JPS5847508B2 - フイラメントグンカクサンソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明の線状高分子物質のフィラメントから不織布ウエ
フ゛を製造するための装置に関する。

さらに詳しくは本発明は高速気流牽引装置より高速気流
と共に排出されるすだれ状のフィラメント群を均一に拡
散させて高品質の不織布を製造するための装置に関する
。

従来、線状高分子物質を溶融紡糸して得られる多数本の
フィラメントを高速気流牽引装置（通常エアサッカ一と
呼ばれるものが使用される）で牽引し、その下方に配置
した水平移動する捕集器（通常金網が使用される）の面
上に吹きつげて不織布ウエブを一貫して製造する方法は
スパンボンド法として周知である。

このスパンボンド法においては、得られるウエブ中のフ
ィラメントが均一に分布していることと共に、生産性の
高いこと、生産コストの低いことが望まれている。

このスパンボンド法の典型的な例として、狭少な矩形面
状に配置した多数個の紡糸ノズルから紡糸されたフィラ
メント群を、紡糸ノズルの下方に配設したスリット面に
通し、実質的にすだれ状にしてエアサッカー内に導入し
、フィラメント群の両側から高速度エアジェットを作用
させて延伸し、引続いてエアサッカー内に設けた狭い間
隙の案内路を通過させ、このフィラメント群を金網コン
ベアの面上に吹きつげてウェブを製造する方法が知られ
ている（特公昭４８−３８０２５号公報参照）。

この方法は幅の広いウエブを高能率で生産することを目
的とするものであるが、エアサッカーの幅が製造される
ウエブの幅とほぼ同一で広いため、エアサッカーの幅方
向にきわめて長く設けられたジェット噴射口の間隙を均
一にすることが必要であり、この間隙に斑のある場合に
は均斉なウェブを得ることはできない。

しかし、幅方向に長いジェット噴射口の間隙を精度よく
均一にすることは技術的に困難なものであり、したがっ
てこのようなエアサッカーを製作したり、補修するため
の費用が高くなって、その結果としてウエブの生産コス
トが高くなる。

さらにこの方法においてはエアサッカーだけでなく紡糸
ノズルの幅も広いため、ノズル交換、ノズル掃除、エア
サッカーへの糸入れなどの作業も困難であり、またエア
サッカ一から排出される高速度の気流を金網コンベアに
直接吹きつけることになるため、コンベア上に堆積され
たウエブの均一性を乱すことにもなるなどの多くの欠点
がある。

本発明者らは上記方法の欠点を排除して均一性の高いウ
エブを得るために、上述した構造のエアサッカーから排
出される高速度の気流およびすだれ状のフィラメント群
を均一に拡散させるべく種種検討した結果、以下に示す
装置により目的を達或しうろことを確認し、本発明を完
或するに至った。

すなわち本発明は高速気流と共に排出されるすだれ状の
フィラメント群が通過する際該フィラメント群がその幅
方向に拡散するようにしたフィラメント群拡散装置にお
いて、該拡散装置はフィラメント群が通過するための間
隔を隔ててほぼ平行に対じする２個の板状物からなり、
該間隔はフィラメント群の通過する方向に狭くなってい
ることを特徴とするフィラメント群拡散装置である。

まず本発明の装置を図面の具体例について説明する。

第１図は本発明の装置を用いて不織布ウエブを製造する
態様を示す斜視図であり、第２図は第１図をｌ−Ａ線に
沿う方向に切断し，て得られる垂直切断側面図である。

第１図および第２図において、数列の直線状に配置され
たオリフィス群を備えた紡糸ノズル１の下方に高速気流
牽引装置２を所定の距離をおいて配設し、この高速気流
牽引装置２の下方に本発明のフィラメント群拡散装置３
をやはり所定の距離をおいて配設する。

そしてフィラメント群拡散装置３の下方には一定の速度
で移動する金網コンベア４および位置を固定した気流吸
引装置５かもなるフィラメント群捕集器を設ける。

紡糸ノズル１より溶融紡出された線状高分子のすだれ状
のフィラメント群Ｆはその表面が冷却固化された状態で
高速気流牽引装置に導入され、この装置２で延伸され、
実用的繊維として充分な物理的性質をもったフィラメン
トからなるフィラメント群として糸送出路６から高速気
流と共に高速で排出されて、本発明のフィラメント群拡
散装置３に到達する。

このフィラメント群拡散装置３は後に述べる如く、高速
気流およびフィラメント群をフィラメント群の幅方向に
拡散させて排出する機能を有するものであり、したがっ
てフィラメント群拡散装置３を通過したフィラメント群
は第１図に示すようにその幅方向に均一に拡散されて排
出される。

こうして拡散されたフィラメント群はコンベア４に到達
して捕集、堆積されて均一なウエブが製造される。

本発明のフィラメント群拡散装置はこのように狭小な短
形状の高速気流牽引装置の糸送出路より排出されるすだ
れ状のフィラメント群および高速気流を上記すだれ状の
フィラメント群の幅方向に拡散させて、フィラメント群
を均一に分布させることのできる構造を有するものであ
る。

第３図に断面図としてその１例を示すと、具体的には通
過させるべきフィラメント群を挾んでほぼ平行に対じる
２個の板状物３ａ，３ｂより或る。

そして２個の板状物３ａ，３ｂ間の間隙はフィラメント
の通過する方向に狭くなるように設けられて（・る。

上記の板状物３ａ，３ｂより構成される本発明のフィラ
メント群拡散ガイド３の好ましい態様は次のとおりであ
る。

すなわち第１図〜第３図の装置において、２枚の板状物
の間隙は広い方すなわち上部の方（Ｍａ）は４０〜２５
０ｍｍ１一方狭い方すなわち下部の方（Ｍｂ）は３〜３
０ ａｍになるように選ばれる。

しかしこの間隔は高速気流牽引装置の糸送出路の間隔Ｎ
、排出される高速気流の速度、フィラメント数などに応
じて適宜変更するのが望ましい。

またそれぞれ板状物の長さは高速気流牽引装置の幅より
やや長くし、一方縦方向の長さＨは３０〜３００ｍｍに
なるようにするのが望ましい。

本発明の装置を用いて不織布ウェブを製造する場合、高
速気流牽引装置の糸送出路の直下に上記糸送出路と平行
に配列させ、その配列される位置は本発明の装置の下端
と上記糸送山路の下端との距離（Ｊ＋Ｈ）が５０〜５０
０ｍｍになるようにするのが望ましい。

本発明の装置に高速で排出されたすだれ状のフィラメン
ト群および高速気流を通過させることにより、フィラメ
ント群が第１図に示すように拡散する理由は次のとおり
と考えられる。

すなわち狭小な矩形状の高速気流牽引装置の糸送出路か
ら排出される高速気流は第４図の領域Ｄで示すように、
前後および幅方向に拡散しながら断面が細長い楕円形状
になってフィラメント群拡散装置３に到達する。

そして２つの板状物３ａ ，３ｂの間を通過する高速気
流Ｘは第５図に示すように、板状物３ａの中央ではフィ
ラメントを直進させ、一方、板状物３ａの側方部では高
速気流Ｘの拡散分力Ｐが生じてフィラメントを拡散させ
るように作用し、他方、第６図に示すように板状物３ａ
，３ｂの傾斜状の内面に衝突する高速気流Ｙは、気圧の
小さい方向に屈折する傾向があるのでガイド板３ａの中
央部では矢印Ｑ方向の範囲内で屈折し、かつガイド板３
ａの側方部では矢印Ｒ方向の範囲内に屈折してフィラメ
ントを拡散させるように作用する。

したがって、高速気流牽引装置２から送出されたフイラ
メンｌ・群Ｆは、高速気流の拡散分力ＰおよびＱ，Ｒ方
向への屈折気流によって、高速気流牽引装置２の幅より
拡げられるものと考えられる。

本発明の装置は、−ヒ記した作用により高速気流牽引装
置より送り出されたフィラメント群を上記牽引装置の幅
より大きく拡散できる構造のものであれば、必ずしも前
記の第１図〜第３図に示される構造のものに限定されな
い。

本発明の装置の他の具体例を示せば例えば次に示す構造
のものが挙げられる。

すなわち第７図、第８図は本発明のフィラメント群拡散
装置の具体例を示す垂直切断側面図である。

これらの具体例に示されるように２個の板状物の断面形
状はその対じする内面がフィラメント群の通過する方向
に傾斜している限り特に限定されない。

しかし板状物の下端が第７図、第８図の７に示すように
鋭くなっていることは拡散されたフィラメント群をその
直角方向に乱すことなく捕集面上に案内するためには望
ましいことである。

なお本発明の装置においては、２個の板状物の間隙は、
第４図に示したように完全に平行である必要はない。

特に本発明の趣旨とするすだれ状のフィラメント群を幅
広く拡散させる意味において、上記の間隙はその中央が
狭く両端に近づくにつれて広くなるような構造のものが
好ましく、さらにその間隙の拡がり方は滑らかであるも
のが望ましい。

具体的に図面では、第９図〜第１１図の本発明の装置の
板状物を横断面の形状で示したとおりであり、殊に第９
図、第１０図のものが好ましい。

本発明の装置は−ヒ記の構造の板状物よりなるが、不織
布ウエブの製造に使用する際に、フィラメント群の拡散
の幅が調節できるように、板状物の間隙を変更するため
に板状物の一端もしくは両端の支持部に板状物を回転も
しくは移動できる装置を取りつげるのが望まれる。

本発明の装置は熱可塑性高分子物質を溶融紡糸して得ら
れる多数本のすだれ状のフィラメント群を高速気流牽引
装置で牽引して移動する捕集面上に堆積させて不織布ウ
エブを製造する際に用いて、すだれ状のフィラメント群
を少なくともその２倍以上に拡散させることができる。

この拡散の程度は本発明の装置の構造にも依存するが、
さらに高速気流牽引装置の構造、牽引装置より吐出され
る高速気流の速度、本発明の装置と捕集面との間の距離
にも影響を受ける。

したがって拡散の程度の限界はこれらの因子によって決
まるが、本発明者らの知見では元のすだれ状のフィラメ
ント群の幅の５〜６倍に拡散させても均一に分布された
ウエプを製造することが可能であった。

さらに本発明の装置を使用することにより、得られるウ
エブの中のフィラメントの密度を小さくすることができ
、したがって薄物の幅の広い均斉なウエブな製造するこ
とが従来の方法より容易である。

また本発明の装置を使用することにより、高速気流牽引
装置より排出された高速気流が捕集面に到達するときの
力を弱めることが可能である。

これは一部の高速気流が本発明の装置でさえぎられるこ
とにもよるし、また捕集面に到達する大部分の気流が捕
集面に対して直角でなくなることにも起因する。

したがって本発明の装置を用いない場合に比較して捕集
面上のウエブが捕集而に衝突する気流によって乱される
ことが少なくなり、それだけ均斉度の高いウエブを得る
ことが可能となった。

以上詳細に述べた如く、本発明の装置は不織布ウエブを
製造するのに優れた効果を示すので、本発明は極めて実
用性の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置を用いてスパン・ボンド法により
不織布ウエブを製造する態様を示す斜視図であり、第２
図は第１図のＡ−Ａ線に沿う切断縦断面図であり、第３
図は本発明の装置の要部を示す切断縦断面図である。 第４図は高速気流牽弓装置から排出される気流の領域を
示す説明図、第５図、第６図は正面方向より見た高速気
流牽引装置から排出される気流の作用を示す説明図であ
る。 また第７図、第８図は本発明の装置の他の具体例を示す
縦断面図であり、第９図、第１０図、第１１図は本発明
の装置の他の具体例を示す水平断面図である。 １・・・・・・紡糸ノズル、２・−・・・・高速気流牽
引装置、３・・・・・・フィラメント群拡散装置、４・
・・・・・捕集面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 高速気流と共に排出されるすだれ状のフィラメント
   群が通過する際上記フィラメント群がその幅方向に拡散
   するようにしたフィラメント群拡散装置において、該拡
   散装置はフィラメント群が通過するための間隔を隔てて
   ほぼ平行に対じする２個の板状物からなり、該間隔はフ
   ィラメント群の通過する方向に狭くなっていることを特
   徴とするフィラメント群拡散装置。