JPS5846619B2 - 耐火建材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は軽量にして耐火、耐熱性のある耐火断熱建材に
関する。

最近、プラスチックフオームを芯材とする建築材料、例
えば天井材、間仕切板などの内装材、あるいは瓦、パネ
ル等の下地材が汎用されつつある。

しかしながら、この場合、防火地域、準防火地域等にお
いては、上記フオームの優れた諸物性を利用することが
できず、その改善が急務となっていた。

すなわち、前記フオームは可燃であるが、加工性、施工
性、接着性に富むため、その難燃化が望まれていた。

その一例として、樹脂を主体にし、それに無機粒状物を
混合した建材が市販されつつある。

しかしながら、この場合は、樹脂が主体であり、かつ、
樹脂自体が易燃であるため、所望の防火性を有する建材
とはなり得なかった。

また、パーライト粒を水ガラスで結合し、その両面にア
ルミ箔等を設けた所謂、耐火、耐熱性を有するボードも
存在する。

しかしながら、このボードの場合は、水ガラスがアルカ
リ性であり、潮解性、結露水、または冬の暖房による熱
等のため溶融し、結合力に信頼性を欠く不利があると共
に、その溶融物がアルミ箔を腐食する等の欠点があった
。

そのため、このボード等は内装材として使用しにくい不
利があった。

さらに、上記のような粒状物を合成樹脂、例えばポリウ
レタン樹脂でバインドしたボードも存在するが、この場
合は合成樹脂が燃焼すると形状がなくなり、単に粒状物
がバラバラ状態で一部分に積層された状態となり、高熱
下における断熱性などは全ぐ無いという欠点があった。

本発明はこのような欠点を除去するため、鋭意研究した
もので、その目的は比重を０．１〜０．５位にし、しか
も不燃性であると共に、高熱下および普通状態でも断熱
性に富む耐火断熱建材を提供することである。

以下に図面を用いて本発明に係る耐火断熱建材の一実施
例について詳細に説明する。

第１図は上記建材を示す縦断面図であり、１は耐火断熱
建材で無機質微小中空粒２を細密充填したように分布す
ると共に、この中空粒２間に形成される空隙に発泡した
合成樹脂製の接着剤３を充填し、一体化したものである
。

さらに説明すると、無機質微小中空粒２としては、パー
ライト粒、シラスバルーン、カラスバルーン、マイクロ
バルーンの１種からなり、その大きさは直径が約０．５
〜５ｍｍφ位で、主に骨材、不燃性の断熱材として役立
つものである。

また、接着剤３は第２図に一部抽出、拡大して示すよう
に燃焼後に炭素骨格を形成する合成樹脂で発泡組織の主
材４とこれに補強用のガラス繊維５とリン６とを添加混
合したものである。

上記主材４はポリイソシアヌレートフオーム、フェノー
ルフオームなどであり、断熱材、接着剤、および燃焼後
に炭素骨格を形威し、耐火、断熱建材１燃焼後の保形性
を維持するものである。

また、ガラス繊維５は接着剤３の補強材として機能し、
リン６は液状、あるいは固形状であり、主にポリマーの
炭化促進と炭素骨格表面に保護膜を形成するのに役立つ
ものである。

なお、主材４に対するガラス繊維５とリン６の添加量は
適量である。

次に実施例につき説明する。

実施例 １ 無機質微小中空粒 パーライト粒（平均粒径２關φ）１００重量部接着剤 ポリイソシアヌレートフオーム原料１００重量部ガラス
繊維（長さ５ｍｍ） ５重量部リン（臭
化リン） ３重量部そこで、フオー
ム原料に対し、パーライト粒とガラス繊維、およびリン
を添加し、混合して下型に吐出し、その上に上型を載せ
て厚さ１５朋の耐火断熱建材を形成した。

実施例 ２ 無機質微小中空粒シラスバルーン １０ｇ量部（平均
粒径１ｍ７１Ｌφ） 接着剤 フェノールフオーム用原料 １００重量部ガラ
ス繊維（長さ３關） ５重量部リン（ジブ
ロモプロピルホスフェ−）’ ） ２ Ｍ Ａｒ部そこ
で、フェノールフオーム用原料にリンとガラス繊維を混
合し、これにシラスバルーンヲ添加して下型に吐出し、
その後で上型を載せ、厚さ１５ｇの耐火断熱建材を形成
した。

比較例 無機質微小中空粒 １００重量部（パ
ーライト粒２ｍｍφ） 接着剤 ポリウレタンフォーム用原料１００重量部上記
両物質を下型に混合した後に吐出し、その後で上型を載
せて厚さ１５７ｎｍのボードを形成した。

そこで、この種、耐火断熱建材の諸物性を表にすると次
のようになる。

なお、断熱性は９０００Ｇの火炎に上記建材の表面を直
交するように曝したときの１０分後の裏面の温度であり
、保形性は加熱後の形状を目視により評価し、重量損失
は樹脂の重さで比較した。

■はポリウレタンフォームが燃焼したため、＠はパーラ
イト粒が外形なくくずれ落ちた状態である。

以上、説明したのは本発明に係る耐火断熱建材の一実施
例にすぎず、第３図ａ、ｂに示すように上記建材の片面
、あるいは両面に不燃基材７を設けることもできる。

上記不燃基材１としては、アスベスト紙、金属箔、ガラ
ス繊維シート、アスファルトフェルト、タールフェルト
、難燃処理を施した紙、布、段ボール等の１種からなる
ものである。

上述したように、本発明に係る耐火断熱建材によれば、
不燃性で、かつ、軽い無機質微小中空粒を高熱下で炭化
する接着剤とその炭素骨格を保護するリン、および接着
剤自体を補強するガラス繊維の添加により、普通状態で
の使用だけでなく、高熱下でも保形性があり、その上断
熱性にすぐれた特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る耐火断熱建材の一実施例を示す縦
断面図、第２図は第１図に示す耐火断熱建材の一部分を
抽出、拡大して示す説明図、第３図ａ、ｂはその他の実
施例を示す説明図である。 １・・・・・・耐火断熱建材、２・・・・・・無機質微
小中空粒、３・・・・・・接着剤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 無機質微小中空粒を燃焼後に炭素骨格を形成する発
   泡した合成樹脂製の接着剤で結合すると共に、上記発泡
   した接着剤中にガラス繊維とリンを分散したことを特徴
   とする耐火断熱建材。