JPS5848855B2 - 電気泳動用試料塗布装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気泳動装置、特に緩衝液の支持体としてセル
ロースアセテート膜を用い、血清蛋白Ｏ分析を行なう電
気泳動装置に関するものである。

セルロースアセテート電気泳動装置は検体や色素の吸着
が少ないこと、試料の吸着が僅か，なので試料の損失が
少なく、微量の検体でも分析できること、泳動のときの
尾引き現象（テーリング）が少ないので分離は明瞭で定
量に有利であることなどの利点を有している。

本願人はこのようなセルロースアセテート電気泳動を多
数の検体に対して同時に行なうことができる自動電気泳
動装置を開発している。

この自動電気泳動装置はロール状に巻かれた支持体を所
定の長さにカットする部分と、この支持体を緩衝液で湿
潤する部分と、支持体に血清検体を塗布する部分と、支
持体に塗布した血清を分画する電気泳動部分と、電気泳
動を行なった支持体を染色する部分と、脱色する部分と
、脱色した支持体を透明化する部分と、透明化した支持
体上に形成される分画像の濃度を測定するデンシトメー
タ一部分とを具えるものである。

このような電気泳動装置において測定精度を決定する要
因は種々あるが、特に緩衝液で湿潤した支持体に血清試
料を塗布した状態の良否が測定結果に相当大きな影響を
与えることを確めた。

この塗布状態は周囲の湿度や温度に影響され、塗布先に
付着した血清の乾燥や支持体に塗布した血清θつ乾燥の
みでなく、血清皿内に収容した血清の乾燥および湿潤し
た支持体の乾燥なども測定結果に悪影響を与えることが
判った。

本発明の目的は上述した欠点を除去し、血清試料の塗布
を常に最良の状態で行なうことによって高い測定精度を
得ることができる電気泳動用試料塗布装置を提供せんと
するものである。

本発明の電気泳動用試料塗布装置は、電気泳動用の支持
体に試料を塗布する空間を外匣によって外部雰囲気から
ほぼ密封し、この空間内に微細な水滴を噴霧する加湿器
を設け、塗布空間内の湿度を制御するようにしたことを
特徴とするものである。

以下図面を参照して本発明を詳細に説明する。

第１図は本発明による電気泳動用試料塗布装置を有する
電気泳動装置全体の構成を示す線図である。

支持体供給部１には支持体ロール２を設け、これから繰
出した支持体をカッター３により所定の長さに切断し、
次段の湿潤部４へ送る。

湿潤部４においては緩衝液を収容した容器５の上方に一
対の湿潤ローラー６Ａ，６Ｂを設け、切断された支持体
をこれらローラーの間に通して支持体を緩衝液で湿潤す
る。

こりようにして緩衝液で湿潤した支持体を血清試料塗布
部７へ送る。

ここでは支持体はローラー８Ａ，８Ｂ間に掛け渡したエ
ンドレスベルト９により所定の位置に送られ、後述する
ように多数の塗布先を有する塗布機構１０によって多数
の血清が同時に塗布される。

このようにして血清試料が塗布された支持体は更に泳動
箱１１へ送られ、電気泳動が行なわれる。

電気泳動が終った支持体は次に染色部１２へ送られる。

この染色部では染色液を収容した容器１３の上方にロー
ラー１４を回転自在に設け支持体を染色する。

染色後支持体を直ちに脱色部１５へ送り、容器１６に収
容した脱色液をローラー１７により支持体に作用させ脱
色を行なう。

脱色後支持体をデンシトメータ一部１８へ送る。

本例ではデンシトメータ一部に設けた容器１９に透明化
液（デカリン、流動パラフィン）を収容し、一対のロー
ラー２０Ａ，２０Ｂ間に支持体を通して透明化を行ない
測光部へ導びく。

測光部には光源ランプ２１，レンズ２２，フィルタ２３
および受光素子２４を設け、電気泳動による分画像の濃
度を光電的に測定し、血清蛋白の分析を行なう。

測定が終了した支持体は一対のローラー２５Ａ，２５Ｂ
によりデンシトメータ一部１８から排出される。

本発明は上述したような電気泳動装置において血清試料
塗布部７において血清試料の乾燥を防止することにより
測定精度の向上を計るものである。

第２図は血清試料塗布部Ｔの一例の構成を示す断面図で
ある。

前段の湿潤部４で湿潤された支持体３２はモーター３０
、チェーン３１を介して駆動されるローラー８Ａにより
駆動されるベルト９Ａ〜９Ｄにより血清塗布位置に搬送
される。

支持体３２の裏面にはこの位置で、モーター３３、カム
３４により上下動するブロック３５が当接するようにな
る。

一方多数の血清塗布先３６を保持する保持部材３７はモ
ーター３８により駆動されるベルト３９に固着され、ベ
ルトと一緒に第２図において左右に往復移動できる構成
となっている。

更にこのベルト駆動機構全体を保持枠４０により保持し
、この保持枠をモーター４１、カム４２およびポスト４
３により上下に運動できるようにする。

したがって血清塗布先３６は左右に移動すると共に上下
にも移動できるようになっている。

このような血清塗布機構を更に外匣４４によって密封す
る。

この外匣４４の側面には蓋４５を回動自在に設け、把手
４６を持って蓋４５を開け、血清皿４７の出入れを行な
い得るようにする。

また血清塗布先３６を所定の位置で停止させるために保
持枠４０の裏面にはマイクロスイッチ４７′，４８ ，
４９ ，５０ ，５１を設け、これらマイクロインチを
保持部材３γに固着した作用片５２により駆動できるよ
うにする。

第３図は血清塗布先３６の分解斜視図を示し、先端に細
片５３を有する細条５４と、先端に開口５５を有する細
条５６とをスペーサ−５７を介して第４図に示すように
扶持合体したものである。

このような塗布先３６を用いると細条５４の細片５３と
細条５６の開口５５を画成する先端辺との間に血清試料
５８が微少量保持される。

血清塗布先３６が第２図に示す位置にあるときにモータ
ー４１を駆動して塗布先を降下させ、先端を血清皿４７
に収容した血清試料中に浸漬させる。

次に塗布先３６を上昇させ、左方へ移動させ、ブロック
３５の真上に位置させる。

この位置で塗布先３６は降下し、これと同時にモーター
３３が駆動され、支持体３２を持ち上げる。

このようにして塗布先３６と支持体３２とを接触させな
がら塗布先３６を左方へ僅かに移動させて血清試料を支
持体３２の所定位置に塗布する。

第１図に示すように塗布先は第２図の紙面に対し直角を
成す方向に多数設けられているので多数の血清試料を同
時に支持体に塗布することができる。

血清塗布後、塗布先３６は上昇し、更に左方に送られ、
位置５９で停止する。

この位置で塗布先３６は再び降下し、洗浄パイプ６０を
有する洗浄槽６１内に入り、水洗される。

洗浄槽６１にはパイプ６２を連結し、洗浄液を供給する
。

洗浄後塗布先３６は再び上昇し、次に位置６３で停止す
る。

この位置で降下し、加熱エアーを噴出するパイプ６４内
に侵入し、乾燥される。

乾燥後、塗布先３６は再び上昇し、モーター３８により
右方へ送られ第２図に示す位置で停止する。

以下順次の試料に対して同様の操作を繰返し、順次に送
られてくる支持体３２に血清試料を塗布することができ
る。

本発明においては、このような血清試料の塗布を行なう
雰囲気の湿度を調整するために加湿器６５を設け、加湿
器で生成させた水蒸気をパイプ６６を経て噴霧させる。

この噴霧は血清塗布工程の開始時から塗布先３６が試料
の吸着、塗布、洗浄工程に入るまでだけのように間欠的
に行なってもよいし、また常時連続的に行なってもよい
。

更に塗布雰囲気内の湿度を検出し、これが所定の値とな
るように噴霧を自動的または手動的に制御することもで
きる。

このように塗布雰囲気内の湿度を所定の値に維持するこ
とにより、湿潤された支持体の乾燥、支持体に塗布され
た血清試料の乾燥、塗布先に吸着した血清試料の乾燥、
凝縮を有効に防止することができ、測定精度を向上する
ことができると共に順次の試料間のコンタミネーション
を防止して測定の信頼度を向上することができる。

第５図は加湿器６５の一例の構成を示す断面図である。

本例では水を収容する容器６７の底面に超音波振動ユニ
ット６８を取付け水６９を霧状とする。

この霧状となった水滴をモーター７０により駆動される
ファン７１によってパイプ６６に送り込むようにする。

超音波振動ユニット６８を水６９がない状態で駆動する
と損傷するため、水面をレベルスイッチ７２によって検
出し、このスイッチを制御回路７３に接続し、この制御
回路７３により駆動回路７４を制御し、規定の水面レベ
ルのときだけ超音波振動ユニット６８を駆動できるよう
にする。

また水面が規定レベル以上となるのを防止するためにオ
ーバーフロー用の排水口７５を設ける。

また水を補給するためのホース７６を連結する。

第６図は洗浄パイプ６０および乾燥パイプ６４の構成を
示す平面図である。

洗浄パイプ６０の洗浄槽６１内部にある部分には多数の
孔７６を形成し、これらの孔から洗浄液を噴出させる。

洗浄槽６１から溢れた洗浄液は外側槽７７で受けてから
排出する。

一方乾燥パイプ６４にはスリット状の開口７８を形成し
、ファン７９から送給される熱風をこの開口７８から噴
出させる。

第２図に就き説明したように、塗布先３６が位置５９で
停止し、降下するときは塗布先３６が洗浄槽６１に満た
されている洗浄液中に浸漬されるようにする。

このようにして塗布先３６に残存している血清試料を洗
浄除去することができる。

また洗浄後、塗布先３６が位置６３において降下すると
きは塗布先３６がパイプ６４に形成したスリット状開口
７８内に浸入するようになっている。

このようにして塗布先３６に残留している洗浄液を乾燥
除去することができ、短時間で塗布先３６を清浄とする
ことができ、この際塗布先３６には大きな外力は加わら
ず、変形したり破損したりする恐れはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による試料塗布装置を具える電気泳動装
置の全体の構成を示す線図、第２図は本発明による試料
塗布装置の一実施例の構成を示す断面図、第３図は試料
塗布先の一例の構成を示す分解斜視図、第４図は同じく
その断面図、第５図は加湿器の一例の構成を示す断面図
、第６図は試料塗布先の洗浄および乾燥装置の一例の構
成を示す平面図である。 ７・・・血清試料塗布装置、３２・・・支持体、３６・
・・血清試料塗布先、４４・・・外匣、４７・・・血清
試料皿、６５・−・加湿器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電気泳動用の支持体に試料を塗布する空間を外匣に
   よって外部雰囲気からほぼ密封し、この空間内に微細な
   水滴を噴霧する加湿器を設け、塗布空間内の湿度を制御
   するようにしたことを特徴とする電気泳動用試料塗布装
   置。