じ反応器に、プロパン税源アスファルト2
001、軽油400グおよび硫黄3001を入れ、毎分
900回転の速度でかきまぜながら230〜235℃で
4時間反応させたところ、表3゛に示す粒径分布を有す
る不融不溶の円盤形粒状硫黄化物が得られた。
表3から明らかなように、本発明の方法によると粒径分
布の狭い粒状物が得られ、しかも反応器壁等への塊状物
の付着量が著しく減少する。
また、添加量によって粒径および形状が変化することも
明らかである。
実施例 13〜15 実施例1と同じ反応器に、プロパン税源アスファルト2
00?、軽油400P、硫黄3005’および本発明の
方法で得られた粒状硫黄化物100グを入れ、毎分90
0回転の速度でかきまぜながら230〜235℃の温度
で4時間反応させた。
なお上記で用いた粒状硫黄化物の粒径は0.25關以下
の微粉(実施例13)、0.25〜0.5關(実施例1
4)、2.8〜5.0關(実施例15)である。
反応によって得られた粒状物の粒径分布および形状を表
4に示す。
実施例 16 実施例1と同じ反応器に軽油400P、フロパン脱瀝ア
スファルト200グ、硫黄300fおよび太平浮灰を破
砕して0.4〜LOmvtに整粒したもの1001を入
れ、毎分900回転の速度でかきまぜながら常圧下23
0〜235℃で4時間反応させたところ、平均粒径約2
.5山の粒状硫黄化物が得られた。
実施例 17 実施例1と同じ反応器に軽油400r、プロパン税源ア
スファル)100P、硫黄150グを入れ、毎分900
回転の速度でかきまぜながら、230〜235℃で2時
間反応させたところ、平均粒径約0.2 mmの粒状硫
黄化物が生成していた。
この反応器にプロパン税源アスファルト200Pおよび
硫黄250Pを加えて、さらに4時間反応させたところ
、平均粒径約0,8朋の粒状硫黄化物が得られた。
実施例 18 実施例1と同じ反応器に、減圧残油200f、軽油40
05’、硫黄250グおよび本発明の方法で得られる粒
状硫黄化物を0.25mm以下に減砕したもの100S
’を入れ、毎分1200回転の速度でかきまぜながら、
230〜235℃で4時間反応させたところ、長さ約1
〜27n7IL1径約0.4〜1關の円柱状の粒状硫黄
化物が得られた。
実施例 19 実施例1と同じ反応器に、クェート常圧残油(常圧での
沸点420℃以上、常温で固体の重質炭化水素分78.
5重量%、常圧での沸点320〜420℃、常温で液体
の軽質炭化水素油分21.5重量%)400P、硫黄3
01’および本発明の方法で得られる粒状硫黄化物(粒
径0.5〜1.0mm)100S’を入れ、毎分900
回転の速度でかきまぜながら230〜235℃で4時間
反応させたところ、平均粒径約0.5關の球形の粒状硫
黄化物が得られる。
実施例 20 実施例1と同じ反応器に、ポリスチレン180ノ、FC
C−サイクルオイル(B、 P、 330〜420℃)
30(1、硫黄270グおよび本発明の方法で得られる
粒状硫黄化物(粒径0.5〜1.0mm)90fを入れ
、毎分900回転の速度でかきまぜながら、常圧下27
0〜280°Cで4時間反応させたところ、平均粒径約
0.3間の球状の粒状硫黄化物が得られた。
実施例 21 実施例1と同じ反応器に、プロパン税源アスファル)2
00P、第3級ブチルベンゼン300f。
硫黄300S’および本発明の方法で得られる粒状硫黄
化物(粒径0.5〜1.0im)を入れ、毎分500回
転の速度でかきまぜながら、加圧下230〜235℃で
反応させたところ、平均粒径的0.2 mmの球形鞘状
硫黄化物が得られた。
実施例 22 実施例1と同じ反応器に、軽油40OS’、硫黄300
Pおよび本発明の方法で得られる粒状硫黄化物(粒径0
.5〜1.0m扉)100S’を入れ、常圧下230〜
235℃に加熱し、毎分500回転の速度でかきまぜな
がら、プロパン税源アスファルト200y′を毎分1グ
の割合でゆっくり加えた。
プロパン税源アスファルトを加え終ってからさらに反応
を1時間続げたところ、平均粒径的0.7mrnの球形
の粒状硫黄化物が得られた。
実施例 23 実施例1と同じ反応器に、軽油400P、プロパン税源
アスファルト2001、および本発明の方法で得られる
粒状硫黄化物(粒径0.5〜1.0 mm、’1001
を入れ、常圧下230〜235℃の温度で毎分900回
転の速度でかきまぜながら硫黄3001を毎分11の割
合でゆっくり加えた。
硫黄を加え終ってからさらに1時間反応を続け、反応物
を取出したところ、平均粒径的0.005mmの☆球形
の粒状硫黄化物が得られた。
参考例 1 実施例1により得られた粒径1,0〜14mmの粒状硫
黄化物を窒素雰囲気下450℃で2時間加熱炭化したと
ころ、表5に示す粒状炭が得られた。
参考例 2 実施例4により得られた粒径0.15〜0.25mmの
粒状硫黄化物を参考例1と同様に処理して表5に示す粒
状炭を得た。
参考例 3 実施例6で得られた粒径0.5〜1.0關の粒状硫黄化
物を参考例1と同様に処理して表5に示す粒状炭を得た
参考例 4 実施例14で得られた粒状硫黄化物を参考例1と同様に
処理して表5に示す粒状炭を得た。
参考比較例 1 0.05mmのふるいを通過する木炭粉末に、粘結剤と
してコールタールピッチを加え、常法により回転造粒機
で成型した。
これを窒素雰囲気下450℃で2時間加熱することによ
り表5に示す粒状炭を得た。
表5から明らかなように、本発明の方法で得られた粒状
硫黄化物を炭化して得た粒状炭は、粉化率が極めて低い
ことが示され、したがって強度もすぐれていることが容
易に推定されるものである。
参考例 5 参考例1により得られた粒状炭を使用し、流動賦活炉を
用いて常法により850℃で90分間水蒸気賦活し、表
6に示す粒状情炎を得た。
参考例 6 参考例3により得られた粒状炭を、流動賦活炉を用いて
850℃で60分間水蒸気賦活し、表6に示す粒状活性
炭を得た。
参考例 7 参考例4で得られた粒状炭を参考例5と同様に処理して
、表6に示す粒状活性炭を得た。
表6から明らかなように、本発明の方法で得られた粒状
硫黄化物から得られる粒状活性炭は市販比較品に比べ、
表面積、メチレン青吸着量が優れ、しかも粉化性におい
て格段の改善が認められた。
実施例 24 実施例1と同じ反応器に、プロパン税源アスファルト2
0OS’1軽油400グ、硫黄250Pおよび本発明の
方法で得られる粒状硫黄化物の破砕物(0,5mm以下
に破砕されたもの)100S’を入れ、毎分900回転
の速度でかきまぜながら、常圧下230〜235℃で4
時間反応させた。
反応物を取出し、遠心1過したところ、410S’の球
形粒状硫黄化物と3131のe液(回収油)が得★られ
た。
この回収油の一部を分析して未反応アスファルトと軽油
の含有量を求め、反応によって消費されたプロパン税源
アスファルトおよび軽油の量を計算した。
ついで、プロパン税源アスファルトおよび軽油の消費相
当量を回収油に追加し、新たに硫黄1801と粒状硫黄
化物の破砕物(0,5mm以下に破砕されたもの)10
0S’を添加して、再び同上の反応を行なった。
同様の操作を繰返し、回収油を連続して繰返し5回使用
したところ、表7に示す粒状硫黄化物が得られた。
(この表から、回収反応媒質(軽油)は蒸留等による精
製を行なわず、そのまま繰返し使用しても支障のないこ
とがわかる)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 常圧下における沸点が300℃以上でかつ軟化点が
    400℃以下の重質炭化水素および/または軟化点が4
    00℃以下の熱可塑性有機合成高分子化合物を、沸点が
    常圧下50℃以上420℃以下の常温で液状の炭化水素
    からなる反応媒質、および該重質炭化水素および/また
    は該熱可塑性有機合成高分子化合物と反応媒質との合計
    1重量部当り0.02〜2重量部の粉状ないし粒状の不
    融、不溶の固体物質の存在下、攪拌しながら、170〜
    400℃の加熱下に、該重質炭化水素および/または該
    熱可塑性有機合成高分子化合物1重量部当り0.2〜7
    重量部の硫黄と反応せしめることからなる不融、不溶の
    粒状硫黄化物の製法。
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