JPS5850254Y2 - 下げ振り用糸巻 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は下げ振り用糸巻の改良に関し、さらに詳しくは
繰り出した糸を自動的に巻き取る捲回用渦巻バネを有す
る下げ振り用糸巻にあって、捲回ドラムの自由回動を抑
止する抵抗機構を改良した下げ振り用糸巻を提供するこ
とを目的とする。

従来よら繰り出した糸を自動的に巻き取るため捲回用渦
巻バネを有する下げ振り用糸巻は諸種知られているが、
この種糸巻は捲回用渦巻バネの弾性力に抗して糸を引っ
張り、糸を任意の長さに繰り出した後は捲回ドラムの自
由回動を抑止して糸（ならびに下げ振り）を停止させる
ため捲回用渦巻きバネの弾性力と下げ振りの荷重を釣り
合わせるよう抵抗機構が具えられているのが通常である
。

しかして、その抵抗機構は従来技術によると、捲回ドラ
ムから繰り出された糸を器筐の所要個所に立設された数
本の摺動軸に一回もしくは数回捲回せしめて、顔部の摺
接による摩擦抵抗を利用するものであり、そのため使用
に即して糸の摩耗が激しくなる欠点を有していた。

また下げ振りに重荷重のものを使用する場合には前記摺
動軸の本数や、該摺動軸への捲回数を増して摩擦抵抗を
増大せしめていたが、これによると糸を巻き取る際にも
摩擦抵抗が犬となり、その作業性に問題を有するものと
なっていた。

本考案は以上の点に鑑み、先端に下げ振りを連繋した糸
を捲回する捲回ドラムを渦巻きバネを介して糸の巻き取
り方向に回動するよう枢着かつ弾性付勢された下げ振り
用糸巻において、前記捲回ドラムの周面近傍に一端部を
支点として他端部を揺動自在とするとともに捲回ドラム
から繰り出した糸を、その繰り出し時に前記他端部が捲
回ドラム方向に揺動するように係止して、該捲回ドラム
の自由回動を抑止するようになる梃腕を設けることによ
り、該梃腕を抵抗機構本体となし、糸の摺接による摩擦
抵抗を利用することなく捲回ドラムの自由回動を抑止さ
せる構成とし、もって前記問題点を解消する下げ振り用
糸巻を提供せんとするものである。

以下、本考案の実施例を図面にしたがって説明すると、
第１図ないし第５図は第一の実施例を示すもので、図中
１は内壁に枢軸２を立設した器筐であって、該枢軸２に
対し軸孔３，３を回動自在に外挿した捲回ドラム４が取
り付けられるとともに枢軸２と同心円になるドラム壁５
の内周には一端を該ドラム壁５に係止固着し、他端を前
記枢軸２に係止固着した渦巻バネ６が挿入され、前記ド
ラム壁５に末端を連繋した糸７の捲回方向に弾性付勢し
、糸７の緊張を弛めると糸７が捲回ドラム４に巻き取ら
れるように構成してなる。

８はその一端部８ａに穿設された軸孔９を前記器筐１の
内壁に立設された支点軸１０に対して回動自在に外挿さ
れた梃腕であって、該一端部８ａを支点として揺動自在
になる他端部８ｂはその一面が、当該他端部８ｂが捲回
ドラム４方向へ揺動した時に、該捲回ドラム４の周面４
ａ、４ａと当接するよう構成され、さらに該梃腕８には
捲回ドラム４と反対側に器筐１に一端を固着されたコイ
ルスプリング１１が固着されて、常時捲回ドラム４と反
対方向に弾性付勢されている。

また該梃腕８の略中央部には前記軸孔９と直角方向に窓
部１２が穿設され、その両側にかけて軸孔９と平行にな
る二本の案内棒１３，１４が設けられている。

また１５は器筐１の下壁中央に穿設された繰出孔であり
、該繰出孔１５の上方には案内軸１６が立設されている
。

以上のように構成される下げ振り用糸巻は第２図に示す
ように捲回ドラム４から繰り出した糸７を梃腕８の案内
棒１３，１４のいずれか一方に係止させ、さらに案内軸
１６に係止させて繰出孔１５に至らしめ、先端に下げ振
り１γを連繋して使用するものであり、糸７を繰り出す
時には糸７を引っ張り、渦巻バネ６の弾性力ならびに梃
腕８を捲回ドラム４と反対方向に弾性付勢するコイルス
プリング１１の弾性力に抗して移動せしめると、渦巻バ
ネ６を枢軸２に捲回しながら繰り出されるようになる。

しかして、適宜繰出位置で下げ振り１７を吊り下げると
、下げ振り１７は重力によって糸７を繰り出す方向に引
っ張り、一方渦巻バネ６は糸７を巻き取る方向に引っ張
るが、両者の張力が均衡しない場合でも前記繰り出し時
に糸７を引っ張ることにより梃腕８の他端部８ｂがコイ
ルスプリング１１の弾性力に抗して捲回ドラム４方向に
揺動し、その一面が捲回ドラム４の周面４ａ。

４ａに当接していることになるため、該当接面にて摺接
し、摩擦抵抗を生ずるため捲回ドラム４が自然に回動（
自由回動）し、糸７が繰り出されたり、巻き取られたり
することはなく、該摩擦抵抗が不具合０時でも糸７を係
止する梃腕８の案内棒１３．１４を変更することにより
、簡単に調整することができる。

しかして、かかる構成になる下げ振り用糸巻は捲回ドラ
ム４の自由回動を抑止する抵抗作用を糸７による摩擦抵
抗によらしめるものではなく、梃腕８と捲回ドラム４の
周面４ａ。

４ａ間における摩擦抵抗としたため糸７を摩耗させるこ
とがない。

また前記構成になる下げ振り用糸巻はその使用後、糸７
を巻き取る場合、糸７の緊張を弛めると同時に梃腕８の
他端部８ｂがコイルスプリング１１の弾性力によって捲
回ドラム４と反対方向に揺動し、顔部が離反して摩擦抵
抗を有しなくなるため糸７の巻き取り作業は極めて容易
に行うことが可能となる。

つぎに第６図は本考案の第二の実施例を示すもので、前
記第一の実施例と相異する部分についてのみ説明すると
、本実施例は前記梃腕８の他端部８ｂと捲回ドラム４間
に、該他端部８ｂが繰り出し時における糸７の引っ張り
によって捲回ドラム４方向に揺動した時に、該他端部８
ｂによって同捲回ドラム４方向に押し付けられて捲回ド
ラム４の周面４ａ 、４ａに当接するようになる弾性板
１８を介在せしめたものである。

該弾性板１８は捲回ドラム４の周面４ａ、４ａと対向し
て反対の曲率を有する板状体からなり、その一面（凸面
）にて該周面４ａ、４ａと当接するよう一側端部１８ａ
を器筐１の内壁に対して固定され、他側端部１８ｂを自
由側端としている。

しかして、該弾性板１８は繰り出し時における糸７の引
っ張り力に対応して（すなわち、数列つ張り力に応じた
コイルスプリング１１の弾性力に抗しての梃腕８の他端
部８ｂの揺動量６ぐ対応して）捲回ドラム４の周面４ａ
、４ａとの当接面積を増減するため、引っ張り力が犬な
るほど該部における摩擦抵抗を大きくすることができる
。

なお本実施例および前記第一の実施例にあっては摩擦抵
抗をさらに増大せしめるため、捲回ドラム４の周面４ａ
、４ａに適宜凹凸を形成してもよい。

つぎに第７図は本考案の第三の実施例を示すもので、前
記第一および第二の実施例が梃腕８もしくは弾性板１８
と捲回ドラム４の周面４ａ、４ａ間の当接による摩擦抵
抗を利用するものであるのに対して顔部を噛合構造とし
たものである。

すなわち、本実施例において捲回ドラム４の周面４ａ。

４ａの少なくとも一方には糸７の繰り出し回動方向（第
７図にあって右廻り）の面傾斜を同巻き取り回動方向（
同左廻り）の面傾斜より急とする鋸歯状部４ｂが形成さ
れており、一方、梃腕８の他端部８ｂには、該鋸歯部４
ｂと噛合する突起部８ｃが設けられてなる。

該突起部８Ｃは第８図に示すように平板を曲成してなり
、しかして梃腕８の他端部８ｂが繰り出し時における糸
７の引っ張りによって捲回ドラム４方向に揺動すると、
該突起部８ｃが鋸歯状部４ｂが噛合し、糸７が適宜繰出
位置に至るまで捲回ドラム４は該噛合部の噛合抵抗に抗
して回動するが、糸７が適宜繰出位置に至ると該部にお
ける突起部８ｃと鋸歯状部４ｂの噛合状態にて静止し、
もはや捲回ドラム４は自由回動することがない。

また糸７を巻き取る場合、糸７の緊張を弛めると前記第
一の実施例と同様に梃腕８の他端部８ｂが捲回ドラム４
と反対方向に揺動し、前記噛合状態が解除するため糸７
の巻き取り作業は渦巻バネ６の弾性力によって極めて容
易に行うことができる。

なお前記第一ないし第三の実施例における下げ振り用糸
巻はいずれもその使用に際し、当該器筐１の開口部１ａ
を閉塞する外蓋（図示せず）を装着するものである。

つぎに第９図は本考案のさらに他の実施例を示すもので
、捲回ドラム４のドラム壁５に対して一体的に外周に糸
７を捲回し、内周に渦巻バネ６を捲回した前記第一ない
し第三の実施例の下げ振り用糸巻と異なり、内周に渦巻
バネ６を捲回した駆動側捲回ドラム１９と、外周に糸７
を捲回した従動側捲回ドラム２０を別体となし、両ドラ
ム１９゜２０の外周に形成したギア部１９ａ 、２０ａ
をアイドルギア２１を介して連結したものである。

しかして当該下げ振り用糸巻は前記ギア部１９ａ。

２０ａのギア数を異ならしめることにより、より長くの
糸７を従動側捲回ドラム２０に捲回収容できるようにし
て使用範囲の拡大を図ったもので、該従動側捲回ドラム
２０の周面２０ｂ、２０ｂに対し前記第一の実施例と同
様の構成になる梃腕８など抵抗機構を取り付けたもので
ある。

この場合、該抵抗機構は前記第二または第三の実施例に
おけるものとしてもよい。

当該下げ振り用糸巻は前述のとうり長くの糸７を従動側
捲回ドラム２０に捲回収容をできるほか極めてコンパク
トに設計できる特徴を有し、さらに当該抵抗機構による
作用効果を併有するもので、その実用的効果は太きい。

以上説明したように本考案下げ振り用糸巻は糸の摩擦抵
抗を利用せず、捲回ドラムの自由回動を一端部を支点と
して他端部を揺動自在とするとともに捲回ドラムから繰
り出した糸を、その繰り出し時に前記他端部が捲回ドラ
ム方向に揺動するように係止して、該捲回ドラムの自由
回動を抑止するようになる梃腕の揺動による構成とした
ため糸を摩耗させることがないばかりでなく、糸の巻き
取り作業も容易となるなど本考案の実用的効果には極め
て大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は第一の実
施例を示す下げ振り用糸巻の外蓋を取り外した状態の正
面図、第２図は同正断面図、第３図は同縦断面図、第４
・図は梃腕の正面図、第５図は同右側面図、第６図は第
二の実施例を示す下げ振り用糸巻の外蓋を取り外した状
態の正面図、第７図は第三の実施例を示す下げ振り用糸
巻の外蓋を取り外した状態の正面図、第８図は突起部の
斜視図、第９図は他の実施例を示す下げ振り用糸巻の縦
断面図である。 １・・・・・・器筐、２・・・・・・枢軸、３・・・・
・・軸孔、４・・・・・・捲回ドラム、４ａ・・・・・
・周面、４ｂ・・・・・・鋸歯状部、５・・・・・・ド
ラム壁、６・・・・・・渦巻バネ、７・・・・・・糸、
８・・・・・・梃腕、８ａ・・・・・・一端部、８ｂ・
・同地端部、８ｃ・・・・・・突起部、９・・・・・・
軸孔、１ｏ・・・・・・支点軸、１１・・・・・・コイ
ルスフリンク、１２・・開窓部、１３゜１４・・・・・
・案内棒、１５・・曲縁出孔、１６・・商業内軸、１７
・・・・・・下げ振り、１８・曲・弾性板、１９・・・
・・・駆動側捲回ドラム、２０・・・・・・従動側捲回
ドラム、１９ａ、２０ａ・・・・・・ギア部、２０ｂ・
・曲周面、２１・・・・・・アイドルギア。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）先端に下げ振りを連繋した糸を捲回する捲回ドラ
   ムを洞巻きバネを介して糸の巻き取り方向に回動するよ
   う枢着かつ弾性付勢された下げ振り用糸巻において、前
   記捲回ドラムの局面近傍に一端部を支点として他端部を
   揺動自在とするとともに捲回ドラムから繰り出した糸を
   、その繰り出し時に前記他端部が捲回ドラム方向に揺動
   するよう係止して、該捲回ドラムの自由回動を抑止する
   ようになる梃腕を設けたことを特徴とする下げ振り用糸
   巻き。
2. （２）前記梃腕の他端部が捲回ドラム方向への揺動時に
   直接、捲回ドラムの周面に当接して、該捲回ドラムの自
   由回動を抑止することを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の下げ振り用糸巻き。
3. （３）前記梃腕の他端部と捲回ドラム間に、該他端部が
   捲回ドラム方向に揺動した時に、該他端部に押し付けら
   れて捲回ドラムの周面に当接するようになる弾性板を介
   在せしめたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の下げ振り用糸巻。
4. （４）前記捲回ドラムの局面を糸の繰り出し回動方向の
   面傾斜を同巻き取り回動方向の面傾斜より急とする鋸歯
   状に形成し、かつ前記梃腕の他端部に、該他端部が捲回
   ドラム方向に揺動した時に前記捲回ドラム周面の鋸歯部
   と噛合するようになる突起部を設けたことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の下げ振り用糸巻。