JPS5849368Y2 - エンジン排気の除塵装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエンジン、特にディーゼルエンジンの排気管
に取付けて、エンジンから排出される黒煙や火粉等の粉
塵を除去する除塵装置に関する。

ディーゼルエンジンの排気中には、ガソリンエンジンの
排気と較べて黒煙が多く含まれる。

このような黒煙をそのまま大気中に放出すると、大気汚
染の原因となり好ましくないだけでなく、次に述べるよ
うな不都合を生じる。

すなわち、排気の黒煙中の大きな粒子は時として赤熱さ
れたまま火粉として排出されるが、これが可燃物を収納
した倉庫内で使用されるフォークリフト等の場合、火災
の原因となり非常に危険である。

従来このように危険な火粉を含む粉塵を除去するために
、フィルタを内蔵した防塵装置を用いていたが、このよ
うな従来の装置ではすぐにフィルタが目詰りをおこし、
フィルタの掃除や交換等を頻繁に行なわなければならず
面倒である。

本考案は以上のような従来装置の欠点を解消し、粉塵処
理が簡単であるだけでなく消音機能をも兼ね備えたエン
ジン排気の除塵装置を提供せんとするものである。

以下、実施例を示す図面によって本考案を説明すると、
第１図は第２図のＡ−Ａ線による縦断側面図、第２図は
第１図のＢ−Ｂ断面図であり、円筒１０両端は端板２，
３で塞がれており、内部は円錐状隔壁４により旋回室５
と集塵室６とに分けられている。

左の端板２を偏心位置において気密に貫通して排気導入
管７が旋回室５に挿込まれており、排気導入管７の先端
部は隔壁４の内面に斜交しかつ少しく第１図右方へ向く
曲げ部７ａとして、排気導入管７から噴出した排気が隔
壁４の内面に沿って旋回しつつ右方へ進むようにしてい
る。

右の端板３の中心部にはこれを気密に貫通し、隔壁４０
円錐状頭部を気密に貫通する排出管８を取付ける。

また隔壁４０円錐状頂部付近に通孔９を穿設する。

１０は集塵室６の下部に設けた蓄積粉塵の排出口１１に
取付けたねじ蓋１０である。

以上のように構成された第一実施例の除塵装置の作用を
説明すると、エンジンに接続された排気導入管７を通っ
て円筒１内に流入する排気は、曲げ部７ａの方向に噴出
し、円筒１、円錐状の隔壁４に案内されて高速で旋回し
つつ右方へ進行する。

直径の少さな隔壁４の頭部方向へ進むに従ってますます
旋回流速は大きくなる。

このとき排気に含まれる粉塵は遠心力のため隔壁４の内
面に沿って旋回しつつ進行し、通孔９から集塵室６へ入
り、その底に溜る。

粉塵を旋回させつつ右行した排気は、比較的低圧な旋回
排気流の中心部を通り排出管８に沿って左行し、一層低
圧な排出管８の左端から鉄管に入り、右方へ進み排出さ
れる。

排気中に赤熱した火粉が混じていても、隔壁４に押付け
られつつ旋回し進行する間に、火粉の熱が隔壁４に奪わ
れて消火される。

このようにして集塵室６に溜った火気のない粉塵は適時
ねじ蓋１０を開いて排出口１１より取出される。

円錐状隔壁４の内面に、第３図のように螺旋状の突条１
２を形成すると、旋回する排気流内に部分的に渦流を生
じて旋回流の勢力が弱められるのを防止することができ
る。

この螺旋状突条１２の間に第４図のように孔１５を穿設
すると、排気の旋回と共に遠心力により隔壁４の内面に
押付けられる粉塵を、迅速に集塵室６に収容することが
できると共に、騒音を伴った排気流に対して集塵室６を
共鳴室として作用させて排気騒音を減衰させるのに効果
がある。

第５図は隔壁４に第６図のような三角屋根状のかり出し
孔１６を、螺旋状に配夕１ルで設け、排気騒音を減衰さ
せると共に旋回する排気中の粉塵を遂次孔１６から集塵
室６へ入れるようにしたものである。

第７〜８図は本案の第二実施例を示し、第７図は第８図
のＣ−Ｃ線による縦断側面図、第８図は第７図のＤ−Ｄ
断面図である。

この例は円筒１に通口１７を持つ隔板１Ｂを設けて排気
導入管７、排出管８を支持させ、また中間部に複数の通
孔１９を持つ隔板２０を設けて排出管８を支持させたも
のである。

隔板２０と端板３との間には室２１が形成される。

該室２１内にある排出管８に数個の通孔２２を穿設する
。

このように構成すると、排気導入管７、排出管８はそれ
ぞれ端板２、隔板１Ｂにより二点支持され、また排気管
８は端板３、隔板２０により二点支持されるから、第１
〜２図の第一実施例の装置よりも強度が向上し、振動を
受は易い自動車に装着した場合でも破損を防止できる。

隔板１Ｂは枠の形とすることができる。

この実施例の装置の消火、集塵作用は、第一実施例の装
置と同様であるが、この構造では排気の一部が通孔９か
ら集塵室６に入り、通孔１９、室２１、通孔２２を通っ
て膨張、収縮を繰返すので一部の排気騒音を減衰させる
ことができ、従って別に装着すべき消音器を簡単なもの
とすることができる。

以上の数個の実施例について説明したように、本考案は
サイクロン式集塵方式を巧に使用して粉塵を含むエンジ
ン排気から粉塵を捕集するものであるが、構造簡単で小
型に製作できるから、フォークリフトその他一般の自動
車に容易に装着することができ、排気管の端口からの黒
煙の排出や、特に火粉を吹出すような危険な現象を防止
できて実用上有効である。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示す。 第１〜２図は第一実施例を示し、第１図は第２図のＡ−
Ａ線による縦断側面図、第２図は第１図のＢ−Ｂ断面図
、第３図は突条を設けた円錐状隔壁の縦断側面図、第４
図は更に通孔を設けた該隔壁の部分断面図、第５図はか
り出し孔を螺旋状に設けた隔壁の部分縦断面図、第６図
は°該かり出し孔の斜視図、第７〜８図は第二実施例を
示し、第７図は第８図のＣ−Ｃ線による縦断側面図、第
８図は第７図のＤ−Ｄ断面図である。 １・・・・・・円筒、２，３・・・・・・端板、４・・
・・・・円錐状隔壁、５・・・・・・旋回室、６・・・
・・・集塵室、７・・・・・・排気導入管、７ａ・・・
・・・曲げ部、８・・・・・・排出管、９・・・・・・
通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端開口をそれぞれ端板２，３により塞いだ円筒１内を
   頂部を排気下流側に向けた円錐状隔壁４により旋回室５
   と集塵室６とに分割し、排気上流側の端板２を気密に貫
   通して旋回室５内に挿入した排気導入管７の先端部を前
   記隔壁４の内面に斜交しかつ少しく排気下流側に向く曲
   げ部７ａとし、排気下流側の端板３と円錐状隔壁４の頂
   部とを気密に貫通した排出管８を旋回室５の排気上流側
   端部近くに開口させ、円錐状隔壁４の頂部付近に通孔９
   ，９を穿設して成るエンジン排気の除塵装置。