JPS5849471B2 - 細線巻取装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は細線の巻取り方法、特にボビンの鍔ぎわにおけ
る巻取り方法に関するものである。

第６図に概略的に示すように，ボビン２０とそのボビン
軸と平行に移動するトラバース台２１を設け、更にその
トラバース台２０にトラバース台から独立してボビン軸
と平行に移動する案内装置２２を設けた細線巻取り装置
は、例えば実公昭４８−１３８０５号公報に見られるよ
うに公知である。

上記装置における案内装置２２は、細線Ａを遅れ勝手角
度θをもってボビン胴に供給し、線間に間隙が生じない
ようにする機能のほか、ボビン２０の鍔ぎわにおいてト
ラバース台２１が停止すると同時に顎内面を越えるよう
に移動し（図の一点鎖線参照）、鍔内面に密着して次層
の巻き始めを形成する機能をもったものである。

また、トラバース台２１の停止時点からタイマーを作動
し、次層の１番目が巻かれ始める時点を検知し、その時
点から所定の時間が経過すると、トラバース台２１の逆
方向への移動を開始する。

一般に、鍔ぎわにおいては、第７図に示すように、次層
の１番目の線ａ１の隣に２番目の線ａ２が並ぶことにな
るが，上記装置のように、案内装置２１が鍔を越えて移
動するようにしたものは、２番目の線ａ２が１番目の線
ａエの上に乗り上げる傾向があり、特に直径１ｎ程度の
細線の場合はその傾向が著しい。

そこで、本発明は遅れ勝手角度をつくるための案内装置
を使用した細線の巻取り方法において、上記の問題、す
なわち次層２番目の巻回が整然と行なえるようにするこ
とを目的とする。

上記の問題点を解決するために、本発明は、トラバース
台をボビンの一方の鍔まで移動して停止させると同時に
案内装置を駆動し、同装置を同じ方向に移動して鍔内面
を越えて停止させ、鍔ぎわで次層の１番目の巻回を行な
い、その巻回の終了前に案内装置を鍔内方に移動して停
止させ、次層の２番目の巻回を行ない、その巻回開始後
案内装置を先の鍔方向に戻し１番目の巻回線に密着せし
めるとともにトラバース台の逆方向の移動を開始するよ
うにしたものである。

上記のように構成すると、鍔ぎわにおいて案内装置は、
■鍔内面を越える移動、■鍔内方・＼の移動、■鍔方向
への移動，という動作を行なったのち、トラバース台の
逆方向の移動開始により次層の２番目以降の巻回に移る
ものであるから、■，■，■の移動後の停止時間を適宜
設定することにより、鍔際において線間の巻乱れがなく
、整然と次層の巻始めをつくることができる。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本発明の実施例の方法を実施するための装置を
示している。

図示のように、細線Ａをトラバースするトラバース台１
は、ギヤボックス２より突出した案内軸３にそって、ト
ラバース軸４の回転により、ポビン５の回転軸６と平行
に横移動し、かつクラッチ７の切替によって往復移動を
行なう。

前記ボビン５は、回転軸６の段付部８と、軸６の端部に
ねじ結合したナット９とによって軸６に固定されている
。

なおボビン５がプラスチック製の場合には、ボビン鍔１
０及び１０′に曲り或は反りが発生しない様、金属性フ
ランジ１ １ ， １ １’によりその内面がボビン鍔
内面と一致するように押えておく。

この金属性フランジ１１は、また，後述する通電信号を
発するのに役立つ。

金属性ボビンの場合には、このような押え手段を省略す
ることができる。

前記トラバース台１には、ガイドローラ１２を設け、さ
らにその前方に一対の縦ローラ１３を配置して、細線Ａ
をボビン胴に案内する。

上記縦ローラ１３の支持台１４は、トラバース台１の先
端に固定したＬ字状部材１５の上面で横方向にスライド
可能に取り付けられており、また支持台１４の一端は、
シリンダ１６のピストン軸に連結され、シリンダ１６の
動作により、支持台１４が横方向に移動するようになっ
ている。

トラバース台１にＬ字状部材１５を介して取り付けられ
た支持台１４及びその支持台１４に設けた縦ローラ１３
並びにシリンダ１６は案内装置を構成している。

なお巻回する細線Ａは、既巻の隣接線に対して、一般的
にθの傾斜角を持つように、即ち遅れ勝手になるように
、縦ローラ１３によって案内される。

第３図と逆方向にトラバースしているときも同様である
。

従ってシリンダ１６は、縦ローラ１３を移動させて、細
線Ａを２θ分だけ横に振ることができる。

前記Ｌ字状部材１５の下面（こは、センスパー１７が、
ボビン５に巻回中の細線Ａと同一線上になるよう取り付
けられている。

このセンスパー１７には、検出信号を得るために一定の
電圧がかけられている。

なおセンスパー１７は、それがボビン鍔に接触して、ト
ラバース台１が停止するまで６９若干移動する距離を吸
収しうるように中立点から左右に首振りできるようにな
っている。

またセンスパー１７自体に弾性のあるものを使用しても
よい。

さらに前記ボビン５の回転軸６には、パルスカウンタ等
の回転角度検出器１８が設けられている。

本発明の実施例の方法を実施する装置は以上のとおりで
あり、次にこの装置を用いて実施する本発明の実施例を
説明する。

今ボビン５の一方の鍔１０′から矢印方向（第３図）に
、傾斜角θを設けながら細線Ａを巻回していき、他方の
ボビン鍔１０に到達したとき、センスパー１７が接地さ
れた金属性フランジ１１に接することによる通電により
、検出信号がえられ，これによって細線Ａがボビン鍔１
０まで巻回されたことを検出する。

検出と同時にトラバース軸４を停止させ、さらにシリン
ダ１６を作動させて縦ローラ１３をボビン鍔１０の内面
を軸方向に越えて第４図実線の位置に移動させ、巻回中
の細線Ａをボビン鍔１０に押しつける。

即ちボビンン鍔ぎわで、巻回する細線Ａの次層を形成す
る。

一方上記検出と同時にパルスカウンタ１８がカウントを
開始している。

従ってカウンタ１８がボビン５の約１回転相尚分のパル
スを計数した時、巻回する細線Ａの次層の最初の巻回が
ほぼ完了したことになる。

この時シリンダ１６を作動させて縦ローラ１３をボビン
鍔１０′の方向、即ち第４図の鎖線で示すように鍔１０
の内方に移動させて停止すると、第５図に示すように巻
回中の細線Ａが既巻の隣接線から離れるようになり、ボ
ビン鍔ぎわでの２重巻が生じることなく、２番目の巻回
に移行する。

しかし、そのままでは２番目の巻回が１番目の線に密着
しないので、シリンダ１６の作動開始後パ．ルスカウン
タ１８が一定パルス、例えばボビンの１／８〜１／２回
転に相当するパルスを計数した時、再びシリンダ１６を
作動させて縦ローラ１３をボビン鍔１０の方向へ移行さ
せることにより、巻回中の細線Ａを既巻の隣接細線に密
着させ、同時にトラバース軸４を逆転させて逆方向にト
ラバースを開始する。

このような動作を繰り返して細線を密着巻きしていく。

本発明は、以上の様に、ボビン鍔ぎわにおいてボビン鍔
に密着するように細線を案内して次層を形成し、逆方向
にトラバースを開始する前に巻回中の細線を一度既巻の
隣接細線から離してボビン鍔ぎわでの立上り等が生じな
いようにした後、再び既巻の隣接細線に密着させてから
逆方向にトラバースを開始するものであるから、ボビン
鍔ぎわでの２番目の巻回線が１番目の巻回線に乗り上げ
ることなく、整然と巻くことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例を実施する細線巻取装置の一部横
断平面図、第２図は同上の要部を示す側面図、第３図乃
至第５図は本発明の工程を示す平面略図、第６図及び第
７図は従来の方法を示す平面路図である。 １・・・・・・トラバース台、２・・・・・・ギヤボッ
クス、４・・・・・・トラバース軸、５・・・・・・ボ
ビン、１ ０ ， １ ０’・・・・・・ボビン鍔、１
３・・・・・・縦ローラ、１４・・・・・・支持台、１
５・・・・・・Ｌ字状部材、１６・・・・・・シリンダ
、１７・・・・・・センスパー １８・・・・・・回転
角度検出器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転しているボビンに遅れ勝手角度を保持して細線
   をトラバース台に載せた案内装置から供給し、トラバー
   ス台をボビン軸と平行に往復移動させて細線をボビン胴
   部に巻取る細線の巻取り方法において、トラバース台を
   ボビンの一方の鍔まで移動して停止させると同時に案内
   装置を駆動し、同装置を同じ方向に移動して鍔内面を越
   えて停止させ、鍔ぎわで次層の１番目の巻回を行ない、
   その巻回の終了前に案内装置を鍔内方に移動して停止さ
   せ、次層の２番目の巻回を行ない、その巻回開始後案内
   装置を先の鍔方向に戻し１番目の巻回線に密着せしめる
   とともにトラバース台の逆方向の移動を開始することを
   特徴とする細線の巻取り方法。