JPS5848919Y2 - パツシブベルトのベルト変位装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はドアの開閉に応動して拘束ベルトの拘束位置、
退避位置間の変位を機械的、電気的な駆動機構を利用す
ることなく、簡易に行ない得るパッシブベルト装置の拘
束ベルト変位機構の改良に関するものである。

従来、パッシブベルト装置においては通常、ドアの開閉
に応動してベルトを転移させる場合、増幅機構を含む機
械的な駆動か、又はモータ等の電気的な駆動手段を使用
して転移させることが一般に採用されており、例えばモ
ータにより駆動される牽引ワイヤーとかラックドワイヤ
あるいは増巾機構に連結された引き上げテープ等が設け
られて来た。

しかしながら、これらは各種駆動機構の部品増のため機
構全体の部品点数の増加、コスト面での不利を免れない
。

そのため本考案者はかねてより転移機構の簡素化につい
て種々検討を重ね、駆動手段の撤廃による方式を探究し
ていたところ、実際に乗員が車輛に乗降する場合には、
ドアの開閉操作は、比較的急激な力で行なわれ、殊に開
放作動の当初、あるいは開放されたドアの閉鎖作動の当
初においては比較的強い力を以て作動させることが多い
ことを見出し、実際のベルトの転移作動には特に駆動手
段を使用せずども充分、可能であることが判明し、さき
に拘束ベルトをドア開閉動によってのみ滑動的に支承さ
れたハンガーに挿通支持してドアの開閉に応じて自動的
に転移せしめる装置を提案した。

ところが、この装置はその後、使用を重ねると共にハン
ガーを使用し、ベルト挿通支持するためハンガーとガイ
ドレール間の摺動に負担が生じ、動きを弱化すると共に
、ハンガーとベルトとの間に生じる滑りによりドア開閉
時の作動力を減殺する傾向があることが分り、部品面で
のハンガー製作の必要と相俟って未だ十分とはいえなか
った。

そこで本考案者は更に引続き作動の確実性と構成の簡素
化による合理化を目指し、検討を行なった結果、スライ
ダーの滑りを円滑にするならば簡単な、例えば連結テー
プの如き連結具による連結でも有効に作動が得られるこ
とを経験し、第１図に図示した如き装置を別途提案した
。

即ち、この装置はドア１に取り付けたガイドロッド２を
摺動するスライダー３にガイドテープ４の一端を連結し
、その他端を、ドア内部に収蔵された緊急ロック式リト
ラクタ−６から上方の転向リング７を通して引き出され
、座席１０側方のインナー側固定位置にあるバックルス
トーク９に係脱可能に係脱されたトング８に亘って掛張
されている拘束ベルト５上の所要地点に固定１１すると
共に、この場合におけるインナー側固定位置より前記拘
束ベルト５上の固定点に至るベルト拘束長さと連結テー
プ４との長さの和をドア全開時のインナー側固定位置と
ドアヒンジ側前方開放位置とを結ぶ長さより稍長く構成
したものである。

なお、同図において１２はニーパット、１３はサツシブ
ラケット、１４はビラブラケットを示している。

この装置は成程、従前の装置に比較し、その構成が簡単
であり、ドアの開閉に応動するベルトの変位作動におい
てもすぐれたものをもっており、太いにその実用化が期
待されるところであるが、本考案は、更にこれに改良を
加え、乗降空間をより広げ、乗員の乗降を楽にするよう
に工夫したものである。

即ち、本考案は第１図図示の如き装置にあってはガイド
ロッド２と拘束ベルト５との連結は実質上、１筋のガイ
ドテープのみに依存しており、従ってドア開放時におけ
るベルト退避位置においてベルトは最も前方へ引き上げ
られるとしてもベルト上の固定地点とドア開放側上部支
持点との間のベルトが張設されることに着目し、これを
互いに離れた２点において引上げ保持してドアサツシ側
へ接近させることを目的とし、ガイドテープを、その一
端を拘束ベルト固定地点に固定すると共に他端側なガイ
ド部材に掛は廻し、その端部を拘束ベルトのドア解放側
寄りに被嵌した遊動自在なリングに止着せしめた構成を
特徴とする。

以下本考案ベルト変位装置の具体的な内容を更に添付第
２図、第３図にもとづいて詳述する。

第２図は本考案装置を使用したパッシブベルト装置の１
例を示す斜視概観図であり、第３図はその要部拡大図で
ある。

これら両図においてガイドロッド２、スライダー３、拘
束用ダイヤゴナルベルト５、転向リング、７等の各部材
は第１図における夫々同一符号で表わす部分と同一であ
り、その全体構造は第１図ならびに前述の説明を参照す
ることによって容易に理解されるところであるから詳細
は省唇する。

１５．１６は本考案において特徴とする連結具構成のガ
イドテープ及び遊動自在のリングを夫々表わしており、
ガイドテープ１５は通常、伸縮性はないが、比較的強度
の大きい適宜所定長の細巾テープが使用され、その一端
が拘束用ベルト５におけるインナー側固定位置より乗員
拘束可能な長さ地点に縫付等により固定１１されて、他
端側かガイドロッド２に摺動可能に取り付けられたスラ
イダー３の下端に形成されているベルト挿通孔３ａに挿
通折り返されてＵ字状に掛は廻された後、前記固定位置
１１よりドア開放側の転向リング７寄り位置において拘
束ベルトに遊動自在に被嵌されｆこリング１４に至って
その適当な位置に固着されている。

従って、連結具は実質的にＵ字状に折り返されたガイド
テープ１５の両開放端による２点支持であり、これら２
点はリング１６の位置によって互いに離れ、あるいは接
近する。

勿論、図示例においてはガイドテープ１５は１本として
図示されているが、実際上は強度を増加するため複数本
を使用することも差支えない。

又、図示例ではスライダー３を使用し、そのベルト挿通
孔３ａにガイドテープ１５を掛は廻しているが、スライ
ダー３は必らずしも必須ではなくガイドロッド２に直接
、掛は廻し自由に摺動し得るようにしても差支えなく、
更に緊急ロック式リトラクタ−６とバックルストーク９
の配置を交換し、ドア開放側上部をアンカーとじ車輌イ
ンナー側にリトラクタ−を配置することも出来る。

次に前記の如き構成からなるパッシブベルト装置につい
て、その作用効果を第２図、第３図に従って説明すると
、先ず、ドア１が閉鎖状態にあり、スライダー３がガイ
ドロッド２後万端に位置して乗員を拘束する状態におい
ては第３図に図示する如く、連結具の拘束ベルト上の固
定位置１１は転向リング７の近傍にあり、ベルト５はそ
の拘束長さでもって乗員を拘束保護しているが、連結具
上のリング１６はドア開放側上部の転向リング７部にお
いて転向リング７と略、重なった状態におかれている。

この場合、前記固定位置１１はＩＪ ）ラフターの巻込
力により、リング１６及び転向リング７内を潜通して図
示の位置に至っている。

そして、この状態からドア１を解放すると、このドアの
開放力により拘束ベルトであるショルダ−ベルト５のリ
トラクタ−６からの延び出しと共にスライダー３は前方
への移行力が付勢され、次いで続く開放角によって発生
する反力により自動的にガイドロッド２に沿って前方へ
移動し、第２図の如き前方開放位置に至る。

そして、この状態と並行してベルト５は次第に前方へ引
上げられ、固定位置１１は両リング７．１６を通り越し
てインナー側に寄り、スライダー３の前方所定位置に対
応する位置に至ってスライダー３との間で連結具は伸び
、ベルト５を引上げ状態に保持する。

このとき固定位置１１に対し遊動リング１６はベルト５
を自由に挿通するため固定位置１１とスライダー３と共
に三角形を形成して安定し、図示状態となる。

次に、この状態より逆にドア１を閉鎖するときは、その
閉鎖力により反力によって後方への移行力が付勢され、
拘束ベルト５のＩＪ ）ラフター６への巻き込みによる
短縮傾向と、最短距離をとらうとするベルトの拘束長さ
とに対応して連結具は固定位置１１とリング１６間の間
隔を狭めつつガイドロッド２後方側へ自動的に移行し、
第３図の状態に至る。

かくしてドアの開閉に対応し、拘束ベルトの拘束位置と
退避位置との間の変位が円滑に行なわれる。

以上の如く、本考案装置は連結具の一端を拘束ベルトの
所定の位置に固定し、他端をガイドロッド又はスライダ
ーに掛は廻し、遊動リングに連結しｆこものであるから
ドアの開閉に応じ自動的にドア開閉時の反力にて連結具
をガイドロッドに沿い滑動させ、拘束ベルトを拘束位置
、退避位置の間で変位させ、乗員の乗降を容易とするこ
とができると共に、ベルトを変位させるための機械的又
は電気的な駆動機構を全く必要とせず、パッシブベルト
の構成を簡素化し、組付性、耐久性を良好ならしめ、製
作コストを低減させる利点がある。

しかも本考案では更にガイドテープをガイド部材に掛は
廻し、遊動リングに端部を止着したことによりドア開放
状態においてベルト上の固定位置と、ガイド部材上の掛
は廻し位置と、遊動リングとによりベルトを支持した状
態となし、固定位置及び遊動リングの周位置においてベ
ルトを前方へ引上げ、従来に比し斜ベルトをドアサツシ
側へ接近退避させることができ、乗員の乗降空間を効果
的に拡大し安全ベルト装備による車輛内空間の有効利用
に果す役割は頗る犬である。

【図面の簡単な説明】

第１図は連結具を使用した別途提案のパッシブベルト装
置の全体を示す斜視概観図、第２図は本考案に係る連結
具を使用したパッシブベルト装置例を示す斜視概観図、
第３図は第２図における連結具のドア閉鎖暗状態を示す
要部説明図である。 １・・・・・・ドア、２・・・・・・ガイド部材、３・
・・・・・スライダー ３ａ・・・・・・ベルト挿通孔
、５・・・・・・拘束ベルト、６・・・・・・緊急ロッ
ク式リトラクタ−１１１・・・・・・連結具固定位置、
１５・・・・・・連結具、１６・・・・・・遊動リング
。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １６ ドアに取り付けたガイド部材と、緊急ロック式
   リトラクタ−より引き出され、乗員の前部を横切って斜
   めに延びる拘束ベルトの拘束時、ドア開放側上部支持位
   置近傍地点とを紐、テープ等の連結具により連結せしめ
   たパッシブベルト装置であって、前記連結具は、その一
   端が前記地点に固定されていると共に他端側かガイド部
   材に摺動可能に、又はガイド部材に従って摺動するスラ
   イダーのベルト挿通孔に掛は廻されてその端部を前記ベ
   ルト上の固定地点より上部支持位置側寄りに遊動自在に
   被嵌されたリングに止着してなることを特徴とするパッ
   シブベルトのベルト変位装置。 ２、拘束ベルトがショルダーベルトである実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のパッシブベルトのベルト変位装
   置。