JPS5847165B2 - 香料を含浸させた装飾品の製造方法

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【発明の詳細な説明】本発明は焼結合金、セラミック等の多孔性材料を基体と
し、その表面の一部を合成樹脂、ホウロウなどの被覆材
により装飾した腕輪、ペンダント等の装飾品素材に香料
を含浸させ芳香性を付与した装飾品の製造方法に関する
。

従来この種装飾品に香料液を含浸させる方法としては香
料を貯めた含浸槽内に装飾品を浸漬し、長時間放置して
香料液を含浸させる方法等が知られているが、含浸に時
間がかかり且つ含浸効果も低いという欠点があった。

これを改善する方法としては香料を高温に加熱し常圧下
で沸騰させて含浸を促進させるといった方法も考えられ
るが、熱を加えるために香料の揮発成分の逸散が甚しく
、また香料が変質するおそれもある。

さらに装飾品表面に合成樹脂等の被覆材を有する時は前
記高温のため被覆材に変質、剥離等を引き起す可能性も
あって装飾品素材への香料の含浸法としては適当でない
。

本発明は上記従来例の諸欠点を是正することを目的とす
る。

以下香料を含浸させた腕輪の製造方法を例にとって本発
明を具体的に説明する。

本実施例の腕輪素材１は、無数の気孔を有する焼結金属
（多孔性材料）をリング状に形成し、且つ外周面に凹溝
２を形成して基体３を構威し、且つ前記凹溝２に合成樹
脂、ホウロウなどの被覆材４をコーティングして成る（
第１図）。

この被覆材４には所望の色彩を施しており、腕輪素材１
の美観を高めている。

第２図に示す５はポリエチレングリコールを添加した濃
縮香料液などの香料含有液６を貯留する含浸槽である。

この含浸槽５には槽内の空気を排出し、真空状態とする
ための高性能真空ポンプ７を接続している。

かくして本発明方法の実施に際しては香料含有液６を貯
めた含浸槽５へ多数個の腕輪素材１，１・・・・・を液
面より露出しないように浸漬し、然る後に含浸槽５内の
空気を排出する。

含浸槽５内の気圧の低下に伴って腕輪素材１の気孔内の
気体は排出されて香料含有液６に置換される。

また香料含有液６は常温下であっても沸騰して液を自然
攪拌するので、気孔内における空気と香料含有液６との
置換は一層促進される。

こうして１時間乃至２時間程度の比較的短時間真空ポン
プを作動させると腕輪素材１の気孔のすべてに香料含有
液６を確実に含浸せしめることができる。

次に含浸槽５内の気圧を大気圧に復元した後含浸槽の蓋
８を開けて完成品を取り出すことにより全工程を終了す
る。

前記香料含有液６としては一般の濃縮香料液（合成香料
、動物性香料、植物性香料を含む）にポリエチレングリ
コールを添加したものを用いる。

濃縮香料液にポリエチレングリコールを添加した香料含
有液６は、５０’Ｃ前後において液状となり、常温にお
いてワックス状に固化するものであるので、前記含浸作
業時に５０℃前後に含浸槽５を加熱する必要がある。

しかしこの程度の加温では、香料含有液６は勿論、被覆
材４においても変質等力心配はない。

前記含浸作業終了後は自然冷却により、香料含有液６は
腕輪素材１の気孔内でワックス状に固化する。

従って前記固化によって芳香族分の発散は十分に抑制さ
れるので長期に亘って芳香を放つ腕輪を得ることができ
る。

なお本発明は上記実施例の如くの製造に応用できる外、
ペンダント、ブローチ等の装飾品に応用できる。

本発明は上記横取を有するので、以下の効果を奏するこ
とができる。

■ 通常気孔部の深層まで含浸させることが困難なポリ
エチレングリコールを添加した香料含有液を、本発明に
よれば装飾品素材の気孔部深層にまで、短時間で含浸さ
せることができる。

しかも前記気孔部に含浸させた香料含有液は、前記ポリ
エチレングリコールによってワックス状に固化するので
、得られた製品は香気が逸散しに＜＜、長期にわたって
強すぎない適度な香気が発散される。

■ 含浸は常温下（又は５０℃程度の加温下）にて行う
ので香料含有液及び合成樹脂等の被覆材の変質がなく又
香料含有液の逸散も避けられる。

■ 含浸のための設備は比較的簡便であり、装置の操作
も容易である。

しかも多数個の製品を同時に含浸せしめることができ、
■の効果と相俟って製造コストを引き下げる事ができる
。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は腕輪素材の斜視
図、第２図は本発明方法を実施するための装置の１例を
示す概略図である。１・・・・・・素材、３・・・・・・基体、４・・・・
・・被覆材、５・・・０１、含浸槽、６・・・・・・香
料含有液。

【特許請求の範囲】