JPS5845993Y2 - 可動セルガイド構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンテナ船等の船艙内に適用される可動セルガ
イド構造に関する。

コンテナ船で運搬されるコンテナはその殆んどが規格化
されており、通常２０フイート、４０フイートの長さを
有するコンテナが汎用されている。

従って、従来のごと〈コンテナを支持するセルガイドが
各種のコンテナ用に船体に固定されたセルガイドを有す
るコンテナ船では、他の種類のコンテナを積荷できない
場合もあり、船の稼動率が著しく低下する。

そして、かかる欠点を解決すべく、コンテナの種類に応
じてセルガイドを稼動可能なコンテナ船が出現した。

しかしながら、上記セルガイドの稼動は船舶の効率的な
運航の点より、より迅速にできることが望ましく、また
セルガイドを有するブロックはコンテナを十分支持し得
る範囲で安価であることが望ましいことは言うまでもな
い。

そこで、本考案は従来の可動セルガイド構造に比べ、よ
り容易かつ迅速にセルガイドを可動させることができ、
一方においてより経済的な可動セルガイド構造を提供せ
んとするものである。

以下本考案を図示した一実施例に沿って詳細に説明する
。

図に於いて１は船艙内部に設けたコンテナ船、２はその
縦隔壁、３は横隔壁でコンテナＡはコンテナ船１の上部
開口４から吊持して出入させられる。

然して図示例のコンテナ船１の大きさはその上から見て
縦方向に４０フイートコンテナが充分収容可能な長さを
持ち横方向には各舷に３列が並ぶ大きさにしてあり、更
にこのコンテナ船１にはこれを横に仕切る２個の位置移
動可能なブロック５゜６が納めである。

そしてこの一つのブロック５には両面にコンテナＡの端
を支持すべくスケルトンバルクヘッド状に組まれたセル
ガイド７が固装され、もう一つのブロック６にはその片
面に同様のセルガイド７が固装しである。

８はブロック５゜６の両端面に設けたキー、９はこのキ
ー８が落込み嵌合する縦隔壁２に設けたキー溝でこれは
縦隔壁２の中央部位と両横隔壁３に寄った位置に設けら
れる。

然して第２図ａに示す如く前記ブロック５を中央部位キ
ー溝９に嵌合させ、もう一つのブロック６を図中右方の
横隔壁３に寄せた位置のキ一溝９に嵌合支持させた状態
では丁度左方横隔壁３に直接固装した固定セルガイド１
０とこれに対向するブロック５の片方のセルガイド７に
より、又ブロック５のもう片方のセルガイド７とこれに
対向するブロック６のセルガイド７によって２０フイー
トコンテナが夫々支持せられ、第２図すに示す如くフロ
ック５を図中左方の横隔壁３寄り位置のキー溝９に支持
され、ブロック６は右方横隔壁３にくっ付けた状態では
丁度、両ブロック５゜６の対向するセルガイドγによっ
て４０フイートコンテナが支持される様に縦隔壁２に対
するキー溝９の各位置は設定されている。

次に１１，１２はキー８及びキー溝９に形成した中間欠
除部でこれによってキー８及びキー溝９は不連続とされ
、ブロック５，６が常態、即ち最降下してその下端が艙
底に着座した状態ではキー８とキー溝９が嵌合し、ブロ
ック５，６を適当な高さに吊り上げた時、キー８及びキ
ー溝９は相互に欠除部１１゜１２より横に抜出できて嵌
合解除する様にしている。

１３，１４は欠除部１１．１２によって不連続とされた
各キー片下端及びキー溝片上端に設けた傾斜状をなすエ
ントリーガイドでこれはキー８とキー溝９との嵌合を容
易にするためのものであってキー片下端のエントリーガ
イド１３は各キー片自体をＶ字状に形成してなり、キー
溝片上端のエントリーガイド１４ではキー溝片端に連続
して上向きに拡開状にガイド板１５等を取着してなる。

尚、このエントリーガイド１３．１４は必ずしも各キー
片及び各キー溝片の両方に設ける必要はなく片方だけで
も充分用を足す。

又、ブロック５，６の吊り上げ移動に当っては本船のカ
ーゴギヤー、又はショアークレーン等ヲ使用するがその
他適当な手段を採用してもよい。

本案の可動セルガイド構造は上記の如く構成したもので
あり、船艙内を位置移動可能なブロックによって適宜に
仕切ることにより船艙内ば２０フイートコンテナ及び４
０フイートコンテナの積取が出来る大きさに自由に変更
できるのである。

従って本案によれば船艙内を仕切るブロックを船壁に支
持させるには中度欠除部を形成して不連続とするキー及
びキー溝の落込み嵌合によるからブロックの位置移動に
当ってブロックを高く吊り上げる必要はなくキー及びキ
ー溝を相互の中間欠除部に対応させる高さを吊り上げる
だけで嵌合解除が出来て作業が造船所の手によらず簡単
、且つ迅速に行われ、またブロックを新な位置にしてキ
ーとキー溝を再嵌合させるにはブロックの吊り下しによ
りＶ字状、拡開状のエントリーガイドが巧みに嵌合を案
内して適確な再嵌合を計り得て何等の煩わしさもないも
のであり、コンテナ船の稼動率を高める上から本案は多
大の効果を奏する有益な考案である。

さらに、本案は前述の如くキーとキー溝によりブロック
の前後方向及び幅方向の動きを遊嵌的に規制する簡素な
構造であるため、製作等に費用を要せず経済的にも従来
のものに比べ優れた効果を奏する有益な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は船体の概略縦断正面図、第２図は船艙の説明用
平面図、第３図はキーとキー溝の嵌合説明図である。 １・・・船艙、２・・・縦隔壁、３・・・横隔壁、４・
・・開口、５．６・・・ブロック、７・・・セルガイド
、８・・・キー、９・・・キー溝、１０・・・セルガイ
ド、１１，１２・・・欠除部、１３．１４・・・エント
リーガイド、１５・・・ガイド版。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船艙内を仕切る位置移動可能なフロック面にセルガイド
   を固装し、該ブロックの両端面と、これに対応する艙壁
   面に落込み嵌合によりブロックを所定位置に支持するキ
   ー及びキー溝を設け、該キー及びキー溝は夫々中間欠除
   部を形成して不連結とし、該キーの下端は■字形状のエ
   ントリーガイドとし一方形キー溝の上端には拡開状のエ
   ントリーガイドをこのキー溝と一体的に設け、ブロック
   を吊上げた状態でキー及びキー溝はその中間欠除部を介
   して嵌合解除出来る様にしたことを特徴とする可動セル
   ガイド構造。