JPS5849771Y2 - 集塵装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機械、電気、化学、食品等の製造工場更には
歯科技工、石工、木工もしくは縫製工場等において、作
業現場の衛生環境または製品の品質保全等のために、各
種製造機械器具に付設して使用する局所型の集塵装置に
関する。

この種の集塵装置は、設置スペースを可及的小さくする
ことが必要であって、そのためには、集塵フィルタ、排
風機構、消音部、集塵ボックス等の各構成部分を、竪形
に配列することが望ましい。

ところが竪形とした場合、メンテナンスの容易性を確保
するために、高さを無制限に認めることができず、最終
処理室たる消音部の容積を小さくすることが必要となり
、このため排風機構より排風された空気流が狭い消音室
内で乱流を発生し、低周波騒音の２次公害を発生させる
という問題点があった。

また乱流が発生するため、消音室内の圧力損失が増大し
、風量のロスおよび能力の低下を惹起するという難点も
あった。

本考案は上述する従来の欠点を除去し、小型化を図りつ
つ、低周波騒音を著るしく低下させると同時に、風量ロ
スをも大幅に低減できるようにした高効率の集塵装置を
提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本考案に係る集塵装置は、少
なくとも集塵フィルタ及び該集塵フィルタを通過させた
空気流を強制的に排風する回転ファンを備える排風機構
を内蔵させた外装体の内部の、前記排風機構の排風側に
、該排風機構から送風された空気流を通す通孔を外周部
に設けた支持板と、該支持板の前記通孔を通過した空気
流を外周側から内周方向に旋回させながら導く整流板と
、前記支持板に対向して配置されかつ前記整流板によっ
て導かれた空気流を通す通孔を内周部に設けた支持板と
を備えて構成される整流機構を有することを特徴とする
。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を具体
的に説明する。

第１図は本考案に係る集塵装置の部分欠損正面図である
。

図において、１は外装体である。

該外装体１は金属板材等を使用して、角筒状もしくは円
筒状等の各種形状の筒形に形成する。

２は、該外装体１内の下部側に設けられた集塵フィルタ
である。

該集塵フィルタ２は、外装体１の下部外周に装着された
吸入管３に連通させてある。

吸入管３から吸入された塵埃もしくは粉塵等を含有する
空気は、集塵フィルタ２の内部に導かれ、その内部から
外部へ矢印イの如く通過する際に集塵作用を受ける。

集塵フィルタ２に捕捉された塵埃等は、集塵フィルタ２
に連結した腕４を、外部に設けたレバー（図示しない）
によって駆動し、集塵フィルタ２を揺動させることによ
り、集塵フィルタ２の下方に設けた集塵ボックス５内に
ふるい落される。

この実施例における集塵フィルタ２は円筒形となってい
るが、他のタイプのものであってもよい。

またその個数は、要求される集塵能力等に合わせて任意
に選定することができる。

６は電動機、７は該電動機６によって回転駆動される送
風機構である。

この電動機６および送風機構７は排風機構を構成する。

前記電動機６は、前記集塵フィルタ２によって囲まれた
空間にその下半部を位置させると共に、外装体１の内部
空間を区画する如く横設した支持板８に、たとえばネジ
、ボルト締め等の手段によって取付は固定しである。

前記支持板８は、外装体１の内壁面に、たとえばネジ止
め、溶接等の手段で固定したアングル状の支持腕９上に
パツキン１０を介して取付けである。

また、前記支持板８の中央部には通風孔１１を設けてあ
り、該通風孔１１を通って電動機６の回転軸１２を導出
しである。

一方、前記送風機構７は、支持板８上に固定的に立設し
７た中間ケース１３の内部に、電動機６の回転軸１２に
ボス１４によって固定した２つの回転ファン１５．１５
を回転自在に設けると共に、該２つの回転ファン１５．
１５間に、前記中間ケース１３に固定された固定ファン
１６を、適当な間隔をおいて介在させた構造となってい
る。

前記回転ファン１５および固定ファン１６は交互に配列
されるものであるが、その個数は、要求される集塵能力
等に応じて任意に選定できる。

前記回転ファン１５は、一面側に設けた面板１７上に、
外周から内周方向に旋回するように、複数の翼板１８を
適当な間隔で設けである。

翼板１８の旋回方向は、回転ファン１５が所定方向に回
転した場合、空気が内周から外周方向に矢印口の如く流
れるような方向に定めである。

前記固定ファン１６は、間隔をおいて対向させた両面板
１９．２０間に、前述と同様の翼板２１を設けである。

前記両面板１９．２０のうち、前段の回転ファン１５と
対向する面板１９は、中間ケース１３との間に通風路２
２が形成されるように小径に形成し、一方、他方の面板
２０は、中央部に通風孔２３を設けると共に、外周を中
間ケース１３に接続固定しである。

したがって、前段の回転ファン１５から送出された空気
流は、前記通風路２２を通って固定ファン１６内に矢印
への如く流入し、次に内周部の通風孔２３を通って次段
の回転ファン１５に矢印二９口の如く吸引される。

２４は、本考案の重要な構成部分となる整流機構である
。

次にこの整流機構２４の構造を具体的に説明する。

２５は前記排風機構６，７の排風側において、前記中間
ケース１３の上部開口端を閉塞するように取付は固定さ
れた支持板である。

該支持板２５は、その外周部に前記回転ファン１５に連
通ずる通風孔２６を設けると共に、その表面側に、外周
から内周方向に向って旋回する複数の整流板２７を固設
しである。

第２図Ａ、Ｂは、支持板２５における通風孔２６および
整流板２７の詳細を示す平面図および側面図である。

図に示す如く、支持板２５の外周の同一円周Ｐ上に、は
ぼ一定のピッチで、円周方向に沿う長孔状の通風孔２６
を複数個設けると共に、該通風孔２６の２個毎に、外周
から内周に向って集束する如く旋回する弧状の整流板２
７を複数個設けた構造となっている。

前記通風孔２６および整流板２７の個数、形状、更には
隣接する整流板２７間に含ませるべき通風孔２６の個数
等は、通風孔２６を通って整流板２７の方向に流れる空
気流に対する流体的抵抗もしくは障害ができるだけ小さ
くなるように選定すればよく、必ずしも実施例に限定さ
れない。

前記支持板２５の軸心部には、ベアリングユニット２８
をネジ止めしてあり、このベアリングユニット２８によ
って電動機６の回転軸１２の端部を軸受けしである。

また、支持板２５の表面にはネオプレン等より戒る消音
材２９を貼着しである。

更に、支持体２５、整流板２７の上方には、内面にネオ
プレーン等の消音材３０を貼着し、軸心部に排風孔３１
を設けた受板３２を、前記外装体１の上部開口部を閉塞
するように取付けである。

該受部３２の外周縁は段状に突出させてあり、外装体１
の上端部に取付けた際、中間部に排風路となる凹部３３
が形成されるようにしである。

３４は、前記受板３２の凹部３３との間で排風路を形成
する上面カバーであり、外装体１の外周との間に排風口
３５が形成できるようにして、外装体１の外周に取付は
固定しである。

３６は前記上面カバー３４の内面に貼着したネオプレー
ン等より戊る消音材、３７は外装体１の内面に貼着した
消音材である。

本考案に係る集塵装置は上述のような整流機構２４を備
えるから、排風機構６，７から支持板２５の通風孔２６
を通って矢印ホの如く排出された空気流は、支持板２５
上の整流板２７に沿って外周から内周方向に旋回しなが
ら整流集束され、受板３２の排風孔３１から矢印への如
く排風される。

したがって、排風機構６，７からの排風は、同一方向に
整流され、乱流の発生が抑えられるから、乱流に起因す
る低周波騒音の発生が大幅に低減される。

第３図は本考案に係る集塵装置の低周波騒音低減効果を
実証する測定データである。

図において、横軸にオクターブバンド中心周波数ルをと
り、縦軸にオクターブバンド音圧レベルｄＢをとっであ
る。

Ｌｌは本考案に係る集塵装置の周波数−音圧特性曲線、
Ｌ２は本考案に係る集塵装置より整流機構２３を取除い
た場合、即ち従来の集塵装置の周波数−音圧特性曲線で
ある。

この測定テ゛−夕から明らかなように、本考案に係る集
塵装置は、低周波騒音公害上、最も問題となる６０〜５
００■の周波数範囲で著るしい音圧レベルの低減効果が
見られ、最大で６ｄＢも低下している。

また、乱流の発生が抑制されるので、圧力損失が減少し
、風量ロスが少なくなり、効率が大幅に向上する。

第４図はこの効率向上効果を実証する測定テ゛−夕であ
る。

図において、横軸に風量をとり、縦軸に風圧ＰＳをとっ
である。

Ｌ３は本考案に係る集塵装置の測定テ゛−タ、Ｌ４は従
来の集塵装置の測定データである。

この測定テ゛−夕から明らかなように、本考案に係る集
塵装置は、従来の集塵装置に比べて、風量の大なる範囲
での圧力損失が小さく、風量ロスが少なく、高効率とな
る。

さらに、前述の整流機構２４は、従来、消音室となって
いた部分にほぼ収納することができるので、高さが従来
より増すこともない。

以上詳説したように、本考案に係る集塵装置は、少なく
とも集塵フィルタ及び該集塵フィルタを通過させた空気
流を強制的に排風する回転ファンを備える排風機構を内
蔵させた外装体の内部の、前記排風機構の排風側に、該
排風機構から送風された空気流を通す通孔を外周部に設
けた支持板と、該支持板の前記通孔を通過した空気流を
外周側から内周方向に旋回させながら導く整流板と、前
記支持板に対向して配置されかつ前記整流板によって導
かれた空気流を通す通孔を内周部に設けた支持板とを備
えて構成される整流機構を有することを特徴とするから
、排風の乱流を防止し、低周波騒音を著るしく低下させ
ると同時に、風量ロスをも大幅に低減し得る高効率かつ
小型の集塵装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る集塵装置の部分欠損正面図、第２
図Ａは整流機構を構成する支持板の平面図、第２図Ｂは
同じくその正面図、第３図は周波数音圧特性に関する測
定データを示す図、第４図は風量−風圧特性に関する測
定テ゛−夕を示す図である。 １・・・・・・外装体、２・・・・・・集塵フィルタ、
６・・・・・・電動機、７・・・・・・送風機構、２３
・・・・・・整流機構、２７・・・・・・整流板、３１
・・・・・・排風孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも集塵フィルタ及び該集塵フィルタを通過させ
   た空気流を強制的に排風する回転ファンを備える排風機
   構を内蔵させた外装体の内部の、前記排風機構の排風側
   に、該排風機構から送風された空気流を通す通孔を外周
   部に設けた支持板と、該支持板の、前記排風機構のある
   面側とは反対側の面上に、前記通孔のある外周部から内
   周方向に向って集束する如く立設された複数枚の整流板
   と、該整流板のある前記支持板の面に対向して配置され
   かつ前記整流板によって導かれた空気流を通す通孔を内
   周部に設けた受板とを備えて構成される整流機構を有す
   ることを特徴とする集塵装置。